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【発明の名称】 樹脂管の管口閉塞装置
【発明者】 【氏名】岸本 裕司

【氏名】辻岡 曜介

【要約】 【課題】地中埋設配管の配管途中で一旦工事を中断するような場合に、既に施工した配管の末端の管口を塞いでおくことに用いる管口閉塞装置を提供する。その管口閉塞装置を取り外した後で新たな樹脂管を接続する作業を、管端を切断撤去することなく直ちに行えるようにする。

【解決手段】樹脂管端部110に外嵌してその樹脂管端部110を保形する筒状体20と、管口120を塞ぐ面板10と、樹脂管端部110の内側に配備する支持体30と、樹脂管端部110を筒状体20と共働して挾圧保持する抜止め部材60と、抜止め部材60を軸線方向に動かないように位置決めする位置決め機構M1とを備える。抜止め部材60を樹脂管100の内側に配備する。締付け機構M1を一箇所だけに設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 樹脂管端部に重なり状に外嵌されてその樹脂管端部を初期形状に保形する筒状体と、樹脂管の管口を塞ぐ面板と、樹脂管端部の内側に配備される支持体と、樹脂管端部の内側に配備されてその樹脂管端部を上記筒状体と共働して挾圧保持する抜止め部材と、この抜止め部材を上記面板及び上記支持体の軸線方向に動かないように位置決めする位置決め機構と、を備えることを特徴とする樹脂管の管口閉塞装置。
【請求項2】 上記支持体に軸方向移動可能に外嵌されて上記抜止め部材を挟んで上記面板に対向される輪状部材と、上記支持体と上記面板とをそれらが互いに近付く方向に締め付ける締付け機構と、を有し、上記支持体にその支持体に外嵌されている上記輪状部材を係止して位置決めする係合部が設けられ、上記輪状部材にその輪状部材が上記係合部に係止されているときに上記抜止め部材を上記面板に設けられた受け部と共働して挟持する作用部が設けられ、上記位置決め機構が、上記締付け機構と、上記支持体に設けられた上記係合部と、上記作用部を有する上記輪状部材と、上記面板と、によって形成されている請求項1に記載した樹脂管の管口閉塞装置。
【請求項3】 上記抜止め部材が弾性を備えた拡径及び縮径可能な筒状部材によって形成され、上記抜止め部材の一端部が当接される上記輪状部材の作用部とその抜止め部材の他端部が当接される上記面板の受け部との両方に外拡がりの傾斜面が具備され、上記輪状部材が上記面板に接近移動されたときに、上記受け部と上記作用部の各傾斜面によって挟持されている上記抜止め部材がその弾性に抗して拡径するようになっている請求項2に記載した樹脂管の管口閉塞装置。
【請求項4】 上記筒状体と上記面板とが一体に形成されていると共に、その面板に、上記支持体に一体に設けられた軸体が貫挿される開口が開設されており、上記締付け機構が、上記軸体に形成された雄ねじとその雄ねじにねじ込まれて上記面板を押し付けると共に上記開口を塞ぐナット体とによって形成されている請求項1、請求項2、請求項3のいずれかに記載した樹脂管の管口閉塞装置。
【請求項5】 上記抜止め部材が、樹脂管端部の内周部に喰い込む喰込み歯を備えている請求項1、請求項2、請求項3、請求項4のいずれかに記載した樹脂管の管口閉塞装置。
【請求項6】 上記面板に、上記支持体に一体に設けられた軸体が貫挿される開口が開設されており、その軸体と上記支持体とに、樹脂管の内部通路に連通される流体通路が形成され、その流体通路を塞ぐプラグが上記軸体に着脱可能であると共に、上記筒状体が外嵌された樹脂管端部と上記支持体との隙間を塞ぐシール材を有する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5のいずれかに記載した樹脂管の管口閉塞装置。
【請求項7】 上記支持体にテーパ状に傾斜した乗り上がり面が設けられ、上記輪状部材に、この輪状部材が上記面板に接近移動されたときに、上記支持体に外嵌されている環状の上記シール材を後押ししてこの乗り上がり面に沿って摺動させることにより拡径させる押圧面が設けられている請求項6に記載した樹脂管の管口閉塞装置。
【請求項8】 上記締付け機構が、上記軸体に形成された雄ねじと、その雄ねじにねじ込まれたナット体と、上記面板と上記ナット体との間に介在されてそのナット体を上記面板から離反する方向に弾発付勢するばね体とによって形成されている請求項1、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6、請求項7のいずれかに記載した樹脂管の管口閉塞装置。
【請求項9】 上記ばね体がコイルばねでなり、そのコイルばねと上記面板及びナット体との間に座金が介在されている請求項8に記載した樹脂管の管口閉塞装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂管の管口閉塞装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスや水等の配管といった流体配管を施工するときに、その配管の一部分だけを施工して施工を一旦中断することがある。この場合に、既に施工した配管の末端の管口を塞いで動物や異物が管路に侵入することを防いでおくことが望ましい。特に、埋設するガスや水等の配管などの地中埋設配管では土砂の侵入や雨水の浸入を防いでおく必要がある。
【0003】図7はこの用途に用いられる従来の管口閉塞装置の使用状態を示している。この管口閉塞装置は、ガスや水等の配管に使われるポリエチレン管などの樹脂管100に装着されており、管口120に被せられたキャップ1と、このキャップ1の外套部1aとキャップ1が被せられた樹脂管端部110との間に配備された抜止め部材2、保護リング3及びゴム輪でなるシール材4と、樹脂管端部110に外嵌された押輪5と、キャップ1の面板部1bに開設された開口に接続されたブッシングでなる接続具6と、樹脂管端部110の内側に配備されたスティフナ7と、を有している。そして、キャップ1と押輪5との各フランジ部1c、5aとが締付けボルトとナットとでなる締付け具8で締め付けられている。このため、押輪5が抜止め部材2、保護リング3及びゴム輪でなるシール材4とを押し付けている。こうして抜止め部材2などが押し付けられると、抜止め部材2は上記外套部1aの内周のテーパ面1dに押圧されて縮径し、シール材4は圧縮されて樹脂管端部110の外周面と上記外套部1aとに密着して樹脂管端部110と外套部1aとの隙間を塞ぐ。抜止め部材2はその内周側に喰込み歯2aを有しているので、抜止め部材2が上記のように押輪5によって押し付けられると、その喰込み歯2aが樹脂管端部110の外周部に喰い込んで大きな抜止め阻止力を発揮するようになる。接続具6は施工済み配管の耐圧検査や気密検査を行うときなどに給気口として用いられるものであり、それらの検査を行う必要がないときには、その接続具6にプラグ9が装着されてその通路が塞がれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図7で説明した従来の管口閉塞装置を用いると、樹脂管端部110がスティフナ7によって内側から保形されているとしても、抜止め部材2や保護リング3やシール材4を取り外すと、樹脂管端部110の外周面にそれらの押圧跡が凹凸として残留したり、抜止め部材2の喰込み歯2aの喰込み跡が傷として残る。このため、配管施工を再開して樹脂管端部110に新たな樹脂管端部を接続しようとすると、それらの押圧跡や喰込み跡が障害になって良好な接続状態が得られない。特に、電気融着による接続手段を採用して接続する必要があるときには、それらの押圧跡や喰込み跡が障害になって接続ができなくなることもある。そこで、従来は、そのような押圧跡や喰込み跡が残っている樹脂管端部110を切断して撤去してから接続作業を行うようにしていた。
【0005】また、樹脂管端部110の外周面に残る抜止め部材2の喰込み歯2aの喰込み跡をできるだけ小さく抑えるために喰込み歯2aの歯高が制限されていて、喰込み歯2aの喰込み箇所での気密信頼性を高めることが困難であったため、耐圧性能や気密性能が0.1MPa程度に低く抑えられてしまうという問題点があった。
【0006】さらに、キャップ1の外套部1aなどが樹脂管端部110の外側に大きく張り出して装着時の形状が大形化するだけでなく、重量も相当重くなるという問題点があった。
【0007】そのほか、締付け具8による締付け箇所がキャップ1や押輪5の周囲の複数箇所にあるので、その締付け具8として用いられているボルトの締付け箇所が多くなって作業が煩わしいという問題点もあった。
【0008】本発明は以上の状況や問題点に鑑みてなされたものであり、樹脂管の抜止めするための主要素が樹脂管端部の内側に収まるようにすることによって、取外し後に樹脂管端部を切断することなく他の樹脂管端部と直ちに接続することが可能になる樹脂管の管口閉塞装置を提供することを目的とする。
【0009】また、本発明は、装着時の形状が大形化することのない樹脂管の管口閉塞装置を提供することを目的とする。
【0010】さらに、本発明は、締付け機構を用いるものでありながら、その締付け作業を1箇所で行うだけで済むような樹脂管の管口閉塞装置を提供することを目的とする。
【0011】さらに、本発明は、耐圧性能や気密性能を従来に比べて向上させることのできる樹脂管の管口閉塞装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る樹脂管の管口閉塞装置は、樹脂管端部110に重なり状に外嵌されてその樹脂管端部110を初期形状に保形する筒状体20と、樹脂管の管口120を塞ぐ面板10と、樹脂管端部110の内側に配備される支持体30と、樹脂管端部110の内側に配備されてその樹脂管端部110を上記筒状体20と共働して挾圧保持する抜止め部材60と、この抜止め部材60を上記面板10及び上記支持体30の軸線方向に動かないように位置決めする位置決め機構M2と、を備えている。
【0013】この管口閉塞装置によると、支持体や抜止め部材などの主要素が樹脂管端部の内側に配備され、しかも、樹脂管端部の内側に配備された抜止め部材がその外側に重なり状に外嵌された筒状体と共働して樹脂管端部を挾圧保持するので、この装置を取り外した後でも、樹脂管端部の外周面に押圧跡が凹凸として残留するといった事態が起こらない。そのため、この装置を取り外した後に樹脂管端部を切断することなく他の樹脂管端部と直ちに接続することが可能になる。それにもかかわらず、抜止め部材が位置決め機構によって面板や支持体の軸線方向に動かないように位置決めされるので、樹脂管端部がこの装置に対して位置ずれしたりこの装置から抜け落ちたりすることはない。
【0014】また、抜止め部材が、樹脂管端部110の内周部に喰い込む喰込み歯61を備えている場合に、その喰込み歯61の歯高を高くしても、樹脂管端部110の内周面にその喰込み跡が残るだけであって、樹脂管の接続に平坦性が要求される樹脂管端部の外周面には喰込み跡がまったく残らない。そのため、喰込み歯の歯高を高くすることにより喰込み歯と樹脂管の樹脂層との密着面積を増やして耐圧性能や気密性能を高めることが可能になる。
【0015】本発明に係る樹脂管の管口閉塞装置は、上記支持体30に軸方向移動可能に外嵌されて上記抜止め部材60を挟んで上記面板10に対向される輪状部材50と、上記支持体30と上記面板10とをそれらが互いに近付く方向に締め付ける締付け機構M1と、を有し、上記支持体30にその支持体30に外嵌されている上記輪状部材50を係止して位置決めする係合部34が設けられ、上記輪状部材50にその輪状部材50が上記係合部34に係止されているときに上記抜止め部材60を上記面板10に設けられた受け部11と共働して挟持する作用部53が設けられている、という構成を採用することが可能であり、その場合には、上記位置決め機構M2が、上記締付け機構M1と、上記支持体30に設けられた上記係合部34と、上記作用部53を有する上記輪状部材50と、上記面板10と、によって形成される。
【0016】また、上記抜止め部材60が弾性を備えた拡径及び縮径可能な筒状部材によって形成され、上記抜止め部材60の一端部が当接される上記輪状部材50の作用部53とその抜止め部材60の他端部が当接される上記面板10の受け部11との両方に外拡がりの傾斜面が具備され、上記輪状部材50が上記面板10に接近移動されたときに、上記受け部11と上記作用部53の各傾斜面によって挟持されている上記抜止め部材60がその弾性に抗して拡径するようになっていることが望ましい。
【0017】このようになっていると、輪状部材と上記面板とを遠ざけておくと、上記作用部と受け部とにより挟持されている抜止め部材はその弾性によって縮径しているので、その抜止め部材と筒状体との間隔が広く確保される。そのため、樹脂管端部を筒状体と抜止め部材との間に挿入する場合であっても、筒状体が外嵌した樹脂管端部の内側に支持体や抜止め部材を挿入する場合であっても、それらの挿入作業を抜止め部材にじゃまされることなく楽に容易に行うことができるようになる。なお、輪状部材を面板に接近移動させるためには、支持体と面板とをそれらが互いに近付く方向に締め付ける締付け機構を用いる。すなわち、締付け機構によって支持体と面板とを締め付けると、支持体に設けられている係合部に輪状部材が係止するので、支持体と共に輪状部材が面板に接近する。
【0018】上記筒状体20と上記面板10とが一体に形成されていて、その面板10に、上記支持体30に一体に設けられた軸体40が貫挿される開口12が開設されていることが望ましい。また、上記締付け機構M1が、上記軸体40に形成された雄ねじ41とその雄ねじ41にねじ込まれて上記面板10を押し付けると共に上記開口12を塞ぐナット体42とによって形成されていることが望ましい。
【0019】このようになっていると、軸体を面板の開口に通してその雄ねじにナット体をねじ込んでおくだけで、筒状体と面板と支持体とを一体に取り扱うことができるようになる。この場合、抜止め部材を支持体に軸方向移動可能に外嵌しておくと、抜止め部材をも上記した面板や支持体などと一体に取り扱うことができるようになる。
【0020】上記面板10に、上記支持体30に一体に設けられた軸体40が貫挿される開口12が開設されており、その軸体40と上記支持体30とに、樹脂管の内部通路に連通される流体通路43が形成され、その流体通路43を塞ぐプラグ45が上記軸体40に着脱可能であると共に、上記筒状体20が外嵌された樹脂管端部110と上記支持体30との隙間を塞ぐシール材70を有するものであってもよい。
【0021】このものによると、軸体と支持体とに形成された流体通路を利用して樹脂管の内部通路に給気を行うことにより、耐圧検査や気密検査を行うことが可能になる。また、流体通路をプラグで塞いでおくと、樹脂管の中に土砂や動物や異物が侵入したり地下水が浸入したりすることはない。
【0022】上記支持体30にテーパ状に傾斜した乗り上がり面36が設けられ、上記輪状部材50に、この輪状部材50が上記面板10に接近移動されたときに、上記支持体30に外嵌されている環状の上記シール材70を後押ししてこの乗り上がり面36に沿って摺動させることにより拡径させる押圧面54が設けられていることが望ましい。
【0023】このものでは、輪状部材と上記面板とを遠ざけてシール材を乗り上がり面の径小側に位置させておくと、そのシール材が縮径した状態になってシール材と筒状体との間隔が広く確保される。そのため、樹脂管端部を筒状体と抜止め部材との間に挿入する場合であっても、筒状体が外嵌した樹脂管端部の内側に支持体やシール材を挿入する場合であっても、それらの挿入作業をシール材にじゃまされることなく楽に容易に行うことができるようになる。
【0024】本発明では、上記締付け機構M1が、上記軸体40に形成された雄ねじ41と、その雄ねじ41にねじ込まれたナット体42と、上記面板10と上記ナット体42との間に介在されてそのナット体42を上記面板10から離反する方向に弾発付勢するばね体80とによって形成されていることが望ましい。その場合には、上記ばね体80がコイルばねでなり、そのコイルばねと上記面板10及びナット体42との間に座金81,82が介在されていることが望ましい。
【0025】このものによると、ナット体を軸体の雄ねじの規定位置付近にまでねじ込んでおくだけで、ばね体の弾発付勢力によって一定の締付けトルクが得られるようになる。そのため、当該装置を樹脂管端部に取り付けるときのナット体の締付けトルクの管理(トルク管理)を行いやすくなる。また、支持体、輪状部材、抜止め部材などの要素を一体に仮保持しやすくなる。さらに、樹脂管の耐圧検査に際して面板などが樹脂管の内圧によって一旦膨らんだ後、元の形状に復帰したとしたとしても、ナット体が緩むといった事態が起こらなくなる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る樹脂管の管口閉塞装置の使用状態を示した部分縦断側面図、図2は図1の要部の拡大断面図、図3は締付け機構M1を締め付ける前の抜止め部材60の位置を示した拡大断面図、図4は樹脂管端部に取り付ける前の当該装置の部分縦断側面図である。
【0027】図1及び図4のように、この管口閉塞装置は、樹脂管端部110の外周直径と略同一直径を有する円形の面板10と、この面板10の外周縁に溶接などで接合されて一体化された円筒状の筒状体20とを備えている。そして、面板10の中心には開口12が開設されている。また、筒状体20の内周面は平滑になっている。そのため、図1のように筒状体20を樹脂管端部110に重なり状に外嵌し、同時に、面板10の外周部を樹脂管端部110の端面に当接させて管口120を塞いでおくと、樹脂管端部110を押し拡げようとする力が加わっても、その樹脂管端部110が筒状体20により初期の形状である円形に保形される。また、面板10の裏面側には環状の受け部11が設けられている。この受け部11は前拡がりテーパ状の傾斜面11aとその傾斜面11aの外側の面板内面11bとによって形成されている(図3参照)。筒状体20の内周直径は、その筒状体20を樹脂管端部110に楽に外嵌でき、しかも、外嵌したときに両者の間にそれほど大きながたつきが形成されない程度の寸法を有している。
【0028】支持体30は、円板状の前板部31とその前板部31の外周部から後方へ突き出た筒状部32とを一体に有していて、前板部31の中心に、前方へ突き出た軸体40が一体に固定されている。この支持体30は樹脂管端部110に挿入されてその内側に配備される。図2及び図3に拡大して示したように、筒状部32の外周面は、その前側から後側に向かって順に、軸線に平行なストレート面33と、このストレート面33から直角に張り出した環状段付面でなる係合部34と、この係合部34の外周から突き出た軸線に平行なストレート面35と、このストレート面35から延び出た後拡がりテーパ状に傾斜した乗り上がり面36とに区画されていて、乗り上がり面36の後端には、後述するシール材70の抜落ちを防ぐための鍔部37が設けられている。また、上記軸体40はその外周面に雄ねじ41を備えていて、この雄ねじ41にナット体42をねじ込むことができるようになっていると共に、上記した面板10の開口12に挿通可能な太さを有しているのに対し、ナット体42はその開口12を塞ぐ大きさを有している。さらに、軸体40は貫通路を有し、この貫通路と上記筒状部32の内部空間とによって流体通路43が形成されている。また、軸体40には雌ねじ44が設けられていて、この雌ねじ44を利用して流体通路43を塞ぐプラグ45を離脱可能に装着することができるようになっている。
【0029】輪状部材50は支持体30の筒状部32に外嵌される。具体的には、この輪状部材50の内周部前側に内側に突き出た環状の凸部51が設けられており、この凸部51が支持体30の筒状部32に設けられている上記ストレート面33に摺動可能に外嵌されている。そして、この凸部51の後面52が上記筒状部32の係合部34に係合可能になっていて、図2のように係合部34にその後面52が係止すると、輪状部材50がその係合位置よりも後方には後退されなくなる。また、輪状部材50には作用部53が設けられている。この作用部53は図3のように後拡がりテーパ状の傾斜面によって形成されている。このため、輪状部材50を外嵌した支持体30の軸体40を面板10の開口12に貫挿させたときには、図4のように、作用部53を形成している後拡がり傾斜面と上記した受け部11を形成している前拡がりテーパ状の傾斜面とが共働して外拡がりの傾斜面を形成する。さらに、輪状部材50の環状の後端面は、後述するシール材70を後押しするための押圧面54として形成されている。
【0030】抜止め部材60は、弾性を備えた拡径及び縮径可能な金属製の筒状部材によって形成されている。具体的には、周方向の一箇所が欠除されている弾性を備えた金属で筒状に形成されていて、図3のように、その外周の複数箇所に鋸歯状の喰込み歯61を備えていると共に、その内周側の前端部に前拡がりテーパ状の摺動面62を備え、さらにその一端面が当り面63として形成されている。
【0031】シール材70にはリング状のゴム輪が用いられていて、図例のシール材70の後面側には環状の凹入部71が備わっている。
【0032】次に、上記した管口閉塞装置を樹脂管端部110に取り付ける手順の一例を説明する。
【0033】図4のように、支持体30の筒状部32に輪状部材50を嵌め込むと共に、その輪状部材50と筒状部32の乗り上がり面36との間にシール材70を嵌め込んでおく。次に、面板10の開口12に支持体30側の軸体40を通してその軸体40の雄ねじ41にナット体42を少しねじ込んでおく。このようにすると作用部53を有する輪状部材50と受け部11を有する面板10とがそれらの軸線方向で対向するので、そのように対向している輪状部材50の作用部53と面板10の受け部11との間に抜止め部材60を嵌め込む。こうして抜止め部材60を嵌め込むと、抜止め部材60の一端部が作用部53に当接し、その他端部(前端部)の摺動面62が受け部11に当接することによって、抜止め部材60が求心された状態に位置決めされる。
【0034】このようにすると、輪状部材50とシール材70とが支持体30に保持され、筒状体20を有する面板10と支持体30とが軸体40及びナット体42を介して一体に組み付けられ、さらに、抜止め部材60が輪状部材50と面板10との間に組み付けられた状態になるので、この管口閉塞装置の全体を一体物として取り扱うことができる。また、このように組み立てられた管口閉塞装置において、図4に示した筒状体20と抜止め部材60との間隔aは、図1に示した樹脂管端部110の管壁厚さbと同等かそれよりもやゝ広くなっている。シール材70や支持体30の鍔部37と筒状体20との間隔についても同様に樹脂管端部110の管壁厚さbと同等かそれよりもやゝ広くなっている。そのため、輪状部材50、シール材70、鍔部37などによってじゃまされずに、筒状体20と抜止め部材60との間に樹脂管端部110を楽に挿入することができる。
【0035】こうして樹脂管端部110を挿入した後、面板10を管口120の端面に押し当てた状態を維持したまま、ナット体42を締め付けていくと、ナット体42が面板10を押し付けながら軸体40を開口12から引き出すので、支持体30が面板10に次第に接近してくる。こうして支持体30が面板10に接近してくると、抜止めリング60の一端部が輪状部材50の作用部53に当接していることにより、その輪状部材50が支持体30に対して相対的に後退してその凸部51が支持体30側の係合部34に係止される。この後、さらにナット体42が締め付けられると、支持体30が輪状部材50を伴って面板10に接近移動するので、面板10の受け部11の傾斜面11aと輪状部材50の作用部53とによって挟持されている抜止め部材60が、受け部11の傾斜面11aや作用部53と求心状態を保って滑りながらその弾性に抗して拡径する。したがって、最終的には、図1に示したように、抜止め部材60の喰込み歯61が樹脂管端部110の内周面に喰い込むと共に、その抜止め部材60が筒状体20と共働して樹脂管端部110を挾圧保持する。この状態では、抜止め部材60が軸線方向に動かないように位置決めされているので、樹脂管端部110が管口閉塞装置から抜け出ることはない。また、管口120が面板10やナット体42によって塞がれているので、その管口120から管内に動物や土砂が侵入するおそれもない。
【0036】ここで、上記した軸体40の雄ねじ41とナット体42とによって支持体30と面板10とをそれらが互いに近付く方向に締め付ける締付け機構M1が形成されている。また、締付け機構M1と、支持体30の係合部34と、作用部53を有する輪状部材50と、面板10とによって、抜止め部材60を軸線方向で動かないように位置決めする位置決め機構M2が形成されている。
【0037】一方、ナット体42の締め付けによって、上記のように輪状部材50が支持体30に対して相対的に後退するときには、その輪状部材50の押圧面54がシール材70を後押しするので、そのシール材70が支持体30の乗り上がり面36に沿って摺動して次第に拡径する。これにより、シール材70が乗り上がり面36と樹脂管端部110とに圧縮状態で密着してそれらの隙間を塞ぐ。
【0038】このため、軸体40や支持体30に設けられている流体通路43を給気口として、樹脂管100の内部通路に圧力流体(圧力気体)を送るようにすると、既に施工されている配管の耐圧検査や気密検査を行うことが可能になる。耐圧検査や気密検査に際しては、シール材70が樹脂管100の内部通路に向く環状の凹入部71を有しているため、樹脂管100の内圧によってシール材70が乗り上がり面36や樹脂管端部110の内周面に押圧されるように作用する。そのため、シール材70の密着箇所でのシール性が高まる。なお、流体通路43は、それらの検査終了後にはプラグ45によって塞がれる。
【0039】管口閉塞装置を樹脂管端部110から取り外すときには、ナット体42を緩めて支持体30と面板10とを遠ざける。そのようにすると、輪状部材50と面板10との間隔が拡がるので、抜止め部材60の喰込み歯61が樹脂管端部110の内周部から抜け出て抜止め部材60がその弾性により縮径する。したがって、抜止め部材60と筒状体20との間隔が拡がり、樹脂管端部110から管口閉塞装置を引き出すことが可能になる。
【0040】そして、管口閉塞装置を装着していたときには、樹脂管端部110の外周面には筒状体110の平坦性を有する内周面が当接していただけであるので、管口閉塞装置を取り外した後もその樹脂管端部110の外周面に他の樹脂管を接続する際の障害になるような押圧跡や喰込み跡が残留することはない。そのため、この装置を取り外した後に樹脂管端部を切断することなく他の樹脂管端部と接続することが可能である。なお、樹脂管端部110の内周面には抜止め部材60の喰込み歯61の喰込み跡やシール材70の押圧跡が残留することがあるけれども、それらは樹脂管端部110の内周面だけに残留して外周面には残留しないので、それらの喰込み跡や押圧跡が他の樹脂管を接続する際の障害になることはない。また、抜止め部材60の喰込み歯61の歯高を高くしてその喰込み箇所の耐圧性能や気密性能を高めても、その喰込み跡が樹脂管端部110の内周面に残留するだけであるので、他の樹脂管端部を接続する際に何らの不都合も生じない。
【0041】この実施形態では、筒状体20と面板10とを接合して一体化してあるけれども、この点は筒状体20と面板10とを別部材としておいてもよい。また、締付け機構M1は図例に限定されず、たとえばクランプ機構を用いることも可能である。
【0042】図5及び図6は変形例による締付け機構M1を用いた管口閉塞装置を示している。この締付け機構M1は、軸体40に形成された雄ねじ41と、その雄ねじ41にねじ込まれたナット体42と、面板10とナット体42との間に介在されてそのナット体42を面板10から離反する方向に弾発付勢するばね体80とによって形成されている。また、ばね体80にはコイルばねが用いられており、そのコイルばねと面板10及びナット体42との間に座金(図例では平座金)81,82が介在されている。
【0043】この締付け機構M1を用いると、ナット体42を軸体40の雄ねじ41の規定位置付近にまでねじ込んでおくだけで、ばね体80の弾発付勢力によって一定の締付けルクが得られるようになる。そのため、当該装置を樹脂管端部110に取り付けるときのナット体42の締付けトルクの管理(トルク管理)を行いやすくなる。また、面板10、支持体30、輪状部材50、抜止め部材60、シール材70などの要素を一体に仮保持して一体物として取り扱いやすくなる。さらに、樹脂管の耐圧検査に際して面板10などが樹脂管の内圧によって一旦膨らんだ後、元の形状に復帰したとしたとしても、ナット体42が緩むといった事態が起こらなくなる。特に、座金81,82の作用によってナット体42をねじ込んだときのねじり応力がコイルばねに残留しにくくなってナット体42に緩みが生じにくくなる。
【0044】図5及び図6に示した管口閉塞装置において、締付け機構M1以外の構成や作用は図1〜図4で説明したところと同様であるので、説明を重複を避けるため、同一部分又は相応する部分には同一符号を付して詳細な説明を省略した。
【0045】
【発明の効果】本発明の管口閉塞装置によれば、その装置の取外し後に樹脂管端部を切断することなく他の樹脂管端部と直ちに接続することが可能になり、装着時の形状が従来のように大形化することがなく、さらに、締付け作業を1箇所で行うだけで済むので着脱を迅速かつ容易に行うことができるようになる。さらに、耐圧性能や気密性能を従来に比べて向上させることもできるようになる。
【出願人】 【識別番号】000231121
【氏名又は名称】日本鋼管継手株式会社
【出願日】 平成11年12月1日(1999.12.1)
【代理人】 【識別番号】100072338
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 孝一 (外1名)
【公開番号】 特開2001−74192(P2001−74192A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願平11−342134