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【発明の名称】 可とう伸縮継手の製造方法
【発明者】 【氏名】野田 憲治

【氏名】谷川 克彦

【氏名】横堀 志津雄

【要約】 【課題】加熱モールドを必要せず、連続生産が効率良く行え、しかも安定した接合強度が得られ、製品の寸法精度を高めることができる可とう伸縮継手の製造方法を提供する。

【解決手段】熱可塑性エラストマーを軟質材料としてなる可とう伸縮管と、その可とう伸縮管の両端に端部が内嵌された状態で接合された硬質熱可塑性樹脂管と備える可とう伸縮継手を製造する方法であって、前記熱可塑性エラストマーを主体とする内層形成管2aとその両側に配置される前記硬質熱可塑性樹脂管4とを芯材に挿着し、その芯材と共に回転させつつ軸方向に送りながら、前記内層形成管2aと前記硬質熱可塑性樹脂管4の表面を加熱した後、前記可とう伸縮管の外層1を形成する材料を帯状に押出しながら、前記加熱した表面にらせん状に巻き取ってその表面への接合と前記外層1の形成とを行う工程を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 熱可塑性エラストマーを軟質材料としてなる可とう伸縮管と、その可とう伸縮管の両端に端部が内嵌された状態で接合された硬質熱可塑性樹脂管と備える可とう伸縮継手を製造する方法であって、前記熱可塑性エラストマーを主体とする内層形成管とその両側に配置される前記硬質熱可塑性樹脂管とを芯材に挿着し、その芯材と共に回転させつつ軸方向に送りながら、前記内層形成管と前記硬質熱可塑性樹脂管の表面を加熱した後、前記可とう伸縮管の外層を形成する材料を帯状に押出しながら、前記加熱した表面にらせん状に巻き取ってその表面への接合と前記外層の形成とを行う工程を有する可とう伸縮継手の製造方法。
【請求項2】 前記内層形成管と前記硬質熱可塑性樹脂管とを1組として、長手方向に分割可能な芯材に順次挿着して連続体とすると共に、その1組毎に前記押出しと前記巻き取りを行って、複数の可とう伸縮継手を連続的に製造する請求項1記載の可とう伸縮継手の製造方法。
【請求項3】 前記可とう伸縮管が、少なくともポリオレフィン樹脂でらせん状に補強されたポリオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、前記硬質熱可塑性樹脂管がポリオレフィン樹脂で形成されると共に、前記外層を形成する材料を帯状に押出す際に、前記ポリオレフィン樹脂と前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとを共押出しする請求項1又は2に記載の可とう伸縮継手の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラストマーを軟質材料としてなる可とう伸縮管と、その可とう伸縮管の両端に端部が内嵌された状態で接合された硬質熱可塑性樹脂管と備える可とう伸縮継手を製造する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、上下水道、ガス、空調等の配管には、鋼管やヒューム管に代わって、耐久性、軽量性、コスト、接続の容易性等に優れる樹脂管が代替使用されつつある。樹脂管の中でも、特に、融点が比較的低く溶融によるリサイクルが容易で、しかも焼却時に有毒成分を発生しにくいポリオレフィン樹脂が、前記樹脂管の材料として注目され、既に実用化されつつある。
【0003】しかし、ポリオレフィン樹脂製の樹脂管は、鋼管に比べて5〜10倍の熱膨張率を有するため、配管の途中に熱伸縮を吸収する部分を設ける必要があり、また、当該樹脂管は幾分可とう性を有するものの、曲げ、偏芯等の変位が大きい場合には、破断等の恐れがある。このため、変位吸収が可能な可とう伸縮管を有する可とう伸縮継手を配管の途中に設ける必要がある。
【0004】一方、上記のような樹脂管は通常、EF工法やバッドジョイント工法等にて連結されるため、このような工法により連結できるように、可とう伸縮継手もその両端部に樹脂管を有するものが望ましい。従って、当該可とう伸縮継手としては、熱可塑性エラストマー等よりなる可とう伸縮管と、その可とう伸縮管の両端に端部が接合された硬質熱可塑性樹脂管と備える構造が好ましい。
【0005】このような可とう伸縮継手の製造方法に関し、本出願人は、可とう伸縮管と硬質熱可塑性樹脂管の材料として相互に融着し易い材料を選択し、可とう伸縮管の両端に硬質熱可塑性樹脂管の端部を内嵌した状態で、加熱モールド内に入れ、加熱・加圧等して両者を融着接合する製造方法について既に出願済みである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の製法では、製品1個を作製するのに1つの加熱モールドを必要とし(しかも各サイズ毎に対応する加熱モールドが必要)、また製品の取り出し前に加熱モールドの冷却が必要であり、製造時間が多大になるなど、大量生産には不向きであった。更に、加熱モールドの寸法精度やセットする材料の体積精度を高くする必要があり、また接合部以外の部分も加熱されるため、樹脂の溶融・流動による製品の寸法精度の悪化や接合部での圧接力の低下によって接合不良等も生じ易い。
【0007】そこで、本発明の目的は、加熱モールドを必要せず、連続生産が効率良く行え、しかも安定した接合強度が得られ、製品の寸法精度を高めることができる可とう伸縮継手の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の如き本発明により達成できる。
【0009】即ち、本発明の可とう伸縮継手の製造方法は、熱可塑性エラストマーを軟質材料としてなる可とう伸縮管と、その可とう伸縮管の両端に端部が内嵌された状態で接合された硬質熱可塑性樹脂管と備える可とう伸縮継手を製造する方法であって、前記熱可塑性エラストマーを主体とする内層形成管とその両側に配置される前記硬質熱可塑性樹脂管とを芯材に挿着し、その芯材と共に回転させつつ軸方向に送りながら、前記内層形成管と前記硬質熱可塑性樹脂管の表面を加熱した後、前記可とう伸縮管の外層を形成する材料を帯状に押出しながら、前記加熱した表面にらせん状に巻き取ってその表面への接合と前記外層の形成とを行う工程を有するものである。
【0010】上記において、前記内層形成管と前記硬質熱可塑性樹脂管とを1組として、長手方向に分割可能な芯材に順次挿着して連続体とすると共に、その1組毎に前記押出しと前記巻き取りを行って、複数の可とう伸縮継手を連続的に製造することが好ましい。
【0011】また、前記可とう伸縮管が、少なくともポリオレフィン樹脂でらせん状に補強されたポリオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、前記硬質熱可塑性樹脂管がポリオレフィン樹脂で形成されると共に、前記外層を形成する材料を帯状に押出す際に、前記ポリオレフィン樹脂と前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとを共押出しすることが好ましい。
【0012】[作用効果]本発明によると、内層形成管と硬質熱可塑性樹脂管の表面を加熱した状態で、外層を形成する材料を帯状に押出しながららせん状に巻き取って、その表面への接合と外層の形成とを行うため、加熱モールドを使用せずに、連続生産に適した方法にて、種々の長さの可とう伸縮継手を効率良く製造することができる。その際、巻き取り時の接合部の圧接力を略一定に維持でき、接合部の融着も加熱温度の調整等によって確実に行えるため、安定した接合強度が得られ、しかも、余分な加熱・溶融を行わないので、非溶融部での原料寸法が維持されるため、製品の寸法精度を高めることができる。
【0013】その結果、加熱モールドを必要せず、連続生産が効率良く行え、しかも安定した接合強度が得られ、製品の寸法精度を高めることができる可とう伸縮継手の製造方法を提供することができた。
【0014】前記内層形成管と前記硬質熱可塑性樹脂管とを1組として、長手方向に分割可能な芯材に順次挿着して連続体とすると共に、その1組毎に前記押出しと前記巻き取りを行って、複数の可とう伸縮継手を連続的に製造する場合、分割可能な芯材を使用するため、新たな芯材等の追加と製品の取り外しが順次連続的に行え、更に、1組毎に押出しと巻き取りを行うことで、複数の可とう伸縮継手を連続的に効率良く製造することができる。
【0015】前記可とう伸縮管が、少なくともポリオレフィン樹脂でらせん状に補強されたポリオレフィン系熱可塑性エラストマーで形成され、前記硬質熱可塑性樹脂管がポリオレフィン樹脂で形成されると共に、前記外層を形成する材料を帯状に押出す際に、前記ポリオレフィン樹脂と前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとを共押出しする場合、共押出しにより、前記ポリオレフィン樹脂を外層にらせん状に配置することができ、可とう性を良好に維持しつつ内外圧に対する補強等が好適に行われた可とう伸縮継手を製造することができる。また、両材料は、熱溶融性が近似するため共押出が容易になり、両者の融着性も良好になり、更に、リサイクルにも有利であり、燃焼時に有害成分も発生しにくい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0017】本発明は、熱可塑性エラストマーを軟質材料としてなる可とう伸縮管と、その可とう伸縮管の両端に端部が内嵌された状態で接合された硬質熱可塑性樹脂管と備える可とう伸縮継手を製造する方法であるが、本実施形態では、図1に示すような可とう伸縮継手を製造する場合を例示する。
【0018】即ち、図1に示す可とう伸縮継手の可とう伸縮管3は、ポリオレフィン樹脂1aでらせん状に補強されたポリオレフィン系熱可塑性エラストマー1bよりなる外層1と、補強されていないポリオレフィン系熱可塑性エラストマーよりなる内層2とで形成されている。また、可とう伸縮管3の両端の外層1のみで形成された部分に、硬質熱可塑性樹脂管4の端部が内嵌された状態で接合されている。可とう伸縮継手を構成する材料は、これらに限られず、以下のものが使用可能である。
【0019】即ち、本発明で使用される熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリジエン系熱可塑性エラストマー等が挙げられるが、硬質熱可塑性樹脂管と熱融着等し易いように、同種または類似の材料を使用するのが好ましい。
【0020】本発明に好適に使用されるポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(以下、「TPO」という)としては、ハードセグメントとしてポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィンを含有し、ソフトセグメントとしてエチレン・プロピレン(EPDM)等のゴムを含有するブレンド体等が挙げられる。そして、ブレンド方式の相違により、単純ブレンド型TPO、インプラント化TPO、動的加硫型TPO等が存在し、通常、ハードセグメント成分中にソフトセグメント成分が分散したブレンド構造になっている。
【0021】このようなTPOは、各種商品が市販されており、例えばオレフレックス(日本ポリオレフィン製)、ミラストマー(三井化学製)、住友TPE(住友化学工業製)、サントプレン(AESジャパン製)、レオストマー(理研ビニル工業製)、アクティマー(理研ビニル工業製)などが挙げられる。なお、TPOは、JIS A硬さで40〜80°のものが好ましく、短繊維等で補強したものであってもよい。
【0022】本発明で使用される硬質熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、その他のポリビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられるが、前述のようにポリオレフィン樹脂が好ましい。かかるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等が挙げられるが、TPOとの接合力を高くする観点より、TPOのハードセグメントと同種の材料を使用するのが好ましい。特に、ポリエチレン配管の可とう伸縮継手として使用される場合、ポリオレフィンがポリエチレン又はポリプロピレンであり、TPOのハードセグメントがポリエチレン及び/又はポリプロピレン、ソフトセグメントがEPDMのものを使用するのが最も好ましい。なお、可とう伸縮管を補強するポリオレフィン樹脂についても、上記と同様の材料が使用できる。
【0023】本実施形態では、図2(a)に示すように、まず、熱可塑性エラストマーよりなる内層形成管2aとその両側に配置される硬質熱可塑性樹脂管4(以下、樹脂管4と略す)とを分割された芯材5に挿着する。その際、芯材5としては、例えば図2(b)の断面図に示すように、芯材本体5aの樹脂管4を挿着する部分に、樹脂管4を圧接保持するシリコーンゴム等の弾性筒状体5bを有し、また芯材本体5a同士を連結するための連結雌部5dと連結雄部5eとを有すると共に、両方の樹脂管4を外側から係止する係止リング5Cを外嵌め可能に構成してあるものが使用できる。なお、連結雌部5dと連結雄部5eとは相対回転しないように、異形断面とするのが好ましい。
【0024】芯材本体5a等の材質としては、加熱時の耐熱性と樹脂管4等との離型性を有するものが何れも使用可能であるが、弾性筒状体5bを設けない場合には、ポリアミド系樹脂(例えばナイロン)やフッ素系樹脂(例えばテフロン)が、熱膨張により樹脂管4を確実に保持するため好ましい。また、樹脂製の芯材5を用いると、熱伝導率が金属に比較して小さいため、加熱を含む連続工程で芯材5が高温になることによる弊害をより少なくすることができる。
【0025】樹脂管4としては、市販のポリエチレン管等を所定の長さに切断したものが使用できる。また、内層形成管2aとしては、熱可塑性エラストマーを予めチューブ状に押出成形したものが使用され、その内径及び厚さは、樹脂管4と略同じものが使用され、製品の要求特性に合わせて適当な長さに切断される。なお、内層形成管2aは、芯材本体5aに外嵌されて弾性力で回転不能に保持されるように、芯材本体5aの外径よりやや小さい内径を有するものが好ましい。また、内層形成管2aを芯材本体5aにより確実に保持するには、芯材本体5aの外周面の長手方向に凸条等を設けるなどすればよい。
【0026】上記のように内層形成管2aと樹脂管4とを1組として、分割された芯材5に挿着した後、芯材5の連結雌部5dと連結雄部5eと連結して連続体6とする。
【0027】次に、図3に示すように、この連続体6を回転させつつ軸方向に送りながら、内層形成管2aと樹脂管4との表面を加熱して溶融させる。その際、回転と送りには、回転送り装置が使用されるが、例えば、等速度で回転する複数の回転ローラ7が連続体6を保持する位置に配置され、その回転ローラ7の軸心が連続体6の軸心から略同じねじれ角度で傾斜することにより、連続体6を回転させつつ軸方向に送る機構を有するものが使用できる(図3参照)。また、回転機構と送り機構とを別々に設ける装置なども適宜使用することができる。なお、連続体6は片持ち支持されるため、支持ローラ7aを加熱装置8の手前に配置するのが好ましい。回転と送りの速度については、押出しとの関係で後述する。
【0028】また、内層形成管2aと樹脂管4との表面を加熱する加熱装置8としては、電熱ヒータ等を使用した輻射熱による加熱手段や、各種の熱風供給手段を有するものが好適に使用できる。加熱後の表面の温度は、例えば樹脂管4がポリエチレン管であり、内層形成管2aがポリエチレンを含む熱可塑性エラストマー管である場合、表面温度を140℃以上にし、ポリエチレン管等の表面のみが均一に溶融した状態とするのが、確実な外層1(可とう伸縮管3)の接合を行う上で好ましい。なお、外層1を形成する熱可塑性エラストマーの押出温度は、通常、ポリエチレン管等の融点より高く(プラス20〜80℃)、その熱により融着・接合が可能なため、樹脂管4の表面が溶融するまで加熱しなくてもよい。つまり、本発明における加熱後の表面温度は、押し出された帯状体の温度・熱量等によって、適当な範囲が定まるが、その温度は、各材料の組合せ等に応じて、適宜設定することができる。なお、当該温度の調整は、加熱手段等の温度や加熱時間を調整することで、容易に行うことができる。なお、連続体6を回転させつつ加熱装置8に送るため、表面の均一な加熱が可能である。
【0029】次に、図3に示すように、可とう伸縮管の外層1を形成する材料、即ち、ポリオレフィン樹脂と前記ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとを帯状に共押出ししながら、連続体6の表面にらせん状に巻き取って、連続体6の表面への接合と外層1の形成とを行う。
【0030】上記の共押出しは、ポリオレフィン樹脂とポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとを対応するホッパー11,12から供給し、各押出機13,14により溶融押出して、共通のダイス15より帯状体16として共押出しする。その際、帯状体16は、図4(a)に示すように、全体で平行四辺形の断面形状(外形)を有し、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー16bとポリオレフィン樹脂16aが一体化した状態で押し出される。各押出機13,14の内部は、使用材料の融点等に応じて加熱され(例えば130〜260℃)、粘性を有する軟質状物として押出され、連続体6の表面にらせん状に巻き取られる。
【0031】その際、連続体6の回転速度(周速)は、共押出しの速度に略同期させ、連続体6の送り速度は、連続体6が1回転する時間に帯状体16の幅に相当する距離だけ送られる速度に調整される。
【0032】なお、帯状体16は、図4(b)〜(d)に示すものであってもよい。また、押出機のダイス(口金)15としては、各押出機13,14からの材料を共押出し可能な各種の口金が使用でき、帯状体16の断面形状に応じた形状の口金が使用される。それぞれの押出機13,14から押し出された各材料は、口金の出口まで軟化状態で導かれ、口金内部又は口金出口近傍で一体化される。その際、各材料が融着等により一体化するような温度で共押出しされるのが好ましい。
【0033】らせん状に巻き取られ管状に形成された外層1は、連続体6と共に冷却され、例えば上方より供給される冷却水等により冷却される。このような、強制的な表面の冷却は、外層1の表面部分を収縮させるため、これも接合の圧接作用として働く。
【0034】その後、連続体6の先端部が順次取り外され、外された芯材6から可とう伸縮継手がそれぞれ脱型される。なお、連続体6の先端部の取り外しには、連続体6の回転と同期して回転可能な回転ロールを有する把持手段等により、先端部を把持するなどして、芯材6の連結部で分離すればよい。一方、連続体6の後端部(回転送り装置側)には、順次芯材6が連結され、連続的な製造が行われる。
【0035】(別実施形態)
(1)上記実施形態では、内層形成管と硬質熱可塑性樹脂管とを、長手方向に分割可能な芯材に順次挿着した連続体を使用して、複数の可とう伸縮継手を連続的に製造する例を示したが、本発明の製造方法は、当該連続体を使用する方法に限らず、内層形成管とその両側に配置される硬質熱可塑性樹脂管とを1組だけ芯材に挿着して、上記と同様の工程による製造を行ってもよい。
【0036】(2)本発明では、図5に示す可とう伸縮継手を製造すべく、長繊維21による補強を更に行ってもよい。その場合、押出・巻き取り部の下流側の周囲に、長繊維を送り出すボビンを複数配置した回転体を設け、連続体の回転の角速度に応じて、その回転体の回転速度を制御することで長繊維の補強角を調整することができる。補強繊維をバイアス状に交差させる場合、逆方向に回転する2つの回転体を設けて、連続体の回転の角速度を考慮して各々の回転体の回転速度を制御すればよい。なお、任意に使用される長繊維としては、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン等の繊維が挙げられるが、リサイクルのし易さの観点より、ポリオレフィン繊維が好ましい。なお、使用する繊維はモノフィラメント、マルチフィラメントの何れでもよいが、撚り合わせたマルチフィラメントが好ましい。
【0037】また、芯−鞘構造を有する繊維を用いてもよく、特に、芯材料として融点が比較的高い樹脂、鞘材料として融点が比較的低い樹脂を使用することで、熱融着がより好適に行えるようにした熱融着繊維が好ましく使用される。なかでも、芯材料がポリプロピレン、鞘材料がポリエチレンのオレフィン系熱融着繊維が、TPOとの熱融着性の点で好ましく、三菱レーヨン等より市販されているものが使用可能である。
【0038】そして、上記の場合、通常、長繊維の外側に表面層が被覆されるが(図5参照)、回転体の下流側に、上記と同様の押出機を設けて、熱可塑性エラストマー等を帯状に押出せばよい。その際、紫外線等による劣化を防止すべく、熱可塑性エラストマーにカーボンブラック等を配合してもよい。
【0039】(3)本発明では、図6に示す可とう伸縮継手を製造すべく、熱可塑性エラストマーよりなる2本の管2b,2cとその中間に配置される硬質熱可塑性樹脂管2dよりなる内層形成管を使用して、上記と同様の工程による製造を行ってもよい。その場合、当該内層形成管の両側に硬質熱可塑性樹脂管4をそれぞれ配置したものを1組として、長手方向に分割可能な芯材に順次挿着して連続体とすると共に、その1組毎に外層形成材料である熱可塑性エラストマーの押出しと巻き取りを行って可とう伸縮継手を製造することができる。
【0040】(4)上記実施形態では、連続体における可とう伸縮継手の1組の材料毎に押出しと巻き取りを行って、複数の可とう伸縮継手を連続的に製造する例を示したが、連続体の全体に対して連続的に押出しと巻き取りを行った後、不要部分の外層を除去することで、複数の可とう伸縮継手を製造してもよい。その場合、外層を除去し易いように、連続体の除去部分に剥離用シートを巻き付けたり、離型剤を塗布したりしてもよい。
【0041】(5)上記実施形態では、一定のピッチで帯状体を連続体にらせん状に巻き取る例を示したが、本発明の製造方法は略一定ピッチの場合に限られない。つまり、押出速度や帯状体の幅の変化に応じた、巻取り速度及び送り速度によって、異なるピッチで連続体にらせん状に巻き取って、可とう伸縮継手を製造してもよい。
【0042】
【実施例】以下、本発明の効果を確認するための実施例等について説明する。
【0043】実施例内径51mm、外径67mm、長さ100mmの2本のポリエチレン管(積水化学工業製,エスロハイパーPE)の中間に、内径51mm、外径67mm、長さ100mmの熱可塑性エラストマー管(日本ポリオレフィン製,オレフレックスP132(PP+PE+EPDM))を配置して、芯材に挿着した。これを回転しつつ送りながら、表面温度が140℃になるまで加熱した。
【0044】これに対し、共押出し可能な口金付きの押出機を用い、帯状(高さ9mm×底辺18mmの平行四辺形,図4(a))に一体化した硬質材料(ポリプロピレン,住友化学工業,ノーブレンPP AD571)と軟質材料(熱可塑性エラストマー,上記と同じ材料)とを約220℃にて共押出しし、らせん状に巻き取って外層を形成しつつ表面に接合させて可とう伸縮継手を製造した。
【0045】その際、回転速度が60rpm、送り速度が1080mm/分のため、全長300mmの製品に対して、2.7本/分の生産速度となった。その後、約2.5分間水冷して、製品を脱型した。
【0046】比較例別途、マンドレルに上記の如き共押出を行って製造した外層を用い、他の原料は実施例と同じものを用いて、120℃の加熱モールド内にセットした後、加熱プレスにて170℃まで昇温し(これに15分を要した)、各部を融着・接合した。その後、モールドごと水冷して120℃以下にし(これに5分を要した)、製品を脱型した。
【0047】試験例上記で得られた製品について、ポリエチレン管と外層との接合力、ポリエチレン管と内層の内径の寸法変化、及びポリエチレン管の外径の寸法変化について評価した。その結果を一本あたりの製造所要時間とともに、表1に示す。
【0048】
【表1】

【出願人】 【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
【出願日】 平成11年9月7日(1999.9.7)
【代理人】 【識別番号】100092266
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇生 (外4名)
【公開番号】 特開2001−74182(P2001−74182A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願平11−253164