トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 コモンレール用分岐接続体の接続構造
【発明者】 【氏名】臼井 正一郎

【要約】 【課題】分岐接続体の座屈やシート部の変形を防止し、シールと噴射圧や噴射量の安定性を確保し得るコモンレール用分岐接続体の接続構造の提案。

【解決手段】本管レールに設けた分岐孔の周面部に形成した外方へ開口する受圧座面部にスリーブニップルを取着し、該スリーブニップルに螺合する袋ナットを締着して分岐接続体を接続する方式のコモンレール用分岐接続体の接続構造において、両端部に受圧座面と押圧座面を有するシール筒をスリーブニップルに内嵌し、該シール筒の受圧座面に前記分岐接続体の押圧座面を当接係合せしめ、かつ該シール筒の押圧座面を分岐孔の受圧座面に当接係合せしめ、前記スリーブニップルと予め分岐接続体側に組込んだ袋ナットの螺合による前記接続頭部首下での押圧に伴って前記シール筒を介して締着して接続構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 その軸芯方向内部に流通路を有する本管レールの軸方向の周壁部に間隔を保持して設けた分岐孔の周面部に形成した外方へ開口する受圧座面を囲むように、当該受圧座面と同心に筒状のスリーブニップルを溶接またはろう付けにより本管レールに取着し、該スリーブニップルに螺合する袋ナットを締着して分岐接続体を接続する方式のコモンレール用分岐接続体の接続構造において、前記流通路に通ずる流路を有する分岐接続体を連設する外方へ開口する受圧座面と、前記分岐孔の周面部に形成した外方へ開口する受圧座面に対応する押圧座面とを有し、前記分岐接続体の流路および分岐孔に通ずる流路を有するシール筒を前記スリーブニップルに内嵌し、該シール筒の受圧座面に前記分岐接続体の端部に設けた接続頭部のなす押圧座面を当接係合せしめ、かつ該シール筒の押圧座面を前記分岐孔の周面部に形成した受圧座面に当接係合せしめ、前記スリーブニップルと予め分岐接続体側に組込んだ袋ナットの螺合による前記接続頭部首下での押圧に伴って前記シール筒を介して締着して接続構成したことを特徴とするコモンレール用分岐接続体の接続構造。
【請求項2】 前記シール筒は本管レールと同材質またはそれ以上の強度を有する材質からなることを特徴とする請求項1記載のコモンレール用分岐接続体の接続構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般にディーゼル内燃機関における蓄圧式燃料噴射システムに使用される高圧燃料多岐管等のようなコモンレールにおける分岐枝管もしくは分岐金具などによる分岐接続体の接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の分岐接続体の接続構造として図2に示すものが知られている(特開平9−236064号公報参照)。この分岐接続体の接続構造は、円形パイプからなる本管レール11側の周壁部に設けた内部の流通路11−1に通ずる分岐孔11−2部に外方に開口する受圧座面11−3が形成され、該受圧座面付近の本管レール11の外周壁に筒状のスリーブニップル13が取着され、分岐接続体12の先端部とスリーブニップル13の外方開口端側にそれぞれ前記受圧座面11−3に対応する押圧座面12−1と拡径部12−2および受圧座面12−3が形成され、この分岐接続体12の先端部に形成した押圧座面12−1を本管レール11側の受圧座面11−3に当接係合せしめ、前記スリーブニップル13と予め分岐接続体側に組込んだ締付け用ナット14の螺合による該締付け用ナット14側に形成した前記受圧座面12−3に当接係合する押圧座面14−1の押圧に伴って締着して接続構成する方式となっている。このような接続構造における分岐接続体12は一般に塑性加工できる強度を持った材料で作られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、図2に示すような接続構造は締付け用ナット14側に形成した、前記受圧座面12−3に当接係合する押圧座面14−1の押圧に伴って締着する方式であるため、締付け用ナット14に形成した押圧座面14−1部が軸力作用部となり、この軸力により本管レール11側の受圧座面11−3および分岐接続体12側の押圧座面12−1との圧接部(シート部)に面圧が発生し金属対金属の接触によりシールされるが、前記軸力作用部と、本管レール11側の受圧座面11−3および分岐接続体12側の押圧座面12−1との圧接部(シート部)との距離が長いため、締付け用ナット14の締付けに伴い分岐接続体12の先端部の押圧座面12−1と拡径部12−2間の筒体部において座屈が発生し、シール力(シート部の面圧)の低下を招くという問題がある。また分岐接続体12側の押圧座面12−1が本管レール11側の受圧座面11−3に押圧されることにより、当該押圧座面12−1部が内側に変形し分岐接続体12の流路面積が小さくなり、その結果オリフィス作用が生じて噴射圧や噴射量が不安定となるという問題がある。
【0004】本発明は、上記した従来の問題を解決するためになされたもので、分岐接続体の座屈によるシール力の低下や、シート部の変形による噴射圧の不安定化を防止し、シールと噴射圧や噴射量の安定性を確保できるコモンレール用分岐接続体の接続構造を提案しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明は、その軸芯方向内部に流通路を有する本管レールの軸方向の周壁部に間隔を保持して設けた分岐孔の周面部に形成した外方へ開口する受圧座面を囲むように、当該受圧座面と同心に筒状のスリーブニップルを溶接またはろう付けにより本管レールに取着し、該スリーブニップルに螺合する袋ナットを締着して分岐接続体を接続する方式のコモンレール用分岐接続体の接続構造において、前記流通路に通ずる流路を有する分岐接続体を連設する外方へ開口する受圧座面と、前記分岐孔の周面部に形成した外方へ開口する受圧座面に対応する押圧座面とを有し、前記分岐接続体の流路および分岐孔に通ずる流路を有するシール筒を前記スリーブニップルに内嵌し、該シール筒の受圧座面に前記分岐接続体の端部に設けた接続頭部のなす押圧座面を当接係合せしめ、かつ該シール筒の押圧座面を前記分岐孔の周面部に形成した受圧座面に当接係合せしめ、前記スリーブニップルと予め分岐接続体側に組込んだ袋ナットの螺合による前記接続頭部首下での押圧に伴って前記シール筒を介して締着して接続構成したことを特徴とするものである。また前記シール筒は本管レールと同材質またはそれ以上の強度を有する材質からなることを特徴とするものである。
【0006】すなわち本発明は、筒状のスリーブニップルを用いた接続構造において分岐接続体を直接本管レールに圧接せしめて接続する方式に替えて、スリーブニップルに内嵌したシール筒を介して間接的に分岐接続体を本管レールに締着する手段をこうじることにより、分岐接続体の座屈やシート部の変形を防止し、シールと噴射圧や噴射量の安定性を確保したものである。前記シール筒の材質としては、例えばS45C、SCM435などの硬質材を使用することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るコモンレール用分岐接続体の接続構造例を示す縦断面図であり、1は本管レール、2は分岐接続体、3はスリーブニップル、4は締付け用袋ナット、5はシール筒である。
【0008】コモンレールとしての本管レール1は、例えば直径28mm、肉厚9mmの、比較的厚肉の管状部を有するような材質STS48相当の高圧配管用の鋼管であって、その軸芯内部を流通路1−1となしている。
【0009】本管レールと別体のスリーブニップル3を有するコモンレールの場合は、前加工工程において、この本管レール1の外周壁に、外周面に分岐接続体2側に組込まれる締付け用袋ナット4と螺合する螺子面3−1を設けた筒状のスリーブニップル3を継手金具となしてその基端部を直接溶接またはろう付けして取付ける。続いて、仕上加工工程において、本管レール1の前記スリーブニップル3で囲まれた部分に当該本管レール1の流通路1−1に通じ該流通路に連通する円形の外方に開口する周面を受圧座面1−3となす分岐孔1−2を形成する。
【0010】一方、分岐接続体2は、分岐枝管あるいは分岐金具からなるものであって、その内部に本管レール1の流通路1−1に通ずる流路2−1を有してその端部に例えば先細円錐状の挫屈成形による拡径した接続頭部2−2のなす押圧座面2−3を設けてなる。
【0011】またシール筒5は、スリーブニップル3内に内嵌し得る外径を有し、軸方向長さはスリーブニップル3とほぼ同程度となし、中心部には本管レール1の流通路1−1と分岐接続体2の流路2−1と通ずる流路5−1を有し、本管レール1の受圧座面1−3側には当該受圧座面1−3と当接する押圧座面5−2を有し、該押圧座面5−2と反対側の外側開口端側には分岐接続体2に形成した接続頭部2−2のなす押圧座面2−3と当接する受圧座面5−3を有している。このシール筒5の材質は、本管レール1と同一材質またはそれ以上の強度を有するものが好ましい。例えばS45C、SCM435などの硬質材を使用することができる。なお、このシール筒5の外径(スリーブニップル3の内径とほぼ同一)は特に限定するものではないが、当該シール筒の肉厚やシート部に作用する面圧や座屈強度などを考慮して、分岐接続体2の本体部の外径よりなるべく大径とするのが好ましい。
【0012】分岐接続体2の接続構造は、先にスリーブニップル3内にシール筒5を押圧座面5−2側を下にして内嵌し、しかる後分岐接続体2側の接続頭部2−2のなす押圧座面2−3を前記シール筒5の受圧座面5−3に当接係合せしめ、予め分岐接続体2側に組込んだ締付け用袋ナット4を前記スリーブニップル3に螺合することにより、前記接続頭部2−2首下での締付け用袋ナット4の押圧に伴ってシール筒5を介して締着して接続構成するものである。
【0013】
【発明の効果】以上説明したごとく本発明に係るコモンレール用分岐接続体の接続構造は、溶接またはろう付けにより本管レールに取着したスリーブニップルに内嵌したシール筒を介して間接的に分岐接続体を本管レールに締着する方式であるから、分岐接続体の座屈やシート部の変形を防止でき、分岐接続体接続部におけるシールと噴射圧や噴射量の安定性を確保できるという優れた効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000120249
【氏名又は名称】臼井国際産業株式会社
【出願日】 平成11年9月10日(1999.9.10)
【代理人】 【識別番号】100046719
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良輝
【公開番号】 特開2001−82663(P2001−82663A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−257169