| 【発明の名称】 |
内燃機関の排気管用フレキシブルチューブ |
| 【発明者】 |
【氏名】臼井 正佳
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| 【要約】 |
【課題】内外面の温度差に起因する熱応力を低減、緩和することによって疲労破壊を防止し耐久性に富む排気管用フレキシブルチューブの提供。
【解決手段】排気マニホールドと排気管とを接続するフレキシブルチューブにおいて、オーステナイト系ステンレス鋼製のチューブの外周面に高熱伝導率の金属被覆層を形成する。この金属被覆層は銅または銅基合金で構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 排気マニホールドと排気管とを接続するフレキシブルチューブであって、オーステナイト系ステンレス鋼製のチューブの外周面に高熱伝導率の金属被覆層が形成されていることを特徴とする内燃機関の排気管用フレキシブルチューブ。 【請求項2】 前記金属被覆層が銅または銅基合金であることを特徴とする請求項1記載のエンジン排気管用フレキシブルチューブ。 【請求項3】 前記金属被覆層がめっきまたはクラッドにより形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関の排気管用フレキシブルチューブ。 【請求項4】 前記金属被覆層がCVD法、PVD法のいずれかの方法またはその組合わせにより形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関の排気管用フレキシブルチューブ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は自動車、建設・土木機械、船舶、航空機、発電設備などに使用される内燃機関(エンジン)の排気マニホールドと排気管との接続に使用されるフレキシブルチューブに関するものである。 【0002】 【従来の技術】エンジンの排気マニホールドと排気管との接続に使用されている従来のフレキシブルチューブは、図3に示すごとく山部11−1と谷部11−2が連続して形成された蛇腹状のチューブ11で構成されており、その材質は耐腐食性および耐熱性に富み、かつ疲労強度の優れたオーステナイト系スンレス鋼製であって、外周面には被覆層はなく、ステンレス鋼表面が外部に露出した状態で使用されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかるに従来のオーステナイト系スンレス鋼製の単一管からなるフレキシブルチューブ11の場合、オーステナイト系スンレス鋼は周知の通り熱伝導性が低いため、チューブ11内を排気ガスが流れると谷部11−2は必然的に加熱されて高温となるが、山部11−1の頂部は外側の空気流によって冷却されるため、山部11−1の頂部11−1Tと谷部11−2との間に温度差が生ずる。この温度差によって熱応力が発生し、元々のオフセット配管や曲げ加工による残留応力、振動や両端の相対運動による応力が加わってチューブに疲労破壊を生ずるという問題があった。 【0004】本発明は従来の前記問題を解決するためになされたもので、オーステナイト系スンレス鋼製チューブの熱伝導性を良くすることによって山部と谷部間の温度差を少なくし、温度差に起因する熱応力を低減、緩和することによって疲労破壊を防止し耐久性に富む排気管用フレキシブルチューブを提供しようとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明に係る内燃機関の排気管用フレキシブルチューブは、排気マニホールドと排気管とを接続するフレキシブルチューブであって、オーステナイト系ステンレス鋼製のチューブの外周面に高熱伝導率の金属被覆層が形成されていることを特徴とする。また前記金属被覆層は銅または銅基合金で構成するのが好適である。さらにこの金属被覆層の形成手段としては、めっきまたはクラッドにより形成する方法、またはCVD法(化学蒸着法)やPVD法(物理蒸着法)により形成することができる。なおCVD法やPVD法は単独または組合わせて用いることができる。 【0006】本発明において、オーステナイト系ステンレス鋼製のチューブの外周面に高熱伝導率の金属被覆層を形成することとしたのは、オーステナイト系ステンレス鋼の熱伝導性の低さを補うためであり、その熱伝導性の低さを補うために熱伝導性の高い銅または銅基合金を用いることとしたのである。この高熱伝導率の金属被覆層は、一層または多層のいずれでもよい。この高熱伝導率の金属被覆層をクラッドにより形成する方法としては、例えば爆着クラッド鋼を用いる方法がある。この方法は合せ材(銅)を母材(オーステナイト系ステンレス鋼)に爆薬の爆発圧力で衝撃接合させて製造する方法である。この方法にて製造されたクラッド材を例えば三層に積層したシートを用いると、三層の母材鋼と金属被覆層を有するフレキシブルチューブを製造することができる。なお金属被覆層をめっきまたはクラッドにより形成する場合や、CVD法(化学蒸着法)やPVD法(物理蒸着法)により形成する場合は、鋼板もしくはチューブの状態、素管またはフレキシブルチューブに成形した状態のいずれで行ってもよい。 【0007】本発明のフレキシブルチューブの場合は、外表面が高熱伝導率の金属被覆層で被覆されているので、チューブ内を流れる排気ガスにより加熱された谷部の熱が外面の被覆層に伝播し管壁を伝って山部の頂部に達し、谷部の温度を低下させるとともに、山部頂部の温度を上昇させることにより、山部頂部と谷部との温度差を小さくする。これにより山部頂部と谷部との温度差に起因する熱応力が低減、緩和され、チューブ自体の耐久性が向上することとなる。 【0008】 【発明の実施の形態】図1は本発明に係る排気管用フレキシブルチューブの一実施例を示す部分断面図、図2は同じく本発明の他の実施例を示す部分断面図であり、1は金属被覆層が1層のフレキシブルチューブ、2は金属被覆層が3層のフレキシブルチューブ、1−1、2−1はオーステナイト系ステンレス鋼製チューブ(母材)、1−2、2−2は金属被覆層、1−3、2−3は山部、1−4、2−4は谷部、2−5はクラッド材、1−3T、2−3Tは頂部をそれぞれ示す。 【0009】すなわち、図1に示す排気管用フレキシブルチューブ1は、オーステナイト系ステンレス鋼製チューブ1−1の外表面に1層の金属被覆層1−2を形成したものであり、母材であるオーステナイト系ステンレス鋼製チューブ1−1には例えばSUS304、SUS304L、SUS316、SUS316L、SUS321などを使用し、金属被覆層1−2としてはCuめっき層、Cu/Snめっき層、Cu/Znめっき層などのCu基合金めっき層などがある。これらの金属被覆層は母材鋼の材質と組合わせて用いる。 【0010】このフレキシブルチューブ1の製造方法としては、オーステナイト系ステンレス鋼製チューブ1−1に金属被覆層1−2を形成した後、フレキシブルに成形する方法、またはオーステナイト系ステンレス鋼製チューブ1−1を先にフレキシブルに成形した後、当該フレキシブルチューブに金属被覆層1−2を形成する方法のいずれでもよい。 【0011】上記の金属被覆層が1層のフレキシブルチューブ1において、当該チューブ内を高温の排気ガスが流れた場合必然的に谷部1−4が加熱され、その谷部1−4の熱は外面の金属被覆層1−2に伝播することによって谷部1−4の温度を低下させるとともに、管壁を伝って山部1−3の頂部1−3Tに達し該頂部の温度を上昇させる。その結果、山部頂部1−3Tと谷部1−4との温度差が小さくなり、この温度差に起因する熱応力が低減、緩和され、チューブ自体の耐久性が向上する。 【0012】また、図2に示す排気管用フレキシブルチューブ2は、爆着クラッド鋼を用いた例であり、ここに示したフレキシブルチューブ2は金属被覆層2−2をオーステナイト系ステンレス鋼製チューブ2−1に衝撃接合させたクラッド材2−5を3枚製作し、このクラッド材2−5を重ね合わせて構成したもので、その製造方法としては3枚のクラッド材2−5を重ね合わせたもの、あるいは三重に巻回して構成したものを素管として成形した後、フレキシブルに成形する方法を用いることができる。 【0013】本実施例においても、母材であるオーステナイト系ステンレス鋼製チューブ2−1にはSUS304、SUS304L、、SUS316、SUS316L、SUS321などを使用し、金属被覆層2−2としてはCuめっき層、Cu/Snめっき層、Cu/Znめっき層などのCu基合金めっき層などを母材鋼の材質と組合わせて用いる。 【0014】上記の金属被覆層が3層のフレキシブルチューブ2において、当該チューブ内を高温の排気ガスが流れた場合の谷部2−4の熱は、前記と同様に外面の金属被覆層2−2に伝播することによって谷部2−4の温度を低下させるとともに、管壁を伝って山部2−3の頂部2−3Tに達し該頂部の温度を上昇させる結果、山部頂部2−3Tと谷部2−4との温度差が小さくなり、この温度差に起因する熱応力が低減、緩和され、チューブ自体の耐久性が向上する。 【0015】なお母材であるオーステナイト系ステンレス鋼製チューブ単体の外表面に金属被覆層を形成する方法として、ここではめっきによる方法と、クラッドによる方法を適用した場合について説明したが、CVD法、PVD法を適用することができることは前記した通りである。CVD法は周知の通り、化学反応により金属および化合物被膜の析出を行うもので、この化学反応としては基板反応法、熱分解法、水素還元法、反応蒸着法、気相化学輸送法などがある。いずれも700〜1000℃以上の高温で一般に行われる。PVD法は真空漕内部に目的成分を原子状あるいは分子状の形で飛散させて処理し、これを基板上に析出させて被膜を形成させる方法で、大きく分けて真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などがある。 【0016】 【発明の効果】以上説明したごとく、本発明に係る内燃機関の排気管用フレキシブルチューブは、外表面が高熱伝導率の金属被覆層で被覆されているので、チューブ内を流れる排気ガスにより加熱された谷部の熱が外面の金属被覆層に伝播し管壁を伝って山部の頂部に達し、谷部の温度を低下させるとともに、山部頂部の温度を上昇させることにより、山部頂部と谷部との温度差を小さくすることができるので、山部頂部と谷部との温度差に起因する熱応力が低減、緩和され、疲労破壊が防止される結果優れた耐久性が得られるという大なる効果を奏する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000120249 【氏名又は名称】臼井国際産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年10月5日(1999.10.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100046719 【弁理士】 【氏名又は名称】押田 良輝
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| 【公開番号】 |
特開2001−108156(P2001−108156A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月20日(2001.4.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−284030 |
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