| 【発明の名称】 |
管路の補修方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】石川 雅敏
【氏名】斉藤 均
【氏名】槇本 太司
【氏名】東 克彦
【氏名】堅田 真史
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| 【要約】 |
【課題】裏込め材の注入時に支保を組んだり水圧をかける等の耐圧対策が不要で、比較的強度の低い安価な裏込め材を用いても、腐食等による痛みの激しい既設管に適用して高い強度を与えることのできる管路の補修方法を提供する。
【解決手段】マンホールから搬入した樹脂板11を、マンホールまたは既設管内で筒状に形成し、同じくマンホールから搬入した高剛性材料からなる補強部材121a,121bを、筒状に形成した樹脂板11の外周に対して一体化させつつその外周に沿ったリング状に組み立てることで、樹脂製の表面材とその外周に一体化された補強リング12a,12bを有してなる筒状の補修部材1を順次組み立てつつ、その各補修部材ユニット1を軸方向に接合することにより、補修部材1自体の強度を従来に比して飛躍的に向上させ、それ自体で裏込め材の注入圧に耐え、かつ、補修後の管路の強度を分担させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マンホールからの搬入が可能な樹脂板を、マンホールまたは既設管内で当該既設管の内周面に略沿うように筒状に形成するとともに、上記マンホールから搬入した高剛性材料からなる複数の補強部材を、上記筒状に形成した樹脂板の外周に対して一体化させつつその外周に沿ったリング状に組み立てることにより、樹脂製の表面材とその外周に一体化された補強リングを有してなる筒状の補修部材を順次組み立てつつ、所要長さが得られるように各補修部材を互いに軸方向に接合し、接合後の補修部材の外面と既設管の内面との間に裏込め材を注入する管路の補修方法。 【請求項2】 上記樹脂板が、所定長さの筒体を周方向に複数に分割した形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の管路の補修方法。 【請求項3】 上記樹脂板が可撓性を有する平板であって、その1枚を巻回することによって筒状に形成することを特徴とする請求項1に記載の管路の補修方法。 【請求項4】 上記樹脂板の既設管内面に向く面に、軸方向に沿って伸びる複数のパイプ状部材が一体化されているとともに、その各パイプ状部材に挿入されるシャフトを介して、上記補強部材が樹脂板に一体化されることを特徴とする請求項1、2まはた3に記載の管路の補修方法。 【請求項5】 上記樹脂板の既設管内面に向く面に、軸方向に沿って伸びる複数のリブが形成されているとともに、上記補強部材は、その各リブに形成された貫通孔に挿入された状態で上記樹脂板に一体化されることを特徴とする請求項1、2、または3に記載の管路の補修方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、下水道管路等の既設管路の補修方法に関し、特に、人が管路内に入って作業可能な口径800mm以上の大口径管路を補修するのに適した管路の補修方法に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば下水道の大口径管を開削することなく補修する方法として、従来、片面にリブが形成された塩化ビニル製の帯状プロファイルを既設管内で螺旋状に巻回して製管するとともに、その内側から支保材を組んだ状態で、既設管とプロファイルとの間に裏込め材を注入する方法や、同じく塩化ビニル製のやや幅広の帯状(ストリップ)材を管内で螺旋状に巻回して既設管内面に沿わせるとともに、既設管の内面との間に裏込め材を注入する際の注入圧を低く抑えるために、帯状材を巻回する前に、既設管内面の上部に裏込め材注入用ホースを通すスペースを形成するためのスペーサを取り付ける方法、あるいは、スタッドのついたポリエチレンチューブを既設管内に引込み、裏込め材の注入時にチューブ内に水圧をかけることによって、そのチューブの変形を防止する方法等が知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のような従来の管路の補修方法においては、裏込め材の注入時に支保材を組んだり、水圧をかけたり、あるいは前もって裏込め材注入用ホースを通すためのスペーサを設けるなど、多大な労力と時間を要し、その費用も膨大なものとなってしまう。 【0004】また、以上の従来の管路の補修方法では、いずれも、補修部材自体の強度が低く、裏込め材との一体化によって必要強度を得るような構造となっているため、帯状プロファイル等の補修部材の裏込め材に接する側の面にリブを密に配する必要があり、その多数のリブの存在によって裏込め材が十分に行き渡らないという問題がある。ここで、その問題を解決するために、および、裏込め材の注入圧を低減させるために、裏込め材に流動化材が添加されるのであるが、その分のコストが上昇するという問題がある。更に、必要強度を裏込め材側に頼っているが故に、裏込め材に相応の強度が要求される結果、その価格が高価なものとなるという欠点もある。更にまた、補修部材自体の強度が低いために、既設管の痛みがひどくその強度が著しく低下している場合の補修に供するには不適当である。 【0005】本発明はこのような従来の管路の補修方法における諸問題点を一挙に解決すべくなされたもので、裏込め材の注入時に支保を組んだり水圧をかける等の耐圧対策を必要とすることなく、また、流動化材等を添加することなく裏込め材を既設管と補修部材との間に十分に行き渡らせることが可能で、更に、裏込め材の強度を従来に比して低くして安価な裏込め材を用いても、腐食等による痛みの激しい既設管に適用して補修後の管路の強度を十分に高くすることのできる管路の補修方法の提供を目的としている。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明の管路の補修方法は、マンホールからの搬入が可能な樹脂板を、マンホールまたは既設管内で当該既設管の内周面に略沿うように筒状に形成するとともに、上記マンホールから搬入した高剛性材料からなる複数の補強部材を、上記筒状に形成した樹脂板の外周に対して一体化させつつその外周に沿ったリング状に組み立てることにより、樹脂製の表面材とその外周に一体化された補強リングを有してなる筒状の補修部材を順次組み立てつつ、所要長さが得られるように各補修部材を互いに軸方向に接合し、接合後の補修部材の外面と既設管の内面との間に裏込め材を注入することによって特徴づけられる(請求項1)。 【0007】ここで、本発明においては、上記樹脂板の具体的な形態として、所定長さの筒体を周方向に複数に分割した形状を有したものとし(請求項2)、あるいは、可撓性を有する平板とするとともに、その1枚を巻回することによって筒状に形成するようにしたもの(請求項3)を採用することができる。 【0008】また、本発明において、樹脂板と補強部材との一体化構造としては、樹脂板の既設管内面に向く面に、軸方向に沿って伸びる複数のパイプ状部材を一体化するとともに、その各パイプ状部材に挿入されるシャフトを介して、補強部材を樹脂板に一体化する構造(請求項4)や、樹脂板の既設管内面に向く面に、軸方向に沿って伸びる複数のリブを形成するとともに、補強部材を、その各リブに形成された貫通孔に挿入した状態で樹脂板に一体化する構造(請求項5)を採用することができる。 【0009】本発明は、補修部材自体に十分な強度を持たせることによって、裏込め材の注入時における圧力による補修部材の変形を防止すべく支保を組んだり水圧をかけることを不要とするとともに、腐食等の痛みの激しい既設管に対しても十分な強度を付与することを可能とし、しかも、裏込め材との一体化による強度を得るべく多数のリブを密に配することが不要となることから、流動化材を添加することなく補修部材と既設管の間での裏込め材の流動を容易化させようとするものである。 【0010】すなわち、本発明においては、既設管の内周面に沿って配置される補修部材として、表面材としての樹脂板と、その樹脂板の外周側、つまり既設管内面側に向く面に一体化される高剛性材料からなる補強部材によって構成されたものが用いられ、樹脂板および補強部材はマンホールから搬入可能な形状・寸法とされる。そして、補強部材は、筒状に形成された樹脂板の周囲に沿ったリング状に組み立てられて補強リングとされるため、補修部材自体の強度が従来に比して大幅に向上し、補修部材自体の強度によって裏込め材の注入時における圧力に対して十分に耐えて有害な変形を生じることがなく、かつ、補修後には外水圧または土圧に抗する役割を担う。従って、裏込め材の強度を特に高くすることなく、腐食等の激しい既設管に用いても十分な強度を与えることができる。また、補修部材自体の強度を高くすることにより、裏込め材に対して一体化すべく補修部材の裏込め材との接触面に必要以上のリブを設けることが不要となり、裏込め材の注入時にその流動を妨げることがない。 【0011】また、本発明方法においては、以上のような高強度の補修部材は、樹脂板と補強部材とに適宜に分割してマンホールから搬入し、マンホールまたは既設管内において筒状に組み立てられるため、開削を行うことなく大口径管路の更生が可能となる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施の形態について述べる。なお、以上の実施の形態においては、補修対象管が円形断面の場合について述べる。図1は本発明を適用した管路の補修方法に用いられる補修部材の複数ユニットを互いに軸方向に接合した状態を示す部分断面正面図であり、図2はその左側面図である。 【0013】この例における補修部材の1ユニット、つまり補修部材ユニット1は、全体として長さLの円筒形をなすものであって、長さLの円筒を周方向に3等分した形状を有する3個の樹脂板11と、その3個の樹脂板11を円筒状に組み合わせた状態で、その周囲に沿って配置される複数の補強リング12a,12bを主体として構成されており、各補強リング12a,12bは、それぞれ後述する3個の円弧状の補強部材121a,121bをリング状に組み立てたものである。 【0014】樹脂板11は例えば高密度ポリエチレン製であり、図3に展開状態における要部の正面図(表面図)を示し、図4および図5にはそのA−A断面図および平面図を示すように、平板状材料を断面円弧状に賦形した本体部11aの片面に、軸方向(母線方向)に沿って伸びる複数のパイプ状部材11bとT形のリブ11cが周方向(円弧方向)に一定の間隔を開けて一体化されているとともに、母線方向両端部の対向2辺に規則的な切欠きを有する軸方向接続用フランジ部11dが形成され、他の対向2辺には周方向接続用フランジ部11eが形成されている。なお、図1においては、図面の煩雑化を避けるためにリブ11cについてはその図示を省略している。 【0015】補強リング12a,12bを構成する補強部材121aおよび121bは、鋼材を用いた高剛性部材であり、互いに略同等の円弧形状をしており、図6に補強部材121aを代表させてその正面図を示すように、その厚さ(図6における紙面に直交する方向への寸法)は一様であって、円弧に沿って複数の貫通孔120が形成されている。補強リング12aおよび12bは、1個の補強部材ユニット1に対してそれぞれ4個ずつ用いられ、中央に4個の補強リング12aが、両端部にそれぞれ2個ずつの補強リング12bが用いられる。 【0016】各補強リング12a,12bと樹脂板11との接合一体化は、図7に樹脂板11のパイプ状部材11bの軸方向に沿った断面図を示すように、補強リング12aについては、樹脂板11に形成されているパイプ状部材11bのうち、一直線上に並ぶ3個のパイプ状部材11bの間の2箇所と、それらの両端部の2箇所にそれぞれ配置した状態で、各パイプ状部材11bおよび各補強リング12aの貫通孔120をともに貫通するように、両端に雄ねじが形成されたシャフト13aを挿入し、その各雄ねじ13aにナット14aを締結することによって行われている。一方、補強リング12bについては、各補強部材ユニット1の両端のそれぞれにおいて、各軸方向接続用フランジ部11dの内側端面に沿って1個と、それよりも若干内側によった位置に1個が配置される。そして、これらの補強リング12bは、隣り合う補修部材1ユニット1の各端部に2個ずつ配置されたものについて、軸方向接続用フランジ部11dを挟んでそれぞれの貫通孔120に共通のシャフト13bを挿入してその両端部に形成されている雄ねじにナット14bを締結することによって、樹脂板11に対して一体化され、また、このシャフト13bおよびナット14bによって、隣り合う補修部材ユニット1どうしが軸方向に接合一体化される。なお、図7においてSはスペーサであり、Rは軸方向フランジ部11d間に形成された空隙に埋設した止水パッキンである。 【0017】3個の樹脂板11および複数の補強部材121a,121bを周方向に互いに一体化するための構造は、図8に周方向接合部における断面図を示すように、各各樹脂板11の周方向接続用フランジ部11eを突き合わせた状態で、その両側に、軸方向に伸び、かつ、その方向に複数の貫通孔150が形成された周方向接続用金具15を配し、その各周方向接続用金具15の貫通孔150のそれぞれにボルト16を貫通させ、ナット17を締結することによって行われる。この周方向接続用金具15は、補強部材121aの両端部の内側に形成されている切欠き部U(図6参照)に嵌まり込んだ状態で補修部材ユニット1に固定される。また、周方向に隣り合う補強部材121aどうし、および121bどうしは、図1に示すように、各補強部材121a,121bの突き合わせ部分に補強部材接続用金具18を当てがって、その金具18の両側において補強部材121aまたは121bに対してボルト締めすることにより、相互に強固に一体化され、補強リング12aまたは12bとされる。なお、Rは周方向フランジ部11e間に形成された空隙に埋設した止水パッキンである。また、図1においては、図面の煩雑化を避けるために周方向接続用金具15およびボルト16等については図示を省略している。 【0018】さて、以上の補修部材ユニット1を構成する部品である樹脂板11および補強部材121a,121b等は、例えば補修対象管路が1号人孔(マンホール)を有するものである場合には、そのストレート部の直径900mmを通過する大きさとされ、搬入に当たってはマンホールの蓋の部分のみを拡開する。そして、これらの各部品はマンホールに搬入された上で、そのマンホールおよびそれに通じる既設管内において長さLの円筒形の補修部材ユニット1に組み立てられ、更にその補修部材ユニット1を軸方向に接合して図1の状態とされる。また、この実施の形態においては、補修部材ユニット1の組立並びに軸方向への接合作業は、既設管内に下水隔離装置が挿入されて下水の流れない領域が形成され、その下水隔離領域において行われる。以下、その具体的な手法について述べる。 【0019】図9は、既設管P内に下水隔離装置2を挿入し、その周囲に形成される下水隔離領域で樹脂板11や補強部材121a,121b等の部品を用いて円筒形の補修部材ユニット1を組み立てていく状態を示す模式的断面図であり、図10はそのA−A断面図である。 【0020】下水隔離装置2は、筒状本体21aにアウターシール21bとインナーシール21cが設けられた止水プラグ21と、その止水プラグ21の筒状本体21aの下流側端面部に取り付けられる下水隔離用筒体22とを主体として構成されている。 【0021】アウターシール21bおよびインナーシール21cは、それぞれ外部からエアを供給することによって膨張するシールであって、アウターシール21bは筒状本体21aの外周に沿って設けられた複数のドーナツ状ホース等によって構成され、エアを供給して膨張させることによって、既設管Pの内面に対して水密に当接する。また、インナーシール21cは筒状本体21aの内面に周囲が気密に固定された袋状体であり、エアを供給して膨張させることによって、筒状本体21aの内側空間を水密に封止することができる。 【0022】下水隔離用筒体22は、既設管P内において止水プラグ21に対して取り付けられる。その取付け作業は、止水プラグ21のアウターシール21bおよびインナーシール21cにエアを供給して既設管P内の下水の流れを一時的に止めた状態で行われ、その作業において下水に触れることがない。下水隔離用筒体22を取り付けた後、インナーシール21c内のエアが排出される。これにより、既設管P内を流れてきた下水は、止水プラグ21の筒状本体21aおよび下水隔離用筒体22の内部を流れ、下水隔離用筒体22の周囲には下水が流れない領域、つまり下水隔離領域が形成される。 【0023】以上のような下水隔離装置2を、図9に示すように、止水プラグ21が既設管P内に補修対象管路の上流側に位置するマンホールHに近接してその上流側に位置するように固定し、下水隔離用筒体22がマンホールHのインバート部に位置するように装着した状態で、前記した補修部材ユニット1を構成する樹脂板11および補強部材121a,121b等をマンホールH内に順次搬入して、3つの樹脂板11を円筒形に組み立てつつ、その周囲の規定位置に補強部材121a,121bを沿わせてリング状に組み立て、かつ、シャフト13a,ナット14a等により、円筒形に組み立てられた樹脂板11に対して一体化し、周囲に複数の補強リング12a,12bを有してなる円筒状の補強部材ユニット1を完成させる。1つの補修部材ユニット1を完成させると、その補修部材ユニット1を既設管Pの下流側に移動させ、上記と同様の手順により次の補修部材1を組み立て、先に組み立てた補修部材ユニット1に対して軸方向に接合していく。なお、補修部材ユニット1を組み立てた後に下流側に移動させる場合、図9に示すように下流側からワイヤ3で引っ張るとよい。 【0024】以上の作業により、補修対象管路長に等しい長さの補修部材ユニット1の接合体が得られたら、例えばその両端部に妻型枠を装着し、各補修部材ユニット1の外周面と既設管Pの内周面との間にモルタル等の裏込め材を注入して、作業を終える。 【0025】以上の方法において特に注目すべき点は、マンホールHおよびそれに通ずる既設管P内で円筒形に組み立てられた各補修部材ユニット1は、その外周に沿って鋼材等の高剛性材料からなる複数の補強リング12a,12bが一体化された構造を有しているため、それ自体の強度が高く、裏込め材の注入圧に対して十分に耐えることができる点であり、これにより、支保を組んだり内側から水圧をかけるといった裏込め材注入圧に対する耐圧のための工法が不要となる。また、補修部材ユニット1自体の強度が高いが故に、腐食等によって既設管Pの強度が弱くなっていても、補修により十分な強度を付与することが可能となるとともに、裏込め材として高強度のものを用いる必要もなくなり、更には、裏込め材との一体化を図るために補修部材に設けるリブの数は従来のものに比して少なくすることができる結果、裏込め材に流動化材を添加することなく、補修部材と既設管Pの間に裏込め材を十分に行き渡らせることが可能となる。 【0026】また、以上の実施の形態のように下水隔離装置2を用いた工法を採用すると、補修部材ユニット1の組み立て並びに軸方向への接合のための作業は下水隔離領域で行うことが可能となり、しかも、その組み立て作業を通じて下水の流れを止める必要がないため、流量の多い下水道や流れの速い下水道に対しても、危険を伴うことなく作業を行うことができる。 【0027】本発明は、補強部材ユニットの表面材を形成する樹脂板の構成、補強リングの分割数、および、樹脂板と補強リングとの一体化のための構成等については、上記した実施の形態に限定されることなく、他の構成を採用することができる。以下にその例を示す。 【0028】図11は他の実施の形態における補修部材ユニット30の他の構成例を示す外観図で、図12はその補強リング32に沿って切断した軸直交断面図である。この例における補修部材ユニット30は、可撓性を有する1枚の樹脂板31と、4つの円弧状の補強部材321をリング状に組み立ててなる補強リング32によって構成されている。 【0029】樹脂板31は、その両端部を相互に突き合わせるように円筒状に巻回し、その突き合わせ部分を筒長方向融着材311によって接合されることにより円筒体とされている。この樹脂板31は、例えば高密度ポリエチレンを材質とし、図13に展開状態における外観図を示すように、円筒体に巻回された状態で外周側となる面に、円筒体の軸方向に沿って伸びる複数のリブ31aが形成されており、その各リブ31aには補強部材321を通すための複数の貫通孔31bが形成されている。 【0030】筒長方向融着材311は、両側面部に樹脂板31の端部が嵌まり込む溝がそれぞれ形成され、その各溝に近接して加熱用ニクロム線が配置され、ニクロム線への通電により樹脂板31の両側縁部に対して融着する、いわゆるエレクトリックフュージョンタイプの接合材である。 【0031】補強リング32を構成する4個の円弧状の補強部材321は、それぞれ鋼材等の高剛性材料からなり、これらは補強部材結合材322によって相互に繋ぎ合わされて補強リング32となる。補強部材結合材322は、補強部材321と同等の鋼材等からなる高剛性材料製のパイプ状の部材であって、両端面に開口している孔に補強部材321の両端部を挿入して、ノック式の抜け止め機構等によって4個の補強部材321を周方向に繋ぎ合わせるようになっている。 【0032】以上の補修部材ユニット30は、先の例と同様にその各構成部品がマンホールHから搬入され、マンホールHとそれに通ずる既設管P内で組み立てられるのであるが、その組み立てに当たっては、マンホールHを通過できるように適当に巻回ないしは湾曲された状態で搬入された樹脂板31を、両端部を突き合わせるように円筒状に巻回してその各端部を筒長方向融着材311の溝に差し込み、加熱用ニクロム線に通電して相互に接合するとともに、その状態で外周に位置する各リブ31aの孔31bにそれぞれ補強部材321を通し、その端部どうしを補強部材結合材322で4個の補強部材321をリング状に結合することにより、円筒状の樹脂板31の周囲に補強リング32が一体化された補修部材ユニット30を得る。 【0033】そして、以上のように組み立てられた補修部材ユニット30は、先の例と同様にその複数個が軸方向に接合されることによって、既設管Pの補修対象管路長に等しい長さとされた後、その外周面と既設管Pの内周面との間に裏込め材が注入される。 【0034】図14に、2つの補修部材ユニット30を軸方向に接合した状態の外観図を示す。補修部材ユニット30の軸方向への接合に際しては、円筒状の樹脂板31の端面どうしが端面融着材312によって相互に接合されるとともに、その接合状態において各補修部材ユニット30の接合位置に最も近い補強リング32どうしが、補強リング連結部材323によって周方向複数箇所において連結される。 【0035】端面融着材312は、全体としてリング状をなし、その本体部分は、下水道管渠のたるみや多少のカーブに追随するために曲げることのできる柔軟な材料、例えば低密度ポリエチレン等によって構成され、その両端部には筒状に巻回された樹脂板31を差し込むことのできる溝が周方向に形成されており、全周を通じて加熱用のニクロム線が埋め込まれた構造を有し、前記した筒長方向融着材311と同様にエレクトリックフュージョンタイプの接合材である。 【0036】補強リング連結部材323は、補強部材321等と同様の高剛性材料からなり、両端部近傍にそれぞれ補強リング32が嵌まり込む切欠き部が形成され、その各切欠き部に補強リング32を嵌め込んだ状態で、切欠き部に付属させたロック機構付きのバーによって切欠き部の開口端を塞ぐことにより、その両端部が互いに隣接する補修部材ユニット30の両端に位置する補強リング32に対して固定されるようになっている。 【0037】以上の補修部材ユニット30においても、樹脂板31の周囲に高剛性材料からなる複数の補強リング32が一体化されているため、先の例における補修部材ユニット1と同様に、それ自体の強度が極めて高く、先の例と同等の作用効果を奏することができ、また、前記した下水隔離装置2を用いた工法の採用により、補修部材ユニット30の組立作業を下水隔離領域において行うことができ、流れの多い、あるいは流れの速い下水道管でも危険を伴うことなく作業を行うことができる。 【0038】なお、以上の各実施の形態においては、既設管が円形断面である場合について述べたが、例えば矩形渠(ボックスカルバート)や馬蹄形渠(アーチカルバート)に対しても本発明を等しく適用することができ、その場合、補修部材ユニット1,30は組立によりその管渠の断面形状に応じた形状となるように形成すればよく、また、下水隔離装置2を用いる場合においても、対象とする管渠の断面形状に応じた断面形状のものを用いればよい。 【0039】 【発明の効果】以上のように、本発明によれば、既設管内でその内面に略沿った補修部材を配置し、その補修部材と既設管の間に裏込め材を注入する管路の補修方法において、既設管内に補修部材を配置するに当たり、マンホールから搬入した樹脂板を、マンホールおよびそれに通ずる既設管内で筒状に形成して既設管内面に略沿わせ、同じくマンホールから搬入した高剛性材料からなる複数の補強部材を筒状に形成した樹脂板の周囲に対して一体化させながらその外周に沿ったリング状に組み立てることによって、樹脂製の表面材とその外周に一体化された補強リングを有する筒状の補修部材を順次組み立て、所要長さが得られるように複数の補修部材を互いに軸方向に接合していくため、従来の管路の補修方法に比して補修部材自体の強度が大幅に高く、それ自体で裏込め材の注入圧に十分に耐えるため、従来の工法のように支保を組んだり、あるいは内側から水圧をかける等の耐圧のための工事が不要となり、工費を大幅に削減することができる。 【0040】また、補修部材の高強度化により、腐食等により強度が著しく低下している既設管の補修に適用しても、特に高強度の裏込め材等を用いることなく十分な強度を付与することができるとともに、従来のように裏込め材との一体化によって強度を得るべく多数のリブを密に配する必要がないため、流動化材を添加した裏込め材を用いることなく、裏込め材の充填度を高くすることができ、裏込め材として安価な材料を選択することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000117135 【氏名又は名称】芦森工業株式会社 【識別番号】392008884 【氏名又は名称】芦森エンジニアリング株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月8日(1999.9.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090608 【弁理士】 【氏名又は名称】河▲崎▼ 眞樹
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| 【公開番号】 |
特開2001−82675(P2001−82675A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月30日(2001.3.30) |
| 【出願番号】 |
特願平11−254505 |
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