| 【発明の名称】 |
流体管路の配管接続構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】武山 哲
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| 【要約】 |
【課題】フランジ付きティ継手を採用せずに、通常の溶接技術で対応できるように改良した信頼性の高い異種材質配管同士の溶接継手構造を提供する。
【解決手段】高温,低温流体が合流する配管路の分岐箇所に適用する配管接続構造で、低温流体が流れる配管1の材質と高温流体が流れる配管2の材質が日本工業規格JISZ3040で規定されている「母材の区分」で2ランク以上異なる場合に、配管1と2の間に、配管2の外周に嵌合した鍔状フランジ4,および配管1の先端部を囲繞してフランジ4と配管1の分岐穴との間に介挿したスリーブ5を追加し、かつフランジ4の材質を「母材の区分」で配管2と同一ランクに、スリーブ5の材質を配管1と2の中間ランクとした上で、各部材の相互間をそれぞれ溶接接合し、さらに配管2の先端部外周に、配管1を通流する低温流体の一部をスリーブの内方に導いて通流させるフローガイド6を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】二方向から温度の異なる流体が合流する配管路の分岐箇所に適用する配管接続構造であり、一方の流体管路の配管が大径,他方の流体管路の配管が小径で、かつ大径配管の材質と小径配管の材質とが日本工業規格JISZ3040で規定されている「母材の区分」で2ランク以上異なるものにおいて、大径配管と小径配管との間に、小径配管の外周に嵌合した鍔状フランジ,および小径配管の先端部を囲繞して両端を前記フランジ,および大径配管の分岐穴周縁に対峙させたスリーブを介挿し、かつフランジを前記「母材の区分」でランク分けした小径配管と同一ランクの材質に、スリーブを小径配管と大径配管の中間ランクの材質に選択した上で、小径配管/フランジ,フランジ/スリーブ,スリーブ/大径配管の間をそれぞれ溶接接合したことを特徴とする流体管路の配管接続構造。 【請求項2】請求項1記載の配管接続構造において、小径配管の先端部外周に、大径配管を通流する流体の一部をスリーブ内方のポケット領域に誘導通流させるフローガイドを設けたことを特徴とする流体管路の配管接続構造。 【請求項3】請求項2記載の配管接続構造において、フローガイドを包囲するスリーブの形状を、大径配管からフランジに向けて先細りになる円錐形となしたことを特徴とする流体管路の配管接続構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、蒸気タービン設備などにおける蒸気配管路に適用する配管接続構造に関し、詳しくは二方向から温度の異なる流体が合流する配管路の分岐箇所に適用する異種材質の配管に対する溶接継手構造に関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、蒸気タービンのシャフトパッキン部にグランド蒸気を供給するシール蒸気系統では、補助蒸気,低温再熱蒸気,主蒸気などの各種蒸気源から供給された低温,高温の蒸気を配管路を経由してグランド蒸気ヘッダに送り込み、ここで圧力調整を行ってタービンのシャフトパッキン部に供給するようにしている。 【0003】この場合に、主蒸気(例えば500℃)と補助蒸気(例えば300℃)とは温度が大幅に異なることから、高温蒸気の配管路,低温蒸気の配管路には、それぞれの管路に流す蒸気温度で適した材質(炭素鋼,低合金鋼,高合金鋼など)で作られた配管を選択的に使い分けるようにしている。 【0004】ところで、低温蒸気の通流する配管路と高温蒸気の通流する配管路の間で配管同士を溶接接合した継手構造を構築する場合には、各配管の材質,性状による温度膨張差,温度分布などによる熱的応力が繰り返し加わることから、その継手構造に対しては疲労,もしくはクリープなどによる寿命消費の十分な解析を行うなどして安全性を確認する配慮が必要である。 【0005】ところで、前記各配管の材質が日本工業規格JISZ3040で規定されている「母材の区分」で1ランクことなる場合には通常の溶接技術でも殆ど問題なく溶接が行えるが、2ランク以上異なる場合には、配管同士を直接溶接接合するには施工面で高度な溶接技術を要するほか、仮に配管同士を直接溶接しても溶接部に熱応力が加わるなどして十分な信頼性が確保できないことが寿命消費解析の結果から判っている。そこで、従来では安全性と信頼性確保の面から図3のようなフランジ付きのティ継手を採用した配管の接続構造を一般に採用しいている。 【0006】すなわち、図3において、1は低温流体(補助蒸気など)が流れる大径な配管、1aは配管1のフランジ、2は高温流体(主蒸気など)が流れる小径な配管、3は配管1と2の間に介挿したティ継手、3aはティ継手3のフランジである。ここで、配管1の材質は前記規格の「母材の区分」で低ランクの材料が、また配管2の材質は配管1よりも「母材の区分」で2ランク以上高ランクの材料が使われており、ティ継手3は配管2と同じ材質のものが採用されている。そして、配管1に配管2を接続するには、両者の間にティ継手3を図示のように介挿した上で、同じ材質の配管2とティ継手3の間を符号Wで表すように直接溶接接合し、異種材質の配管1とティ継手3との間は溶接せずにフランジ1a,3aの間にシールパッキンなどを介してボトルで締結するようにしている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、前記したティ継手を採用した配管接続構造では、溶接部の信頼性問題点が解消できる反面、ティ継手3のフランジ構造では、内部を流れる流体のフランジ接合面からの漏洩に対する信頼性,寿命が溶接継手に比べて劣る。 【0008】本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、二方向から温度の異なる流体が合流する配管路の分岐箇所に適用する配管接続構造として、従来のフランジ付きティ継手を採用せずに、通常の溶接技術で十分対応できるよう新たに開発した信頼性の高い異種材質配管同士の溶接継手構造を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明によれば、二方向から温度の異なる流体が合流する配管路の分岐箇所に適用する配管接続構造であり、一方の流体管路の配管が大径,他方の流体管路の配管が小径で、かつ大径配管の材質と小径配管の材質とが日本工業規格JISZ3040で規定されている「母材の区分」で2ランク以上異なるものにおいて、大径配管と小径配管との間に、小径配管の外周に嵌合した鍔状フランジ,および小径配管の先端部を囲繞して両端を前記フランジ,および大径配管の分岐穴周縁に対峙させたスリーブを介挿し、かつフランジを前記「母材の区分」でランク分けした小径配管と同一ランクの材質に、スリーブを小径配管と大径配管の中間ランクの材質に選択した上で、小径配管/フランジ,フランジ/スリーブ,スリーブ/大径配管の間をそれぞれ溶接接合する(請求項1)ものとし、さらに本発明では前記溶接継手の信頼性を高めるために次記のような態様で構成することができる。 【0010】(1) 小径配管の先端部外周に、大径配管を通流する流体の一部をスリーブ内方のポケット領域に誘導通流させるフローガイドを設ける(請求項2)。 【0011】(2) フローガイドを包囲するスリーブを、大径配管からフランジに向けて先細りになる円錐形の形状とする(請求項3)。 【0012】上記の溶接継手構造を採用することにより、分岐接続する各流体管路の各配管の材質が、日本工業規格JISZ3040で規定されている「母材の区分」で2ランク以上異なる場合でも、小径配管/フランジ間の溶接は双方部材の材質が同一であるので溶接構造の信頼性に問題がなく、またスリーブに前記規格の「母材の区分」で各配管の中間ランクの材質を採用することで、フランジ/スリーブ間,およびスリーブ/大径配管間を通常の溶接技術で支障なく溶接結合できる。 【0013】また、前項(1),(2) のように小径配管の先端部にフローガイドを設けてその周囲を取り巻くスリーブ内方のポケット領域に大径配管を流れる流体を積極的に流すようにすることにより、小径配管側からフランジを介してスリーブに伝熱する熱の影響を緩和して、前記のように中間ランクの材料を支障なく採用できて信頼性がより一層向上する。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1,図2に示す各実施例に基づいて説明する。なお、各実施例の図中で図3に対応する同一部材には同じ符号を付してその説明は省略する。 【0015】〔実施例1〕図1(a),(b) は本発明の請求項1,2に対応する実施例を示すものである。図において、低温流体(例えば低温の補助蒸気)が流れる大径な配管1に対し、ほぼ直交する向きに高温流体(例えば高温の主蒸気)が通流する小径な配管2を接続する場合の溶接継手構造として、この実施例では大径配管1と小径配管2との間に、小径配管2の外周に嵌合した鍔状フランジ4,および小径配管2の先端部を囲繞して両端を前記フランジ4,および大径配管1の分岐穴周縁に対峙させたスリーブ5の部品を追加するものとし、かつ前記フランジ4には先記のJIS規格「母材の区分」でランク分けした小径配管2と同一ランクの材質を、スリーブ5には小径配管2と大径配管1の中間ランクの材質を選択した上で、小径配管/フランジ,フランジ/スリーブ,スリーブ/大径配管の間をそれぞれ溶接接合(溶接部を符号Wで表す)する。これにより、図3のようなティ継手を採用することなく、かつ高度な溶接技術を必要とせずに、通常の溶接技術により配管1と2の間をフランジ5,スリーブ6を介して溶接し、内部流体の漏洩に対して信頼性の高い溶接継手構造が得られる。 【0016】さらに、図示実施例では、小径配管2の先端部外周に、大径配管1を通流する低温流体の一部をスリーブ6と小径配管2との間に形成されたポケット領域に導くためのフローガイド6が設けてある。このフローガイド6は図示のように同じ方向に傾斜させて配管2の周面に配列した4枚の固定羽根であり、上流側から通流してきた低温流体の一部の進路を固定羽根に沿って上向きに変えてスリーブ5の内方に迂回通流させる機能を果たす。これにより、スリーブ6,およびスリーブ6とフランジ5との間の溶接接合部が低温流体に洗流され、高温流体が流れる小径配管2からフランジ5を介してスリーブ6に伝熱する熱の影響を抑えてスリーブ6が直接高温に晒されることがなく、かつスリーブ/フランジ間の溶接部に加わる熱的ストレスも小さくなって安全性,信頼性が向上する。 【0017】〔実施例2〕図2(a),(b) は本発明の請求項3に対応した先記実施例1の応用実施例を示すものであり、配管1と2の間の溶接継手構造は基本的に実施例1と同様であるが、特にスリーブ6について、その形状を大径配管からフランジに向けて先細りに傾斜したテーパー付きの円錐形とする。これにより、実施例1の構造と比べて低温流体がスリーブ6の内方へ流れ込み易くなる。 【0018】 【発明の効果】以上述べたように、本発明の構成によれば、蒸気タービン設備などの流体管路において、二方向から温度の異なる流体が合流する配管路の分岐箇所に適用する配管接続構造として、一方の流体管路の配管が大径,他方の流体管路の配管が小径で、かつ大径配管の材質と小径配管の材質とが日本工業規格JISZ3040で規定されている「母材の区分」で2ランク以上異なる場合に、大径配管と小径配管との間に、小径配管の外周に嵌合した鍔状フランジ,および小径配管の先端部を囲繞して両端を前記フランジ,および大径配管の分岐穴周縁に対峙させたスリーブを介挿し、かつフランジを前記「母材の区分」でランク分けした小径配管と同一ランクの材質に、スリーブを小径配管と大径配管の中間ランクの材質に選択した上で、小径配管/フランジ,フランジ/スリーブ,スリーブ/大径配管の間をそれぞれ溶接接合したことにより、高度な溶接技術を必要とせず、しかも構造強度面,並びに内部流体の漏洩に対して高い信頼性が確保できる配管溶接継手構造を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005234 【氏名又は名称】富士電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月3日(1999.9.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075166 【弁理士】 【氏名又は名称】山口 巖 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−74177(P2001−74177A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月23日(2001.3.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−250096 |
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