トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 配管サポート
【発明者】 【氏名】長谷川 潤

【要約】 【課題】サポート材に対してUボルトの一対のボルト部分の間隔に関係なくナットで締め付け得ると共に、配管の固定位置を容易に調整することができ、配管の径又は本数が異なる場合のいずれでも再利用することができる。

【解決手段】長手方向にスリット(14)を形成したサポート材(12)と、スリット(14)から、一対のボルト部分(3a)を通すことができるUボルト(3)と、Uボルト(3)の片方のボルト部分(3a)と、これに隣接する他のUボルト(3)のボルト部分(3a)との間隔を規制するUボルト拘束プレート(13)と、を備えたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 長手方向にスリット(14)を形成したサポート材(12)と、前記スリット(14)から、一対のボルト部分(3a)を通すことができるUボルト(3)と、該Uボルト(3)の片方のボルト部分(3a)と、これに隣接する他のUボルト(3)のボルト部分(3a)との間隔を規制するUボルト拘束プレート(13)と、を備えたことを特徴とする配管サポート。
【請求項2】 前記Uボルト拘束プレート(13)が、板材(15)の両側に、隣接する前記Uボルト(3)の各ボルト部分(3a)を通す貫通孔(16)を開けたものであることを特徴とする請求項1の配管サポート。
【請求項3】 前記Uボルト拘束プレート(13)が、板材(15)の両側に、隣接する前記Uボルト(3)の各ボルト部分(3a)の外径より長い間隙を有する凹部(17)を形成したものであることを特徴とする請求項1の配管サポート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、液体又は気体を輸送する配管を一時的に固定する配管サポートに係り、特に配管の径が異なる場合又は本数が異なる場合の何れでも固定することができ、その配管の固定位置を容易に調整することができる配管サポートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種プラントや各種建設現場における仮設工事に際して、液体又は気体を輸送する配管を一時的に敷設する場合がある。このような配管に液体又は気体を輸送する際に、配管に加わる半径方向の応力により、配管が軸線方向に変位することがある。また、液体又は気体を輸送する際に発生する配管の振動や熱膨張によっても、配管が軸線方向に変位することがある。そこで、これらの配管の変位を防止するために、必要箇所に配管サポートを設置して各配管を固定していた。
【0003】この種の配管サポート1は、図8に示すように、数本の配管2それぞれをUボルト3を用いて固定するものである。即ち、この配管サポート1は、断面が逆L字形状に形成した鋼材から成るサポート材4の一面に所定間隔をあけて複数個のボルト取付孔5を開け、各ボルト取付孔5に各配管2の外径と略同じ間隔を有するUボルト3のボルト部分3aを通すように構成したものである。このボルト取付孔5から貫通させたUボルト3のボルト部分3aに、座金6を介してナット7を締め付けることにより、この配管サポート1に各配管2を固定していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の配管サポート1では、仮設工事現場において、配管2の外径、即ちUボルト3の一対のボルト部分3aの間隔に応じてボルト取付孔5をドリル等を用いて開けていた。このように各工事現場で配管サポート1を加工することは大変煩雑な作業になるという問題があった。更に、固定する配管2が複数本ある場合は、その配管2の本数に応じてボルト取付孔5の個数を増加する必要があった。
【0005】また、このようにボルト取付孔5が既に開けてある配管サポート1は、再度同じ外径の配管2(Uボルト3)を固定するときは、何回でも再利用することができた。しかし、この配管サポート1を再利用する際に、前の配管2の径(Uボルト3の一対のボルト部分3aの間隔)と、これから固定しようとする配管2の径が異なったり、又は配管2の本数が増えたときは、同じ配管サポート1を再度利用することができないという問題があった。
【0006】本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、サポート材に対して、Uボルトをその一対のボルト部分の間隔に関係なくナットで締め付け得ると共に、配管の固定位置を容易に調整することができ、配管の径又は本数が異なる場合のいずれでも再利用することができる配管サポートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、長手方向にスリット(14)を形成したサポート材(12)と、前記スリット(14)から、一対のボルト部分(3a)を通すことができるUボルト(3)と、該Uボルト(3)の片方のボルト部分(3a)と、これに隣接する他のUボルト(3)のボルト部分(3a)との間隔を規制するUボルト拘束プレート(13)と、を備えたことを特徴とする配管サポートが提供される。前記Uボルト拘束プレート(13)は、板材(15)の両側に、隣接する前記Uボルト(3)の各ボルト部分(3a)を通す貫通孔(16)を開けたものである。
【0008】上記発明の構成によれば、配管サポート(11)のサポート材(12)に配管(2)をUボルト(3)で取り付ける際に、このサポート材(12)に長手方向に形成したスリット(14)がUボルト(3)の取付孔として機能するため、一つの配管サポート(11)に対して、各配管(2)の径に応じた異なる大きさのUボルト(3)を固定することができる。また、従来のようにUボルト(3)の一対のボルト部分(3a)の間隔に応じたボルト取付孔を配管(2)の固定作業に際して開ける必要がない。更に、Uボルト(3)はスリット(14)内を自由に移動させることができるので、配管(2)の位置を配管サポート(11)上の所望位置に容易に変更させることができる。
【0009】なお、隣接する配管(2)同士は、個々に隣接するUボルト(3)のボルト部分(3a)を拘束しているUボルト拘束プレート(13)により、Uボルト(3)のナット(7)が緩んで配管(2)の位置がずれて配管(2)同士が不用意に近接することがない。
【0010】また、前記Uボルト拘束プレート(13)は、板材(15)の両側に、隣接する前記Uボルト(3)の各ボルト部分(3a)の外径より長い間隙を有する凹部(17)を形成したものであってもよい。
【0011】このように構成すれば、Uボルト拘束プレート(13)を交換する際に、サポート材(12)のスリット(14)から、完全にUボルト(3)のボルト部分(3a)を抜き取らなくても、Uボルト(3)のボルト部分(3a)を締め付けているナット(7)を緩めれば、Uボルト拘束プレート(13)の凹部(17)を、Uボルト(3)のボルト部分(3a)から容易に外すことができる。一方、別のUボルト拘束プレート(13)を締め付けるときも、Uボルト(3)のボルト部分(3a)のナット(7)を緩めて、そこに新たなUボルト拘束プレート(13)を差し込むように交換することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には同一の符号を付し重複した説明を省略する。図1は本発明の配管サポートに3本の配管を固定する状態を示す斜視図である。図2は配管サポートに配管を固定した状態を示す部分正面図であり、図3は同じく側断面図である。この図に示すように、本発明の配管サポート11は、サポート材12と、このサポート材12に配管2を掴むように固定するUボルト3と、配管2のずれを防止するために、隣接するUボルト3同士の間隔を規制するUボルト拘束プレート13とから成る。
【0013】サポート材12は、断面が略L字形状の剛性を有する鋼板等の板材からなり、その一面に長手方向にスリット14を形成したものである。このスリット14はUボルト3の取付孔として機能する部分である。このスリット14には、配管2を掴むようにUボルト3のボルト部分3aを通し、これらのボルト部分3aに座金6を介してナット7を締め付け、各配管2を配管サポート11に固定することができる。なお、サポート材12の断面形状は、複数本の配管2を固定した状態である程度の剛性を有するものであれば、略L字形状に限定されずに略コ字形状やその他の何れの形状に構成したものであってもよい。
【0014】このサポート材12に長手方向に形成したスリット14がUボルト3の取付孔として機能するため、一つの配管サポート11に対して、それぞれ異なった径を有する配管2に応じて、ボルト部分3aの外径も異なる種々のUボルト3を締め付けることができる。そこで、このスリット14の幅wは、大きさの異なるUボルト3に対応できるように、Uボルト3のボルト部分3aの最大径のものを取り付け得るようになっている。例えば、径の大きい配管2を固定するUボルト3は、その全体寸法が大きくなるだけではなく、強度を高めるために鋼材自体も太くなり、ボルト部分3aの外径が太くなる。逆に、径の小さい配管2を固定するUボルト3は、その全体寸法も小さくなり、ボルト部分3aの外径が細くなる。そこで、このようなボルト部分3aの外径が異なるいずれのUボルト3であっても通ることができるように、スリット14の幅wを設計してある。
【0015】また、このスリット14の全長Lは、同時に固定しようとするUボルト3の本数分の間隔により決定される。例えば、1本の大径の配管2を固定するときは、1個のUボルト3の一対のボルト部分3a間の距離分があればよい。一方、図1に示したように3本の配管2を固定するときは、3個のUボルト3の一対のボルト部分3a間の距離と2枚のUボルト拘束プレート13の貫通孔16間の距離をそれぞれ加算した長さが必要となる。
【0016】上述した発明の実施の形態では、1本のサポート材12に対して1本のスリット14を形成した例を説明している。しかし、固定する配管2の本数が極端に多い場合は、サポート材12の強度との関係から、曲がりが生じないように、長いサポート材12に1本のスリット14を形成するだけではなく、長手方向に2本のスリット14を連続的に形成するという手段を講じることも可能である。
【0017】本発明の配管サポート11は、一のサポート材12に対して、径の異なる配管2それぞれを異なる大きさのUボルト3で締め付け固定することができる。そこで、従来のように新たなUボルト3を締め付ける際に、Uボルト3用の取付孔を開けるための加工が不要になった。また、Uボルト3はスリット14内を自由に移動させることができるので、配管2に加わる半径方向の応力により配管2の軸線方向に変位すること、又は配管2で液体や気体を輸送する際の振動や熱膨張によって、配管2の軸線方向に変位することがあっても、これらの変位を吸収することができる。更に、配管2を配管サポート11上において所望位置に容易に変更させることも可能である。
【0018】図4はUボルト拘束プレートを示す平面図である。Uボルト拘束プレート13は、隣接する各Uボルト3のボルト部分3aとの間隔を規制するために、略長円形又は略長方形状等に形成した金属製の板材15の両側に貫通孔16をそれぞれ開けたものである。これらの貫通孔16はUボルト3のボルト部分3aの外径より長い内径を有している。例えば、径の大きい配管2を固定するUボルト3は、その全体寸法が大きくなるだけではなく強度を高めるために鋼材自体も太くなり、ボルト部分3aの外径が長くなる。逆に、径の小さい配管2を固定するUボルト3は、その全体寸法も小さくなり、ボルト部分3aの外径が短くなる。そこで、貫通孔16の内径は、ボルト部分3aの径が異なるいずれのUボルト3であっても通すことができるようになっている。
【0019】このUボルト拘束プレート13は、隣接するUボルト3のボルト部分3aを拘束することにより、個々に隣接する配管2同士が不用意に近接することを防止する作用を有する。また、Uボルト拘束プレート13の全長は、図1に示すように、固定する配管2の種類によって、配管2同士を近づけても支障のない場合は短いもの、逆に配管2同士を近づけると支障が生じる場合は長いものを選択使用することができる。
【0020】なお、Uボルト拘束プレート13は、図2又は図3に示すように、サポート材12の上面、即ち配管2側に装着した状態について説明した。しかし、このUボルト拘束プレート13は、隣接するUボルト3のボルト部分3aを拘束し得るものであれば良いので、サポート材12の下面に装着したものであってもよい。
【0021】図5は配管サポートに径が2倍程度異なる配管を固定した状態を示す正面図である。図6は同じく平断面図である。本発明の配管サポート11は、Uボルト3をサポート材12のスリット14内を自由に移動させることができるので、配管2を配管サポート11上の所望位置に容易に変更させることができる。そこで、長い径を有する配管2用のUボルト3であっても、短い径を有する配管2用のUボルト3の何れもそれぞれのボルト部分3aをスリット14から貫通させてナット7を締め付けることにより、サポート材12に対して容易に固定することができる。このように径が極端に異なる配管2については、それぞれ配管2の外径に適応するように、異なる大きさのUボルト3を同一の配管サポート11へ固定することができる。
【0022】図7はUボルト拘束プレートの他の発明の実施の形態を示す平面図である。Uボルト拘束プレート13は、略長円形の板材15の両端にUボルト3のボルト部分3aの外径より長い間隙を有する凹部17を形成したものでも上記と同様な機能を有する。このように構成したUボルト拘束プレート13を交換する際は、サポート材12のスリット14から、Uボルト3のボルト部分3aを完全に抜き取らなくても、Uボルト3のボルト部分3aのナット7を緩めれば、Uボルト拘束プレート13の凹部17を容易に外すことができると共に、別のUボルト拘束プレート13に交換することができる。このUボルト拘束プレート13についても、サポート材12の上面に限らず、その下面に装着しても隣接する配管2同士が不用意に近接することを防止するという機能は同じである。
【0023】なお、上記発明の実施の形態では、配管サポート11のサポート材12に配管2をUボルト3を用いて固定する構成について説明してある。しかし、一対のボルト部分3aをスリット14に通し、ナット7締めにより配管2を固定することができる構成のものであれば、上述したUボルト3の形状に限定されないことは勿論である。
【0024】
【発明の効果】上述したように、本発明の配管サポートは、サポート材に形成したスリットがUボルトの取付孔として機能するため、一つの配管サポートに対して大きさの異なる種々のUボルト、即ち一対のボルト部分の間隔が相違するUボルトを締め付けることができる。従って、一つの配管サポートに対して大きさの異なるUボルトを固定することができるので、この配管サポートを配管の外径又は本数が異なる場合でも再利用することができる。
【0025】また、Uボルトはサポート材のスリット内を自由に移動させることができるので、配管を配管サポート上の所望位置に自由に変更調整することができる。
【0026】更に、Uボルト拘束プレートは、個々に隣接するUボルトのボルト部分を拘束することにより、隣接する配管同士が不用意に近接することを防止することができる、等の優れた効果がある。
【出願人】 【識別番号】000000099
【氏名又は名称】石川島播磨重工業株式会社
【出願日】 平成11年9月13日(1999.9.13)
【代理人】 【識別番号】100097515
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 実 (外1名)
【公開番号】 特開2001−82636(P2001−82636A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−258275