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【発明の名称】 電気融着式分岐管継手
【発明者】 【氏名】松野 純雄

【要約】 【課題】電気融着式分岐管継手の分岐管取り出し口を、融着キャップを用いて確実に密閉できるようにする。

【解決手段】穿孔穴23と分岐管取り出し口24と電熱線22を埋設したサドル部21とを有する継手本体2と、穿孔穴23を塞ぐキャップ3とからる分岐管継手1の前記分岐管取り出し口24の端部を、融着キャップ5を挿通可能な大きさの開口径に延伸した拡径部24aとする。取り出し口24を閉塞するときは、拡径部24aに融着キャップ5を挿入し、融着キャップ5の電熱線52を発熱させ、拡径部24aを収縮させて融着キャップ5と溶融一体化させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 穿孔穴と分岐管取り出し口と電熱線を埋設したサドル部とを有する継手本体と、穿孔穴を塞ぐキャップとからなる電気融着式分岐管継手において、前記分岐管取り出し口の端部を径方向に延伸させた拡径部としたことを特徴とする電気融着式分岐管継手。
【請求項2】 継手本体が本管に接続された状態で、分岐管取り出し口が本管と平行になるように成形された請求項1に記載の電気融着式分岐管継手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本管から枝管を分岐接続する際に用いられるサドル型の電気融着式分岐管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂製のガス管や給湯管などの本管から枝管を分岐接続する場合に、図5に示された電気融着式分岐管継手が使用されている。この分岐管継手1は、継手本体2とキャップ3とにより構成される。継手本体2は、本管上面に接合するように半円弧状に湾曲していて下面に渦巻状に配した電熱線22が埋設されたサドル部21と、サドル部21の上方に突出していて内周にネジ溝が形成された穿孔穴23と、穿孔穴23から分岐して側方に突出した分岐管取り出し口24とを有して形成されている。キャップ3は、穿孔穴23の端部に圧密に螺合して穿孔穴を閉塞するようになっている。継手本体2とキャップ3は共にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をインジェクションにより一体成形したものである。
【0003】分岐管継手1を用いた配管作業は、先ず本管4の外周面に継手本体2のサドル部21の下面を押しつけた状態で電熱線22に通電し、発熱した電熱線22で両者を融着接続し、次に分岐管取り出し口24に枝管側の電気融着継手を挿入してこれを融着接続し、さらに穿孔穴23内に予め設けておいた穿孔カッター25を本管側にねじ込んでこれを切除し、その後、穿孔カッター25を上方に引き上げて穿孔穴23内に残し、穿孔穴23の開口端部をキャップ3で密閉することにより行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような分岐管継手1は、本管4が破損した場合に、これを修繕する間に破損部の両側に接続して本管4をバイパスするために用いられることがある。この場合、本管修繕後は枝管は切除され、分岐管取り出し口24には融着キャップを挿通して密閉される。この融着キャップは、熱可塑性樹脂からなるキャップ本体の外周部に電熱線を巻いて形成され、分岐管取り出し口内で電熱線を発熱させることにより、取り出し口内周面をキャップ本体外周に溶融一体化させて密閉するものである。しかし、分岐管継手1を使用する過程で分岐管取り出し口24の外形が歪むなどして、取り出し口内周面と融着キャップ外周面との間に隙間があると、両者が溶融一体化せず、融着不良を引き起こすことがあった。
【0005】本発明は従来技術の有するこのような問題点に鑑み、電気融着式分岐管継手の分岐管取り出し口を、融着キャップを用いて確実に密閉できるようにすることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため本発明の電気融着式分岐管継手は、穿孔穴と分岐管取り出し口と電熱線を埋設したサドル部とを有する継手本体と、穿孔穴を塞ぐキャップとからなり、分岐管取り出し口の端部を径方向に延伸させた拡径部としたことを特徴としている。
【0007】これによれば、分岐管取り出し口の拡径部に融着キャップを挿入し、融着キャップの電熱線を発熱させれば、加熱された拡径部は開口径を収縮して融着キャップに密着して溶融一体化される。前記構成において、継手本体が本管に接続された状態で、分岐管取り出し口が本管と平行になるように成形されていれば、本管をバイパスするために用いる場合に分岐管取り出し口に接続される枝管を本管と平行に配設できて好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施例を図面を参照して説明する。なお、図5に示した従来例における分岐管継手と同一の構成要素には同一の符号を用いて説明は省略する。
【0009】本発明の分岐管継手1は、図1及び図2に示されているように、分岐管取り出し口24の開口端部に、穿孔穴23と接続する元端部よりも大径に開口した拡径部24aを設けて形成されている。より詳しくは、拡径部24aはインジェクションで継手本体2を一体成形した後の加工工程で、開口全周を径方向に均一に延伸させて開口内径を融着キャップ5の外径と略同じに拡げ、融着キャップ5をほぼ一杯に挿入できるように成形してある。
【0010】インジェクションにより均一な肉厚で成形される分岐管取り出し口24の端部を拡径するには、例えば融着キャップ5と略同外径のマンドレルを用い、これを加熱し、取り出し口24の開口端部から押し入れて当該部分を軟化させつつ押し広げることにより行える。また、分岐管取り出し口24の内外周面を加熱ヒータを押しつけるなどして軟化させた状態で、前記マンドレルを内部に挿入しても拡径することができる。
【0011】このように形成された分岐管継手1によれば、分岐管取り出し口24を閉塞するため融着キャップ5を拡径部24aに挿通して電熱線52を発熱させれば、加熱された拡径部24aが径方向に収縮し、融着キャップ5に密着した状態でキャップ本体51に溶融一体化して当該開口を確実に密閉することができる。この場合、拡径部24aに多少の歪みがあっても、拡径部24aは加熱により開口が収縮するため、歪みによってできた融着キャップ5の外周面との隙間は確実に閉塞され、従来例の如き融着不良を引き起こす虞れはない。
【0012】次に、本発明の分岐管継手1を用い、破損した本管4を修繕する手順を図3を参照して説明する。図示した継手本体1は、本管4に接続された状態で分岐管取り出し口24が本管4と平行になるように成形してある。図において、本管4に破損部Hがある場合(同図(A))、先ず、本管4の破損部分の両側に分岐管継手1,1を融着接続し、両分岐管取り出し口24,24に枝管6を接続し、さらにそれぞれ穿孔カッター25を穿孔穴23内で上下動させて本管4と枝管6を連通させる(同図(B))。この際、枝管6は分岐管取り出し口24の開口端部に外接する開口径のものを用い、図4に示されているように、分岐管取り出し口24の拡径部24aに枝管6を被せてフランジなどのメカニカル継手Fにより接続しておく。次に、本管4を破損部Hの両側位置でスクイズオフし、その状態で破損部Hを切除する(同図(C))。そして、切除部分に修繕用融着ソケット7,7を介して新たな合成樹脂管8を接続し、さらに、前記穿孔カッター25を本管4側へ移動させて分岐管継手1内で本管4を密閉する。そして、メカニカル継手Fを取り外して枝管6を両分岐管取り出し口24,24の端部から外し、開口した分岐管取り出し口24の拡径部24aに融着キャップ5を挿通して当該開口を溶融一体化して密閉することにより修繕が完了する(同図(D))。なお、前記図1に示した形態の分岐管継手1を用いても同様の手順で修繕可能である。
【0013】
【発明の効果】本発明の電気融着式分岐管継手によれば、分岐管取り出し口の端部が融着キャップを一杯に挿入できる大きさで径方向に延伸させてあるので、分岐管取り出し口が多少歪んでいても、挿通した融着キャップで加熱されることにより開口が収縮して隙間を閉塞し、取り出し口を確実に密閉することができる。
【出願人】 【識別番号】000006172
【氏名又は名称】三菱樹脂株式会社
【出願日】 平成11年9月16日(1999.9.16)
【代理人】 【識別番号】100072084
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 三郎 (外1名)
【公開番号】 特開2001−82665(P2001−82665A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−261624