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【発明の名称】 合成樹脂管の接続部
【発明者】 【氏名】石田 敬一

【氏名】岸田 実樹

【要約】 【課題】外周面に周方向に沿う溝及び突条の少なくとも一方を有する合成樹脂管の一端部に装着したゴム輪がねじれたりずれたりすることなく受口内に水密性よく接続することができる合成樹脂管の接続部を提供する。

【解決手段】外周面に周方向に沿う溝及び突条の少なくとも一方を有する合成樹脂管の一端部の外周面に、周方向に沿ってゴム輪が装着されて差口が形成された合成樹脂管の接続部であって、前記差口のゴム輪の両側部に、該ゴム輪よりも外周側に突出しない支持部材が、該ゴム輪の側面を支持するように設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外周面に周方向に沿う溝及び突条の少なくとも一方を有する合成樹脂管の一端部の外周面に、周方向に沿ってゴム輪が装着されて差口が形成された合成樹脂管の接続部であって、前記差口のゴム輪の両側部に、該ゴム輪よりも外方に突出しない支持部材が、該ゴム輪の側面を支持するように設けられていることを特徴とする合成樹脂管の接続部。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受口内にゴム輪接続される差口を有する合成樹脂管の接続部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、受差方式にてゴム輪接続される継手としては、コンクリート管接続用としてではあるが、例えば、実公昭45─10538号公報に記載され、図4に示すように、コンクリート管aの受口b内面に形成された凹所cに溝型環dを嵌着し、その溝型環dにゴム輪eを嵌入したコンクリート管ゴム輪継手等が知られている。
【0003】最近、製法上の都合から、外周面に周方向に沿って螺旋状の、浅い溝、突条又は断面波形が付与されている合成樹脂管が製造されている。これらの外周面に周方向に沿う溝、突条又は断面波形を有する合成樹脂管では、上記のように受口の内面にゴム輪を設ける構造を採用することはできない。即ち、図5に示すように、外周面に周方向に沿って螺旋状浅い溝mと突条tとが交互に付与されている合成樹脂管pの場合について説明すると、水密性を確保するために、その一端部にゴム輪gを装着して差口sを形成している。受口側にゴム輪を設けても、実際の接合時には、合成樹脂管の挿入端部の凹凸面にゴム輪のどの部分が接触するかわからないために、やむをえず差口側にゴム輪を設けているものと思われる。
【0004】そして、ゴム輪gの内周面に、合成樹脂管pの外周面に周方向に沿って付与された螺旋状の溝m及び突条tの形状に合致する凹凸面oを設けるともに、その凹凸面oをブチルゴム等の粘着性のなる粘着剤nを介して合成樹脂管pの一端部の表面に接合する等の工夫がなされている。
【0005】このような、合成樹脂管pの差口sが受口内に真っ直ぐに差し込まれていて、かつ、接合部が偏平化するような大きな力がかかっているときには、ほぼ良好な水密性が得られる。しかし、差口sが受口内に管軸が傾くように差し込まれた状態になったり、接合部分に大きな曲げ荷重がかかってある程度変形したりすると、ゴム輪gがねじれたりずれたりして、水密性が保てなくなることがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、外周面に周方向に沿う溝及び突条の少なくとも一方を有する合成樹脂管の一端部に装着したゴム輪がねじれたりずれたりすることなく受口内に水密性よく接続することができる合成樹脂管の接続部を提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、外周面に周方向に沿う溝及び突条の少なくとも一方を有する合成樹脂管の一端部の外周面に、周方向に沿ってゴム輪が装着されて差口が形成された合成樹脂管の接続部であって、前記差口のゴム輪の両側部に、該ゴム輪よりも外方に突出しない支持部材が、該ゴム輪の側面を支持するように設けられている合成樹脂管の接続部である。
【0008】本発明において、合成樹脂管を形成する合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、硬質ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。合成樹脂管としては、外周面に周方向に沿う溝、突条、又はその両者を有するものが使用される。溝、突条、又はその両者は周方向に沿って螺旋状に設けられていてもよい、管軸に対する垂直面に平行をなすように並列的に複数設けられていてもよい。
【0009】本発明において支持部材の材質としては、ゴム輪がねじれたりずれたりするのを防止する性能を有するものであれば適宜選択することができ、例えば、合成樹脂管の材質がポリエチレンの場合には、ポリエチレンであってもよいし、又、薄い鉄板にポリエチレンをコーティングしたものであってもよい。
【0010】支持部材の高さとしては、差口が挿入される受口の内径よりも小さくて挿入時の障害とならないことは当然として、ゴム輪によるシール機能を阻害しないように、ゴム輪よりも外方に突出せず、かつゴム輪のねじれやずれを防止できる高さである必要があり、目安としてはゴム輪の高さの2/3程度くらいが好適である。
【0011】支持部材は、合成樹脂管の一端部の外周面に周方向に沿って装着されたゴム輪の両側面を支持するように設けられる必要がある。支持部材は、ゴム輪の両側面を別々に支持する一対のものであっても、外周面にゴム環を装着する凹溝が周方向に設けられた断面形状が略コ字状をなす一体ものからなるものであってもよい。又、その全体形状は、環状体であっても、割り片を組み合わせることによって環状体に形成できるものであってもよい。
【0012】支持部材の内周面には、合成樹脂管の外周面に周方向に沿って設けられた溝及び突条の少なくとも一方の形状に合致する凹凸面が付与されているのが好ましい。
【0013】
【作用】本発明の合成樹脂管の接続部は、前記差口のゴム輪の両側部に、該ゴム輪よりも外方に突出しない支持部材が、該ゴム輪の側面を支持するように設けられていることにより、受口内に管軸が傾くように差し込まれた状態になったり、接合部分に大きな曲げ荷重がかかってある程度変形したりした場合にも、ゴム輪がねじれたりずれたりすることがなく、ゴム輪による水密性を保つことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の合成樹脂管の一例を示す断面図である。Pは合成樹脂管であって、その外周面に周方向に沿って、浅い溝11と突条12とを交互に有するものである。
【0015】合成樹脂管Pの一端部の外周面には、周方向に沿ってブチルゴム等の粘着性のある粘着剤13を介してゴム輪14が装着されている。ゴム輪14の内周面には、合成樹脂管Pの外周面に沿って形成された浅い溝11と突条12に合致する凹凸面が形成されており、合成樹脂管Pの一端部の外周面との間に隙間ができないようにされている。ゴム輪14の外周面には、周方向に沿う断面形状が短冊状をなす3本のシール部が形成されている。
【0016】合成樹脂管Pのゴム輪14が装着された一端部の外周面には、ゴム輪14の両側部に、一対の環状体からなる支持部材15,15が支持部材が、ゴム輪14の両側面を支持するように固定されて、これらにより差口1が形成されている。支持部材15,15の内周面は、合成樹脂管Pの外周面に沿って形成された浅い溝11と突条12に合致する凹凸面とされている。支持部材15の高さは、図示しない受口の内径よりもその外径が小さく、ゴム輪14の高さの2/3程度くらいとされている。支持部材15の合成樹脂管Pの外周面の固定手段としては、接着剤や粘着剤を用いてもよいし、溶着であってもよい。
【0017】この差口1が図示しない受口内に管軸が傾くように差し込まれた状態になったり、接合部分に大きな曲げ荷重がかかってある程度変形したりした場合にも、ゴム環14の両側面が支持部材15,15により支持されているので、ゴム輪14がねじれたりずれたりすることがなく、ゴム輪14による水密性を保つことができる。
【0018】図2は、本発明の合成樹脂管の別の例を示す断面図である。この例の場合には、支持部材25として、ゴム環24を装着する凹溝251が周方向に設けられた断面形状が略コ字状をなす一体ものの環状体からなるものが用いられている。
【0019】図1に示すのと同様の合成樹脂管Pの一端部の外周面には、周方向に沿ってブチルゴム等の粘着性のある粘着剤23を介して、支持部材25が装着されている。支持部材25の内周面は、合成樹脂管Pの外周面に沿って形成された浅い溝11と突条12に合致する凹凸面とされており、合成樹脂管Pの一端部の外周面との間に隙間ができないようにされている。
【0020】支持部材25の凹溝251には粘着剤を介してゴム輪24が周方向に沿って装着されて、差口2が形成されている。ゴム輪24の両側面は、支持部材25の両側部により支持された状態となっている。ゴム輪24の外周面には、周方向に沿う断面形状が短冊状をなす3本のシール部が形成されている。
【0021】この差口2が図示しない受口内に管軸が傾くように差し込まれた状態になったり、接合部分に大きな曲げ荷重がかかってある程度変形したりした場合にも、ゴム環24の両側面が支持部材25の両側部により支持されているので、ゴム輪24がねじれたりずれたりすることがなく、ゴム輪24による水密性を保つことができる。
【0022】図3は、本発明の合成樹脂管の更に別の例を示す断面図である。この例の場合には、ゴム輪34として、周方向に沿う断面形状が三角形状をなす3本のシール部が形成されているものを用いる。それ以外は、図1を参照して説明したものと同様であるので、対応する図番のみを付して詳細な説明は省略する。
【0023】
【発明の効果】本発明の合成樹脂管の接続部は、上記のとおりとされているので、受口内に接続される合成樹脂管が外周面に周方向に沿う溝及び突条の少なくとも一方を有するものであっても、その一端部に装着したゴム輪をねじれたりずれたりすることなく受口内に水密性よく接続することができる。
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成11年9月17日(1999.9.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−82649(P2001−82649A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−264089