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【発明の名称】 排水用管継手
【発明者】 【氏名】小島 徳厚

【要約】 【課題】排水立て管から粉砕固形物が流下してきても、曲り胴部での滞留を防止して、円滑に排水横管に送給できる排水用管継手を提供すること。

【解決手段】排水用管継手10は、上部に配設されて排水立て管1と接続可能な立て管接続部11と、下部に配設されて排水横管3と接続可能な横管接続部14と、立て管接続部と横管接続部との間に配設されて、排水立て管からの排水Wを略90°方向転換させて排水横管に送給する曲り胴部17と、を備える。曲り胴部17は、曲り方向に沿った鉛直断面における外周側の内周面24に、排水立て管の軸心Yと排水横管の軸心Xとに対して、共に交差するように配設される直線部26を、備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上部に配設されて排水立て管と接続可能な立て管接続部と、下部に配設されて排水横管と接続可能な横管接続部と、前記立て管接続部と前記横管接続部との間に配設されて、前記排水立て管からの排水を略90°方向転換させて前記排水横管に送給する曲り胴部と、を備えて構成される排水用管継手であって、前記曲り胴部が、曲り方向に沿った鉛直断面における外周側の内周面に、前記排水立て管の軸心と前記排水横管の軸心とに対して、共に交差するように配設される直線部を、備えて構成されていることを特徴とする排水用管継手。
【請求項2】 前記直線部が、前記排水立て管の軸心と前記排水横管の軸心とに対して、共に略45°の交差角で交差していることを特徴とする請求項1に記載の排水用管継手。
【請求項3】 前記曲り胴部の曲り方向に沿った鉛直断面における内周側の内周面が、前記立て管接続部と前記横管接続部とを直線的に結ぶように、形成されていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の排水用管継手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水立て管からの排水を略90°方向転換させて排水横管に送給する排水用管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の排水用管継手では、上部に配設されて排水立て管と接続可能な立て管接続部と、下部に配設されて排水横管と接続可能な横管接続部と、立て管接続部と横管接続部との間に配設されて、排水立て管からの排水を略90°方向転換させて排水横管に送給する曲り胴部と、を備えて構成されていた。
【0003】そして、曲り胴部は、立て管接続部から横管接続部まで、円弧状に滑らかに接続されるように構成されていた。
【0004】しかし、例えば、排水立て管からの排水に、ディスポーザ等で粉砕された野菜屑等の粉砕固形物が混入されていると、曲り胴部の曲り方向に沿った鉛直断面における外周側の内周面に、粉砕固形物が滞留する場合があった。特に、ディスポーザ等からの粉砕固形物が、流し台のシンクタンク等からの排水より先に落下してくるような場合には、粉砕固形物が曲り胴部に堆積することとなり、後から排水が流れても、粉砕固形物が滞留し、甚だしい場合には、曲り胴部を詰まらせてしまう場合があった。
【0005】本発明は、上述の課題を解決するものであり、排水立て管から粉砕固形物が流下してきても、曲り胴部での滞留を防止して、円滑に排水横管に送給できる排水用管継手を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る排水用管継手は、上部に配設されて排水立て管と接続可能な立て管接続部と、下部に配設されて排水横管と接続可能な横管接続部と、前記立て管接続部と前記横管接続部との間に配設されて、前記排水立て管からの排水を略90°方向転換させて前記排水横管に送給する曲り胴部と、を備えて構成される排水用管継手であって、前記曲り胴部が、曲り方向に沿った鉛直断面における外周側の内周面に、前記排水立て管の軸心と前記排水横管の軸心とに対して、共に交差するように配設される直線部を、備えて構成されていることを特徴とする。
【0007】前記直線部は、前記排水立て管の軸心と前記排水横管の軸心とに対して、共に略45°の交差角で交差させることが望ましい。
【0008】また、前記曲り胴部の曲り方向に沿った鉛直断面における内周側の内周面は、前記立て管接続部と前記横管接続部とを直線的に結ぶように、形成することが望ましい。
【0009】
【発明の効果】本発明に係る排水用管継手では、曲り胴部が、曲り方向に沿った鉛直断面における外周側の内周面に、排水立て管の軸心と排水横管の軸心とに対して、共に交差するように配設される直線部を、備えていることから、排水立て管からの排水は、立て管接続部を経て流下する際、直線部にあたり、光波が直線部に入射して反射するように、流速の低下を抑えて直線部から離脱し、横管接続部を経て、排水横管に送給されることとなる。
【0010】そのため、粉砕固形物が流下してきても、同様に、粉砕固形物は、直線部で跳ね返るように反射して排水横管側へ方向転換し、曲り胴部に滞留することなく、横管接続部を経て、排水横管に送給可能となり、仮に、滞留しても、その後に流下して直線部で反射する流速低下を抑えられた排水に押されて、排水横管に送給可能となる。
【0011】したがって、本発明に係る排水用管継手では、排水立て管から粉砕固形物が流下してきても、曲り胴部での滞留を防止して、円滑に排水横管に送給することができる。
【0012】そして、曲り胴部の直線部が、排水立て管の軸心と排水横管の軸心とに対して、共に略45°の交差角で交差しておれば、直線部での粉砕固形物の反射方向が、排水横管の軸心に略沿う方向となることから、一層円滑に、粉砕固形物を滞留させることなく排水横管に送給することができる。
【0013】また、曲り胴部の曲り方向に沿った鉛直断面における内周側の内周面が、立て管接続部と横管接続部とを直線的に結ぶように、形成されれば、従来の曲線状に形成される場合に比べて、開口面積を確保することができることから、排水横管と排水立て管との通気を確保し易くなり、曲り胴部での排水の閉塞状態を極力避けることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】実施形態の排水用管継手10では、図1〜6に示すように、上部に配設されて排水立て管1と接続可能な立て管接続部11と、下部に配設されて排水横管3と接続可能な横管接続部14と、立て管接続部11と横管接続部14との間に配設されて、排水立て管1からの排水Wを90°方向転換させて排水横管3に送給する曲り胴部17と、を備えて構成されている。
【0016】なお、排水立て管1と排水横管3とは、実施形態の場合、内径寸法dの円形管としている。そして、排水立て管1の上方には、野菜屑等を粉砕する図示しないディスポーザが接続されている。また、排水横管3の図示しない端部側は、多層階集合住宅の集合立て管に接続された図示しない管継手の横枝管接続部に接続されている。
【0017】立て管接続部11は、立て管1の下端を嵌合可能なソケット部12を備えて構成され、ソケット部12の底部には、内径寸法を立て管1の内径寸法dと一致させたストッパ12aが形成されている。
【0018】同様に、横管接続部14は、横管3の端部を嵌合可能なソケット部15を備えて構成され、ソケット部15の曲り胴部17側の端部には、内径寸法を横管3の内径寸法dと一致させたストッパ15aが形成されている。
【0019】曲り胴部17は、曲った状態の内周側に位置する内側周壁部18と、曲った状態の外周側に位置する外側周壁部23と、内側周壁部18と外側周壁部23との間を連結する側壁部31・32と、を備えて構成されている。
【0020】なお、内側周壁部18は、排水用管継手10の立て管接続部11の開口が見える図3の平面図と、横管接続部14の開口が見える図4の左側面図と、に表われる部位である。また、外側周壁部23は、立て管接続部11と横管接続部14との開口が共に見えない図5の底面図と図6の右側面図とに表れる部位である。
【0021】実施形態の場合、内側周壁部18と外側周壁部23とは、曲り胴部17の曲った軸線に直交する方向の断面形状が、図2に示すように、それぞれ、内周面19・24を、立て管1・横管3の内径寸法dの1/2と等しい半径寸法rの半円弧状としている。
【0022】そして、曲り胴部17の曲り方向に沿った鉛直断面における外周側の内周面24の部位、すなわち、外側周壁部23の内周面24における頂部25の部位は、図1・2に示すように、3つの直線状の部位26・27・28から、構成されている。
【0023】中央の直線部26は、排水立て管1の軸心Yと排水横管3の軸心Xとに対して、共に45°の交差角θY・θXで交差するように配設されている。
【0024】中央直線部26の上方の上部直線部27は、排水立て管1の軸心Yと交差することなく、軸心Yに沿って、立て管接続部11から下方に延びるように形成され、中央直線部26の下方の下部直線部28は、排水横管3の軸心Xと交差することなく、軸心Xに沿って、横管接続部14から横方向に延びるように形成されている。
【0025】また、曲り胴部17の曲り方向に沿った鉛直断面における内周側の内周面19の部位、すなわち、内側周壁部18の内周面19における頂部20の部位は、図1・2に示すように、立て管接続部11と横管接続部14とを直線的に結ぶように、直線状に形成されている。
【0026】なお、内側周壁部18の内周面19における頂部20の両側や、外側周壁部23の内周面24における頂部25の両側は、図2に示すように、4分の1円弧状の弧面部21・21・29・29としている。そして、上部直線部27の上端部位と、下部直線部28の横管接続部14側の端部部位と、では、弧面部21・29が相互に直接連結されるように構成されて、それぞれの内径寸法を、排水立て管1や排水横管3の内径寸法dと等しく設定されている。また、中央直線部26の部位では、図2に示すように、弧面部21・29が、平板状の側壁部31・32を介在させて、連結されることとなる。
【0027】実施形態の排水用管継手10に排水立て管1と排水横管3とを接続させた状態として、排水立て管1からの排水Wが立て管接続部11を経て流下してくると、曲り胴部17では、曲り方向に沿った鉛直断面における外周側の内周面24の頂部25に、排水立て管1の軸心Yと排水横管3の軸心Xとに対して、共に交差するように配設される中央直線部26を、備えている。そのため、排水Wは、中央直線部26にあたり、光波が中央直線部26に入射して反射するように、流速の低下を抑えて中央直線部26から離脱し、横管接続部14を経て、排水横管3に送給されることとなる。
【0028】そして、粉砕固形物Hが流下してきても、同様に、粉砕固形物Hは、中央直線部26で跳ね返るように反射して排水横管3側へ方向転換し、曲り胴部17に滞留することなく、横管接続部14を経て、排水横管3に送給可能となる。仮に、滞留しても、その後に中央直線部26で反射する流速低下を抑えられた排水Wに押されて、排水横管3に送給可能となる。
【0029】なお、従来の曲り胴部では、図1の二点鎖線で示すように、曲り方向に沿った鉛直断面における外周側の内周面が、4分の1円弧状に形成されており、その隅部Cに、粉砕固形物Hが堆積されていた。しかし、実施形態のように、曲り方向に沿った鉛直断面における外周側の内周面24の頂部25に、排水立て管1の軸心Yと排水横管3の軸心Xとに対して、共に交差するように配設される中央直線部26を設ければ、粉砕固形物Hが中央直線部26で反射して排水横管3側に進行し易く、かつ、隅部Cのような空間もなくなるため、粉砕固形物Hの堆積自体も防止されることとなる。
【0030】したがって、実施形態の排水用管継手10では、排水立て管1から粉砕固形物Hが流下してきても、曲り胴部17での滞留を防止して、円滑に排水横管3に送給することができる。
【0031】さらに、実施形態の排水用管継手10では、曲り胴部17の中央直線部26が、排水立て管1の軸心Yと排水横管3の軸心Xとに対して、共に45°の交差角θY・θXで交差している。そのため、中央直線部26での粉砕固形物Hの反射方向が、排水横管3の軸心Xに沿う方向となることから、一層円滑に、粉砕固形物Hを滞留させることなく排水横管3に送給することができる。
【0032】さらにまた、実施形態では、曲り胴部17の曲り方向に沿った鉛直断面における内周側の内周面19の頂部20が、立て管接続部11と横管接続部14とを直線的に結ぶように、形成されている。そのため、図1の二点鎖線で示すように、曲り胴部の曲り方向に沿った鉛直断面における内周側の内周面を4分の1円弧状とした従来タイプに比べて、開口面積を確保することができることから、排水横管3と排水立て管1との通気を確保し易くなり、曲り胴部17での排水Wの閉塞状態を極力避けることができる。
【0033】なお、実施形態では、排水立て管1の軸心Yと排水横管3の軸心Xとに対して、共に交差するように配設される直線部26を1つ設けたものを示したが、このような直線部は、延長線上で軸心Y・Xに交差する直線部も含んで、2〜5個程度、複数設けても良い。但し、直線部を多く設け過ぎては、従来の曲線状の形状に近づくため、望ましくない。
【0034】図7に示す排水用管継手40では、曲り胴部17の曲り方向に沿った鉛直断面における外周側の内周面24の頂部25に設けた3つの直線部41・42・43が、それぞれ、排水立て管1の軸心Yと排水横管3の軸心Xとに対して、共に交差するように配設されている。
【0035】図8に示す排水用管継手50では、曲り胴部17の曲り方向に沿った鉛直断面における外周側の内周面24の頂部25に設けた2つの直線部51・52が、それぞれ、排水立て管1の軸心Yと排水横管3の軸心Xとに対して、共に交差するように配設されている。
【0036】なお、排水用管継手40・50では、直線部41・42・43・51・52を除いた部位で、排水用管継手10と同一の部位には同一符号を付してある。
【0037】また、実施形態では、排水立て管1の軸心Yと排水横管3の軸心Xとに対する直線部26の交差角θY・θXを、45°としたものを示したが、直線部を複数設ける場合には、交差角θY・θXは、15°〜75°の範囲で適宜設定すれば良い。
【0038】但し、延長線上で軸心Y・Xに交差する直線部を除いて、軸心Y・Xに直接交差する直線部では、交差角θY・θXは45°に接近させて配置することが望ましい。直線部で反射した後に横管3に送給し易くなるからである。
【0039】さらに、実施形態では、曲り胴部17が、その曲った軸線と直交する断面形状として、図2に示すように、平板状の側壁部31・32を備えた長円形状の部位を含むように構成したが、曲り胴部17の軸線と直交する断面形状として、真円形状だけで構成したり、適宜、楕円形状・卵形状等を含んで構成しても良い。
【0040】また、実施形態では、曲り胴部17の直線部26が、両側の弧面部29・29と極めて接近させて、半円弧状の一部の頂部25の部位に配置させた場合を示したが、図9に示すように、曲り胴部17の曲った軸線と直交する断面形状において、直線部26を平坦に形成して、弧面部29・29に接続させるように構成しても良い。
【0041】さらにまた、実施形態では、横管接続部14を真円形の横管3に接続させる場合を示したが、横管接続部14を、楕円形を含んだ長円形管や卵形管に接続可能に、構成しても良い。
【0042】図10・11に示す排水用管継手60では、横管3が、上下を半円筒形として、その上下間を、平板状の側壁部で連結ような長円形管としている。また、立て管1や横管3と接続される接続部11・14が、接続用のフランジ部12b・15bを備えて構成されている。他の部位で、排水用管継手10と同一の部位には、同一符号を付してある。
【0043】この管継手60でも、排水立て管1から粉砕固形物が流下してきた際、曲り胴部17での滞留を防止して、円滑に排水横管3に送給することができる。
【0044】また、実施形態では、多層階の集合住宅での各戸で使用される排水用管継手10を例示したが、各戸からの排水を集合させる集合立て管と、その立て管からの排水を横方向に送給する横主管と、を接続させる排水用管継手(脚部継手)に本発明を応用しても良い。
【出願人】 【識別番号】390013527
【氏名又は名称】小島 徳厚
【出願日】 平成11年9月1日(1999.9.1)
【代理人】 【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫 (外1名)
【公開番号】 特開2001−74188(P2001−74188A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願平11−247964