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【発明の名称】 ブレーキホース
【発明者】 【氏名】石川 隆司

【氏名】佐藤 久

【氏名】斉藤 智則

【氏名】小林 陽二

【氏名】堀越 秀樹

【氏名】海東 辰也

【要約】 【課題】耐疲労性及び耐食性を充分に満足すると共に、耐膨張性にも優れた新規なブレーキホースの提供。

【解決手段】ブレーキ液が充填される内層ゴム1の外周に第一補強繊維層2、中間ゴム3、第二補強繊維層4、外層ゴム5を順次設けてなるブレーキホースにおいて、上記第一補強繊維層2をポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維から構成する。これによって耐疲労性,耐食性,耐膨張性のいずれの特性も高次元で実現することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ブレーキ液が充填される内層ゴムの外周に、ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維からなる補強繊維層を備えたことを特徴とするブレーキホース。
【請求項2】 ブレーキ液が充填される内層ゴムの外周に補強繊維層を備えると共にその補強繊維層の外周に外層ゴムを備えたブレーキホースにおいて、上記補強繊維層がポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維からなることを特徴とするブレーキホース。
【請求項3】 ブレーキ液が充填される内層ゴムの外周に第一補強繊維層、中間ゴム、第二補強繊維層、外層ゴムを順次設けてなるブレーキホースにおいて、上記第一補強繊維層がポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維からなることを特徴とするブレーキホース。
【請求項4】 ブレーキ液が充填される内層ゴムの外周に第一補強繊維層、中間ゴム、第二補強繊維層、外層ゴムを順次設けてなるブレーキホースにおいて、上記第一及び第二補強繊維層がそれぞれポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維からなることを特徴とするブレーキホース。
【請求項5】 ブレーキ液が充填される内層ゴムの外周に第一補強繊維層、中間ゴム、第二補強繊維層、外層ゴムを順次設けてなるブレーキホースにおいて、上記第一補強繊維層がポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維からなると共に、上記第二補強繊維層がポリエチレンテレフタレート繊維又はポリビニルアルコール繊維あるいはレーヨン繊維のいずれかからなることを特徴とするブレーキホース。
【請求項6】 上記ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維として、150℃における乾熱収縮率0.5〜8.5%、単位デニール当たりの引張り強さ6.5g以上、単位デニール当たり4.5g荷重時の伸度が5%以下のものを用いたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のブレーキホース。
【請求項7】 上記内層ゴム,中間ゴム,外層ゴムは、天然ゴム(NR),クロロプレンゴム(CR),スチレンブタジエンゴム(SBR),エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM),イソブチレンゴム(IIR),クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)のうちいずれかのゴム材料から構成されていることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のブレーキホース。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等のブレーキシステムの一部を構成するブレーキホースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、乗用車,バス,トラック,電車等のブレーキシステムの一部を構成するブレーキホースは、シャーシとホイールキャリパーを結ぶ液圧伝達ホースとして用いられており、自動車等の制動に係る重要保安部品の一つとなっている。
【0003】このようなブレーキホースは、一般にハンドルの繰り返し操作による屈曲,転舵や車輪の揺動等といった過酷な機械的ストレスを受けるため、優れた耐疲労性が要求されると共に、ブレーキシステムの鋭敏な動作を確保するため、耐膨張性にも優れていることが要求される。
【0004】そして、このような特性が要求される従来のブレーキホースとしては、ブレーキ液が直接触れるチューブ状の内層ゴムの外周に、第一補強繊維層、中間ゴム、第二補強繊維層、外層ゴムを順次被覆して多層構造としたものが一般的に多く用いられている。
【0005】ここで、第一及び第二補強繊維層としては、ブレーキホースに要求される耐疲労性と耐膨張性を確保すべくポリビニルアルコール繊維やレーヨン繊維等の補強繊維材料を編組したものが一般的に用いられている。
【0006】一方、内層ゴム,中間ゴム,外層ゴムを構成するゴム材料としては、一般に天然ゴム(NR),クロロプレンゴム(CR),スチレンブタジエンゴム(SBR),エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM),イソブチレンゴム(IIR)等が用いられ、これらゴム材料は各部位の要求特性に応じて用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この第一及び第二補強繊維層を構成するポリビニルアルコール繊維やレーヨン繊維は、ある種のブレーキ液成分に対しては劣化し易く、耐久性に乏しいといった欠点がある。そのため、最近ではこの第一及び第二補強繊維層を構成する補強繊維材料として、優れた耐食性を有するポリエチレンテレフタレート繊維を採用することが検討されている。
【0008】しかしながら、このポリエチレンテレフタレート繊維は、ポリビニルアルコール繊維やレーヨン繊維と比較して耐食性の点では格段に優れているが、繊維の弾性率が小さいため、ブレーキホースの重要特性の一つである耐膨張性(体積膨張量)の面では不利である。
【0009】すなわち、この第一及び第二補強繊維層としてポリエチレンテレフタレート繊維を用いた場合、従来のブレーキホースに比べて耐食性や耐疲労性については格段に向上するが、その反面、加圧時にホースの体積膨張量が大きくなってしまうため、制動時の応答性やブレーキフィーリングが鈍くなり、いわゆる「ブレーキの利きが悪い」という状態を招くおそれがある。
【0010】そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、耐疲労性及び耐食性を充分に満足すると共に、耐膨張性にも優れた新規なブレーキホースを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために第一の発明は、請求項1に示すように、ブレーキ液が充填される内層ゴムの外周に、ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維からなる補強繊維層を備えたものであり、第二の発明は、請求項2に示すように、ブレーキ液が充填される内層ゴムの外周に補強繊維層を備えると共にその補強繊維層の外周に外層ゴムを備えたブレーキホースにおいて、上記補強繊維層がポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維からなるものである。
【0012】また、第三の発明は、請求項3に示すように、ブレーキ液が充填される内層ゴムの外周に第一補強繊維層、中間ゴム、第二補強繊維層、外層ゴムを順次設けてなるブレーキホースにおいて、上記第一補強繊維層がポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維からなるものであり、第四の発明は、請求項4に示すように、ブレーキ液が充填される内層ゴムの外周に第一補強繊維層、中間ゴム、第二補強繊維層、外層ゴムを順次設けてなるブレーキホースにおいて、上記第一及び第二補強繊維層がそれぞれポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維からなるものである。
【0013】さらに、第五の発明は、請求項5に示すように、ブレーキ液が充填される内層ゴムの外周に第一補強繊維層、中間ゴム、第二補強繊維層、外層ゴムを順次設けてなるブレーキホースにおいて、上記第一補強繊維層がポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維からなると共に、上記第二補強繊維層がポリエチレンテレフタレート繊維又はポリビニルアルコール繊維あるいはレーヨン繊維のいずれかからなるものである。
【0014】すなわち、本発明は、ブレーキ液が充填される内層ゴムの外周に設けられる最も内側の繊維補強層として、従来から用いられてきたポリビニルアルコール繊維やレーヨン繊維あるいはポリエチレンテレフタレート繊維等の補強繊維材料に代えて、ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維を採用したものである。
【0015】そして、このポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維は、後述するように、優れた耐疲労性を発揮できると共に、従来のポリビニルアルコール繊維やレーヨン繊維等のようにある種のブレーキ液に対して劣化するといった欠点がないことはいうまでもなく、また、ポリエチレンテレフタレート繊維等のように耐膨張性に乏しいといった欠点がない。
【0016】従って、このように優れた特性を備えたポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維を繊維補強層の補強繊維材料として用いることによって、従来の補強繊維材料では困難であった耐食性と耐膨張性の両立を高次元で達成することが可能となる。
【0017】そして、具体的にはこのポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維として、請求項6に示すように、上記ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維として、150℃における乾熱収縮率0.5〜8.5%、単位デニール当たりの引張り強さ6.5g以上、単位デニール当たり4.5g荷重時の伸度が5%以下の特性を有するものを用いることによって、上記の作用効果をより確実に達成することができる。
【0018】さらに、請求項7に示すように、上記内層ゴム,中間ゴム,外層ゴムとして、天然ゴム(NR),クロロプレンゴム(CR),スチレンブタジエンゴム(SBR),エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM),イソブチレンゴム(IIR),クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)のうちいずれかのゴム材料から構成することにより、低膨張性で耐食性,耐疲労性に優れたブレーキホースを容易に得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0020】図1は本発明に係るブレーキホースの実施の一形態を示したものである。
【0021】図示するように、このブレーキホースは、直接ブレーキ液を流すべくチューブ状をした内層ゴム1の外周に第一補強繊維層2が編組されると共に、この第一補強繊維層2の外周に中間ゴム3を介して第二補強繊維層4が編組され、さらにこの第二補強繊維層4の外周に外層ゴム5が順次被覆形成された多層構造となっている。
【0022】そして、本発明のブレーキホースにあっては、この第一補強繊維層2及び第二補強繊維層4を構成する補強繊維材料としていずれもポリエチレン−2.6−ナフタレート繊維を用いるようにしたものであり、これによって、優れた耐疲労性,耐食性(耐プレーキ液性)及び耐膨張性を高次元で両立することが可能となる。
【0023】すなわち、このポリエチレン−2.6−ナフタレート繊維は、ナフタレン環を持つためにポリエチレンテレフタレートに比べ分子が剛直であり、繊維としても高モジュラス、低収縮性といった特性を有している。また、結晶部と非晶部の密度差が小さいため、優れた耐熱性も有していることも知られている。そのため、このような特性を有するポリエチレン−2.6−ナフタレート繊維を第一補強繊維層2及び第二補強繊維層4を構成する補強繊維材料として用いることで、従来のポリビニルアルコール繊維等と同等以上の耐膨張性と耐食性を兼ね備えることができる。さらに、このポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維は、ポリビニルアルコール繊維のようにある種のブレーキ液に対して劣化等を招くことがなく、適用が検討されているポリエチレンテレフタレート繊維と同等以上の優れた耐食性を発揮でき、しかも、耐膨張性がポリエチレンテレフタレート繊維よりも大幅に優れているため、ブレーキ圧を瞬時に伝達することが可能となり、制動時の応答性及びブレーキフィーリングが大幅に向上する。
【0024】ここで、第一及び第二の補強繊維層2,4の糸量及び打ち込み条件は、特に限定するものではないが、このポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維としては、150℃における乾熱収縮率0.5〜8.5%、単位デニール当たりの引張り強さ6.5g以上、単位デニール当たり4.5g荷重時の伸度が5%以下のものを用いることがより望ましい。すなわち、150℃における乾熱収縮率が0.5%以下では体積膨張量の低減効果が不十分であり、一方、8.5%を超えるとマンドレルが引き抜き難く等の作業性が著しく低下するためであり、望ましくは2〜6%である。また、単位デニール当たりの引張り強さは6.5gより小さいと十分な破裂強度が得られないからであり、望ましくは8.0kg以上である。さらに、単位デニール当たり4.5g荷重時の伸度は、5%を超えると体積膨張量の低減効果が不十分となるからであり、望ましくは3.5%以下である。
【0025】一方、内層ゴム1,中間ゴム3,外層ゴム5を構成するゴム材料としては、天然ゴム(NR),クロロプレンゴム(CR),スチレンブタジエンゴム(SBR),エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM),イソブチレンゴム(IIR),クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)等の従来と同様なゴム材料を用いることが好ましく、これらは各部位の要求特性に応じて最適なものが用いられる。
【0026】尚、このように複数の補強繊維層2,4を用いた場合には、最も内側に位置している第一補強繊維層2には、少なくとも上述したようなポリエチレン−2.6−ナフタレート繊維を用いることが必要となるが、その外側に位置する補強繊維層4は、ブレーキ液による劣化というおそれがその内側の補強繊維層2よりも少ないことから、従来用いられている安価なポリビニルアルコール繊維やレーヨン繊維を用いても良く、あるいは適用が検討されているポリエチレンテレフタレート繊維等を適用しても良い。
【0027】また、本実施の形態では、内層ゴム1の外周に,第一補強繊維層2,中間ゴム3,第二補強繊維層4,外層ゴム5を順次被覆形成した5層構造をしたブレーキホースの場合について説明したが、適用箇所によっては、この第一補強繊維層2のみで十分な耐膨張性,耐食性,耐疲労性を発揮できる場合には、その上に被覆形成される中間ゴム3,第二補強繊維層4,外層ゴム5のいずれかあるいは全てを省略してより単純な構造とすることも可能である。
【0028】
【実施例】(実施例1)図1に示す第一補強繊維層2として1500デニールのポリエチレン−2.6−ナフタレート繊維(150℃における乾熱収縮率1.2%,単位デニール当たりの引張強さ8.0g,単位デニール当たり4.5g荷重時の伸度4.0%)を2本合糸×24打の条件で編組したものを用いると共に、第二補強繊維層4として同じく1500デニールのポリエチレン−2.6−ナフタレート繊維を3本合糸×24打の条件で編組したものを用い、さらに、内層ゴム1と外層ゴム5をエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)で形成すると共に中間ゴム3をイソブチレンゴム(IIR)で形成したブレーキホースを作成した後、その耐疲労性,体積膨張量,破裂強度,マンドレル引抜性,ブレーキ液による劣化を測定し、その結果を以下の表1に示す。
【0029】尚、ここで耐疲労性の測定方法としては、100℃において、ブレーキホースに0〜100kgf/cm2 のインパルス圧を与えながら、繰り返し屈曲試験を行い、ブレーキホースが破裂した時の屈曲回数を測定した。また、体積膨張量の評価方法としては、JIS−D2061に基づき105kgf/cm2 加圧時の自由長305mmのブレーキホースの内容積変化量を測定し、破裂強度もJIS−D2061に基づいて測定した。
【0030】(実施例2)図1に示す第一補強繊維層2として、150℃における乾熱収縮率3.2%,単位デニール当たりの引張強さ8.7g,単位デニール当たり4.5g荷重時の伸度3.3%のポリエチレン−2.6−ナフタレート繊維を用いた他は、実施例1と同様な構成をしたブレーキホースを作製し、実施例1と同様な方法でその特性を評価した。
【0031】(実施例3)図1に示す第二補強繊維層4として、ポリエチレンテレフタレート繊維を用いた他は、実施例1と同様な構成をしたブレーキホースを作製し、実施例1と同様な方法でその特性を評価した。
【0032】(実施例4)図1に示す第二補強繊維層4として、ポリビニルアルコール繊維を用いた他は、実施例1と同様な構成をしたブレーキホースを作製し、実施例1と同様な方法でその特性を評価した。
【0033】(比較例1)図1に示す第一補強繊維層2として、150℃における乾熱収縮率0.3%,単位デニール当たりの引張強さ8.5g,単位デニール当たり4.5g荷重時の伸度4.3%のポリエチレン−2.6−ナフタレート繊維を用いた他は、実施例1と同様な構成をしたブレーキホースを作製し、実施例1と同様な方法でその特性を評価した。
【0034】(比較例2)図1に示す第一補強繊維層2として、150℃における乾熱収縮率9.1%,単位デニール当たりの引張強さ8.8g,単位デニール当たり4.5g荷重時の伸度2.5%のポリエチレン−2.6−ナフタレート繊維を用いた他は、実施例1と同様な構成をしたブレーキホースを作製し、実施例1と同様な方法でその特性を評価した。
【0035】(比較例3)図1に示す第一補強繊維層2として、150℃における乾熱収縮率3.1%,単位デニール当たりの引張強さ6.2g,単位デニール当たり4.5g荷重時の伸度3.4%のポリエチレン−2.6−ナフタレート繊維を用いた他は、実施例1と同様な構成をしたブレーキホースを作製し、実施例1と同様な方法でその特性を評価した。
【0036】(比較例4)図1に示す第一補強繊維層2として、150℃における乾熱収縮率0.7%,単位デニール当たりの引張強さ8.5g,単位デニール当たり4.5g荷重時の伸度5.4%のポリエチレン−2.6−ナフタレート繊維を用いた他は、実施例1と同様な構成をしたブレーキホースを作製し、実施例1と同様な方法でその特性を評価した。
【0037】(比較例5)図1に示す第一補強繊維層2として、150℃における乾熱収縮率1.1%,単位デニール当たりの引張強さ8.6g,単位デニール当たり4.5g荷重時の伸度8.6%のポリエチレンテレフタレート繊維を用いた他は、実施例1と同様な構成をしたブレーキホースを作製し、実施例1と同様な方法でその特性を評価した。
【0038】(比較例6)図1に示す第一補強繊維層2として、150℃における乾熱収縮率0.6%,単位デニール当たりの引張強さ9.5g,単位デニール当たり4.5g荷重時の伸度3.3%のポリビニルアルコール繊維を用いた他は、実施例1と同様な構成をしたブレーキホースを作製し、実施例1と同様な方法でその特性を評価した。
【0039】
【表1】

【0040】この結果、表1からも明らかなように、本発明に係る実施例1〜4にブレーキホースにあっては、耐疲労性,体積膨張量,破裂強度のいずれも十分な性能を発揮し、また、マンドレル引抜性も良好で、かつブレーキ液による劣化も全くみられなかった。
【0041】これに対し、先ず、第一補強繊維層2として用いたポリエチレン−2.6−ナフタレート繊維として、乾熱収縮が本発明の規定値以下のものを用いた比較例1の場合は体積膨張量が0.18と大きくなってしまい、逆に乾熱収縮が本発明の規定値を超えるものを用いた比較例2の場合は、耐疲労性,体積膨張量,破裂強度のいずれも十分な特性を発揮したが、マンドレル引抜性が大きく劣ってしまい、量産性の点から適用が困難である。
【0042】次に、第一補強繊維層2として用いたポリエチレン−2.6−ナフタレート繊維として、強度が本発明の規定値以下のものを用いた比較例3の場合は、破壊強度が著しく劣ってしまい、また、単位デニール当たり4.5g荷重時の伸度が本発明の規定値を超えるものを用いた請求項4の場合は、体積膨張量が不十分であった。
【0043】さらに、第一補強繊維層2としてポリエチレンテレフタレート繊維を用いた比較例5の場合は、体積膨張量が大きく劣ってしまい、また、同じくポリビニルアルコール繊維を用いた比較例6の場合は、耐疲労性が大きく劣ってしまったばかりでなく、ブレーキ液による劣化が生じてしまった。
【0044】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、ハンドルの繰り返し操作による屈曲,転舵や車輪の揺動等の過酷な機械的ストレスに対して優れた耐疲労性を発揮することができると共に、ブレーキ液に対する耐食性も向上するため、ブレーキ液による劣化のおそれもなくなり、優れた信頼性と長寿命を獲得することができる。また、加圧時(制動時)の体積膨張率も小さくなるため、鋭敏に液圧を伝達することが可能となり、ブレーキフィーリングの向上及び優れた応答性を発揮できる等といった優れた効果を発揮できる。
【出願人】 【識別番号】000005120
【氏名又は名称】日立電線株式会社
【出願日】 平成12年7月4日(2000.7.4)
【代理人】 【識別番号】100068021
【弁理士】
【氏名又は名称】絹谷 信雄
【公開番号】 特開2001−82640(P2001−82640A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願2000−206846(P2000−206846)