| 【発明の名称】 |
耐火三層管 |
| 【発明者】 |
【氏名】西脇 武
【氏名】前田 圭通
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| 【要約】 |
【課題】取り扱いが容易で防音性、耐震性、耐衝撃性および耐火性能に優れた耐火三層管を提供すること。
【解決手段】図1、図2に示す耐火三層管は、内管2、中間層3および外管4の三層構造となっている。また、内管2中間層3との間には、間隙による空気層5が形成されている。内管2は、耐薬品性、耐腐食性等を確保し、中間層3は吸音・遮音および外部からの衝撃力並びに建物の振動・揺れ、地震に対する効果を補強する。不燃性の外管4は、内管2および中間層3を保護すると同時に耐火性、防露性を確保する。そして、各三層がそれぞれの性能を発揮し併せて複合による相乗効果を発揮する。さらに、間隙による空気層5は、内管2および中間層3が内管2内の温水の流入による熱膨張を吸収し、また、地震の揺れに対するスライド性による衝撃の緩衝、配管時の切断のスライド性にも効果がある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 合成樹脂製の内管と、この内管の外周に防音性能を有する中間層と、この中間層を被覆する不燃性材料かなる外管とから構成されたことを特徴とする耐火三層管。 【請求項2】 内管と中間層との間、または中間層と外管との間の少なくとも一方に間隙による空気層を設けたことを特徴とする請求項1記載の耐火三層管。 【請求項3】 防音性能を有する中間層を構成する材料が、不燃性の吸音材、遮音材、制振材、制振遮音材の各材料の単数または複数の組み合わせで構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐火三層管。 【請求項4】 中間層を構成する防音材が制振遮音性を有する軟質遮音シートであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の耐火三層管。 【請求項5】 中間層を構成する防音材を吸音性能を有する材料と遮音性能を有する材料とを貼着して構成したことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の耐火三層管。 【請求項6】 中間層を構成する防音材を吸音性能を有する材料と制振遮音性能を有する材料とを貼着して構成したことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の耐火三層管。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、マンション等の集合住宅で排水に使用する遮音効果、耐衝撃、耐震性を備えた耐火性の三層管に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、住戸及び中高層ビルの店舗並びに一般住宅(以下、「住戸」という)の排水管として、塩化ビニル等の合成樹脂管、金属管である鋳鉄管が用いられている。このうち鋳鉄管は重くて取り扱い作業が困難であり、また外周に結露する等の不都合があった。一方、合成樹脂管は、金属管に比べて耐薬品性、耐腐食性、内面平滑性、施工性に優れた性質を有しているために、次第に広く利用されるようになった。しかしながら、この塩化ビニル等の合成樹脂管は、耐火性に劣り火災時に容易に延焼してしまい、集合住宅ではこの合成樹脂管を伝わって、他の区画へ火が燃え移る虞れがあり、防災上の問題となっていた。そこで、このような延焼し易いという欠点をカバーするため、合成樹脂管の外周を不燃性の材料で被覆した耐火ニ層管が広く使用されるようになった。 【0003】この耐火二層管の外管には強度および耐衝撃力を持たせるために、補強用繊維として石綿を含有した不燃材料が使用された製品もあったが、近年では石綿の枯渇および人体に対する有害性から石綿に代わる有機および無機繊維の補強が試みられている。また、外管には結露防止のための吸放湿性や軽量化および遮音性、吸音性を向上させるために、外管の原料配合にパーライト等の軽量化材を添加することも行われている。さらに、特殊な施工方法として、各階毎に立管や横走り管に伸縮継手管を設けると共に、耐火二層管の接続部には緩衝性のある目地処理剤が付設されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記耐火二層管を住戸の排水管に使用した場合、排水時の騒音を完全に遮断(防音)できていないのが実情である。集合住宅では、寝室等の居住場所に隣接するパイプシャフト内(PS)の配管の排水音(水の流れる音)により、住人、階下の居住者から排水騒音によるクレームとなることが多々発生している。特に夜間の排水騒音が深刻な問題としてクローズアップされている。この対策として、集合住宅等の排水管に耐火二層管を使用した場合、施工現場において、配管付設後に耐火二層管等の外周面に、グラスウールまたは遮音シート等を巻装して消音を行っていた。また、耐火二層管等の付設前に耐火二層管等の外周面に上記吸音材・遮音材を工場で巻装してから工事現場に搬送し、配管付設する方法も実施されていた。 【0005】しかし、現場で付設作業後に吸音材・遮音材を巻装するのは、配管場所が限られた狭い場所であるため作業効率が低く、且つ巻装した吸音材・遮音材の損傷並びに完全に隙間なく巻装ができない等の問題がある。また、留め付け金具が耐火二層管等の外周面に固着しているため、その部分より固体伝送音が伝わり騒音となるといった問題もあった。一方、工場での付設前の吸音材・遮音材の巻装では、取扱中または搬送中に巻装した吸音・遮音材が損傷してしまうことがあった。さらに、保管中および施工時の耐衝撃性の向上並びに建物の振動・揺れに対して、それらの吸収策を耐火二層管自体に耐衝撃性および耐震性を付加することによって、施工後の耐火二層管の亀裂・破損および目地処理剤の脱落防止等が望まれている。そこで、本発明の目的は、取り扱いが容易で防音性、耐震性、耐衝撃性および耐火性能に優れた耐火三層管を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明では、耐火三層管が、合成樹脂製の内管と、この内管の外周に防音性能を有する中間層と、この中間層を被覆する不燃性材料かなる外管とから構成されたことにより目的を達成する。請求項2に記載の発明では、請求項1記載の発明において、内管と中間層との間、または中間層と外管との間の少なくとも一方に間隙による空気層を設けたことを特徴とする。請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2記載の発明において、防音性能を有する中間層を構成する材料が、不燃性の吸音材、遮音材、制振材、制振遮音材の各材料の単数または複数の組み合わせ構成されていることを特徴とする。 【0007】請求項4記載の発明では、請求項1または請求項2記載の発明において、中間層を構成する防音材が制振遮音性を有する軟質遮音シートであることを特徴とする。請求項5記載の発明では、請求項1、請求項2または請求項3記載の発明において、中間層を構成する防音材を吸音性能を有する材料と遮音性能を有する材料とを貼着して構成したことを特徴とする。請求項6記載の発明では、請求項1、請求項2または請求項3記載の発明において、中間層を構成する防音材を吸音性能を有する材料と制振遮音性能を有する材料とを貼着して構成したことを特徴とする。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態を図1ないし図19を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る耐火三層管の側面図、図2は、そのA−A′方向の断面図である。これらの図に示す住戸等の排水管として使用されるこの耐火三層管は、合成樹脂製の内管2、中間層3および外管4の三層構造となっている。また、合成樹脂製の内管2中間層3との間には、間隙による空気層5が形成されている。合成樹脂製の内管(塩ビ管)2は、耐薬品性、耐腐食性、流水性等を確保し、中間層3は外管4のみでは確保できない吸音・遮音および外部からの衝撃力並びに建物の振動・揺れ、地震に対する効果を補強する。また、不燃性の外管4は、内管2および中間層3を保護すると同時に耐火性、防露性を確保する。そして、各三層がそれぞれの性能を発揮し、併せて複合による相乗効果で優れた耐火三層間となっている。さらに、間隙による空気層5は、内管2および中間層3が内管2内の温水の流入による熱膨張を吸収し、また、建物の振動・揺れおよび地震の揺れに対するスライド性による衝撃の緩衝、配管時の切断のスライド性にも効果がある。このような空気層5の働きは、空気層5が、騒音の固体伝搬に比べ、空気伝搬が小さい(空気層が制振遮音性を有する)ことから、固体振動音を減少させることによる。この空気層5となる間隙は0.1〜2mm程度であるが、耐火三層管の大きさ(呼び径)により適宜選択することができる。 【0009】内管2は、主として塩化ビニル(塩ビ)管であり、例えば、「JIS K 6741 硬質塩化ビニル管のVPの呼び径100」または「JIS K 6739 排水用硬質塩化ビニル管継手の呼び径100」といった製品を用いる。中間層3は、防音効果のある材料であり、且つ耐衝撃性を考慮した不織布等で加工した、吸音材、遮音材、制振材、制振遮音材またはこれらの複合材を使用ししている。なお、防音材に使用する材料で紙・段ボール製紙管及び無機質発泡体のような吸水により体積膨潤を起こし、外管4の繊維強化セメント製管に亀裂・破壊させるような防音材料は使用できない。外管4は、「JIS A 5430」の不燃性の繊維強化セメント製の管であり、厚さ約6mmの嵩比重約0.8〜1.6の製品で組成は下記の通りである。 セメント 50重量%有機繊維(パルプ、合成繊維) 8重量%無機繊維(ガラス繊維、珪酸質繊維) 12重量%混和材(炭カル、スクラップ等) 25重量%軽量材(パーライト、ひる石等) 5重量%このように、繊維混入セメント管とすることで、外管の耐火性能、防露性能をより高めることができる。なお、外管4の遮音性を向上させるために繊維混入セメント内または表層部のどちらかに高比重のセラミック粉、鉄粉、重質炭カル粉等を配合することも有効である。空気層5は、内管2と中間層3の0.5mmの間隙である。 【0010】まず、第1の実施例では、中間層3に吸音材を用いている。図1、図2に示すように、合成樹脂製内管である塩ビ管2と中間層3の防音材であるロックウール吸音材3aと外管4である繊維強化セメント被覆層からなる三層構造であり、空気層5を塩ビ管2とロックウール吸音材3aとの間に0.5mmの間隙として設けてある。この実施例によれば、塩ビ管2内の流水による騒音を中間層3の不燃性であるロックウール吸音材3aで吸収させ、外管4である耐火性を有する繊維強化セメントの高比重層の比重差で遮音する。また、吸音材であるロックウールフェルト3aと空気層5で固体振動を遮断すると同時に、建物の振動・揺れを吸収することによって耐震性が向上させている。この例におけるロックウール吸音材3aの厚さは、5mmである。 【0011】中間層3に用いる防音材として、無機質繊維を主体とする成形体としては、ロックウール以外に、グラスウール、セラミックウール等のフエルト、マット、ブランケット製が好ましく、その密度は10〜300kg/m3 で、厚さは1〜25mm程度が有効であるが、グラスウールの場合は密度24〜80kg/m3 の厚さ2〜10mm(平均5mm)、ロックウールの場合は60〜100kg/m3 の厚さ2〜8mm(平均5mm)、セラミック繊維の場合は密度200〜300kg/m3 の厚さ2〜6mm(平均3mm)程度が望ましい。また、中間層の防音材(無機質繊維成型体)の内側を低密度層として、外側を高密度層の複合層材とすることによって防音・耐震性並びに耐火性が向上する。 【0012】次に、図3、図4を参照して第2の実施例を説明する。この実施例では、中間層3に遮音材を用いている。この実施例は、内管の塩ビ管2と中間層3の防音材である軟質遮音シート3bと外管4である繊維強化セメント被覆層からなる。そして、空気層5を塩ビ管2と防音材である軟質遮音シート3bとの間に0.5mmの間隙として設けてある。この実施例によれば、塩ビ管2内の流水による騒音を軟質遮音シート3bで防音(遮音)し、外管4である耐火性を有する繊維強化セメント層でさらに吸音・遮音させ防音効果を高めている。また、軟質遮音シート3bの弾力性と空気層5で固体振動を遮断すると同時に、建物の振動・揺れを吸収することによって耐震性を向上させている。この軟質遮音シート3bの厚さは、1.5mmである。 【0013】軟質遮音シートの成形体としては、鉄粉、鉛粉、セラミック粉等の約80〜95%を結合材の塩化ビニル(PVC)、ブチルゴムまたはアスファルト等で結合させ可塑材(DOP)並びに不織布等で耐衝撃性・耐震性を持たした厚さ0.3〜6mm程度が有効であるが、施工性、価格等から0.8〜2mm程度が望ましい。また、市販されている電波障害を生じさせない遮音シートを用いることも有効である。 【0014】続いて、第3の実施例を図5、図6を参照して説明する。この実施例では、中間層3に制振材を用いている。この実施例は、内管の塩ビ管2と中間層3の防音材となる制振材(制振シート)3cと外管4である繊維強化セメント被覆層からなる。空気層5を塩ビ管2と制振材3cとの間に0.5mmの間隙として設けてある。この実施例によれば、塩ビ管2内の流水による騒音を制振シートで固体伝送音を遮断し、外管4である耐火性を有する繊維強化セメントの嵩比重1.2〜1.4の層で更に吸音・遮音させ防音させることができる。また、制振シート3c及び空気層5で固体振動を遮断すると同時に、建物の振動・揺れを吸収することによって耐震性が向上する。この制振シート3cの厚さは、2mmである。 【0015】制振材として、合成ゴム(EPDM、CSM:加硫ゴム、未加硫ゴム)または塩化ビニル・酢酸ビニル共重合等からなる防振シートを用いることができる。防振シートの成形体としては、鉄粉並びに、炭カル、セラミック粉等無機質フィラー約60%以下を結合剤の合成ゴムまたは塩化ビニル・酢酸ビニル共重合等で結合させ、軟化剤または不織布等で耐震性を持たせ、さらに難燃剤を配合したものが有効である。制振シートの厚さは、0.5〜6mm程度が望ましいが、施工性、経済面等から特に1.0〜2mm程度が望ましい。また、市販されている電波障害を生じさせない制振シートを用いることも有効である。 【0016】第4の実施例を図7、図8を参照して説明する。この実施例では、中間層3に制振材遮音材を用いている。この実施例は、内管の塩ビ管2と中間層3の防音材である制振遮音シート3dと外管4である繊維強化セメント被覆層からなる。そして、空気層5を塩ビ管2と制振遮音シート3dとの間に0.5mmの間隙として設けてある。この実施例によれば、塩ビ管2内の流水による騒音を制振遮音シート3dで空気伝送音および固体伝送音を遮断し、外管4である耐火性を有する繊維強化セメント層でさらに吸音・遮音させ防音をより完全なものとしている。また、制振遮音シート3d及び空気層5で固体振動を遮断すると同時に、建物の振動・揺れを吸収することによって耐震性が向上している。この制振遮音シート3dの厚さは1mmである。 【0017】制振遮音シートの成形体としては、鉄粉、鉛粉、セラミック粉、重炭酸カルシウムの約60〜90%を結合剤の塩化ビニル樹脂または改質アスファルト等で結合させ可塑剤・軟化剤並びに不織布等で耐衝撃性・耐震性を持たせた厚さ0.1〜6mm程度が有効であるが、製造性、施工性、経済面等から特に0.8〜3mm程度が望ましい。また、市販されている電波障害を生じさせない制振遮音シートを用いることも有効である。 【0018】第5の実施例を図9、図10を参照して説明する。この実施例では、中間層3の防音材に吸音材と軟質遮音材を接着剤で貼着させた複合材を用いている。この実施例は、内管の塩ビ管2と中間層3の防音材である内層側にロックウール吸音材3aと外層側に遮音材である軟質遮音シート3bとを接着させた複合材3eと外管4である繊維強化セメント被覆層からなる。そして、空気層5を塩ビ管2と中間層3との間に0.5mmの間隙として設けてある。この実施例によれば、塩ビ管2内の流水による騒音を中間層3の内層側の不燃性であるロックウール吸音材3aで吸収させると同時に外層側の軟質遮音シート3bとの複合材3eの効果で騒音を遮断し、外管4である耐火性の繊維強化セメントで更に吸音・遮音させることを特徴としている。また、複合材3eと空気層5で固体振動を遮断すると共に、建物の振動・揺れを吸収することによって耐震性を向上させている。 【0019】内側の吸音材に用いる無機質繊維を主体とした成形体は、グラスウール、セラミックウール等のフェルト、マット、ブランケット製が好ましく、その密度は20〜300kg/m3 で、厚さは1〜10mm程度が有効であるが、グラスウールの場合は密度24〜35kg/m3 の厚さ2〜5mm、ロックウールの場合は80〜130kg/m3 の厚さ2〜5mm、セラミック繊維の場合は密度200〜300kg/m3 の厚さ2〜5mm程度が望ましい。その外周面を取り巻く外装部の遮音シートは、面密度約2〜9kg/m3 、厚さ0.2〜3mmが望ましい。 【0020】第6の実施例を図11、図12を参照して説明する。この実施例は、中間層3の防音材に吸音材と制振遮音材を接着剤で貼着させた複合材を用いている。この実施例は、塩ビ管2と中間層3の防音材である内層側にロックウール吸音材3aと外層側に遮音材である制振遮音シート3dとを接着させた複合材3fと外管4である繊維強化セメント被覆層からなる。空気層5を塩ビ管2と防音材3との間に0.5mmの間隙として設けてある。この実施例によれば、塩ビ管2内の流水による騒音を中間層3の内層側の不燃性のロックウール吸音材3aで吸収させると同時に外層側の制振遮音シート3dの複合層の効果で騒音を遮断し、外管4である耐火性の繊維強化セメント層でさらに吸音・遮音させている。また、複合材3fと空気層5で固体振動を遮断すると同時に、建物の振動・揺れを吸収することによって耐震性が向上した。 【0021】第5、第6の実施例のように、内管2と外管4との間にある耐衝撃性を有する吸音材、遮音材、制振材、制振遮音材あるいはそれらの密度のことなる複合材を中間層3として設けることにより排水管の防音・耐震性能を確保することができる。即ち、吸音材では排水騒音を吸音することで外管の外に出る騒音を防ぎ、遮音材では音の透過損失が質量則によることを利用した、高質量(高密度)の遮音材とすることで騒音を防ぐことができる。また、制振材ではその弾力性を活用した防振性能で流水による管内の振動(音の伝搬)を防止し、制振遮音材では制振による固体伝搬音と遮音による空気伝搬を遮断し流水音を防ぐことができる。さらに、耐衝撃性を有する吸音材、遮音材、制振材、制振遮音材の2種類以上を組み合わせた複合の中間層とすることによって、それぞれの特性が相乗効果をもたらし耐震性が向上し、防音・耐衝撃性・耐震性を付与することができる。 【0022】図13、図14は空気層5の位置の詳細断面を示している。図13は、上記の各実施例のように、空気層5が内管の塩ビ管2と中間層3の間に設けた例を示している。また、図14は中間層3と外管4である繊維強化セメント層の間に空気層5を設けた例を示している。このように、空気層5は、内管2と中間層3の間、または、中間層3と外管4の間に何方に配置することができる。なお、上記、実施例は代表的な事例を記載したものであり、使用する建物及び部位の防音性能基準に従い、空気層の位置並びに防音材料を使い分けることが可能である。 【0023】図15は、施工の一例を示した図である。この施工例は耐火三層管1の直管1aと管継手11の接続部に遮音テープ6を施した例である。 【0024】次に、上記各実施例による耐火三層管の防音、耐衝撃性、耐震性、防・耐火性能を下記の5例と比較した。 ・比較例1.塩ビ管(VU) ・比較例2.「塩ビ管+防音材(ロックウール吸音材+制振遮音シート)」構成防音材は市販品「おとなし君(5+1mm)」を使用・比較例3.耐火二層管 以下、「二層管」という。 ・比較例4.「耐火二層管+防音層(ロックウール吸音材+制振遮音シート)」構成防音材は市販品「おとなし君(5+1mm)」を使用・比較例5.「塩ビ管+紙管(1mm)+耐火性被覆管(7mm)」 【0025】この防音性能の評価方法は、室内に図16に示すような配管設備を用いて、便器排水量20リットルを一気に流水させ、その騒音を精密騒音計(リオンNA−29)で測定した。この試験の評価基準は、以下の4段階である。 ◎:非常に静か(目標45dB以下) ○:排水音がかすかに聞こえるが、静か(目標45〜50dB) △:排水音が聞こえる(50〜60dB) ×:排水音が聞こえ、うるさい。(60dB以上) この測定結果の比較を図17に示してある。 【0026】耐衝撃性の評価方法は、JIS A 1408「建築用ボード類の曲げ及び衝撃試験方法」に準拠し、1Kgの重錘を4mの高さから落下(衝撃エネルギー4Kg・m)させ、破壊状況を観察した。この試験の評価基準は、以下の3段階である。 ◎:表面の凹み○:表面のクラック×:破損【0027】耐震性能の評価方法は、JSTM 2001−1998「非耐力壁の面内せん断曲げによる動的試験方法」に準拠して、試験条件を気象庁震度階級6強(烈震・7.9M)程度を想定し、層間変形角を1/100で振動加速度を400galで1分間加振した。この試験の評価基準は、以下の3段階である。 ◎:配管の破損なし、空気漏れなし。 ○:外管の表層及び目地部に微細亀裂発生、空気漏れなし。 ×:有害な破損が生じた。 【0028】防火性能の評価方法は、建設省告示昭和45年第1828号「不燃材料」またはJIS A 1321 「建築物の内装材料及び工法の難燃性試験方法」の表面試験方法及びJIS A 1322「建築用薄物材料の難燃性試験方法」による。この試験の評価基準は、以下の3段階である。 ◎:不燃性○:難燃性または自己消失性×:可燃性【0029】耐火性能の評価方法は、ISO834「耐火試験」に準拠し、試験体を図18に示してある。加熱は2時間加熱とし、判定はBCJ区画貫通部工法等専門委員会規定による「非加熱側の許容温度、発煙性の有無、有害な変形」で評価した。この試験の評価基準は、以下の2段階である。 ◎:合格×:不合格【0030】上記各試験の総合評価を図19の表に示した。この結果、本実施例に係る3層管が防音性、耐衝撃性、耐震性、防火性、耐火性において、比較例である従来の塩ビ管、二層管などより優れた結果となった。 【0031】 【発明の効果】請求項1記載の発明では、耐火二層管の長所をそのまま生かし、防音性能を有する中間層で排水時の騒音を吸収し、有効に防音を果たすことができる。請求項2記載の発明では、内管と中間層との間、または中間層と外管との間の少なくとも一方に間隙による空気層を設けたことにより、防音を有効に行い、且つ耐衝撃性・耐震性を向上させることができる。 【0032】請求項3記載の発明では、吸音材・遮音材・制振材・制振遮音材の1種類または2種類以上を組み合わせた材料で、耐火三層管の防音・耐衝撃性・耐震性をより向上させることができる。請求項4記載の発明では、防音材が制振遮音性を軟質遮音シートであることにより、耐火三層管の防音・耐衝撃性・耐震性をより向上させることができる。 【0033】請求項5記載の発明では、中間層を構成する防音材が吸音性能を有する材料と遮音性能を有する材料とを貼着して構成したことにより、それらの相乗効果で、耐火三層管の防音・耐衝撃性・耐震性をより向上させることができる。請求項6記載の発明では、中間層を構成する防音材が吸音性能と制振遮音性能を有する材料とを貼着して構成したことにより、それらの相乗効果で耐火三層管の防音・耐衝撃性・耐震性をより向上させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000200987 【氏名又は名称】浅野スレート株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月3日(1999.9.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091225 【弁理士】 【氏名又は名称】仲野 均 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−74191(P2001−74191A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月23日(2001.3.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−249844 |
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