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【発明の名称】 ホース継手金具
【発明者】 【氏名】斎藤 秀輔

【要約】 【課題】簡単な作業でストッパ部材をガイド溝内の所定の位置に高強度に取り付ける。

【解決手段】ホース継手金具10では、軸方向に沿ってストッパ収納部38の幅がガイド溝34の幅より長くされると共、このストッパ収納部38がニップルの外周面にガイド溝34を軸方向に沿って横断するように設けられている。ストッパ部材42は軸方向に沿った寸法がガイド溝34の幅より長くされており、ストッパ収納部38内に圧入固定されている。これにより、ニップル14がナットに対して相対的に回転可能となる回転許容範囲がガイド溝34内に挿入されたボルト46の先端部47がストッパ部材42に当接する位置までに制限される。このとき、ストッパ部材42にボルト46の先端部47が繰り返し衝突しても、ストッパ部材42及びストッパ収納部38の何れかが破壊しない限り、ストッパ部材42がガイド溝34に沿って周方向へ移動しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ホース及びホース連結部材の一方の端部に連結固定される略円筒状のナットと、ホース及びホース接続部材の他方の端部に連結固定され、前記ナット内へ回転可能に嵌挿されてホースをホース接続部材に接続するニップルと、前記ニップルの外周面に周方向に沿って延在するように設けられたガイド溝と、前記ナットに前記ニップルへ向かって突出するように設けられ前記ガイド溝内に移動可能に挿入されるガイド突起と、軸方向に沿った幅が前記ガイド溝の幅より長くされ、前記ニップルに前記ガイド溝を前記軸方向に沿って横断し、かつ前記ニップルの外周面に対して凹状となるように設けられたストッパ収納部と、前記軸方向に沿った幅が前記ガイド溝の幅より長くされ、前記ストッパ収納部内に嵌挿されて前記ガイド溝を閉塞するストッパ部材と、を有することを特徴とするホース継手金具。
【請求項2】 前記軸方向に沿った前記ストッパ部材の幅を前記ガイド溝の幅の1.1倍以上としたことを特徴とする請求項1記載のホース継手金具。
【請求項3】 前記ニップルの外周面には、複数の前記ストッパ収納部が前記周方向における異なる部位にそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載のホース継手金具。
【請求項4】 前記ストッパ収納部は、前記ガイド溝の内壁に対して前記軸方向に沿って凹状とされ、かつ曲率半径が一定の曲面からなる係止凹部を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載のホース継手金具。
【請求項5】 前記ナットには該ナットにおける外周面から内周面まで貫通するボルト穴が設けられ、前記ガイド突起は前記外周面側から前記ボルト穴にねじ込まれて前記内周面から突出するボルトの先端部からなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のホース継手金具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給油ホース等のホースを給油ノズル等のホース接続部材に接続するホース継手金具に関するものである。
【0002】
【従来技術】ガソリンスタンド、給油用の車両に設置される据置型又は車載型のガソリン計量機は、一般的にはホース及びこのホースの先端部に接続された給油ノズルを通して自動車のタンクへガソリンを供給するようになっている。このガソリン計量機の給油口に接続されているホースはホース継手金具を介して他の延長用ホースや給油ノズル等のホース接続部材に接続される。このようなホース継手金具は互いに対となるナット及びニップルを備えている。ホース継手金具のナットは略円筒状とされており、例えばホースの先端部に連結固定され、このナットには給油ノズルの端部に連結固定されたニップルが嵌脱可能に嵌挿される。このニップルがナットに嵌挿されることにより、ガソリン計量機に接続されたホースの先端部に給油ノズルが接続される。またガソリン計量機に接続されるホースには軸方向に沿ってセンサケーブルが配設されており、このセンサケーブルを介して給油ノズルに設けられたレベルセンサからの検出信号がガソリン計量機側へ伝送されるようになっている。
【0003】上記のようなホース継手金具では、ニップルがナット内に嵌挿された状態でニップとナットとが相対的に回転可能となっており、これにより、給油ノズルをホースに対して捩れ方向へ回転させても、ホースには捩れが生じないので、ガソリンン給油時にホースからの捩れ反力が給油ノズルに作用せず作業性が低下しない。一方、ニップルとナットとの相対回転が可能となる回転量を所定の範囲内に制限しないと、回転量の増加に従ってセンサコードに生じる張力が増大してセンサコードが断線するおそれがある。このため、従来のホース継手金具には、例えば、ニップルの外周面に周方向に沿ったガイド溝を形成し、一方、ナットにはニップルが嵌挿された状態で前記ガイド溝内に摺動可能に挿入されるガイド突起を設けておき、前記ガイド溝内にブロック状のストッパ部材を圧入又は接着等の方法によって固着したものがある。このホース継手金具では、ガイド突起がガイド溝内でストッパ部材に当接することによりニップルがナットに対して相対的に回転可能となる範囲が制限されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のようなホース継手金具では、ガイド溝内に固着されたストッパ部材に繰り返しガイド突起が衝突すると衝撃荷重によってストッパ部材が剥離してしまうことがある。またストッパ部材をガイド溝内に溶接によって固着すれば、ストッパ部材の固着強度を向上できるがストッパ部材のガイド溝内への取付作業が煩瑣になってしまう。
【0005】本発明は、上記事実を考慮し、簡単な作業でストッパ部材をガイド溝内の所定の位置に高強度に取り付けることができるホース継手金具を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載のホース継手金具は、ホース及びホース連結部材の一方の端部に連結固定される略円筒状のナットと、ホース及びホース接続部材の他方の端部に連結固定され、前記ナット内へ回転可能に嵌挿されてホースをホース接続部材に接続するニップルと、前記ニップルの外周面に周方向に沿って延在するように設けられたガイド溝と、前記ナットに前記ニップルへ向かって突出するように設けられ前記ガイド溝内に移動可能に挿入されるガイド突起と、軸方向に沿った幅が前記ガイド溝の幅より長くされ、前記ニップルに前記ガイド溝を前記軸方向に沿って横断し、かつ前記ニップルの外周面に対して凹状となるように設けられたストッパ収納部と、前記軸方向に沿った幅が前記ガイド溝の幅より長くされ、前記ストッパ収納部内に嵌挿されて前記ガイド溝を閉塞するストッパ部材と、を有するものである。
【0007】上記構成のホース継手金具によれば、軸方向に沿ってストッパ収納部の幅がガイド溝の幅より長くされると共、このストッパ収納部がニップルの外周面にガイド溝を軸方向に沿って横断するように設けられ、さらに軸方向に沿ったストッパ部材の幅もガイド溝の幅より長くされると共に、このストッパ部材がストッパ収納部内に嵌挿されてガイド溝を閉塞させることにより、ニップルがナットに対して相対的に回転可能となる回転許容範囲をガイド溝内に挿入されたガイド突起がストッパ部材に当接する位置までに制限できるので、前記回転許容範囲内でホース接続部材をホースに対して回転させてもホースには捩れが発生せず、またホース接続部材を回転許容範囲の限界値から更に回転させようとしても、ホースがホース接続部材と一体となって回転するので、ホースの捩れ反力が大きくなってホースの捩れ量が実質的に制限される。
【0008】またストッパ部材をストッパ収納部内に嵌挿すれば、ストッパ部材の軸方向に沿った両端部がストッパ収納部により係止された状態となるので、ストッパ部材にガイド突起が繰り返し衝突しても、ストッパ部材及びストッパ収納部の何れかに破壊が生じない限り、ストッパ部材がガイド溝に沿って周方向へ移動しないので、簡単な作業でストッパ部材をガイド溝内へ高強度に取り付けることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係るホース継手金具を図面に基づいて説明する。
【0010】図1には本発明による実施の形態に係るホース継手金具10が示されている。なお、図中符号Sが付された鎖線はホース継手金具10の中心線を示し、この中心線に沿った方向を軸方向として以下の説明を行う。
【0011】ホース継手金具10はガソリンスタンド等で使用される燃料油供給ホース(以下、燃料ホースという)を給油用ノズルに接続するためのものであり、それぞれ円筒状とされたナット12及びニップル14を備えている。ここで、ナット12及びニップル14はそれぞれ火花発生を防止することが考慮されて、例えばアルミニウム、黄銅等の非鉄系金属やステンレスによって形成されている。、ナット12には、図1に示されるように軸方向における一端側に雄ねじ部16が設けられており、この雄ねじ部16の外周面にはねじ山が形成されている。このナット12は、雄ねじ部16が給油ノズル(図示省略)の接続口に設けられた雌ねじ穴内へねじ込まれて給油ノズルに連結固定される。
【0012】またナット12には、雄ねじ部16とは逆側に内外径がそれぞれ雄ねじ部16の内外径より大径とされた外筒部18が一体的に設けられている。この外筒部18の外周面には先端部付近に円形凹状の座ぐり部20が形成されており、この座ぐり部20の底面には外筒部18の内周面まで貫通したボルト穴22が開口している。
【0013】一方、ニップル14には、軸方向における一端側にナット12内に嵌挿される嵌挿部24が設けられると共に、他端側に燃料ホースの先端部が嵌挿されるホース連結部26が一体的に設けられている。嵌挿部24はナット12の内径に対応する外径を有しており、軸方向における中央付近を境として先端側の外径が後端側の外径より細くなっている。嵌挿部24のの外周面には先端部に周方向へ延在する環状の嵌挿溝28が形成されている。また嵌挿部24の外周面には、後端側の大径部分にそれぞれ環状とされた2本のシール溝30,32及び1本のガイド溝34が形成されている。ここで、ガイド溝34は、軸方向においては最もホース連結26側に配置され、軸方向に沿った溝幅がシール溝30,32の溝幅より広くなっている。また2本のシール溝30,32内には、図2に示されるようにそれぞれ環状のシールリング36が挿入される。
【0014】嵌挿部24の外周面には、図1(A)に示されるように軸方向に沿った幅がガイド溝34の幅より長くされ、ガイド溝34を軸方向に沿って横断するように配置されたストッパ収納部38が設けられている。このストッパ収納部38は、図1(B)に示されるように嵌挿部24の外周面に対して凹状とされており、軸心Sを中心とする径方向に沿った深さがガイド溝34と略等しくなっている。ここで、軸方向に沿ったストッパ収納部38の幅はガイド溝34の溝幅の約1.5倍になっている。またストッパ収納部38の軸方向における中心はガイド溝34の幅中心と一致している。これにより、ストッパ収納部38の軸方向両端部にはガイド溝34の内壁に対して凹状となる係止凹部40が形成され、この係止凹部40は曲率半径が一定の凹状の曲面によって形成されている。
【0015】ストッパ収納部38内には、図1に示されるように円板状のストッパ部材42が圧入される。このストッパ部材42はストッパ収納部38の係止凹部40の曲率半径より僅かに小さいか略等しい外径を有しており、ストッパ収納部38内には圧入されて固定されている。従って、ストッパ部材42の外径はガイド溝34の溝幅に対して約1.5倍の長さになっている。ここで、ストッパ収納部38への圧入を容易にするために軸心S側の外径が外周側の外径より僅かに小径となるようストッパ部材42の外周面をテーパ状としてもよい。またストッパ部材42は圧入ではなく接着によりストッパ収納部38内に固定するようにしてもよい。またストッパ部材42の素材としては、例えばアルミニウム、ステンレス、炭素鋼等の金属が用いられる。
【0016】本実施の形態のホース継手金具10では、ニップル14の嵌挿部24がナット12内に嵌挿されると、図2に示されるように嵌挿部24の先端付近がニップル14の雄ねじ部16側の開口端から突出し、この嵌挿部24の先端付近に設けられた嵌挿溝28には金属製のストップリング44が嵌挿される。これにより、嵌挿部24のナット12からの脱落が防止される。また、この状態ではナット12の内周面には嵌挿部24のシール溝30,32内の挿入された2本のシールリング36がそれぞれ圧接し、これにより、ナット12と嵌挿部24の外周面との間が液密状態となるようにシールされる。
【0017】また嵌挿部24がナット12内に嵌挿されると、ナット12のボルト穴22内にボルト46の軸部がねじ込まれ、図2に示されるようにナット12の内周面から軸心S側へ突出したボルト46の先端部47がガイド溝34内に挿入される。このボルト46の先端部47はガイド溝34に沿って周方向へ移動可能になっている。ここで、ボルト46の素材としては、例えば炭素鋼、ステンレス等の金属が用いられる。
【0018】ニップル14のホース連結部26には、図2に示されるように内周面と外周面との間に薄肉円筒状の空間からなり、ホース連結部26の先端面へ開口するスリット48が形成されている。このスリット48を介して内周側の部分はカラー50とされており、このカラー50はスリット48へのホース挿入前の状態では、図2に示されるよりも内周側にあってスリット48の径方向に沿った開口幅を広くしている。ここで、スリット48内に燃料ホース52の先端部が挿入されると、カラー50が外周側へ拡張するようにかしめられ、これにより、燃料ホース52の先端部がニップル14のホース連結部26に連結固定される。
【0019】一方、燃料ホース52には、図3に示されるように内周側及び外周側にそれぞれゴム層54,56が設けられると共に、これらのゴム層54,56の間に高張力繊維からなる編組補強層58が配置されている。また燃料ホース52の外周面には軸方向に沿って配設されたセンサケーブル60が固着されている。
【0020】次に、上記のように構成されたホース継手金具10の作用を説明する。ホース継手金具10では、ニップル14がナットに対して相対的に回転可能となる回転許容範囲がガイド溝34内に挿入されたボルト46の先端部47がストッパ部材42に当接する位置までに制限される。本実施の形態では、ガイド溝34が1個のストッパ部材42により閉塞されているので、ナット12はニップル14に対して360°弱の回転許容範囲内で相対的に回転可能となっている。従って、回転許容範囲内で給油ノズルを燃料ホース52に対して相対回転させても燃料ホース52には捩れが発生せず、また給油ノズルを回転許容範囲の限界値から更に回転させようとしても、燃料ホース52が給油ノズルと一体となって回転するので、燃料ホース52の捩れ反力が大きくなって燃料ホース52の捩れ量が実質的に制限される。この結果、給油ノズルと燃料ホース52との相対回転量が過大にらず、燃料ホース52のセンサケーブル60が断線することを防止できる。
【0021】またストッパ部材42をストッパ収納部38内に嵌挿すれば、ストッパ部材42の軸方向に沿った両端部がストッパ収納部38の係止凹部40により係止された状態となるので、ストッパ部材42にボルト46の先端部47が繰り返し衝突しても、ストッパ部材42及びストッパ収納部38の何れかに破壊が生じない限り、ストッパ部材42がガイド溝34に沿って周方向へ移動しないので、簡単な作業でストッパ部材42をガイド溝34内へ高強度に取り付けることができる。
【0022】なお、本実施の形態では、軸方向に沿ったストッパ部材42の幅をガイド溝34の幅の約1.5倍としたが、強度的にはストッパ部材42の幅はガイド溝34の幅の約1.1倍以上であれば十分である。
【0023】また本実施の形態ではニップル14には1個のストッパ収納部38のみを設けたが、ニップル14における周方向の異なる部位にそれぞれ複数個のストッパ収納部38を設け、ニップル14のナット12に対する許容回転範囲を任意の大きさに設定することも可能である。このとき、ストッパ収納部38を一定の角度毎に設けて所望の許容回転範囲に対応する2個のストッパ収納部38にそれぞれストッパ部材42を圧入固定すれば、ニップル14のナット12に対する許容回転範囲を簡単に設定できる。
【0024】また本実施の形態では、加工が容易であることからストッパ部材42を円板状とし、かつストッパ収納部38の係止凹部40を曲率半径一定の凹状曲面により形成したが、これらの軸方向に沿った幅をガイド溝34の幅の1.1倍以上にできれば、係止凹部及びストッパ部材は他の形状であってもよい。具体的には、例えば、図4に示されるようにストッパ部材82を矩形板状とし、かつストッパ部材42の係止凹部84もストッパ部材82に対応する矩形状としてもよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明のホース継手金具によれば、簡単な作業でストッパ部材をガイド溝内の所定の位置に高強度に取り付けることができる。
【出願人】 【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
【出願日】 平成11年9月16日(1999.9.16)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳 (外3名)
【公開番号】 特開2001−82656(P2001−82656A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−261725