| 【発明の名称】 |
液圧ブレーキホース |
| 【発明者】 |
【氏名】山形 汎
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| 【要約】 |
【課題】耐ブレーキ液性や耐熱性等を犠牲にすることなく、耐吸水性を大幅に向上することができる新規な液圧ブレーキホースの提供。
【解決手段】内層チューブ1上に補強層2を有すると共に、その補強層2に外層チューブ3を備えた液圧ブレーキホースにおいて、上記内層チューブ1と外層チューブ3とをそれぞれ内側チューブ体1a,1b と外側チューブ体3a,3b との2層から形成すると共に、それぞれの外側チューブ体3a,3b を耐吸水性の材料で形成する。この結果、各内側チューブ体1a,1b によって耐ブレーキ液性や耐熱性等が維持されつつ各外側チューブ体3a,3b によって耐吸水性が大幅に向上する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内層チューブ上に補強層を有すると共に、その補強層に外層チューブを備えた液圧ブレーキホースにおいて、上記内層チューブと外層チューブとをそれぞれ内側チューブ体と外側チューブ体との2層から形成すると共に、それぞれの外側チューブ体を耐吸水性の材料で形成したことを特徴とする液圧ブレーキホース。 【請求項2】 上記外側チューブ体を構成する耐吸水性の材料がブチルゴム(IIR)であることを特徴とする請求項1に記載の液圧ブレーキホース。 【請求項3】 上記内層チューブ側の外側チューブ体の厚さがその内層チューブの1/3以下、上記外層チューブ側の外側チューブ体の厚さがその外層チューブの1/2以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液圧ブレーキホース。 【請求項4】 上記内層チューブ側の内側チューブ体がSBR又はEPDMからなると共に、上記外層チューブ側の内側チューブ体がCR又はEPDMあるいはこれらのブレンドからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液圧ブレーキホース。 【請求項5】 上記外層チューブの内側チューブ体と外側チューブ体との間に第二の補強層を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液圧ブレーキホース。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用油圧ブレーキシステムに使用される液圧ブレーキホースに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、自動車用の油圧ブレーキシステムに使用されるブレーキホースには、特に、ブレーキ液の液圧を確実に伝達するための耐圧性と、車輪の動き等を阻害しないための可撓性及び過酷な環境下での使用に耐え得るための耐久性とが要求される。 【0003】そのため、従来のブレーキホースは、図3及び図4に示すようにブレーキ液側に直接触れる内層チューブ1の上に金属編組からなる補強層2を備えると共にこの補強層2の上に外層チューブ3を備えた構造となっており、この補強層2によって内層チューブ1に耐圧性を付与すると共に、この補強層2を耐候性材料から成る外層チューブ3で覆うことで必要な耐久性を発揮し、かつこれら内層チューブ1及び外層チューブ3をゴム材料で形成することで必要な可撓性を発揮するようになっている。 【0004】そして、このような積層構造をしたブレーキホースは、その一端が口金4を介してキャリパー側に接続され、他端が同じく口金4を介してストラット側に接続されて自動車のタイヤハウス内に設置されるようになっている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このような構造をした従来のブレーキホースにあっては、一般に、内層チューブ1の材料として特に耐ブレーキ液性に優れているSBRやEPDM等が使用され、外層チューブ3には耐熱性,耐オゾン性等の耐候性に優れているCRやEPDM等が使用されている。 【0006】しかしながら、このSBR,CR,EPDMといったゴム材料は、耐吸水性にやや乏しいことから、高温多湿地域や雨天時等といった湿潤下に長期間晒されると、周囲の水分がホース表面から透過して内層チューブ1内に浸入し、これが走行中に内層チューブ1内で気化していわゆるベーパーロック現象を引き起こすおそれがあった。 【0007】そのため、この内層チューブ1及び外層チューブ3をSBR,CR,EPDM等の従来のゴム材料に代えて特に耐吸水性に優れたゴム材料で形成することも考えられるが、その場合、耐吸水性は向上するものの、耐ブレーキ液性や耐熱性,耐オゾン性等といったブレーキホースに要求される本来の特性が大きく犠牲になってしまうといった問題がある。 【0008】そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その目的は、耐ブレーキ液性や耐熱性等を犠牲にすることなく、耐吸水性を大幅に向上することができる新規な液圧ブレーキホースを提供するものである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、内層チューブ上に補強層を有すると共に、その補強層に外層チューブを備えた液圧ブレーキホースにおいて、上記内層チューブと外層チューブとをそれぞれ内側チューブ体と外側チューブ体との2層から形成すると共に、それぞれの外側チューブ体を耐吸水性の材料で形成したものである。 【0010】すなわち、内層チューブ及び外層チューブの一部を構成する外側チューブ体をブチルゴム等の耐吸水性材料で形成することにより、湿潤下に長期間晒された状態であっても、水分が内層チューブ内に透過し難くなり、危険なベーパーロック現象を効果的に防止することが可能となる。 【0011】また、内層チューブ及び外層チューブの他の部分を構成する内側チューブ体を従来と同様なゴム材料で形成することにより、耐ブレーキ液性や耐熱性等といったブレーキホースに要求される基本的な特性を犠牲にすることがない。 【0012】 【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形態を添付図面を参照しながら説明する。 【0013】図1は本発明に係る液圧ブレーキホースの実施の一形態を示す拡大断面図である。 【0014】図示するように、この液圧ブレーキホースは内層チューブ1の周囲に金属編組からなる補強層2が形成されていると共に、その補強層の周囲に外層チューブ3が被覆形成された構造となっている。 【0015】また、この内層チューブ1はブレーキ液に直接触れる内側チューブ体1aとこれを覆う外側チューブ体1bとの2層構造となっており、また、外層チューブ3も補強層2側に位置する内側チューブ体3aと最外表面に位置する外側チューブ体3bとの2層構造となっている。 【0016】また、この内層チューブ1側の内側チューブ体1aは、従来と同様にSBRやEPDM等といった可撓性に富み、かつ耐ブレーキ液性に優れたゴム材料から形成されているのに対し、外側チューブ体1bはブチルゴム(IIR)等の耐吸水性に優れたゴム材料から形成されている。 【0017】一方、外層チューブ3側の内側チューブ体3aも従来と同様にCRやEPDM等の耐熱性,耐オゾン性等に優れているゴム材料から形成されているのに対し、最外表面に位置する外側チューブ体3bは、上記と同様ブチルゴム(IIR)等の耐吸水性に優れたゴム材料から形成されている。すなわち、このブチルゴム(IIR)は、EPDMの5倍、CRに至っては100倍以上の耐吸水性を発揮することが知られている。 【0018】他方、この内層チューブ1と外層チューブ3との間に位置する補強層2は、従来と同様、複数本のSUS素線等を網目状に編み込んだものであり、主に内層チューブ1の膨張を抑えてホースの耐圧性を確保するようになっている。 【0019】そして、このような構造をした本発明の液圧ブレーキホースにあっては、先ず、外層チューブ3側の外側チューブ体3bが耐吸水性に優れたブチルゴム(IIR)等のゴム材料で形成されていることから、高温多湿地域や雨天時等といった湿潤下に長期間晒されても周囲の水分がこれを透過して内部に浸入し難くなるため、ホースの最外表面において優れた耐吸水性を発揮することが可能となる。また、この外層チューブ3側の内側チューブ体3aは、CRやEPDM等のゴム材料からなるため、耐熱性,耐オゾン性等といった外層チューブ3に要求される本来の特性も同時に発揮することができる。 【0020】また、仮にこの外層チューブ3に亀裂などが発生して水分が内層チューブ1側に浸入してきた場合であっても、この内層チューブ1側の外側チューブ体1bが同様にブチルゴム(IIR)等の耐吸水性に優れたゴム材料から形成されていることから、その水分がこの内層チューブ1を透過してその内部、すなわち、ブレーキ液中に混入するといった不都合が確実に回避される。 【0021】この結果、ブレーキ液の沸点を下がることによって起こるベーパーロック現象が効果的に防止されるため、本来のブレーキ性能を長期間に亘って維持することが可能となる。 【0022】尚、このような耐吸水性に優れたゴム材料から形成されている各内側チューブ体1a,3aの厚さとしては、内層チューブ1側にあってはその厚さの1/3以下、外層チューブ3にあってはその厚さの1/2以下が望ましい。すなわち、これら内層チューブ1及び外層チューブ3は、一般に押出し成形によって形成されるため、これ以上厚くすると押し出し技術が難しくなり、均一の厚さに押出し難くなってしまうからである。 【0023】また、図2に示すように、内層チューブ1と外層チューブ3との間に設けられる補強層2に加えて、内層チューブ1の内側チューブ体1aと外側チューブ体1bとの間、あるいは外層チューブ3の内側チューブ体3aと外側チューブ体3bとの間に、さらに第二の補強層5を備えるようにしても良い。 【0024】 【発明の効果】以上要するに本発明によれば、内層チューブ及び外層チューブの一部を構成する外側チューブ体をブチルゴム等の耐吸水性材料で形成したため、湿潤下に長期間晒された状態であっても周囲の水分が内層チューブ内のブレーキ液中に混入することがなくなる。その結果、危険なベーパーロック現象が未然に防止され、本来のブレーキ性能を長期間に亘って維持することができる。 【0025】しかも、内層チューブ及び外層チューブの他の部分を従来のゴム材料で形成したため、耐ブレーキ液性や耐久性等といったブレーキホースの要求される本来の特性を犠牲にすることがない等といった優れた効果を発揮することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005120 【氏名又は名称】日立電線株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年9月6日(1999.9.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068021 【弁理士】 【氏名又は名称】絹谷 信雄
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| 【公開番号】 |
特開2001−74176(P2001−74176A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月23日(2001.3.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−251847 |
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