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【発明の名称】 繊維強化樹脂複合背割り管
【発明者】 【氏名】村田 二三夫

【要約】 【課題】2系列以上の管路を有しながら、施工において費用や施工時間を低く抑えることのできる繊維強化樹脂複合背割り管を提供する。

【解決手段】繊維強化樹脂複合管11の内部に、軸方向に沿って隔壁材121が配設され、該隔壁材121の両面の少なくとも周縁からそれぞれ前記複合管の内面にわたって熱硬化性樹脂含浸繊維シートを貼付した状態とされた後一体硬化されて隔壁12が形成され、該隔壁12によって軸方向に沿って複数の管路A,Bが形成されている繊維強化樹脂複合背割り管である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 繊維強化樹脂複合管の内部に、軸方向に沿って隔壁材が配設され、該隔壁材の両面の少なくとも周縁からそれぞれ前記複合管の内面にわたって熱硬化性樹脂含浸繊維シートを貼付した状態とされた後一体硬化されて隔壁が形成され、該隔壁によって軸方向に沿って複数の管路が形成されていることを特徴とする繊維強化樹脂複合背割り管。
【請求項2】 前記隔壁材が、繊維強化発泡樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の繊維強化樹脂複合背割り管。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、隔壁によって軸方向に沿って複数の管路が形成された繊維強化樹脂複合背割り管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、繊維強化樹脂複合管が下水道管路として使用されているが、通常、下水管路内には汚水が自然流下により流れており、河川の横断、あるいは構造物を迂回しなければならないときに、河川や構造物の下をくぐらせ、管路の高低差を設けるようにして迂回する場合がある。特に河川横断の場合には、図5に示すように、川床aと堤防bの下をくぐらせて管路pを形成する必要があるので、長距離にわたって低くなってしまう部分が生じてしまい、その部分に汚水中の汚泥が堆積し易いので、定期的に汚泥を清掃除去することが必要であった。又、下水管路は上記以外にも、多くのトラブルが発生し易く、復旧作業のため水路を遮断する必要がある。
【0003】しかしながら、単一の管路が敷設されているだけの場合には汚水を遮断して作業する必要があるので、最近では予め下水管路を2系列敷設しておき、作業時に一方の管路を使用し、他方の管路を遮断して復旧作業を行うという方法が取られるようになってきている。
【0004】しかし、2本の下水管路を平行に敷設する際に、例えば、大口径のヒューム管等中に配置してからヒューム管ごと敷設する方法が取られるため、費用と施工時間がかかるという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような従来の問題点を解消し、2系列以上の管路を有しながら、施工において費用や施工時間を低く抑えることのできる繊維強化樹脂複合背割り管を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の発明(本発明1)は、繊維強化樹脂複合管の内部に、軸方向に沿って隔壁材が配設され、該隔壁材の両面の少なくとも周縁からそれぞれ前記複合管の内面にわたって熱硬化性樹脂含浸繊維シートを貼付した状態とされた後一体硬化されて隔壁が形成され、該隔壁によって軸方向に沿って複数の管路が形成されている繊維強化樹脂複合背割り管である。
【0007】本願の請求項2に記載の発明(本発明2)は、前記隔壁が、繊維強化発泡樹脂からなる本発明1の繊維強化樹脂複合背割り管である。
【0008】本発明において、繊維強化樹脂複合管としては、例えば、螺旋状に巻回されたスチールベルトからなる周方向に回転しつつ軸方向に進行する芯型の周りに、樹脂モルタルからなる中間層の内外面に繊維強化樹脂からなる内外層としての成形材料層を積層し、それらを加熱硬化させた後脱型することにより成形したような繊維強化樹脂モルタル複合管等が挙げられるが、繊維強化樹脂のみからなる複合管であってもかまわない。
【0009】樹脂モルタルや繊維強化樹脂中の樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される。樹脂モルタル中の充填材としては、例えば、砂、炭酸カルシウム、クレー等の無機材料、無機又は有機の中空体、必要に応じてガラス繊維や化学繊維等を短尺状としたもの等が使用される。繊維強化樹脂中の強化繊維としては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、天然繊維等からなるロービングやその他の帯状体等が使用される。
【0010】本発明において、隔壁材としては、例えば、熱可塑性樹脂板、繊維強化樹脂板等であって、耐久性のあるものが使用されるが、耐蝕性、耐久性、軽量施工性、経済性等の観点から、繊維強化発泡樹脂からなるものが好適に使用され、特に合成木材として使用されるガラス長繊維強化ポリウレタン発泡体からなるものが特に好適に使用される。
【0011】本発明において、熱硬化性樹脂含浸繊維シートを形成する樹脂としては、上記と同様の熱硬化性樹脂が使用され、繊維シートとしては、ガラス繊維、カーボン繊維、天然繊維等からなるクロスやマット等が使用される。
【0012】
【作用】本発明1の繊維強化樹脂複合背割り管は、繊維強化樹脂複合管の内部に、軸方向に沿って隔壁材が配設され、該隔壁材の両面の少なくとも周縁からそれぞれ前記複合管の内面にわたって熱硬化性樹脂含浸繊維シートを貼付した状態とされた後一体硬化されて隔壁が形成され、該隔壁によって軸方向に沿って複数の管路が形成されていることにより、2系列以上の管路を有しながら、容易に製造することができ、施工において費用や施工時間を低く抑えることのできるものである。
【0013】本発明2の繊維強化樹脂複合背割り管は、前記隔壁が、繊維強化発泡樹脂からなることにより、耐蝕性、耐久性、軽量施工性、経済性等が優れている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の繊維強化樹脂複合背割り管の一例を示す斜視図である。図1に示すように、この例の繊維強化樹脂複合背割り管は、繊維強化樹脂モルタル複合管11の内部に軸方向に沿って隔壁12が設けられ、その隔壁12によって2系列の管路A,Bが形成されている。
【0015】隔壁12は次の方法により形成されている。まず、図2に示すように、複合管11の内部に、軸方向に沿うように、高さ調節可能な台Dを置き、その台D上に一定長のガラス長繊維強化ポリウレタン発泡体からなる複数の隔壁材121を軸方向に沿って水平状態に直列に並べる。このとき、隔壁材121間には2mm程度の間隙なら空いても構わない。台Dの高さを調節することにより、隔壁材121が複合管11内の中央となるように微調整する。
【0016】次に、それらの隔壁材121の一面の全面からそれぞれ複合管11の内面にわたって、熱硬化性樹脂を塗布し、その上にガラス繊維マットを貼り付けながら樹脂を含浸させる方法により、熱硬化性樹脂含浸繊維シート122をハンドレアップした後一体硬化する。
【0017】更に、図3に示すように、上下をひっくり返して、それらの隔壁材121の他面の全面からそれぞれ複合管11の内面にわたって、熱硬化性樹脂を塗布しその上にガラス繊維マットを貼り付けながら樹脂を含浸させる方法により熱硬化性樹脂含浸繊維シート122をハンドレアップした後一体硬化する。
【0018】これにより、図4に示すように、複数の隔壁材121の両面の全面からそれぞれ複合管11の内面にわたって熱硬化性樹脂含浸繊維シート122,122を貼付した状態とされた一体硬化されて隔壁12が形成される。
【0019】尚、隔壁材が一枚ものである場合には、隔壁材の周縁から複合管の内面にわたって熱硬化性樹脂繊維シートをハンドレアップした後一体硬化して隔壁を形成するようにしてもよい。
【0020】
【発明の効果】本発明の繊維強化樹脂複合背割り管は、上記の構成をとることにより、2系列以上の管路を有しながら、施工において費用や施工時間を低く抑えることができるものである。
【出願人】 【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
【出願日】 平成11年9月16日(1999.9.16)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−82638(P2001−82638A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−262408