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【発明の名称】 パッキング及びそれを用いた受口構造
【発明者】 【氏名】竹中 兵衛

【氏名】奥山 哲弘

【要約】 【課題】管の極端な偏芯や偏肉にも対応して十分なシール性を確保でき、長期止水性の信頼性を向上させることができるとともに、使用後の管の取り外しを容易に行うことができるコレットを備えた受口内に装着して用いられるパッキング、及び、それを用いた、使用後の管の取り外しを容易に行うことができる受口構造を提供する。

【解決手段】抜け防止用のコレットを備えた受口内に装着される弾性体からなる輪状のパッキング1であって、前記受口の奥側となる端部にリップ部112が設けられ、前記受口の開口端側となる端部の内周面に周方向に沿って挿入すべき管の外径よりもその先端部の内径が小さな第1の突条113が設けられ、該第1の突条と前記リップ部との間の内周面又はリップ部の内周面に周方向に沿って挿入すべき管の外径よりもその先端部の内径が小さな第2の突条114が設けられており、前記第1の突条113の高さが前記第2の突条114の高さの2倍以上とされ、前記第2の突条114の先端からリップ部112の先端までのパッキング軸方向長さが、パッキング軸方向全長の20%以上とされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 抜け防止用のコレットを備えた受口内に装着される弾性体からなる輪状のパッキングであって、前記受口の奥側となる端部にリップ部が設けられ、前記受口の開口端側となる端部の内周面に周方向に沿って挿入すべき管の外径よりもその先端部の内径が小さな第1の突条が設けられ、該第1の突条と前記リップ部との間の内周面又はリップ部の内周面に周方向に沿って挿入すべき管の外径よりもその先端部の内径が小さな第2の突条が設けられており、前記第1の突条の高さが前記第2の突条の高さの2倍以上とされ、前記第2の突条の先端からリップ部の先端までのパッキング軸方向長さが、パッキング軸方向全長の20%以上とされていることを特徴とするパッキング。
【請求項2】 前記第1の突条又は該第1の突条を含む前記受口の開口端側となる端部の材質が、他の部分の材質よりも低モジュラス材料からなることを特徴とする請求項1に記載のパッキング。
【請求項3】 受口の奥側の内周面にパッキング用凹溝が設けられ、該パッキング用凹溝内に請求項1又は請求項2に記載のパッキングが装着され、前記受口の開口端側の内周面にコレット用凹溝が設けられ、前記受口に、該コレット用凹溝にそのヘッド部を挿入するようにコレットが装着されていることを特徴とする受口構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管同士の接続や、管と管継手との接続の際に、抜け防止用のコレットを備えた受口内に装着して用いられるパッキング、及び、それを用いた受口構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、抜け防止用のコレットを備えた管継手としては、例えば、特開平6─193787号公報に開示されているものが知られている。この管継手は、内周面が先細りのテーパー状に形成された受口を一端部に有する継手本体と、その受口の奥部に装着されたパッキングと、受口内にその一端部が挿入されたコレット(抜け防止部材)とにより構成されている。
【0003】この管継手の受口内に管を接続するときには、コレット内に管を押し込むだけでパッキングにより管の外周面と受口の内周面とがシールされるとともに、管の抜け出し力に対しては、コレットのヘッド部のテーパー面が継手本体の受口のテーパー面と当接することによりコレットのエッジ部が管の外周面に食い込むことにより抜け防止がなされ、エッジの食い込みを外すようにして管を取り外すことができるものである。
【0004】しかし、このような管継手の構造によれば、管を接続して水圧が負荷されると、パッキングが水圧により押されて受口の開口端側に移動することがあり、かかる移動時に、パッキングと管とのシール面、及び、パッキングと継手本体とのシール面にわずかながら水が浸入し、これにより微小な水漏れが発生することがある。
【0005】更に、長期間にわたって水圧が負荷されたり、又、一時的であっても高い水圧が負荷されると、この水圧によってパッキングがコレットの先端に当接するまで移動し、コレットにパッキングが噛み込んでしまうこともある。かかる噛み込みが生ずると、管を受口から抜く際に、コレットを奥側に押し込んでもパッキングの噛み込みによってコレットのエッジ部の管への食い込みが外れにくいという問題を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本願は、上記のような従来の問題点を解消し、管の極端な偏芯や偏肉にも対応して十分なシール性を確保でき、長期止水性の信頼性を向上させることができるとともに、使用後の管の取り外しを容易に行うことができるコレットを備えた受口内に装着して用いられるパッキング、及び、それを用いた、使用後の管の取り外しを容易に行うことができる受口構造を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の発明(本発明1)は、抜け防止用のコレットを備えた受口内に装着される弾性体からなる輪状のパッキングであって、前記受口の奥側となる端部にリップ部が設けられ、前記受口の開口端側となる端部の内周面に周方向に沿って挿入すべき管の外径よりもその先端部の内径が小さな第1の突条が設けられ、該第1の突条と前記リップ部との間の内周面又はリップ部の内周面に周方向に沿って挿入すべき管の外径よりもその先端部の内径が小さな第2の突条が設けられており、前記第1の突条の高さが前記第2の突条の高さの2倍以上とされ、前記第2の突条の先端からリップ部の先端までのパッキング軸方向長さが、パッキング軸方向全長の20%以上とされているパッキングである。
【0008】本願の請求項2に記載の発明(本発明2)は、前記第1の突条又は該第1の突条を含む前記受口の開口端側となる端部の材質が、他の部分の材質よりも低モジュラス材料からなる本発明1のパッキングである。
【0009】本願の請求項3に記載の発明(本発明3)は、受口の奥側の内周面にパッキング用凹溝が設けられ、該パッキング用凹溝内に本発明1又は本発明2のパッキングが装着され、前記受口の開口端側の内周面にコレット用凹溝が設けられ、前記受口に、該コレット用凹溝にそのヘッド部を挿入するようにコレットが装着されている受口構造である。
【0010】本発明1においては、前記第1の突条の高さが前記第2の突条の高さの2倍以上とされ、かつ、前記第2の突条の先端からリップ部の先端までのパッキング軸方向長さが、パッキング軸方向全長の20%以上とされている必要がある。この条件を満たす場合に始めて、セルフシール機能を確保しつつ、かつ、2箇所のシールポイントでの水密性を確保することができる。
【0011】本発明2において、第1の突条又は第1の突条を含む受口の開口端側を形成する材質は、他の部分の材質よりも、低モジュラス材料からなる必要があり、約10%以上弾性率(モジュラス)が低い材料からなることが好ましい。これにより、挿入管外周面の傷の部分にも追随して水みちを塞ぐことができるので、止水性が十分に確保される。
【0012】
【作用】本発明1のパッキングは、前記受口の奥側となる端部にリップ部が設けられ、前記受口の開口端側となる端部の内周面に周方向に沿って挿入すべき管の外径よりもその先端部の内径が小さな第1の突条が設けられ、該第1の突条と前記リップ部との間の内周面又はリップ部の内周面に周方向に沿って挿入すべき管の外径よりもその先端部の内径が小さな第2の突条が設けられており、前記第1の突条の高さが前記第2の突条の高さの2倍以上とされ、前記第2の突条の先端からリップ部の先端までのパッキング軸方向長さが、パッキング軸方向全長の20%以上とされていることにより、第1の突条及び第2の突条は、リップ部の先端が挿入管外周面に当接する妨げとなることはないので、管路に内管が負荷したときのリップ部によるセルフシール機能を十分確保することができるとともに、第1の突条及び第2の突条がともに挿入管外周面を押圧した状態にて当接するので、2箇所のシールポイントによる十分な水密性を確保することができる。
【0013】本発明2のパッキングは、前記第1の突条又は該第1の突条を含む前記受口の開口端側となる端部の材質が、他の部分の材質よりも低モジュラス材料からなることにより、挿入管外周面の傷の部分にも第1の突条が追随して水みちを塞ぐことができるので、更に十分な止水性を確保することができる。
【0014】本発明3の受口構造は、受口の奥側の内周面にパッキング用凹溝が設けられ、該パッキング用凹溝内に本発明1又は本発明2のパッキングが装着され、前記受口の開口端側の内周面にコレット用凹溝が設けられ、前記受口に、該コレット用凹溝にそのヘッド部を挿入するようにコレットが装着されていることにより、管路に内管が負荷したときのリップ部によるセルフシール機能を十分確保することができるとともに、第1の突条及び第2の突条がともに挿入管外周面を押圧した状態にて当接するので、2箇所のシールポイントによる十分な水密性を確保することができるともに、水圧によってパッキングがコレットのヘッド部の方へ移動して噛み込んでしまうことがないので、使用後の管の取り外しを容易に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明のパッキングの一例を示す断面図である。この例のパッキング1は、抜け防止用のコレットを備えた受口内に装着されるものであって、弾性体からなり、輪状のパッキング本体11を備えている。
【0016】パッキング本体11には、その外周面に周方向に沿って2本の支持部111,111が設けられている。パッキング本体11の受口4の奥側となる端部には、周方向に沿ってリップ部112が設けられており、受口4の開口端側となる端部の内周面には、周方向に沿って挿入すべき管5の外径よりもその先端部の内径が小さな第1の突条113が設けられている。パッキング本体11の第1の突条113とリップ部112との間の内周面には周方向に沿って挿入すべき管5の外径よりもその先端部の内径が小さな第2の突条114が設けられている。
【0017】第1の突条113の高さは第2の突条114の高さの2倍以上とされている。第2の突条114の先端部からリップ部112の先端部までのパッキング軸方向長さは、パッキング1の軸方向全長の20%以上とされている。
【0018】図2は、本発明のパッキングの別の例を示す断面図である。この例のパッキング2は、第1の突条213の材質が、他の部分の材質よりも、低モジュラス材質からなる。それ以外は、図1を参照して説明したものと同じであるので、図中に対応する図番のみを付して詳細な説明は省略する。
【0019】図3は、本発明のパッキングの更に別の例を示す断面図である。この例のパッキング3は、第1の突条312を含む受口4の開口端側となる端部の材質が、他の部分の材質よりも低モジュラス材料からなる。それこと以外は、図1を参照して説明したものと同じであるので、図中に対応する図番のみを付して詳細な説明は省略する。
【0020】次に、図1に示すパッキングを用いた本発明の受口構造の一例を、図4〜図6を参照して説明する。図4に示すように、この例の受口構造は、図1に示すパッキング1と、受口41と、コレット42と、インコアー43とからなる。受口41の奥側の内周面にはパッキング用凹溝411が設けられ、パッキング用凹溝411内に図1に示すパッキング1が装着されている。受口4の開口端側の内周面にはコレット用凹溝412が設けられている。受口4には、コレット用凹溝412にそのヘッド部421を挿入するようにコレット42が装着されている。
【0021】図5に示すように、この受口構造内のコレット43及びパッキング1と、インコアー43との間に管5が挿入されたとき、第1の突条113の高さは第2の突条114の高さの2倍以上とされ、第2の突条114の先端部からリップ部112の先端部までのパッキング軸方向長さは、パッキング1の軸方向全長の20%以上とされていることにより、パッキング1のリップ部112の先端部は、第1の突条113及び第2の突条114に邪魔されることなく、管5の外周面に当接するとともに、第1の突条113及び第2の突条114は、それぞれ、管5の外周面に押圧状態にて当接し、2箇所のシールポイントを形成することとなる。
【0022】図6に示すように、この受口構造内に挿入される管5が極端に偏芯された状態にて挿入された場合であっても、パッキング1のリップ部112の先端部は、第1の突条113及び第2の突条114に邪魔されることなく、管5の外周面に当接するとともに、第1の突条113及び第2の突条114は、それぞれ、管5の外周面に押圧状態にて当接し、2箇所のシールポイントを形成する状態を維持することができる。管5として偏肉のあるものを用いた場合も同様である。
【0023】このように、この受口構造内に管5が挿入された状態にて、管路に内管が負荷したときのリップ部112によるセルフシール機能を十分確保することができるとともに、2箇所のシールポイントにより十分な水密性を確保することができる。
【0024】又、パッキング1は奥側のパッキング用凹溝411内に装着され、コレット42のヘッド部421は開口端側のコレット用凹溝412内に装着されているので、水圧によってパッキング1がコレット42のヘッド部421の方へ移動して噛み込んでしまうことがないので、使用後の管5の取り外しを容易に行うことができる。
【0025】尚、パッキングとして、図2又は図3に示すようなものを用いた場合には、更に、挿入管外周面の傷の部分にも第1の突条が追随して水みちを塞ぐことができるので、一層高い止水性を確保することができる。
【0026】
【発明の効果】本発明のパッキングは、上記のとおりとされているので、管の極端な偏芯や偏肉にも対応して十分なシール性を確保でき、長期止水性の信頼性を向上させることができるとともに、使用後の管の取り外しを容易に行うことができる。
【0027】本発明の受口構造は、上記のとおりとされているので、上記の本発明のパッキングの効果に加えて、使用後の管の取り外しを容易に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成11年9月17日(1999.9.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−82650(P2001−82650A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−264093