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【発明の名称】 断熱材及び断熱構造体
【発明者】 【氏名】上門 一登

【要約】 【課題】バインダー含有率が小さくても強度確保ができ、真空断熱材並の高性能の断熱性能を発揮できると共に、貫通しても性能劣化がない実用加工性に優れた断熱材と断熱構造体を提供する。

【解決手段】ウレタンエアロゲル粒体2にバインダー3として有機ポリイソシアネートを混合し固化させたもので、架橋密度の高いウレタン結合を有するウレタンエアロゲルを用いることで、剛性が高くなるため、補強材であるバインダー3を低減でき、結果としてウレタンエアロゲル粒体2の優れた断熱特性が支配的となり、高性能の断熱材1が得られる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 分子構造中に3次元の網目架橋構造を有する有機ゲル組成物からなるエアロゲル粒体を、有機材料からなるバインダーで反応固化させたことを特徴とする断熱材。
【請求項2】 分子構造中にウレタン結合を有する有機ゲル組成物を乾燥して得られるエアロゲル粒体に、バインダーとして有機ポリイソシアネートを混合し、反応固化させたことを特徴とする断熱材。
【請求項3】 有機ポリイソシアネートをエアロゲル粒体に対して2〜15%混合させてなる請求項2記載の断熱材。
【請求項4】 内板と外板との間に、分子構造中にウレタン結合を有する有機ゲル組成物を乾燥して得られるエアロゲル粒体にバインダーとして 有機ポリイソシアネートを混合し反応固化させた断熱材を配設し、前記両板間に硬質ウレタンフォームを一体発泡してなる断熱構造体。
【請求項5】 分子構造中にウレタン結合を有する有機ゲル組成物を乾燥して得られるエアロゲル粒体と硬質ウレタンフォーム原料を混合した後、内板と外板間に充填したことを特徴とする断熱構造体。
【請求項6】 内板と外板との間に、分子構造中にウレタン結合を有する有機ゲル組成物を乾燥して得られるエアロゲル粒体を不織布に封入して配設したことを特徴とする断熱構造体。
【請求項7】 釘、配管、配線などの貫通物を備えた請求項4から6のいずれか一項記載の断熱構造体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅や保温保冷機器等に用いる断熱材と、断熱材を配設してなる断熱構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギーの観点から断熱材の高性能化が極めて重要なテーマとなっている。特に住宅や保温保冷機器等では、断熱による熱エネルギーの効率的な利用が、省エネルギーにおいて大きな比率を占めており、構成する断熱材の断熱性能向上に対して様々な取り組みがなされている。
【0003】特に、大幅な省エネルギー効果を得るため、汎用断熱材として優れたレベルにある硬質ウレタンフォームの断熱性能に対して、倍以上の性能を得ようとする試みもなされている。具体的には、内部を減圧して気体熱伝導の影響を大幅に抑制した真空断熱材や、空気の平均自由工程以下の空隙間距離まで微細孔化し、常圧でも気体熱伝導率を大幅に低減したエアロゲル断熱材である。
【0004】例えば、真空断熱材については、特公平2−33917号公報に示されているように、微細無機粉末からなる芯材をフィルム状プラスチック容器で外被し、内部を1mmHgに減圧封止するもので、気体熱伝導の影響低減により、硬質ウレタンフォームの2倍程度の断熱性能に改善しようとするものである。
【0005】また、エアロゲル断熱材は、EP−A−340707号公報に示されるようにシリカエアロゲルを結合剤で包含し、空気の気体平均自由行程以下の空隙間距離を有し、気体熱伝導率を大幅に低減した断熱材が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】真空断熱材においては、特公平2−33917号公報において示されるように内部を減圧維持することが断熱性能向上において必要であることはいうまでもない。しかしながら、外被材がプラスチック容器で構成されているため、熱と傷つきによって破袋する可能性があり、保温機器である電気温水器のようにヒータ近傍での使用や施工後に釘を打ったり、配管を通す等の後工事が加わるような住宅用断熱材として使用する事例では、ラミネートフィルム貫通により、真空破壊が起こる事故が多くあった。このように工業的に幅広く断熱材を適用するには、信頼性という観点から、種々の施工に耐えられる高性能断熱材が不可欠である。
【0007】一方、エアロゲルにおいては、EP−A−340707号公報で示されるように、エアロゲルの性能を活かすことと強度確保のために、バインダー含有率を50%体積以下としているが、無機のシリカエアロゲルを使用しているため、基本的に分子構造中に3次元の網目架橋構造がないため、剛性がなく、実質的にバインダーを大幅に減らすことは困難である。このため、バインダーの悪影響を受けてグラスウール並の断熱性能しか得られない問題がある。
【0008】本発明は、上記課題に鑑み、バインダー含有率が小さくても強度確保ができ、真空断熱材並の高性能の断熱性能を発揮できると共に、貫通しても性能劣化がない実用加工性に優れた断熱材と断熱構造体を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、本発明は以下のような構成とする。
【0010】本発明の請求項1に係る断熱材は、分子構造中に3次元の網目架橋構造を有する有機ゲル組成物からなるエアロゲル粒体を有機材料からなるバインダーで反応固化させているので、架橋密度の高い有機ゲル組成物を用いるので剛性が高くなる。
【0011】本発明の請求項2に係る断熱材は、分子構造中にウレタン結合を有する有機ゲル組成物を乾燥して得られるウレタンエアロゲル粒体にバインダーとして有機ポリイソシアネートを混合し、固化させたものである。
【0012】本発明によれば、架橋密度の高いウレタン結合を有するウレタンエアロゲルを用いることで、剛性が高くなるため、補強材であるバインダーを大幅に低減でき、結果としてウレタンエアロゲル粒体の優れた断熱特性が支配的となり、高性能の断熱材が得られるのである。
【0013】また、本発明の請求項4に係る断熱構造体は、内板と外板とで構成される構造体内部に前記断熱材を配設し、硬質ウレタンフォーム原料で一体発泡してなるものである。
【0014】本発明によれば、得られる前記断熱材の剛性が高いため、硬質ウレタンフォームで一体発泡しても発泡圧力でエアロゲルがつぶれることもなく、断熱構造体として成型できる。特に、発泡途上でのエアロゲルの崩壊による充填性の阻害が原因となる未充填部の発生もなく、断熱構造体として高断熱性能が発揮できるのである。
【0015】また、本発明の請求項5に係る断熱構造体は、分子構造中にウレタン結合を有する有機ゲル組成物を乾燥して得られるエアロゲル粒体と硬質ウレタンフォーム原料を混合した後、内板と外板間に注入充填し、一体発泡してなるものである。
【0016】本発明によれば、優れた断熱性能を有するエアロゲルを均一に断熱構造体中に分散させることができるため、優れた断熱性能が断熱構造体全体に寄与することができる。
【0017】また、本発明の請求項6に係る断熱構造体は、分子構造中にウレタン結合を有する有機ゲル組成物を乾燥して得られるエアロゲル粒体を不織布に封入し、内板と外板間に配設したことを特徴とするものである。
【0018】本発明によれば、エアロゲルの剛性が高いため、振動等によってつぶれることがないため、不織布に入れる程度の形状保持で断熱部材として使用可能である。また、耐熱性の高さから、ヒーター部が被断熱貯湯容器の近傍にあるような場合でも、被覆面積の制約はなく、ヒーター部の近傍まで被覆することができる。この結果、電気温水器のような保温貯湯容器に使用した場合、優れた断熱性能を高い被覆率で発揮することが可能であり、省エネルギーに寄与できるのである。
【0019】また、本発明の請求項7に係る断熱構造体は、断熱構造体に釘、配管、配線などの貫通物が配設されたことを特徴とするものである。
【0020】本発明によれば、エアロゲルは空気の平均自由程以下の微細孔からなり、常圧で優れた断熱性能を発揮するため、エアロゲル内に外部と貫通穴などがあったとしても断熱性能は変化しない。このため、釘、配管、配線などの貫通物の機能を損なうことなく、優れた断熱性能を有するのである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の断熱材は、分子構造中に3次元の網目架橋構造を有する有機ゲル組成物からなるエアロゲル粒体に、有機材料からなるバインダーと反応固化させたものである。
【0022】また、本発明の請求項2に記載の断熱材は、分子構造中にウレタン結合を有する有機ゲル組成物を乾燥して得られるウレタンエアロゲル粒体に、有機ポリイソシアネートを混合し、反応固化させたことを特徴としたものであるから、少ないバインダーで優れたエアロゲルの断熱性能を効果的に発揮させることができる。バインダーである有機ポリイソシアネートは、水分と反応してウレタン樹脂となってウレタンエアロゲル粒体を固着させるが、同種材料のこれらは容易に接着が可能で接着強度も高く、剛性のある断熱材料が生成できる。
【0023】この結果、バインダー量を抑制できるため、優れたウレタンエアロゲル粒体の断熱特性が支配的になるのである。また、ウレタンエアロゲル自身も有機高分子の特徴として架橋網目構造を有するため、剛性が高く、補強材であるバインダーの大幅低減に寄与している。
【0024】さらには、同種材料のウレタンエアロゲルとウレタン樹脂バインダーからなるため、部材廃棄時の分別回収は不要であり、ウレタン素材として容易にリサイクル化が可能である。
【0025】本発明の請求項4に記載する断熱構造体は、内板と外板間に前記断熱材を配設し、硬質ウレタンフォーム原料で一体発泡してなることを特徴とするもので、前記断熱材がウレタン素材で形成されており、同種材料のため、接着強度が高く強度の強い断熱構造体が得られる。また、得られる断熱材の剛性が高いため、硬質ウレタンフォームで一体発泡しても発泡圧力でエアロゲルがつぶれることもなく、断熱構造体として成型できる。
【0026】特に、発泡途上でのエアロゲルの崩壊による充填性の阻害が原因となる未充填部の発生もなく、断熱構造体として高断熱性能が発揮できるのである。さらに、断熱構造体が同種材料で構成される結果、部材廃棄時の分別回収は不要であり、容易にリサイクル化が可能である。
【0027】本発明の請求項5に記載する断熱構造体は、分子構造中にウレタン結合を有する有機ゲル組成物を乾燥して得られるエアロゲル粒体と硬質ウレタンフォーム原料を混合した後、内板と外板間に注入充填し、一体発泡してなる断熱構造体であるため、断熱構造体中に均一にエアロゲル粒体が分散し、均質な優れた断熱性能が得られるのである。また、同種のウレタン素材で形成されるため、部材廃棄時の分別回収は不要であり、容易にリサイクル化が可能である。加えて、同種材料のため、接着強度が高く強度の強い断熱構造体が得られるのである。
【0028】本発明の請求項6に記載する断熱構造体は、分子構造中にウレタン結合を有する有機ゲル組成物を乾燥して得られるエアロゲル粒体を不織布に封入し、内板と外板間に配設したものであり、耐熱性の高さから、ヒーター部が被断熱貯湯容器の近傍にあるような場合でも、被覆面積の制約はなく、ヒーター部の近傍まで被覆することができる。この結果、電気温水器のような保温貯湯容器に使用した場合、特に、優れた断熱性能を発揮することが可能である。
【0029】本発明の請求項7に記載する断熱構造体は、前記断熱材と釘、配管、配線などの貫通物とからなることが特徴であり、施工時の設計自由度に優れ、かつ優れた断熱性能が発揮されるものである。これは、エアロゲルは空気の平均自由程以下の微細孔からなり、常圧で優れた断熱性能を発揮するため、エアロゲル内に外部と貫通穴などがあったとしても断熱性能は変化しない。このため、釘、配管、配線などの貫通物の機能を損なうことなく、優れた断熱性能を有するのである。
【0030】以下、実施の形態について、図1から図4を用いて説明する。
(実施の形態1)実施の形態1における断熱材1の一実施例を図1を用いて説明すると、2がウレタンエアロゲルで、ウレタン結合を有するウレタンゲルを超臨界乾燥させて得た粒状エアロゲルである。ウレタンゲルを得る一例としては、水酸基価460mgKOH/gのポリエーテルポリオール100重量部に対して、アミン当量135のポリメリックMDIを115重量部、触媒としてカオーライザーNo.1を2重量部、アセトンを1000重量部混合させ、反応生成物としてウレタンゲルを得ることができる。
【0031】この後、二酸化炭素による超臨界乾燥操作を行い、ナノオーダーを有する超微細多孔質体であるウレタンエアロゲルが得られる。このウレタンエアロゲルは、3次元の網目架橋構造の有機ゲル組成物からなるエアロゲル粒体である。
【0032】3は、バインダーで、アミン当量135のポリメリックMDIを5%と2%の水分をウレタンエアロゲルに均一に混合することによって、ポリメリックMDIと水分が反応硬化した有機材料のウレタン樹脂組成物からなる。反応硬化を促進させるには、5kg/cm2の加圧と100゜Cの加温条件で達成することができる。
【0033】このときの断熱材の熱伝導率は、0.009w/mKであり、密度は135kg/m3、10%圧縮強度は、78kPaであった。
【0034】バイダー3は、ウレタンエアロゲル間を接着させるバインダー機能を有しているが、同種のウレタン材料からなっているため、高い接着強度が得られ、剛性の高い断熱材が形成できるのである。
【0035】この結果、バインダー量を抑制できるため、エアロゲルの断熱特性が支配的になるのである。また、ウレタンエアロゲル自身も有機高分子の特徴として架橋網目構造を有するため、剛性が高く、補強材であるバインダーの大幅低減に寄与している。さらには、同種材料のウレタンエアロゲルとウレタン樹脂バインダーからなるため、部材廃棄時の分別回収は不要であり、ウレタン素材として容易にリサイクル化が可能である。
【0036】(実施の形態2)実施の形態2における一実施例の断熱構造体4を図2に示す。ウレタンエアロゲルとバインダーから構成されて硬化成形した断熱材1を、外板5と内板6に形成される空間に配設し、挟持させている。断熱材1は、予め外板5と内板6で形成される空間を有する治具内に充填し、固化させたもので、これを内板6に取付けた後、外板5を形状に沿わせて取り付けることにより、断熱構造体4を得ている。
【0037】断熱材1は、外板5と内板6に形成される空間に沿って隙間なく配設できるため、熱リークもなく優れた断熱性能を断熱構造体4として発揮することができる。特に断熱材1は、ウレタンエアロゲル粒体とバインダーである有機ポリイソシアネートの混合固化によって得られるため、その成形形状は制約なく、厚みの変化や凹凸などが自由に設計できるのである。
【0038】(実施の形態3)実施の形態3における一実施例の断熱構造体7を図3に示す。ウレタンエアロゲルとバインダーから構成されて硬化成形した断熱材1を、内板6の裏面に接着し、外板5で形成される空間に硬質ウレタンフォーム原料を注入し一体発泡を行っている。このため、断熱材1を除く断熱構造体7の内部には硬質ウレタンフォーム8が充填されている。このような複層構造で、断熱材1と硬質ウレタンフォーム8は同種材料で、接着容易で一体発泡による剛性が確保できるため、断熱構造体7の変形はなかった。
【0039】(実施の形態4)実施の形態4における一実施例の断熱構造体9を図4に示す。ウレタンエアロゲル粒体2と硬質ウレタンフォーム原料を混合し、外板5と内板6間に注入充填して、断熱構造体9を形成している。混合の重量比率は3:7で、硬質ウレタンフォーム8中に均一に分散している。
【0040】この結果、曲部等の前記断熱材1を配置できないような個所にもエアロゲル粒体を配置することができ、全体として断熱性能を強化できる。さらには、断熱材1と硬質ウレタンフォーム8は同種材料で、接着容易で層間剥離は起こらず、剛性が確保できるため、断熱構造体7の強度は実用上問題なく、冷凍用断熱壁として使用しても反りなどの変形はなかった。
【0041】(実施の形態5)実施の形態5における一実施例の断熱構造体10を図5に示す。断熱構造体10は、外容器11と内容器12と内容器下部13に装着されたヒータ部14から構成されている。内容器12には水を注水し、ヒーター部14の加熱により湯を沸かせて貯湯する。外容器11と内容器12間には、ウレタンエアロゲル粒体2をパックしたガラス繊維からなる不織布15を配設している。
【0042】不織布15は、170゜Cに達するヒーター部に接する内容器下部13まで被覆している。この結果、フィルム状プラスチックス容器で外被され、溶解の問題から内容器下部13を被覆できない真空断熱材よりも、被覆率25%程が向上し、保温性能が消費電力量換算で20%改善した。
【0043】(実施の形態6)実施の形態6における一実施例の断熱構造体15を図6に示す。断熱構造体15は、断熱構造体4に配管設置用の貫通穴16を加工したものである。貫通穴16に冷媒配管などの貫通物17を配設するが、この後工事によっても、断熱構造体15の断熱性能は変化なく、優れた断熱性能を有することが判った。比較として、真空断熱材を断熱材1の代わりに配置し、同様の後工事を行うと断熱性能は1/5に劣化し、断熱材としての役割発揮ができなかった。
【0044】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、請求項1に記載の発明は、分子構造中に3次元の網目架橋構造を有する有機ゲル組成物からなるエアロゲル粒体を有機材料からなるバインダーと反応させると共に、請求項2に記載の発明は、分子構造中にウレタン結合を有する有機ゲル組成物を乾燥して得られるウレタンエアロゲル粒体に、有機ポリイソシアネートを混合し、反応固化させたことを特徴とした断熱材であるから、少ないバインダーで優れたエアロゲルの断熱性能を効果的に発揮させることができる。
【0045】バインダーである有機ポリイソシアネートは、水分と反応してウレタン樹脂となってウレタンエアロゲル粒体を固着させるが、同種材料のこれらは容易に接着が可能で接着強度も高く、剛性のある断熱材料が生成できる。この結果、バインダー量を抑制できるため、優れたウレタンエアロゲル粒体の断熱特性が支配的になるのである。
【0046】また、ウレタンエアロゲル自身も有機高分子の特徴として架橋網目構造を有するため、剛性が高く、補強材であるバインダーの大幅低減に寄与している。
【0047】さらには、同種材料のウレタンエアロゲルとウレタン樹脂バインダーからなるため、部材廃棄時の分別回収は不要であり、ウレタン素材として容易にリサイクル化が可能である。
【0048】請求項4の発明は、内板と外板間に前記断熱材を配設し、硬質ウレタンフォーム原料で一体発泡してなる断熱構造体であるから、前記断熱材がウレタン素材で形成されており、同種材料のため、接着強度が高く強度の強い断熱構造体が得られる。また、得られる断熱材の剛性が高いため、硬質ウレタンフォームと一体発泡しても発泡圧力でエアロゲルがつぶれることもなく、断熱構造体として成型できる。
【0049】特に、発泡途上でのエアロゲルの崩壊による充填性の阻害が原因となる未充填部の発生もなく、断熱構造体として高断熱性能が発揮できるのである。
【0050】さらに、断熱構造体が、同種材料で構成される結果、部材廃棄時の分別回収は不要であり、容易にリサイクル化が可能である。
【0051】請求項5の発明は、分子構造中にウレタン結合を有する有機ゲル組成物を乾燥して得られるエアロゲル粒体と硬質ウレタンフォーム原料を混合した後、内板と外板間に注入充填し、一体発泡してなる断熱構造体であるため、断熱構造体中に均一にエアロゲル粒体が分散し、均質な優れた断熱性能が得られるのである。
【0052】また、同種のウレタン素材で形成されるため、部材廃棄時の分別回収は不要であり、容易にリサイクル化が可能である。加えて、同種材料のため、接着強度が高く強度の強い断熱構造体が得られるのである。
【0053】請求項6の発明は、分子構造中にウレタン結合を有する有機ゲル組成物を乾燥して得られるエアロゲル粒体を不織布に封入し、内板と外板間に配設した断熱構造体であるから、耐熱性の高さから、ヒーター部が被断熱貯湯容器の近傍にあるような場合でも、被覆面積の制約はなく、ヒーター部の近傍まで被覆することができる。
【0054】この結果、耐熱性能の高いウレタンエアロゲルの特徴を生かした電気温水器のような保温貯湯容器に使用した場合、特に、優れた断熱性能を発揮することが可能である。
【0055】請求項7の発明は、前記断熱材と釘、配管、配線などの貫通物とからなる断熱構造体であり、施工時の設計自由度に優れ、かつ優れた断熱性能が発揮されるものである。
【0056】これは、エアロゲルは空気の平均自由程以下の微細孔からなり、常圧で優れた断熱性能を発揮するため、エアロゲル内に外部と貫通穴などがあったとしても断熱性能は変化しない。
【0057】このため、釘、配管、配線などの貫通物の機能を損なうことなく、優れた断熱性能を有するのである。
【出願人】 【識別番号】000004488
【氏名又は名称】松下冷機株式会社
【出願日】 平成11年9月10日(1999.9.10)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2001−82682(P2001−82682A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−257041