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【発明の名称】 円筒管の連結構造及び方法
【発明者】 【氏名】佐藤 毅

【要約】 【課題】円筒管の連結構造及び方法において、連結作業性の向上を図ると共に安全性の向上を図る。

【解決手段】円筒管21,22,23の外周面形状に対応する接続面31aを有する一対の連結台座26a,26b・・の略平坦な取付面30に、連結プレイす24,25の各端部を固着することで組付ブロック41,42を形成し、この組付ブロック41,42における各連結台座26a,26b・・の接続面31aにそれぞれ円筒管21,22,23の外周面を固着することで、複数の円筒管21,22,23を略平行に連結する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 略平行をなす複数の円筒管を棒状の連結部材を用いて連結する円筒管の連結構造において、前記各円筒管の外周面に略平坦な取付面を有する連結台座がそれぞれ固着され、前記連結部材の各端部が前記各連結台座の取付面にそれぞれ固着されたことを特徴とする円筒管の連結構造。
【請求項2】 請求項1記載の円筒管の連結構造において、前記複数の円筒管を連結する前記連結部材は、複数トラス状に配設されたことを特徴とする円筒管の連結構造。
【請求項3】 請求項1記載の円筒管の連結構造において、前記円筒管は、内部に流体が流動する送給管であることを特徴とする円筒管の連結構造。
【請求項4】 円筒管の外周面形状に対応する接続面を有する一対の連結台座の略平坦な取付面に、棒状の連結部材の各端部を固着することで組付ブロックを形成し、該組付ブロックにおける前記各連結台座の接続面にそれぞれ前記円筒管の外周面を固着することで、複数の円筒管を略平行に連結することを特徴とする円筒管の連結方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、略平行をなす複数の円筒管を棒状の連結部材を用いて互いに連結する円筒管の連結構造及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、液化天然ガス(以下、LNGと称する。)を輸送する場合、輸送船に複数の分割タンクを形成し、この各タンク内に加圧されたLNGを貯蔵した状態で行う。この場合、輸送船には、港でLNGを送給あるいは排出するための設備が設けられている。この設備の一部として、LNGのための2本の排出管と緊急用ポンプコラムが一体に連結された管組付ブロック体が使用される。
【0003】図9に従来の管組付ブロック体の概略を示す。従来の管組付ブロック体において、図9に示すように、LNGの排出管101,102と緊急用ポンプコラム103は略平行で三角形状をなすように配設され、この排出管101,102と緊急用ポンプコラム103とが複数のブレイス管104,105によって一体に連結されている。この場合、各管101,102,103同志は、所定間隔ごとに管101,102,103に直交する3本のブレイス管104が溶接されると共に、斜めにトラス状をなすブレイス管105が溶接されることで連結されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような従来の管組付ブロック体を製造する場合、各管101,102,103の外周面にブレイス管104,105の端部を直接溶接するため、溶接時に各管101,102,103を所定位置に支持しなければならず、作業が面倒なものになる。また、各管101,102,103の外周面に密着するブレイス管104,105の端部は曲面形状となり、その加工も面倒なものとなり、作業性がよくないという問題がある。
【0005】更に、各管101,102,103の外周面にブレイス管104,105の端部が直接溶接されているため、管組付ブロック体の使用時には、この管101,102,103とブレイス管104,105の端部との連結部に応力が集中し、亀裂等が発生する虞がある。そのため、各管101,102,103に沿わせて別の排出管等を付設しており、管組付ブロック体の大型化、大重量化、高コスト化を招いてしまう。
【0006】本発明はこのような問題を解決するものであって、連結作業性の向上を図ると共に安全性の向上を図った円筒管の連結構造及び方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するための請求項1の発明の円筒管の連結構造は、略平行をなす複数の円筒管を棒状の連結部材を用いて連結する円筒管の連結構造において、前記各円筒管の外周面に略平坦な取付面を有する連結台座がそれぞれ固着され、前記連結部材の各端部が前記各連結台座の取付面にそれぞれ固着されたことを特徴とするものである。
【0008】また、請求項2の発明の円筒管の連結構造では、前記複数の円筒管を連結する前記連結部材は、複数トラス状に配設されたことを特徴としている。
【0009】また、請求項3の発明の円筒管の連結構造では、前記円筒管は、内部に流体が流動する排出管であることを特徴としている。
【0010】更に、請求項4の発明の円筒管の連結方法は、円筒管の外周面形状に対応する接続面を有する一対の連結台座の略平坦な取付面に、棒状の連結部材の各端部を固着することで組付ブロックを形成し、該組付ブロックにおける前記各連結台座の接続面にそれぞれ前記円筒管の外周面を固着することで、複数の円筒管を略平行に連結することを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0012】図1に本発明の一実施形態に係る円筒管の連結構造を表す管組付ブロック体の概略、図2に連結台座の斜視、図3に連結台座の概略、図4に輸送船の平面視、図5に図4のV−V断面、図6乃至図8に本実施形態の円筒管の連結方法を表す概略を示す。
【0013】以下に説明する実施形態では、本発明の円筒管の連結構造を、輸送船の貯蔵タンクに対して、加圧されたLNGを送給排出するための管組付ブロック体に適用している。
【0014】即ち、図4及び図5に示すように、輸送船11には複数に分割された貯蔵タンク12が形成されており、各タンク12の内壁には断熱材13が取付けられ、内部にLNGが貯蔵されている。このタンク12内には上部から前述した管組付ブロック体14が挿着されており、各管組付ブロック体14の上部は連結管15を連結され、更に排出管本体16,17と緊急用ポンプコラム本体18を介して図示しない陸上の貯蔵タンクに連結されている。この管組付ブロック体14は、LNGの排出管21と排出管22と緊急用ポンプコラム23が連結されて構成されている。
【0015】即ち、図1に示すように、管組付ブロック体14は、LNGの排出管21,22と緊急用ポンプコラム23が略平行な状態で所定間隔で三角形状をなすように配設され、この排出管21,22と緊急用ポンプコラム23とが複数のブレイス管24,25によって一体に連結されている。この場合、各管21,22,23同志は、その長手方向にて所定間隔ごとに管21,22,23に直交する3本のブレイス管24が溶接されると共に、斜めにトラス状をなすブレイス管25が溶接されることで連結されている。そして、本実施形態では、各管21,22,23にブレイス管24,25の端部を溶接する際、連結台座26a,26b,26c・・・を用いて溶接している。
【0016】この連結台座26a,26b,26c・・・は取付位置、つまり、取付けられるブレイス管24,25の本数や位置に応じてその形状が異なっている。例えば、排出管21の取付けられる連結台座26eにおいて、取付基板27は、軽量化のための長孔28が形成された中央の基準面29に対してその両側が所定角度折曲して平坦な取付面30が形成されて構成されている。この取付基板27の上面部に前後の取付板31が固定され、且つ、補助板32により補強されており、この各取付板31の上縁部31aは排出管21の外周面形状とほぼ同形状となっている。そして、取付基板27の左右の取付面30は、それぞれ3本のブレイス管24,25の端部を溶接できる面積となっている。
【0017】また、他の連結台座26a,26b,26c・・もほぼ同様の形状であって、前述したように、取付けられるブレイス管24,25の本数や位置に応じて取付基板27における取付面30の形状が異なっている。つまり、連結台座26aは取付けられるブレイス管24,25の本数が4本であって取付基板の形状はほぼ四角である。また、連結台座26bはブレイス管24,25の本数が3本であって取付基板の形状はほぼL字である。更に、連結台座26cはブレイス管24の本数が2本であって取付基板の形状は矩形である。そして、連結台座26dはブレイス管24,25の本数が4本であって取付基板の形状はT字である。
【0018】なお、図1にて、35は管21,22,23に溶接された支持板、36はこの管組付ブロック体14を立設した使用時に用いる梯子、37は踊り場である。
【0019】このように本実施形態の円筒管の連結構造では、各ブレイス管24,25の端部を連結台座26a,26b,26c・・の平坦な各取付面30に溶接によって連結固定し、各連結台座26a,26b,26c・・の取付板31の上縁部31aを各管21,22,23の外周面に密着した状態で溶接によって連結固定している。従って、各連結台座26a,26b,26c・・の取付板31に連結されるブレイス管24,25の端部は直線状に切断した形状でよく、その加工が容易であって作業性が向上する。また、各管21,22,23の外周面にはブレイス管24,25の端部が直接溶接されていないため、ブレイス管24,25に作用した外部応力が管21,22,23の外周面に伝達されることはなく、亀裂等の発生が防止され、安全性が向上すると共に、管組付ブロック体11の大型化、大重量化、高コスト化を抑制できる。
【0020】なお、連結台座26a,26b,26c・・を管21,22,23に溶接する場合、各連結台座26a,26b,26c・・の取付板31の上縁部31aの形状、つまり、円弧を管21,22,23の外周面の円弧よりも小さくしておき、溶接時に作業者が取付板31の上縁部31aを管21,22,23の外周面の形状に合わせて切断、あるいは切削加工することで、各部材の製造誤差や組付誤差等を吸収することができる。
【0021】また、管21,22,23とブレイス管24,25と連結台座26a,26b,26c・・とを互いに連結する場合、少なくとも3本のブレイス管24と、対応する少なくとも3つの連結台座26a,26b,26c・・とを三角形状に溶接連結することで、予め一つのブロック体を形成しておき、その後、ブロック体の連結台座26a,26b,26c・・に各管21,22,23を溶接するととよい。従って、管21,22,23の連結時に、3本の管21,22,23を同時に所定位置に支持する必要はなく、溶接作業が簡素化される。
【0022】ところで、このようにブレイス管24,25及び連結台座26a,26b,26c・・によって予め組付ブロックを形成する場合、その形状は多種多様に考えられるものである。
【0023】例えば、図6に示すように、複数のブレイス管24,25及び連結台座26c,26d,26eによって組付ブロック41,42を多数形成しておき、この組付ブロック41,42を作業現場、例えば、港に搬送してそこで、2本のブレイス管25を溶接して両組付ブロック41,42を接続する。また、図7に示すように、複数のブレイス管24,25及び連結台座26c,26d,26eを同様に連結すると共に、連結専用のブレイス管43,44をそれぞれ溶接して組付ブロック45,46を多数形成しておき、この組付ブロック45,46を作業現場に搬送し、ブレイス管43の連結筒43aをスライドしてブレイス管44に嵌合した状態で溶接して両組付ブロック45,46を接続する。
【0024】このように組付ブロックの形状は多種多様に考えられるものであり、上記以外では、例えば、ブレイス管24,25及び連結台座26a,26b,26c・・により、管21,22,23の間に位置する平面形状の組付ブロックを3つ形成してもよい。
【0025】また、部材の製造誤差や組付誤差等を吸収するために、連結台座26a,26b,26c・・の取付板31の上縁部31aの円弧を管21,22,23の外周面の円弧よりも小さくして溶接時に管21,22,23の外周面の形状に合わせて切断、切削加工するようにしたが、例えば、図8に示すように、左右の連結台座51a,51bを別々に形成し、排出管21への溶接時に両者を連結板52及びボルト53によって連結してもよく、この場合、各連結台座51a,51bにおけるボルト貫通孔54を長孔とすることで調整代を設けることができる。
【0026】なお、上述の実施形態では、3本の管21,22,23をブレイス管24,25及び連結台座26a,26b,26c・・・等を用いて連結したが、管の方数は3本に限定されるものではない。また、ブレイス管24,25の溶接位置も上述の実施形態に限定されるものではなく、このブレイス管24,25は棒材であってもよい。
【0027】
【発明の効果】以上、実施形態において詳細に説明したように請求項1の発明の円筒管の連結構造によれば、略平行をなす複数の円筒管の外周面に略平坦な取付面を有する連結台座が固着され、棒状の連結部材の各端部が各連結台座の取付面にそれぞれ固着されたので、連結台座の取付面に連結される連結部材の端部は直線状に切断した形状でよく、その加工が容易となって作業性を向上することができ、また、円筒管の外周面には連結部材の端部が直接溶接されていないため、連結部材に作用した外部応力が円筒管の外周面に伝達されることはなく、亀裂等の発生が防止され、安全性を向上することができると共に、管組付体の大型化、大重量化、高コスト化を抑制することができる。
【0028】また、請求項2の発明の円筒管の連結構造によれば、複数の円筒管を連結する連結部材を複数トラス状に配設したので、円筒管の組付ブロック体の強度を向上することができる。
【0029】また、請求項3の発明の円筒管の連結構造によれば、円筒管を内部に流体が流動する送給管としたので、別途送給管を付設する必要がなくなって管組付体の大型化、大重量化、高コスト化を抑制することができる。
【0030】また、請求項4の発明の円筒管の連結方法によれば、円筒管の外周面形状に対応する接続面を有する一対の連結台座の略平坦な取付面に、棒状の連結部材の各端部を固着することで組付ブロックを形成し、組付ブロックにおける各連結台座の接続面にそれぞれ円筒管の外周面を固着することで、複数の円筒管を略平行に連結するようにしたので、連結台座の取付面に連結される連結部材の端部は直線状に切断した形状でよく、その加工が容易となって作業性を向上することができ、また、円筒管の外周面には連結部材の端部が直接溶接されていないため、連結部材に作用した外部応力が円筒管の外周面に伝達されることはなく、亀裂等の発生が防止され、安全性を向上することができると共に、管組付体の大型化、大重量化、高コスト化を抑制することができ、更に、予め組付ブロックを形成しておくため、組付工数が減少して製造効率を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成11年10月8日(1999.10.8)
【代理人】 【識別番号】100078499
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎 (外2名)
【公開番号】 特開2001−108155(P2001−108155A)
【公開日】 平成13年4月20日(2001.4.20)
【出願番号】 特願平11−287746