トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 不用埋設管の非開削撤去と、同時新管非開削新設工法
【発明者】 【氏名】樫本 健治

【氏名】柴田 勇

【氏名】三本 忠弘

【要約】 【課題】環境や経済的に優れた不用給水鉛管等の非開削撤去工事及び、新管新設の非開削工事に関する工法と工具を提供する。

【解決手段】撤去工事及び新設工事を行うに際し、道路上の本管分岐部と宅地内のメータ部の二ケ所に小規模立坑を開削する。撤去鉛管内にフレキシブルヒータを挿入し、加温の後、縦2分割乃至縦3分割工具で長手方向に2条乃至3条に分割する。その後ワイヤバネ状、或いは板バネ状爪付牽引ロープに2条乃至3条に分割された夫々の鉛管の条端のカール面をつかませ、鉛管の小さい剪断応力や土圧を解放する為、鉛管と牽引ロープを一体化させ引抜く事で工事は完成する。鉛管が布設時の事情で曲って布設されていたり、砂礫土等のために引抜作業が難しい場合は中央2つ割工具或いはSVS割形中央2つ割工具を用いて、曲り等の問題箇所を地中のほぼ中央で長手方向に2つ割して、夫々開削部に向けて引抜く方法をとる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 大規模ビルの建設や戸建住宅の建替等に伴う、水道施設等のライフラインの構造は日進月歩で高度化している。更に下水道・ガス・電気・通信等の増径要望や老朽化、又は単純な撤去・新設工事は避けて通れない生活機能の維持工事である。これらの工事の内、不用埋設水道鉛管の非開削撤去工事と、この工事の際、同時に行う鉛管以外の新管への非開削新設工事は、厚生省指導の「安全な飲料水を供給する為に、一定の距離以上の給水鉛管を通過した水道水は融出鉛分への懸念から、使用の不採用を奨励する」との通達から、特に急務かつ、時代の要請であるところから、ここにこの工事に関する新技術・工具を発明した。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小口径の不用埋設管非開削撤去と、同時新管非開削新設工法に関する。
【0002】
【従来の技術】給水鉛管等の小口径管を非開削にて撤去出来る。とする既存の技術は一・二認められるが、現時点ではその技術の汎用性はなく、国外はじめ、国内各自治体の水道事業者も採用に至っていない。
【0003】特開平8−128564 残置不用管内に先ずワイヤ・ロット等の芯線材を貫通。次に芯線材と管体との接着性を持たせる樹脂、モルタル等を注入、硬化後、不用管の一端を引抜装置にチャックして牽引するように引抜施工。特開平8−128565 引抜装置で狹持引抜く際、狹持した管端開口部に、モルタル等の充填材注入ホースを接続させ、引抜動作に連動して充填材を供給する事により、引抜かれる不用管を通路として、引抜きによって生じた土中の空洞内に充填材が順次注入施工される。特開平8−128566 不用鉛管の引抜き時に鉛管の剪断応力の弱さから途中で断裂して引抜き不能となる事が多いが、これを解決する為に先ず、不用鉛管内にワイヤ、ロット等の芯線材と、加熱媒体とを貫通させる。次に一部露出した不用管端の加熱媒体の発熱体に、コイルを通じて電源から通電させる。鉛管の溶融点327度を得ることにより不用鉛管は、全体的に溶融して芯線材と一体化する。この事、局部的に溶融させて芯線材と一体化させても良く、又、電源からの通電以外に、管内にトーチ火炎を吹き込む方法、或いは可燃性物質を引き入れ、燃焼させる方法等も使いわける。こうしたワイヤ,ロットとの一体化前処理後、周知の引抜き装置の使用にて、チャック部の前後スライド操作により牽引引抜き施工する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これ迄非開削による小口径管の撤去並びに新設技術がなかったか、或いは新技術を標榜しても、実用に不適なために結果としてその工事は開削によるしかなかった。今回の本技術で本管側分岐部と、宅地内メータ側の2ケ所(道路上は原則一ケ所)の小規模(約1m)開削のみで、その他の道中の撤去・新設工事が可能となり、環境・経済・労務・時間的に省エネルギーが実現する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明により提供する一部非開削による、不用埋設管の撤去及び新設工事に関する発明技術と工具は次項のとおりである。
【0006】
螺旋状縦2分割工具 螺線状縦3分割工具 図1,図2地中に埋設された不用既設鉛管を撤去するには、先ず管を周辺土圧から解放する必要がある。この工具は地中の不用鉛管の内面に装置して、操作と同時に管の縦方向に螺旋状に2乃至3分割して、その縮径で土圧から解放する。2分割工具は長手方向3cmで15度、3分割工具は同じく4cmで30度の傾斜角度をもって、一方の開削部からの牽引力で鉛管の内部を通過する時、工具が装着した鋭利、堅固な刃物が内面から鉛管を切り裂きつつ、2分割工具は地中鉛管を長手方向に2分割、3分割工具は同じく3分割する工具である。2分割工具は縦方向72cmで一回転。3分割工具は同じく48cmで不用鉛管を一回転し、例えば4mの撤去管の場合、2分割工具は5,55回。3分割工具では8,33回の螺旋状態を形成し、更に後段で詳述する引抜時の効果を高める爪付牽引ワイヤが、操作し易いように、夫々の長手切口の片面が面状にひらがなの「つ」状にカールさせる工具である。この工具使用後の撤去管の形状は全長に亘って、2乃至3本の螺線状切口が入っている為、一方の開削部から管端を挾持して牽引する事により、ゆるやかに回転し乍ら原口径の二分の一乃至三分の二(管径による差異があり、管口径が大きい程縮径率は大きい)に縮径され、土圧からの解放とあいまって引抜撤去が可能となる。2分割工具と3分割工具の使い分けは口径により使い分ける。撤去鉛管の布設時に障害があったり、砂礫混じりの埋戻土がたまたま使用されたりの監理が充分でなかった現場に対する撤去技術・工具は別のものが必要で後段で発表するが、撤去管が腐蝕等に影響されず、ある程度強度があり、曲りや埋戻土の布設状況が比較的良い現場に対して、この工具は極めて簡易に有効に特性を発揮する。
【0007】
ワイヤバネ状爪付牽引ロープ 図3 板バネ状爪付牽引ロープ 図4バネ状の爪がSUS304正六角6mm鋼の長手方向3cm毎の1・3・5面に(以後連続)螺線状に特殊加工された主牽引ロープで、宅地側開削部幅1m,深さ1;2mの開削穴から地中に埋設された不用鉛管内に挿入する。縮径工具(特開平11−128986、当社出願済のため省略)操作後に更なる縮径のため使用するもので、引抜こうとする不用鉛管にバネ状爪が喰い込み、この爪の基盤となっている正六角6mm鋼の主牽引ロープと撤去管が一体となって、引抜可能な状態を作る構造となっている。詳細図のように縮径工具で縮径された後、逆の▲「の」▼字形の最狹内径は20m鉛管の場合で12mmで、挿入時外径は14mmのため、3方向へ装置された爪の鈍角端(爪先の裏側)が1mm鉛管に喰い込みつつ挿入される。これは装置後の操作をより確実なものにする為の工夫で、挿入時と逆方向に牽引して引抜作業に入る時、もろい鉛管内壁に確実に喰い込む事を目ざしたものである。鉛管の柔らかさに対しては細い爪を複数立てて肉をつかみ、それでいて曲りや腐蝕による引っ張り弱さに対して途中の断裂を防止する為、工具装置後牽引ロープの両端から、逆の▲「の」▼字なりに回転を与えて二次縮径すると同時に、多数の爪を通じて主牽引ロープの強度に鉛管の小さい剪断応力を吸収して、引抜き作業を確実なものとする工夫である。
板バネ状爪付牽引ロープ 図4ワイヤバネ状爪付牽引ロープは13・20mm用の比較的小口径撤去鉛管に対応するのに対して本工具は25・30・40・50mm用に用いる。これら口径の撤去鉛管肉厚に対処する為底広の堅固な構造となっている。又板バネ状爪付牽引ロープの六角柱寸法が8mmと太くなっているのは、使用対象の撤去鉛管の口径が大きくなり、牽引ロープにかかる力の増大に対処するもので、六角柱両端に捻子加工したのも、引抜作業時の機械力対処を計算したものである。
【0008】
中央二つ割工具 SVS割形中央二つ割工具 図5 図6中央二つ割工具は、作業前の電磁探査法等で例えば障害物等の伏せ越し等で管が大きく曲って布設されていたり、その他の何らかの理由から撤去鉛管が土中で2曲り以上の状態で布設されていて、単純な引抜きが困難な場合は、撤去管の中央の適当な箇所で二つ割して引抜く必要のある時に使用する工具である。工具は中心の主軸と先端部の主軸脇に切刃を装着した脇軸で構成されており、夫々がケース内歯車でカミ合っている。操作は開削部より行い、主軸を一回転させる事により脇軸が偏心効果で一回り大きな外周円を回転する構造となっており、結果として数10回の回転で撤去鉛管の内面より全周を切り裂く。この工具は次項のSVS割形中央二つ割工具が、刃先を直接開閉させて切断し縮径操作後に使用するのと違って、縮径又は縦2分割工具の使用前の撤去鉛管の円の状態で使用し、撤去鉛管の長手ほぼちゅおうで二つ割する。SVS割形中央二つ割工具は、一旦撤去が可能と判断し、バネ状爪付牽引ロープを装着し撤去作業に入っても、尚、引抜き作業が困難な場合、一旦牽引ロープの装着を外した後で、本工具を撤去管内に挿入し、問題箇所を切断し撤去作業を完成させようとする工具である。主軸に固定された4枚の切刃を閉じた状態で開削部からの切断箇所に導入し、同じく切刃直近で主軸に取付けした台形の開閉促進錐を補助ロープを引く事により割形内に導き切刃を開く、その後挿入時と逆方向に強く引く事により刃先の鋭利さで鉛管を円状に断裂させる。又、操作解除時は補助ロープで開閉錐を割形内から外し、挿入時と同一方向(切刃の閉じる方向)に引く事で撤去管の長手方向中央で二つ割する。
【0009】
開閉コレット波状新管引込工具 甲乙圧着状新管引込工具 図7 図8開閉コレット波状新管引込工具は水道用ステンレス波状管の新設工事の際、新管の先端波状部を内部から同じ形状の波状コレットをフィットさせて、ステンレス波状管の形状を変化させたり、疵をつけたりする事なく、新設工事を非開削で行おうとする工具である。装着の為の挿入時及び解除時は、四片にワイヤカットされた波状コレットが“閉”の状態となり、操作時は引棒を引くだけの簡易操作で、コレットが新管波状部内側にフィットする構造となっている。引棒の長さは新管先端のステンレス直管をわずかに超える寸法となっており、その先の捻子部と内捻子丸環を牽引して新設工事する便宜的構造となっている。甲乙圧着状新管引込工具は水道事業者が広く採用しているポリエチレン製給水新管を非開削で新設工事する際、或いは撤去工事する際に使用する。工事しようとする管の内側へ約15cm程工具の甲を、センターマークを上にして挿入する。次にポリエチレン管の特質を活用して、管に直接熱湯がかからないようにタオル等を巻いた上から熱湯をかけ(※1)、管の上部や約6cm程柔らかくした上で、工具乙を管の外側から軟化した部分に凹部を合せ乍ら嵌め込む。次に工具甲のセンターマークと工具乙のセンターマークを合せ乍ら工具甲を引く事でポリエチレン管はコレット効果で堅固に保持され、次の牽引により引込・引抜工事の用に供する事が出来る。作業終了後コレットの解除後再び熱湯にて管を復元するが、この工具の使用により管の端末迄、何ら疵をつける事なく新管同様の扱いが出来る。(※1 日本ポリエチレンパイプ工業会発行、水道用ポリエチレン管施工ハンドブック、施工配管方法、冬期の継手インコアの打ち込み方法に準ずる。)
【0010】
立坑内水平方向レーダ探査法 図9地中の埋設管や空洞を地上から探査する技術は、電磁誘導法探査や地中レーダ探査として公知のものがある。今回特許として申請する技術は、このうち地中レーダ探査の探査の仕方に関するもので、これ迄の探査技術は主として地上のアンテナから電磁波を発信し、地中の埋設物に当ってはね返って来る反射信号を別のアンテナで受信して、その時間差や波の形に置き替えたものを判断して探査していた。この方法だと、今回の非開削で撤去、新設工事をする為に横方向(水平方向)の既存埋設管の間を縫ってその空間に管工事をしようとする時、どうしても今一歩、即ち垂直方向、重層的な埋設管探査に信頼性が薄かった。最も顕著な例が電話の地中埋設管で、通信回線の多い都心では何条もの地中埋設管が縦横に布設されているが、これへのレーダ探査は上部列への探査が限界で、縦方向下層の探査はマンホール等からの物理探査で補う方法が取られていた。この不備を補うものとして、垂直方向の探査をより確実に行うため、給水管撤去、新設管工事を行うために掘る小規模な立坑を利用して水平方向の探査を行い、正確な地中埋設管情報を得ようとするものである。立坑の掘削側壁は凸凹がある為、電磁波の伝播を均一にする為のスパイクを考案し、レーダがスムースに上下移動出来るようにチェーンリフトを開発した。この事により電磁波の地中電播中、埋設物の界面に信号が伝わると夫々に電気的特性が異なる事から、反射信号を連続的に重ね合せ画像処理する事により、正確な垂直方向の情報が得られ、新管埋設のために「水平余地がどこに、どれだけあるか」が明確になり、工事の安全が計られる。又、このシステムにより現在この方面のレーダ探査技術で高周波・モノパルス方式・探査深度2mの高解析技術が水平方向でも実現出来、非開削技術の一層の安全性をもたらす。
【0011】ゲン・チッパー(エア推進機)
工具は非開削にて不用管等を撤去した後の地中管穴を再使用して、新管等を布設する際、既設管穴径だけだと新管布設のために穴径が不足する場合に拡径のために使用する。システムは後方地上のコンプレッサー等のエア圧をエアホースで取り込み、カップリング等のワンタッチで接続し使用する。例えば東京都区部に於ける撤去、新管布設の際の使用計画の一例を示すと、20mm鉛管(外径28mm)を撤去した穴を再使用して、ステンレス波状管20mm(外径32mm)を新設する場合に、32mm標準ケーシングに2mmの拡径リングを胴巻きして34mmを得て作業の用に供する。
工具の形状と特徴イ.工具全長が30数cmと短い。これは不用鉛管撤去穴等の既設穴を再使用する為、多少の曲りにも対応出来ると同時に、道路上開削部の約1mの中でも無理なく、水平作業が出来るように配慮されている。
ロ.工具の外径が可変である。標準外径は13mm用の21mmと、20mm用の32mmだが、管種及び口径に対応出来るように要求される外径に適応する為、拡径胴リングを準備した。
ハ.工具前方に牽引用スリーブエア圧力で自走する事も出来るが、既設管穴の拡径の際に使用する場合、既設管穴から通線したワイヤで牽引し、工事の安全等を計る為、ワイヤ通線の為のスリーブが工具前方に加工されている。
【0012】
撤去埋設管が布設されている道路環境(幅員)と撤去距離 図11水道本管が通常の東南面占用位置を確保した場合の非開削撤去距離は、次の関係となる。
【0013】
【表1】

以上の事から最長で4mの非開削撤去距離に対応する技術が必要であり、今回の発明はこの技術と工具を確立した。
【0014】
【発明の実施の形態】小口径の鉛管に対する非開削撤去技術は今日迄のところ、いろいろと研究されて来た。併し鉛管の剪断応力や、平均して地下1.2mの深さの配置で、然も曲りのある配管等の地中埋設状況から難しく、決定的と言える技術は確立されていない。当社では先にこの技術を確立する為に、「特開平11−128986」で、ヒーティングシステムと縮径工具、関連工具を発明した。今回この発明に加え更に新技術・工具を発明し、非開削撤去・非開削新管布設工事を可能にした。
【0015】
【発明の効果】本発明の不用埋設管の非開削撤去と、同時新管非開削新設工法を採用した場合、これ迄のこの種工事の開削施工を非開削施工に切替える事が可能となり、環境・経済・労務・時間的に優れた結果をもたらす。
【出願人】 【識別番号】598021100
【氏名又は名称】株式会社玄空調
【出願日】 平成11年9月13日(1999.9.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−82633(P2001−82633A)
【公開日】 平成13年3月30日(2001.3.30)
【出願番号】 特願平11−297190