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【発明の名称】 自動車燃料配管用ホース
【発明者】 【氏名】吉川 昌毅

【氏名】藤本 康治

【氏名】井田 孝

【氏名】岸本 雅志

【要約】 【課題】耐ガソリン透過性及び気密性に優れた2層構造の自動車燃料配管用ホースを提供する。

【解決手段】内層と内層の外周に形成された外層とを備えた自動車燃料配管用ホースであって、前記内層が層状珪酸塩が分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物で形成され、前記外層がゴム弾性材で形成されていることを特徴とする自動車燃料配管用ホース。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内層と内層の外周に形成された外層とを備えた自動車燃料配管用ホースであって、前記内層が層状珪酸塩が分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物で形成され、前記外層がゴム弾性材で形成されていることを特徴とする自動車燃料配管用ホース。
【請求項2】 内層の厚みが、外層の厚みに対して0.01〜0.2 の範囲に相対的に設定されていることを特徴とする請求項1記載の自動車燃料配管用ホース。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のガソリンタンクとエンジンを接続するエバポホース、ブリーザーホース、フューエルホース等の低圧用ホースに用いられる自動車燃料配管用ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車燃料配管は、おおむね金属パイプとそれら金属パイプを接続するホースから構成されている。このようなホースとして、例えばガソリンタンクからエンジンまでを接続するエバポホース、ガソリンタンクのエアー抜き部分に用いられるブリーザーホース、エンジンからガソリンタンクまでを接続する低圧用フューエルホース等が挙げられる。上記ホース材料としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)からなる内管ゴム層と、前記内管ゴム層の外周のポリエステル糸のブレード編みあるいはスパイラル編み等からなる補強糸層と、前記補強糸層の外周のゴム弾性材とからなる外管ゴム層との3層構造から構成されているものがある。そして上記ゴム弾性材としては、低圧用フューエルホースの場合には、クロロプレンゴム(CR)、エピクロルヒドリンゴム(CHC)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)等が用いられている。また、エバポホース及びブリーザーホースの場合には、CR、CHC、CSM、NBRのいずれか1種とポリ塩化ビニル(PVC)とのブレンド物が用いられている。
【0003】これらホースに関して、気化したガソリンがホースを透過して外部に漏洩するという現象が生じており、最近では、特に自動車の種類が多種にわたることもあって、このようなホースから漏洩するガソリンによる環境悪化が大きな問題となっている。そのため、このような自動車から漏洩する気化ガソリンの量を規制することが法案化されており、特にアメリカ合衆国カリフォルニア州においては、1994年からは、エバポホースからの未燃焼蒸散ガソリンの透過量が厳しく規制され、従来のガソリン透過量の約 1/10 以下に規制されている。また、我が国においても、1996年から燃費の基準ラインが一層厳しく規制されることになり、燃費向上の観点から軽量化が要望されている。これらの理由から、上記内管ゴム層の形成材料であるNBRに代えてフッ素樹脂(FKM)を用いたホースが提案されている(工業材料、1996年、3月号、第26頁)。しかし、このFKMからなるホースは、気化ガソリンの透過量を抑制することはできるが、FKMが高価なためコスト高になるという問題がある。
【0004】一方、特開平6-246875号公報、特開平8-21628 号公報、特開平8-224800号公報、特開平8-224801号公報等には、ゴム弾性材からなる外層の内周にポリアミド樹脂の層を形成させることにより、比較的安価な方法でガソリン漏洩を抑制することのできる燃料ホースが提案されている。しかし、ポリアミド樹脂単体を内周に用いたのでは、気化ガソリンの透過量の低下は十分とは言えず、より高バリア性を持った材料が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、特に耐ガソリン透過性に優れた低コストの自動車燃料配管用ホースを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、そこで鋭意研究を重ねた結果、ゴム弾性材からなる外層の内周に、層状珪酸塩が分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物を形成させ、さらに、ホースの内径に対して内層の厚みを相対的に薄く形成し、かつ外層の厚みを内層のそれよりも厚く形成することで、耐ガソリン透過性、耐圧性及び柔軟性に優れた自動車燃料配管用ホースを得られることを見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明の要旨は次の通りである。
(1) 内層と内層の外周に形成された外層とを備えた自動車燃料配管用ホースであって、前記内層が層状珪酸塩が分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物で形成され、前記外層がゴム弾性材で形成されていることを特徴とする自動車燃料配管用ホース。
(2) 内層の厚みが、外層の厚みに対して0.01〜0.2 の範囲に相対的に設定されていることを特徴とする上記(1) 記載の自動車燃料配管用ホース。
【発明の実施の形態】
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】本発明の自動車燃料配管用ホースは、層状珪酸塩が分子レベルで分散されたポリアミド樹脂組成物(以下「ポリアミド樹脂組成物」という。)によって形成された内層と、前記内層の外周にゴム弾性材によって形成された外層とから構成されていることが必要である。
【0010】本発明の自動車燃料配管用ホースの内層は、ポリアミド樹脂に層状珪酸塩が分子レベルで分散されたものである。ここで分子レベルで分散されるとは、層状珪酸塩がポリアミド樹脂マトリックス中に分散する際に、それぞれが平均20Å以上の層間距離を保ちながら、上記層状珪酸塩の珪酸塩層の一枚一枚が平行にあるいはランダムに、もしくは平行とランダムが混在した状態で、その50%以上が、好ましくはその70%が塊を形成することなく分散されている状態をいう。具体的には、ポリアミド樹脂組成物の広角X線測定によって珪酸層のc軸方向由来の結晶に相当するピークが観測されなくなることで確認できる。
【0011】本発明におけるポリアミド樹脂とは、アミノカルボン酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸(それらの一対の塩も含まれる。)とから形成されるアミド結合を有する重合体を意味する。
【0012】上記のポリアミド樹脂を形成するモノマーの具体例を挙げると、アミノカルボン酸としては6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸等がある。ラクタムとしてはε−カプロラクタム、ω−ウンデカノラクタム、ω−ラウロラクタム等がある。ジアミンとしてはテトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、 2,2,4-/2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、 2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3 −ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、 2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン等がある。ジカルボン酸としてはアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコール酸等がある。また、これらのジアミンとジカルボン酸は一対の塩として用いることもできる。
【0013】また、ポリアミド樹脂の具体例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン 610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン 612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン 116)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMDT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタルアミド(ナイロン6T/6I)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3-メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ナイロン9T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン 11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド〔ナイロン11T(H)〕又はこれらのコポリマー、混合ポリアミド等がある。中でもナイロン6を主体とするコポリマー、ナイロン11、ナイロン12等が好ましい。前記ナイロン6を主体とするコポリマーとしては、ナイロン6/66コポリマー、ナイロン6/11コポリマー、ナイロン6/12コポリマー等が挙げられ、中でもナイロン6/66コポリマーが適度な柔軟性とコストのバランス面から特に好ましい。また、前記ナイロン6を主体とするコポリマーにおける共重合比率としては、ナイロン6成分と他のポリアミド成分との比率が、モル比で 97/3 〜60/40 の範囲にあることが好ましく、さらに好ましい範囲は 95/5 〜80/20 、特に好ましい範囲は 95/5 〜85/15 である。
【0014】そして上記ポリアミド樹脂の相対粘度は、溶媒として96重量%濃硫酸を用い、温度25℃、濃度1g/dlの条件で求めた値で 1.5〜5.0 、好ましくは 2.0〜3.0 の範囲にあればよい。
【0015】本発明における層状珪酸塩は、珪酸塩を主成分とする負に帯電した層とその層間に介在する陽電荷(イオン)からなる構造を有するもので、その好ましい例としては、スメクタイト族(例えばモンモリロナイト、バイデライト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト)、バーミキュライト族(例えばバーミキュライト)、雲母族(例えばフッ素雲母、白雲母、パラゴナイト、金雲母、黒雲母、レピドライト)、脆雲母族(例えばマーガライト、クリントナイト、アナンダイト)、緑泥石族(例えばドンバサイト、スドーアイト、クッケアイト、クリノクロア、シャモサイト、ニマイト)等がある。これらの層状珪酸塩は、天然に産するものであっても、人工的に合成あるいは変性されたものであってもよく、またそれらをオニウム塩などの有機物で処理したものであってもよい。
【0016】上記の層状珪酸塩の中で、膨潤性フッ素雲母系鉱物は白色度の点で最も好ましく、これは次式で示されるもので、容易に合成できるものである。
α(MF)・β(aMgF2 ・bMgO)・γSiO2(式中、Mはナトリウム又はリチウムを表し、α、β、γ、a及びbは各々係数を表し、0.1 ≦α≦2 、2 ≦β≦3.5 、3 ≦γ≦4 、0 ≦a≦1 、0 ≦b≦1 、a+b=1である。)
【0017】このような膨潤性フッ素雲母系鉱物の製造法としては、例えば酸化珪素、酸化マグネシウム及び各種フッ化物を混合し、その混合物を電気炉あるいはガス炉中で1400〜1500℃の温度範囲で完全に溶融し、その冷却過程で反応容器内にフッ素雲母系粘土鉱物を結晶成長させる、いわゆる溶融法がある。
【0018】また、タルクを出発物質として用い、これにアルカリ金属イオンをインターカレーションして膨潤性フッ素雲母系鉱物を得る方法がある(特開平2-149415号公報)。この方法では、タルクに珪フッ化物アルカリあるいはフッ化アルカリを混合し、磁製ルツボ内で 700〜1200℃で短時間加熱処理することによって膨潤性フッ素雲母系鉱物を得ることができる。具体的には、得られた膨潤性フッ素雲母系鉱物について広角X線回折測定を行い、膨潤性フッ素雲母系鉱物の厚み方向に起因するピークが、アルカリ金属イオンの挿入に伴い12〜13Åを示すようになることによって確認することができる。
【0019】内層を形成するポリアミド樹脂組成物中の層状珪酸塩の配合量は、ポリアミド樹脂 100重量部を形成するモノマー量もしくはポリアミド樹脂 100重量部に対して、1〜10重量部とすることが好ましく、1〜5重量部とすることがより好ましい。この配合量が1重量部未満では、層状珪酸塩の添加による内層の燃料バリア効果が低下する。一方、この配合量が10重量部を超えると、内層の柔軟性が低下し、耐圧性が低下する。
【0020】ここで、内層を形成するポリアミド樹脂組成物の製造方法について説明する。第一の方法は、上記したポリアミド樹脂を形成するモノマーと層状珪酸塩とを上記した範囲内で混合し、次いで前記モノマーを重合する方法である。この際、重合は、温度 240〜300 ℃、圧力2〜30kg/cm2で、1〜5時間の範囲で行う。そして上記重合時には酸を添加してもよい。第二の方法は、ポリアミド樹脂と層状珪酸塩を押出機中で混練する方法である。この場合、2軸押出機を用いることが好ましい。この際、層状珪酸塩は、ポリアミド中での分散性を向上させる目的で、層間のアルカリ金属イオンをラクタムカチオン、アミノ酸カチオン、アルキルアンモニウム等の有機オニウムイオンで交換する、いわゆる有機処理を施していても良い。
【0021】本発明の自動車燃料配管用ホースの外層は、ゴム弾性材を用いて形成される必要がある。このゴム弾性材としては、CR、CSM、NBRのいずれか1種とPVCとのブレンド物、CHC、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、塩素化ポリエチレンゴム(CPE)、アクリルゴム(ACM)等が挙げられる。中かでもNBRとPVCとのブレンド物が好ましい。
【0022】次に、本発明の自動車燃料配管用ホースを製造する方法について説明する。第一の方法は、まず初めに、外層を形成するゴム弾性材を管状に押出成形する。次いで、押出成形により作製された管状体の内周面に、上記ポリアミド樹脂組成物の粉末を電着塗装により積層し、この積層品を加熱処理することによりポリアミド樹脂組成物を溶融させ、両層を接着一体化する方法である。第二の方法は、まず初めに、押出成形機を用いて上記したポリアミド樹脂組成物を管状に押出成形する。次いで、押出成形により作製された管状体の外周表面を接着剤処理した後、内層内をエアー加圧しながら接着剤処理された面にゴム弾性材を押出成形することにより外層を形成する。そして最後に、所定の温度で加熱加硫を行うことにより2層構造(ただし、接着層は除く。)の自動車燃料配管用ホースとする。本発明においては、いずれの方法も採用することができるが、コストや性能のバランス面から前者の方法が好ましい。
【0023】このようにして得られた自動車燃料配管用ホースにおいて、ホースの内層の厚みは、外層の厚みに対して0.01〜0.2 の範囲に相対的に設定されていることが好ましい。さらに好ましい範囲は0.02〜0.1 であり、特に好ましい範囲は0.03〜0.08である。具体的には、外層の厚みが 3.0〜15.0mmの場合には、内層の厚みは0.03〜3.0 mmの範囲に設定することが好ましい。
【0024】なお、本発明において、内層を形成するポリアミド樹脂組成物及び/又は外層を形成するゴム弾性材には、本発明の自動車燃料配管用ホースの特性を大きく損なわない限り、熱安定剤、酸化防止剤、顔料、耐候剤、難燃剤、可塑剤、離型剤等が添加されていても良く、これらは重合時又は溶融混練もしくは押出成形する際に加えられる。
【0025】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例及び比較例における各種物性試験の測定法は、次の通りである。
(a) ポリアミド樹脂組成物における層状珪酸塩の分散性広角X線回折装置(リガク社製、RAD-rB型)を用いて、ポリアミド樹脂ペレットにおける層状珪酸塩の珪酸塩層の分散性を測定した。
(b) ポリアミド樹脂組成物におけるナイロン6/66コポリマー又はナイロン6/12コポリマー中のカプロアミド単位(モル%)の割合ポリアミド樹脂組成物 200mgを重水素化トリフルオロ酢酸3mlに溶解させ、25℃で13C−NMR測定(装置:日本電子社製、JEOL Lambda 300WB )を行い、カルボニル炭素の強度比から求めた。
(c) 耐ガソリン透過性長さ 200mmの試料(ホース)に試料用燃料(Fuel C)を充填し、試料内全面に燃料が接触している状態で封入して40℃の恒温槽中に一週間放置した。次いで、再び新品の Fuel C を封入して40℃で3日間放置し、この3日間における重量減少量を測定し、一日あたりの減少量を求めることにより、次の3段階評価した。
◎:一日あたりの減少量が0.05g未満のもの。
○:一日あたりの減少量が0.05g以上、0.1 g未満のもの。
△:一日あたりの減少量が 0.1g以上、0.2 g未満のもの。
(d) 気密性長さ 300mmの試料(ホース)の両端を、固定治具のパイプ部に取り付け固定した。次いで、一方向から固定治具の端部の孔に窒素ガスを送り、ホース内を10kg/cm2の圧力で充填させて水槽に浸漬した。そして、24時間経過した後、加圧気体の漏れの有無を調べ、次の2段階評価した。
○:加圧気体の漏れがなく、耐圧性が良好。
×:加圧気体の漏れがあり、耐圧性が不良。
【0026】参考例1(NBR/PVCゴムホースの作製)
まず、ゴム弾性材からなる外層を作製した。すなわち、NBR/PVC(70/30 、重量比)100 重量部に対して、ステアリン酸 0.7重量部、酸化亜鉛3重量部、カーボンブラック(東海カーボン社製、SRF )75重量部、炭酸カルシウム20重量部、エーテルエステル系可塑剤30重量部、N-フェニル-N'-イソプロピル-p- フェニレンジアミン2重量部及び硫黄 1.5重量部を配合してゴム組成物を作り、160 ℃で押出成形を行い、内径35mm、厚み4mm、長さ 200mmの蛇腹状のNBR/PVCゴムホースを作製した。
【0027】参考例2(ポリアミド樹脂組成物粉末Aの作製)
ε−カプロラクタム(宇部興産社製)8.5 kg、アジピン酸ヘキサメチレンジアミン塩(BASF社製、AH塩)1.5 kg、膨潤性フッ素雲母系鉱物(コープケミカル社製、ME-100)0.2 kg、水0.28kg及び亜リン酸 15gを内容量30リットルの反応缶に入れ、攪拌しながら、18kg/cm2の圧力まで昇圧した。そして徐々に水蒸気を放圧しつつ、圧力18kg/cm2、温度 270℃に保って2時間重合した後、1時間かけて常圧まで放圧した。その後、常圧下、260 ℃に30分間放置した後、ストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断してペレットとした。次いで、このペレットを95℃の熱水で8時間精練を行い、この操作を2度繰り返した後、真空乾燥して、膨潤性フッ素雲母系鉱物とナイロン6/66コポリマーとからなるポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。13C−NMR測定より求めた、このポリアミド樹脂組成物におけるナイロン6/66コポリマー中のカプロアミド単位の割合は91モル%であった。また、このペレットについて広角X線回折測定を行ったところ、膨潤性フッ素雲母系鉱物の厚み方向に対応するピーク(12〜13Å)は完全に消失しており、ナイロン6/66コポリマー中に膨潤性フッ素雲母系鉱物の珪酸塩層が分子レベルで分散されていることがわかった。次に、このペレットを凍結粉砕して 235メッシュのふるいに通し、ポリアミド樹脂組成物粉末Aを作製した。
【0028】参考例3(ポリアミド樹脂組成物粉末Bの作製)
膨潤性フッ素雲母系鉱物の量を 0.4kgとした他は、参考例2と同様にしてポリアミド樹脂組成物粉末Bを作製した。なお、このポリアミド樹脂組成物におけるナイロン6/66コポリマー中のカプロアミド単位の割合は91モル%であり、ナイロン6/66コポリマー中に膨潤性フッ素雲母系鉱物の珪酸塩層が分子レベルで分散されていることも確認された。
【0029】参考例3(ポリアミド樹脂組成物粉末Cの作製)
膨潤性フッ素雲母系鉱物 0.2 kg の代わりにモンモリロナイト(クニミネ工業社製、クニピアF)0.2 kgを用いた他は、参考例2と同様にしてポリアミド樹脂組成物粉末Cを作製した。なお、このポリアミド樹脂組成物におけるナイロン6/66コポリマー中のカプロアミド単位の割合は91モル%であり、ナイロン6/66コポリマー中にモンモリロナイトの珪酸塩層が分子レベルで分散されていることも確認された。
【0030】参考例4(ポリアミド樹脂粉末Pの作製)
ε−カプロラクタム(宇部興産社製)8.5 kg、アジピン酸ヘキサメチレンジアミン塩(BASF社製、AH塩)1.5 kg及び水0.28kgを内容量30リットルの反応缶に入れ、攪拌しながら、18kg/cm2の圧力まで昇圧した。そして徐々に水蒸気を放圧しつつ、圧力18kg/cm2、温度 270℃に保って2時間重合した後、1時間かけて常圧まで放圧した。その後、常圧下、260 ℃に30分間放置した後、ストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断してペレットとした。次いで、このペレットを95℃の熱水で8時間精練を行い、この操作を2度繰り返した後、真空乾燥して、ナイロン6/66コポリマーのペレットを得た。13C−NMR測定より求めた、このナイロン6/66コポリマー中のカプロアミド単位の割合は91モル%であった。次に、このペレットを凍結粉砕して 235メッシュのふるいに通し、ポリアミド樹脂粉末Pを作製した。
【0031】参考例5(ポリアミド樹脂組成物粉末Dの作製)
ε−カプロラクタム 8.0kg、ω−ラウロラクタム 2.0kg、膨潤性フッ素雲母系鉱物 0.2kg、水 0.5kg及び亜リン酸 30gを内容量30リットルの反応缶に入れ、攪拌しながら、280 ℃に加熱し、22kg/cm2の圧力まで昇圧した。その後、徐々に水蒸気を放圧しつつ、圧力22kg/cm2、温度 300℃に保って12時間重合した後、1時間かけて常圧まで放圧した。その後、常圧下、290 ℃に40分間放置した後、ストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断してペレットとした。次いで、このペレットを95℃の熱水で8時間精練を行い、この操作を2度繰り返した後、真空乾燥して、膨潤性フッ素雲母系鉱物とナイロン6/12コポリマーとからなるポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。13C−NMR測定より求めた、このポリアミド樹脂組成物におけるナイロン6/12コポリマー中のカプロアミド単位の割合は88モル%であった。また、このペレットについて広角X線回折測定を行ったところ、膨潤性フッ素雲母系鉱物の厚み方向に対応するピーク(12〜13Å)は完全に消失しており、ナイロン6/12コポリマー中に膨潤性フッ素雲母系鉱物の珪酸塩層が分子レベルで分散されていることがわかった。次に、このペレットを凍結粉砕して 235メッシュのふるいに通し、ポリアミド樹脂組成物粉末Dを作製した。
【0032】参考例6(ポリアミド樹脂粉末Qの作製)
ε−カプロラクタム 8.0kg、ω−ラウロラクタム 2.0kg及び水0.50kgを内容量30リットルの反応缶に入れ、攪拌しながら、280 ℃に加熱し、22kg/cm2の圧力まで昇圧した。その後、徐々に水蒸気を放圧しつつ、圧力22kg/cm2、温度 300℃に保って12時間重合した後、1時間かけて常圧まで放圧した。その後、常圧下、290 ℃に40分間放置した後、ストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断してペレットとした。次いで、このペレットを95℃の熱水で8時間精練を行い、この操作を2度繰り返した後、真空乾燥して、ナイロン6/12コポリマーのペレットを得た。13C−NMR測定より求めた、このナイロン6/12コポリマー中のカプロアミド単位の割合は88モル%であった。次に、このペレットを凍結粉砕して 235メッシュのふるいに通し、ポリアミド樹脂粉末Qを作製した。
【0033】参考例7(ポリアミド樹脂組成物粉末Eの作製)
11−アミノウンデカン酸10kg、膨潤性フッ素雲母系鉱物 0.2kg及び亜リン酸30g を内容量30リットルの反応缶に入れ、攪拌しながら、220 ℃に加熱し、徐々に水蒸気を放圧しつつ、温度 220℃に保って12時間重合した後、1時間かけて常圧まで放圧した。その後、常圧下、220 ℃に40分間放置した後、ストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断してペレットとした。次いで、このペレットを真空乾燥して、膨潤性フッ素雲母系鉱物とナイロン11とからなるポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。なお、このペレットについて広角X線回折測定を行ったところ、膨潤性フッ素雲母系鉱物の厚み方向に対応するピーク(12〜13Å)は完全に消失しており、ナイロン11中に膨潤性フッ素雲母系鉱物の珪酸塩層が分子レベルで分散されていることがわかった。次に、このペレットを凍結粉砕して 235メッシュのふるいに通し、ポリアミド樹脂組成物粉末Eを作製した。
【0034】参考例8(ポリアミド樹脂粉末Rの作製)
11−アミノウンデカン酸10kg及び亜リン酸 30gを内容量30リットルの反応缶に入れ、攪拌しながら、220 ℃に加熱し、徐々に水蒸気を放圧しつつ、温度 220℃に保って12時間重合した後、1時間かけて常圧まで放圧した。その後、常圧下、220 ℃に40分間放置した後、ストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断してペレットとした。次いで、このペレットを真空乾燥して、ナイロン11のペレットを得た。次に、このペレットを凍結粉砕して 235メッシュのふるいに通し、ポリアミド樹脂粉末Rを作製した。
【0035】参考例9(ポリアミド樹脂組成物粉末Fの作製)
ω−ラウロラクタム10kg、膨潤性フッ素雲母系鉱物 0.2kg、水0.50kg及び亜リン酸 30gを内容量30リットルの反応缶に入れ、攪拌しながら、280 ℃に加熱し、22kg/cm2の圧力まで昇圧した。その後、徐々に水蒸気を放圧しつつ、圧力22kg/cm2、温度 300℃に保って12時間重合した後、1時間かけて常圧まで放圧した。その後、常圧下、290 ℃に40分間放置した後、ストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断してペレットとした。次いで、このペレットを真空乾燥して、膨潤性フッ素雲母系鉱物とナイロン12とからなるポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。なお、このペレットについて広角X線回折測定を行ったところ、膨潤性フッ素雲母系鉱物の厚み方向に対応するピーク(12〜13Å)は完全に消失しており、ナイロン12中に膨潤性フッ素雲母系鉱物の珪酸塩層が分子レベルで分散されていることがわかった。次に、このペレットを凍結粉砕して 235メッシュのふるいに通し、ポリアミド樹脂組成物粉末Fを作製した。
【0036】参考例10(ポリアミド樹脂粉末Sの作製)
ω−ラウロラクタム10kg、水0.50kg及び亜リン酸 30gを内容量30リットルの反応缶に入れ、攪拌しながら、280 ℃に加熱し、22kg/cm2の圧力まで昇圧した。その後、徐々に水蒸気を放圧しつつ、圧力22kg/cm2、温度 300℃に保って12時間重合した後、1時間かけて常圧まで放圧した。その後、常圧下、290 ℃に40分間放置した後、ストランド状に払い出し、冷却、固化後、切断してペレットとした。次いで、このペレットを真空乾燥して、ナイロン12のペレットを得た。次に、このペレットを凍結粉砕して 235メッシュのふるいに通し、ポリアミド樹脂粉末Sを作製した。
【0037】実施例1参考例1で作製された内径35mm、厚み4mm、長さ 200mmの蛇腹状のNBR/PVCゴムホースを外層として、その内周面にポリアミド樹脂組成物粉末Aを厚み0.2 mmで静電塗装した。静電塗装は60KV/10μAのコロナ放電により、ポリアミド樹脂組成物粉末Aをプラスチャージに荷電して行った。そして 210℃×20分の条件で加熱処理して目的とする自動車燃料配管用ホースを作製し、耐ガソリン透過性及び気密性を評価した。
【0038】実施例2〜6ポリアミド樹脂組成物粉末Aの代わりにポリアミド樹脂組成物粉末B、C、D、E、Fを用いた他は、それぞれ実施例1と同様にして自動車燃料配管用ホースを作製し、耐ガソリン透過性及び気密性を評価した。
【0039】比較例1〜4ポリアミド樹脂組成物粉末Aの代わりにポリアミド樹脂粉末P、Q、R、Sを用いた他は、それぞれ実施例1と同様にして自動車燃料配管用ホースを作製し、耐ガソリン透過性及び気密性を評価した。
【0040】実施例1〜6及び比較例1〜4における自動車燃料配管用ホースの構成及びその評価結果を表1にまとめて示す。
【0041】
【表1】

【0042】
【発明の効果】本発明によれば、耐ガソリン透過性及び気密性に優れた2層構造の自動車燃料配管用ホースが得られ、例えば自動車のガソリンタンクとエンジンを接続するエバポホース、ブリーザーホース、フューエルホース等の低圧用ホースに好適に利用できる。
【出願人】 【識別番号】000004503
【氏名又は名称】ユニチカ株式会社
【出願日】 平成11年9月10日(1999.9.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−82639(P2001−82639A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−257242