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【発明の名称】 管継手
【発明者】 【氏名】中里 謙介

【要約】 【課題】流体管に装着しやすいインコアを用いた管継手を提供すること。

【解決手段】流体管2の内径よりも小径に形成された導入部8bからインコア8を流体管2に挿入することができるので、挿入の初期における抵抗が少なくなり、導入8b部の反対側にインコア8が縮径可能な切りこみ8dが設けられているので、インコア8の一部を流体管2の内径よりも小さな外径に縮径させて挿入することができるので、挿入抵抗が小さくなり、ハンマーで叩き込む必要がなく挿入の作業性が向上して装着が容易となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インコアが内周面に嵌合された流体管の挿口部をパッキンを介して水密に保持する継手本体と、該継手本体に対して相対移動可能なテーパ面を有するとともに前記テーパ面との相対移動によって前記挿口部付近で縮径するロックリングと、からなる管継手において、前記インコアが、薄肉円筒形の本体部と、該本体部に連設され流体管の内径よりも小さい外径に形成された導入部とで構成され、インコアにおける導入部の反対側の端部に開口した所定の幅の切りこみがパッキンの近傍まで設けられ、半径方向に弾性縮径可能となっていることを特徴とする管継手。
【請求項2】 前記切りこみの終点部分には、切りこみの幅よりも大きい径の円形部が形成されている請求項1に記載の管継手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばポリエチレン等の軟質合成樹脂製の水道管、ガス管、プラント用配管の接合に使用される管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の流体管の管継手として図4に示すような押輪BでロックリングEを押し、ロックリングEがリテーナDを介してパッキンCを継手本体Aに押し込むものが知られている。
【0003】継手本体Aは、端部の内周面にパッキンCが収容される拡径部A1と、その外面に形成されたフランジA2と、拡径部A1の奥の内周面に突出したストッパーA3によって構成され、拡径部A1には、継手本体Aの中央側より断面が楔形のパッキンC、リテーナD、ロックリングEが配置され、内周面に径の収縮を防止するインコアGが装着された流体管PがストッパーA3に当接するように挿入されている。
【0004】押輪Bの内周面には、継手本体A側に向かって拡径するテーパ面B1が形成され、外面には、継手本体AのフランジA2に対応するフランジB2が設けてあり、ボルト・ナットFによって継手本体Aに取り付けられる。
【0005】ロックリングEの外周面には、テーパ面B1に当接する外テーパ面E1が形成され、内周面には、流体管Pの外周面に食い込む刃E2が形成されている。
【0006】このような管継手で流体管Pを接合するには、まず、端部にインコアGを装着した流体管Pの挿口部に押輪B、ロックリングE、リテーナD、パッキンCを順に外嵌させ、次に、継手本体Aに前記挿口部を挿入し、パッキンC、リテーナD、ロックリングEの順に拡径部A1に押し込み、押輪Bを継手本体Aに引き寄せ、そして、継手本体Aと押輪BのフランジA2、B2にボルトFを挿通し、ナットFで締め付けて押輪Bを継手本体Aに締結する。
【0007】押輪Bが継手本体Aにボルト・ナットFによって取り付けられるときに、テーパ面B1が継手本体A方向に移動し、ロックリングEは外テーパ面E1がテーパ面B1に当接して縮径する。縮径されたロックリングEの刃E2が流体管Pの外周面に食い込み、インコアGが流体管Pの縮径を防止することにより、流体管PはロックリングEとインコアGに挟まれて管継手からの離脱を阻止されて接合される。
【0008】この流体管Pを接合した管継手において、流体管Pが管継手に対して抜け出す方向に動いたときには、流体管Pの外周面に刃E2が食い込んでいるのでロックリングEも流体管Pと一緒に移動し、ロックリングEの外テーパ面E1が押輪Bのテーパ面B1に当接移動することによってロックリングEが縮径され、流体管Pに刃E2が更に食い込み、抜け出しが防止される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の管継手におけるインコアは、装着した流体管からの抜け出しを防止するために、長さ方向に一定で、流体管の内径よりも大きな外径の薄肉円筒形に形成されているものが多く、また、このインコアが装着される流体管は、ポリエチレン管等の軟質合成樹脂管であって、その製造方法や材質の特性によって管径や管厚のばらつきが大きく、軟質合成樹脂管各規格における管径や管厚は、公差が大きく規定されているので、インコアは、公差を見込した流体管の最大内径よりも大きな外径に形成されていた。
【0010】従って、流体管の接合作業時には、流体管の内径よりも大きな外径のインコアを流体管内周部に挿入することが必要となり、インコアは流体管を押し拡げるようにして挿入されていた。よって、インコアを装着するのには大きな力を必要とし、ハンマーで叩き込んだりしており、また、流体管の反発力で抜け出してくることがあり、所定の位置に装着するのが難しく、作業時間を多く必要としていた。
【0011】本発明が解決しようとする課題は、上記問題を解決するためになされたもので、流体管に装着しやすいインコアを用いた管継手を提供する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の管継手は、インコアが内周面に嵌合された流体管の挿口部をパッキンを介して水密に保持する継手本体と、該継手本体に対して相対移動可能なテーパ面を有するとともに前記テーパ面との相対移動によって前記挿口部付近で縮径するロックリングと、からなる管継手において、前記インコアが、薄肉円筒形の本体部と、該本体部に連設され流体管の内径よりも小さい外径に形成された導入部とで構成され、インコアにおける導入部の反対側の端部に開口した所定の幅の切りこみがパッキンの近傍まで設けられ、半径方向に弾性縮径可能となっていることを特徴としている。この特徴により、流体管内径よりも小径に形成された導入部からインコアを流体管に挿入することができるので、挿入の初期における抵抗が少なく、また導入部の反対側にインコアが縮径可能な切りこみが設けられているので、インコアの一部を流体管内径よりも小さな外径に縮径させて挿入することができ、挿入抵抗が小さくなり、ハンマーで叩き込む必要がなく挿入の作業性が向上して装着が容易となる。さらに、インコアは弾性縮径されているので、装着後には復元し、流体管の内周面に圧接するので流体管からの抜け出しが防止され、装着位置の保持がなされ安定固定される。
【0013】前記切りこみの終点部分には、切りこみの幅よりも大きい径の円形部が形成されているのが好ましい。このようにすると、インコアが縮径したときに切りこみの終点部に発生する応力を分散することができるので、インコアが破損するのを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0015】図1ないし図3は、本発明の管継手1を用いてポリエチレン製の流体管2、2を接合した実施例を示している。
【0016】同図において、3は、ダクタイル鋳鉄製の継手本体、4は、継手本体3に締結される押輪、5は、押輪4の内周面に配置されるロックリング、6は、流体管2を継手本体3に水密に接合するパッキン、7は、パッキン6を押圧するリテーナ、8は、流体管2の端部内周に装着されたインコアである。
【0017】継手本体3の内面中央には管中心方向に突出したストッパー3dが設けられ、継手本体3の両端部分には、パッキン6が収容される拡径部3aが形成され、その外面にはフランジ3bが連設されており、拡径部3aの端部にはリテーナ7が当接してその移動を防止する係止部3cが設けられている。
【0018】継手本体3の外周面に設けられたフランジ3bには、押輪4のフランジ4bが複数のT頭ボルト9とナット10により取り付けられ、ロックリング5は、押輪4のテーパ面4aにより締め付けられている。
【0019】ロックリング5は、流体管2よりも硬質の合成樹脂、例えばアセタール樹脂等やステンレス製等の金属体からなる1つ割りの形状をしており、縮径させても元の形状に戻る弾性を有し、その断面形状は、外周面は押輪4のテーパ面4aとほぼ同じ傾斜の外テーパ面5aが形成され、その最大外径はテーパ面の最大内径より大きく設定され、内周面には、円周方向を向く複数の刃5bが形成されている。
【0020】インコア8は、図3に示すように外径が流体管2の内径より若干大きく形成された薄肉円筒状の本体部8aと、本体部8aの一端部より連設された先細りテーパ状の導入部8bと、他端部に外径方向に突出して連設された鍔部8cとで構成されている。導入部8bの先端外径は、流体管2の内径よりも小さく形成されている。
【0021】鍔部8cの端部に開口し、管軸方向に所定の間隔で切りこみ8dが設けられ、その終端部は、パッキンの6の近傍に位置し、切りこみ8dの幅よりも大きい径の円形部8eが形成されている。
【0022】インコア8は、この切りこみ8dにより、鍔部8cから本体部8aにかけて円形部8eを基部として弾性的に縮径することができる。
【0023】上記実施例の管継手1を用いて、流体管2を接合するには、まず、接合する流体管2の端部に導入部8bを押し当て、鍔部8cが流体管2の端部に当接するまでインコア8を挿入する。
【0024】次に、フランジ3bとフランジ4bにT頭ボルト9を挿し通しナット10を仮締めし、ロックリング5とリテーナ7とが内部に装着された押輪4をパッキン6が拡径部3aに挿入された継手本体3に仮止めする。
【0025】ついで、インコア8が内部に装着された流体管2を継手本体3に仮止めされた押輪4の端部よりストッパー3dに当接するまで挿入し、仮締めしてあるナット10をフランジ3bとフランジ4bが当接するまで均等に締め付けて接合を完了する。
【0026】流体管2にインコア8を装着するにあたり、流体管2の内径よりも小径に形成された導入部8bから流体管2に挿入することができ、また、流体管2の内径より大きく形成された本体部8aには切りこみ8dが設けられているので縮径することができるので、挿入抵抗が少なくなり、挿入の作業性が向上して装着が容易となる。
【0027】また、インコアは弾性縮径されているので、装着後には復元し、流体管の内周面に圧接するので流体管からの抜け出しが防止される。したがって、装着位置の保持がなされ安定固定される。
【0028】テーパ面4aとロックリング5とが相対移動すると、楔作用によりロックリング5が縮径させられ、刃5bが流体管2に食い込み抜け出しが防止される。
【0029】このとき流体管2はロックリング5と一緒に縮径しようとするが内周面にインコア8が装着されているので防止され、インコア8のロックリング5付近は切りこみ8dが形成されていないので円筒形の状態を保持しているので、確実に縮径を防止することができる【0030】以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明の具体的な構成はこれに限定されるものではない。
【0031】実施例では、切りこみは、一ヶ所だけ設けられているが軸対象に2ヵ所や3ヶ所など複数設けて、より縮径しやすくしても良い。
【0032】また、インコアの鍔部は緩やかに広がるテーパ状に設けられているが、ほぼ直角に外径方向に立設されていても良い。
【0033】押輪はフランジが形成され、継手本体にボルト・ナットで締結されているが、押輪を袋ナット状に形成して継手本体にねじ込んで取り付けてもよい。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、流体管内径よりも小径に形成された導入部からインコアを流体管に挿入することができるので、挿入の初期における抵抗が少なく、また導入部の反対側にインコアが縮径可能な切りこみが設けられているので、インコアの一部を流体管内径よりも小さな外径に縮径させて挿入することができ、挿入抵抗が小さくなり、ハンマーで叩き込む必要がなく挿入の作業性が向上して装着が容易となる。さらに、インコアは弾性縮径されているので、装着後には復元し、流体管の内周面に圧接するので流体管からの抜け出しが防止され、装着位置の保持がなされ安定固定される。
【0035】切りこみがパッキンの近傍までしか設けられていないのでロックリング付近に位置するインコアは円筒状に形成されており、ロックリングの縮径による流体管の変形を確実に防止することができる。
【0036】請求項2の発明によれば、インコアが縮径したときに切りこみの終点部に発生する応力を分散することができるので、インコアが破損するのを防止できる。
【出願人】 【識別番号】000105556
【氏名又は名称】コスモ工機株式会社
【出願日】 平成11年9月8日(1999.9.8)
【代理人】 【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男 (外1名)
【公開番号】 特開2001−82654(P2001−82654A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−254855