| 【発明の名称】 |
燃料ホース |
| 【発明者】 |
【氏名】飯尾 真治
【氏名】伊藤 弘昭
【氏名】西山 高広
|
| 【要約】 |
【課題】必要な柔軟性を備えると共に、アルコール混合ガソリンに対しても優れた非透過性を示す燃料ホースを提供する。
【解決手段】単層又は多層からなるゴム管状体の最内層の内周面に、ポリブチレン芳香族エステルを以て、好ましくは0.5mm以下の層厚で薄膜樹脂層を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 単層又は多層からなるゴム管状体と、その最内層の内周面に形成された薄膜樹脂層とを備えた燃料ホースであって、前記薄膜樹脂層がポリブチレン芳香族エステルを以て形成されていることを特徴とする燃料ホース。 【請求項2】 前記薄膜樹脂層が前記ゴム管状体の最内層の内周面にポリブチレン芳香族エステルの粉末を付着溶融して形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の燃料ホース。 【請求項3】 前記ポリブチレン芳香族エステルが、予め可塑剤を配合することにより融点を低下させたものであることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の燃料ホース。 【請求項4】 前記ポリブチレン芳香族エステルがポリブチレンナフタレート(PBN)であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の燃料ホース。 【請求項5】 前記薄膜樹脂層の層厚が0.5mm以下であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の燃料ホース。 【請求項6】 前記薄膜樹脂層の層厚が0.05〜0.2mmであることを特徴とする請求項5に記載の燃料ホース。 【請求項7】 前記ゴム管状体の少なくとも最内層が、エピクロルヒドリンゴム(ECO,GECO),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),フッ素ゴム(FKM),アクリロニトリルブタジエン−ポリ塩化ビニルブレンドゴム(NBR・PVC),クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM),塩素化ポリエチレンゴム(CM),エチレン−プロピレンゴム(EPM,EPDM)又はウレタンゴム(U)を以て形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の燃料ホース。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は主として自動車用の燃料ホースに関し、更に詳しくは、特にエタノール混合ガソリン等のアルコール混合ガソリンに対して優れた非透過性を示す燃料ホースに関する。本発明の燃料ホースは、自動車等のアルコール燃料電池におけるアルコール配管ホースとしても好適に使用することができる。 【0002】 【従来の技術】近年、環境問題に関連して大気中へのガソリン放出を低減させる必要から、自動車用燃料配管ホースについてもガソリン透過規制がますます厳しくなり、旧来のNBR・PVC単層ホース等では対応できなくなって来ている。 【0003】そこで、ゴム材料よりもガソリン非透過性が高い樹脂材料に着目すると共に、燃料ホースの柔軟性をも考慮して、燃料ホースの最内層に薄膜状の樹脂層を設けてガソリン非透過性を向上させることが検討されており、具体的には、燃料ホースの最内層に薄膜状のポリアミド樹脂層や、薄膜状のフッ素樹脂層を設けることが提案されている。 【0004】例えば、特開平8−118549号公報においては、エピクロルヒドリン未加硫ゴムからなるゴム管状体と、押出し成形されたフッ素樹脂層とを積層して加硫接着する発明を開示している。又、特開平6−255004号公報においては、加硫したゴム管状体の内周面にフッ素樹脂粉末を静電塗装した後、加熱及び冷却することにより、ゴム管状体の内周にフッ素樹脂層を形成した2層構造の燃料ホースの発明を開示している。これらの燃料ホースは、通常のガソリンに対し、ゴム単層ホースよりも優れた非透過性を期待することができる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで最近、自動車排ガスの清浄化の見地から、オクタン価向上剤として添加されるMTBEの毒性問題より、アルコール混合ガソリンへの代替が重要視されている。しかしながら、メタノール,エタノール等を混合したアルコール混合ガソリンは、ゴム材料だけでなく樹脂材料に対しても、恐らくは透過性の極めて高いアルコールに誘発されて、透過性がかなり高くなると言う性質がある。 【0006】そして本願発明者の研究によれば、燃料ホースの最内層にポリアミド樹脂層やフッ素樹脂層を設けた上記従来の燃料ホースにおいても、これらの樹脂層をホースに最低限要求される柔軟性を維持し得る薄膜状とする限り、アルコール混合ガソリンに対する非透過性は不十分であることが判明した。 【0007】従って、例えば米国で2004年から実施予定の燃料透過規制等も控え、アルコール混合ガソリンも含めた各種ガソリンについて厳しいガソリン透過規制に適合する新たな燃料ホースが強く求められる。そこで本発明は、必要な柔軟性を維持したもとでゴム管状体の内周面に薄膜樹脂層を備えた燃料ホースであって、通常のガソリンに対してはもち論、アルコール混合ガソリンに対しても優れた非透過性を示す燃料ホースを提供することを、解決すべき課題とする。 【0008】本願発明者は、ポリブチレン芳香族エステル樹脂が、静電塗装等の粉末塗装法によって燃料ホースとしての柔軟性を満たす程度に薄膜化しても、アルコール混合ガソリンに対する非透過性を十分に発揮できること、又、必要な場合には可塑剤の配合によってポリブチレン芳香族エステル樹脂の融点を低下させることで、その粉末の溶融成膜化の際のゴム材料層の熱劣化を回避できることを知るに至り、本願発明を完成した。 【0009】 【課題を解決するための手段】(第1発明の構成)上記課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の発明)の構成は、単層又は多層からなるゴム管状体と、その最内層の内周面に形成された薄膜樹脂層とを備えた燃料ホースであって、前記薄膜樹脂層がポリブチレン芳香族エステルを以て形成されている、燃料ホースである。 【0010】(第2発明の構成)上記課題を解決するための本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、前記第1発明に係る薄膜樹脂層が、前記ゴム管状体の最内層の内周面にポリブチレン芳香族エステルの粉末を付着溶融して形成したものである、燃料ホースである。 【0011】(第3発明の構成)上記課題を解決するための本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、前記第1発明又は第2発明に係るポリブチレン芳香族エステルが、予め可塑剤を配合することにより融点を低下させたものである、燃料ホースである。 【0012】(第4発明の構成)上記課題を解決するための本願第4発明(請求項4に記載の発明)の構成は、前記第1発明〜第3発明に係るポリブチレン芳香族エステルがポリブチレンナフタレート(PBN)である、燃料ホースである。 【0013】(第5発明の構成)上記課題を解決するための本願第5発明(請求項5に記載の発明)の構成は、前記第1発明〜第4発明に係る薄膜樹脂層の層厚が0.5mm以下である、燃料ホースである。 【0014】(第6発明の構成)上記課題を解決するための本願第6発明(請求項6に記載の発明)の構成は、前記第5発明に係る薄膜樹脂層の層厚が0.05〜0.2mmである、燃料ホースである。 【0015】(第7発明の構成)上記課題を解決するための本願第7発明(請求項7に記載の発明)の構成は、前記第1発明〜第6発明に係るゴム管状体の少なくとも最内層が、エピクロルヒドリンゴム(ECO,GECO),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),フッ素ゴム(FKM),アクリロニトリルブタジエン−ポリ塩化ビニルブレンドゴム(NBR・PVC),クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM),塩素化ポリエチレンゴム(CM),エチレン−プロピレンゴム(EPM,EPDM)又はウレタンゴム(U)を以て形成されている、燃料ホースである。 【0016】 【発明の作用・効果】(第1発明の作用・効果)ポリブチレン芳香族エステル樹脂は、通常のガソリンに対して優れた非透過性を示すことはもち論であるが、アルコール混合ガソリンに対しても他の樹脂材料に比較して非常に優れたガソリン非透過性を示すことが分かった。例えば、ポリアミド樹脂と比較した場合はもち論、優れたガソリン非透過性を示すとして従来評価されているフッ素樹脂と比較した場合でも、通常のガソリンにおいても、アルコール混合ガソリンにおいても、良好な非透過性を示す。 【0017】第1発明においては、単層又は多層からなるゴム管状体の最内層内周面にポリブチレン芳香族エステルの薄膜樹脂層を形成するので、アルコール混合ガソリンも含めて、従来にない優れたガソリン非透過性を期待することができる。 【0018】そして燃料ホースの柔軟性の確保に関しては、第2発明のように粉末塗装法で薄膜樹脂層を形成することにより、燃料ホースに要求される一定の柔軟性を確保できる程度に樹脂層を薄膜化することができる。 【0019】更に、ポリブチレン芳香族エステルの融点が比較的高いことから、上記粉末塗装法を採用した場合に粉末の溶融成膜時におけるゴム管状体の熱劣化が懸念される場合が有り得るが、この点に関しても、第3発明のように樹脂材に予め可塑剤を配合して融点を低下させることにより、ゴム管状体の熱劣化を防止することが可能である。 【0020】(第2発明の作用・効果)ポリブチレン芳香族エステルの薄膜樹脂層を粉末溶融法で形成することにより、樹脂層を十分に薄膜化して、燃料ホースの必要な柔軟性を確保することができる。しかもポリブチレン芳香族エステルの薄膜樹脂層においては、このように樹脂層を薄膜化してもアルコール混合ガソリンも含めて優れたガソリン非透過性を発揮できることが分かっており、従って燃料ホースの柔軟性とガソリン非透過性とをバランス良く両立させることができる。 【0021】又、上記第1発明に係るポリブチレン芳香族エステルの薄膜樹脂層は、押出し成形により成膜することも不可能ではないが、ホースの接続部シール性を考慮して薄膜樹脂層の形成部位を選択できる点、極めて薄膜の樹脂層の良好な成膜性等の点からも、静電塗装等の粉末塗装法によって形成することが好ましい。 【0022】(第3発明の作用・効果)薄膜樹脂層の構成材料たるポリブチレン芳香族エステルに予め適当な可塑剤を配合して、例えば220〜230°C程度以下にまで融点を低下させておくと、薄膜樹脂層を粉末溶融法で形成する際の成膜時におけるゴム管状体熱劣化の懸念を解消できる。しかも、成膜時に可塑剤が抜け出すため、可塑剤の配合によりポリブチレン芳香族エステル薄膜樹脂層の優れたガソリン非透過性が損なわれないことを既に確認している。 【0023】(第4発明の作用・効果)燃料ホースの柔軟性とガソリン非透過性とをバランス良く両立させる上で、前記ポリブチレン芳香族エステル中、特にPBNが優れている。又、上記バランスを損なわない程度に、PBNにエーテル系又はエステル系セグメントを共重合したり、他ポリマーを混合したり、各種添加剤を混合することもできる。 【0024】(第5発明の作用・効果)ポリブチレン芳香族エステルを用いて、ゴム管状体の最内層内周面に0.5mm以下の層厚の薄膜樹脂層を構成した場合、燃料ホースの柔軟性とアルコール混合ガソリンも含めたガソリン非透過性とが特にバランス良く両立する。なお、このような厚さのポリブチレン芳香族エステルの薄膜樹脂層であっても、好ましくは静電塗装法等の粉末塗装法により、あるいは場合によって押出し成形法のような他の形成方法によっても、欠陥のない良好な成膜が可能であることを確認している。 【0025】(第6発明の作用・効果)薄膜樹脂層の層厚が0.05〜0.2mmである場合に、燃料ホースの柔軟性とアルコール混合ガソリンも含めたガソリン非透過性とが最もバランス良く両立し、上記第1発明〜第5発明の効果が特に良好に発揮される。 【0026】(第7発明の作用・効果)燃料ホースのゴム管状体における少なくとも最内層の構成材料を、第7発明に列挙するものを以て構成することにより、ホース全体の柔軟性や耐ガソリン性/ガソリン非透過性を良好に維持すると共に、その接着・加硫系配合剤を適正に添加することにより、ポリブチレン芳香族エステルの薄膜樹脂層との良好な接着性を確保することができる。 【0027】 【発明の実施の形態】次に、第1発明〜第7発明の実施の形態について説明する。以下において単に「本発明」と言うときは、第1発明〜第7発明を一括して指している。 【0028】〔燃料ホースの利用分野及び構成〕本発明の燃料ホースは、通常のガソリンやアルコール混合ガソリン等の各種燃料の輸送用非透過型ホースとして利用でき、走行振動やエンジン振動対策と組立て工程での組付け性とのために柔軟性が要求される自動車用のものに好ましく用いられるが、アルコールに対する優れた非透過性から、自動車のアルコール燃料電池等におけるアルコール配管ホースとしても好適に使用することができる。 【0029】本発明の燃料ホースは、第1発明のように、単層又は多層からなるゴム管状体と、その最内層の内周面に形成された薄膜のポリブチレン芳香族エステル樹脂層とを備えたものであり、発明の作用・効果を阻害しない限りにおいて、他の任意のホース構成要素を備えていても構わない。例えば、ゴム管状体の外側に耐オゾン性の優れたゴム外管層を設けたり、又は多層からなるゴム管状体の層間あるいは該ゴム管状体と前記ゴム外管層との間に補強糸層や、金属箔等を含むラミネート層を設けたりすることも、任意に行うことができる。 【0030】燃料ホースの形状は、その使用目的に応じて任意に、いわゆる直管状,曲り管状や、これらの形状の一部が蛇腹形状となったものとすることができる。 【0031】〔燃料ホースの製造〕燃料ホースの製造方法は、実質的に可能な方法である限りにおいて限定されないが、例えば単層のゴム管状体の内周面にPBN樹脂薄膜層を形成してなり、両端部が直管状でほぼ中央部が蛇腹形状になった図1の形状の燃料ホースを、以下のような好ましい方法によって製造することができる。 【0032】即ち、まずゴム管状体を構成するためのゴム材料に必要な加硫剤,接着剤その他の配合剤を配合しておき、これを図1の形状に対応したキャビティと中子を持つ金型に射出成形機により射出して適宜な条件で加硫させ、ゴム管状体1を作製する。 【0033】次に、このゴム管状体1の内周面の所定部分(開口端部から一定幅の、パイプ接続部に供される内周面を除いた部分)に対し、スプレーガンと粉末との摩擦による粉末の帯電又は電圧発生装置に接続されたスプレーガンによる電界等を利用して、PBN粉末又は予め所定の可塑剤が配合されたPBN粉末を粉末塗装により付着させ、PBN粉末又は前記可塑剤の配合により融点が低下したPBN粉末を加熱溶融してPBN薄膜樹脂層を形成する。 【0034】この時の加熱方法として、例えば粉末塗装後のゴム管状体1全体を加熱オーブンに入れて全体的に加熱する方法や、粉末塗装後のゴム管状体1の内側に棒状の加熱装置を挿入して内側から加熱する方法等がある。加熱条件は、PBN粉末の溶融温度やゴム管状体1を構成するゴムの熱劣化等を勘案して決定するが、例えば230〜260°Cで15〜45分間程度が好ましい。 【0035】最後に、上記加熱によりPBN薄膜を成膜したゴム管状体1を冷却して、図2(A)及び図2(B)に示すように、ゴム管状体1の内周面の所定部分にPBN樹脂薄膜層2(便宜上、誇張した厚さに図示している)を形成した燃料ホース3を得るのである。この燃料ホース3は、例えば図3に示すように、一方の端部3bに相手側の金属製パイプ4を挿入して接続することにより、燃料ホースあるいはアルコール配管ホースとして使用される。 【0036】〔薄膜樹脂層〕薄膜樹脂層は、燃料ホースのゴム管状体最内層の内周面に、ポリブチレン芳香族エステル樹脂を用いて形成される。ポリブチレン芳香族エステルの種類は限定されないが、特にPBN(ポリブチレンナフタレート)が好ましい。薄膜樹脂層の形成方法は限定されず、押出し成形法等によって形成しても良いが、静電塗装法等の粉末塗装法によることが、平滑で欠陥のない薄膜樹脂層を形成するために好ましく、又、パイプ接続部等を除いた内周面部に選択的に薄膜樹脂層を形成してホースの接続部シール性を図る上でも、好ましい。なお、内周面全体にわたって薄膜樹脂層を形成しても良いが、その場合には、接続部シール性を向上させるために更に弾性コーティング又は弾性体挿入を施す。 【0037】特に粉末塗装法によって薄膜樹脂層を形成する場合、ポリブチレン芳香族エステル樹脂には予め可塑剤を配合することにより、その融点を低下させておくことが望ましい。これによってポリブチレン芳香族エステル樹脂の粉末を溶融成膜させる際の温度を、例えば230〜240°C程度以下に設定し、ゴム管状体の熱劣化を可及的に防止することができる。 【0038】配合する可塑剤の種類及び配合量には特段の限定はないが、例えば、フタル酸エステル系であるジメチルフタレート,ジブチルフタレート,ブチルベンジル・フタレート、リン酸エステル系であるトリクレジル・ホスフェート,クレジル・ジフェニル・ホスフェート、スルホンアミド系であるトルエン・スルホンアミド等を好ましく使用することができ、これらの配合量としては、ポリブチレン芳香族エステル樹脂100重量部に対して5〜30重量部程度が好ましい。 【0039】薄膜樹脂層の層厚は、燃料ホースの柔軟性を特段に阻害しない限りにおいて限定されないが、0.5mm以下、とりわけ0.05〜0.2mmとすることが好ましい。薄膜樹脂層が上記の限定に比較して厚過ぎると燃料ホースの柔軟性が損なわれる恐れがあり、薄膜樹脂層が薄過ぎるとガソリン非透過性が不十分となる恐れがあり、かつ、押出し成形法による場合は勿論、静電塗装法等による場合でも成膜性が不十分となる(例えば、ピンホール等の欠陥の発生)恐れがある。 【0040】〔ゴム管状体〕ゴム管状体は、単層又は多層のゴム材料層からなり、上記のようにその肉厚の中間又は外側にラミネート層,補強糸層,ゴム外管層等の他のホース構成要素を備えることもできる。これらのラミネート層,補強糸層,ゴム外管層等の具体的な構成は全く限定されない。 【0041】ゴム管状体を構成するゴム材料層の種類は限定されないが、その最内層、即ち上記ポリブチレン芳香族エステル薄膜樹脂層と接する層については、前記第7発明のようにECO,GECO,NBR,FKM,NBR・PVC,CSM,CM,EPM,EPDM又はUを以て形成されていることが、より好ましい。 【0042】ゴム管状体は、ポリブチレン芳香族エステルの薄膜樹脂層に対して接着されていることが好ましく、かかる接着を良好にするために、ゴム材料中に接着添加剤を配合したり、ゴムの加硫剤種の適宜な選択を行ったりすることができる。前記の接着添加剤としては、例えばフェノール系樹脂,レゾルシン系樹脂,ウレタン系樹脂,カルボキシル基含有ポリマー,マレイン酸変性ポリマー及びオリゴマー,カルボジイミド基含有ポリマー及びオリゴマー,脂肪酸アミド,イソシアネート等を例示することができる。 【0043】 【実施例】〔第1実施例〕 (燃料ホースの作製)前記図1〜図3で説明した要領で、ゴム管状体が同一であり薄膜樹脂層の構成材料が異なる、表1の実施例1,比較例1及び比較例2に係る燃料ホースを作製した。なお、第1実施例においては、薄膜樹脂層の構成材料に予め可塑剤を配合して樹脂の融点を低下させることは、行っていない。 【0044】具体的には、各例に係る燃料ホースのゴム管状体は、未加硫のNBR・PVCに所定の加硫/接着系配合剤やカーボンブラック等の必要な添加剤を添加したもとで、射出成形により、中央部に蛇腹構造部を備えた、管壁部の厚さ4mm、直管部の内径35mm、長さ200mmの単層の管状体を、160°C×5分間の条件で加硫させたものである。 【0045】そしてコロナ放電マイナスチャージ(比較例2については摩擦帯電)を利用した静電塗装により、ゴム管状体の内周面の所定部分に、表1の各例に示す種類の樹脂粉末をそれぞれ0.1mmの層厚で付着させ、255°C×25分の加熱で溶融成膜させた。表1中、「VDF/CTFE」とは、ビニリデンフルオライドとクロロトリフルオロエチレンの共重合体からなるフッ素樹脂粉末を用いたことを示し、その「共重合比」について「95/5」とあるのは、共重合体におけるビニリデンフルオライド:クロロトリフルオロエチレンのモノマー比が95:5であることを示している。 【0046】(燃料ホースの成膜性評価)上記各例に係る燃料ホースを半割りし、ゴム管状体の内周面における薄膜樹脂層の膜化状態を目視観察で評価した。その結果を表1中に○(平滑に成膜されている)、×(樹脂の粒が残っている)で表記した。 【0047】(燃料ホースの柔軟性評価)上記各例に係る長さ200mmの燃料ホースの一端を固定し、他端をホースの軸方向に対して直角方向に200mm変位させた時の荷重(N)を測定した。その結果を、表1中に○(荷重700N以下であった)、×(荷重が700Nを超えた)で表記した。 【0048】(燃料ホースの燃料不透過性評価)JIS K 6258に規定する「Fuel C」、エタノール:ガソリン(Fuel C)の体積混合比が10:90である「E10」、及びメタノール:ガソリン(Fuel C)の体積混合比が15:85である「M15」の三種類の試験用ガソリンを準備し、これらを各例に係るホースに封入して40°Cで168時間放置した。その後、同一の新しいガソリンに入れ換えた後、更に40°Cで72時間放置して、この更新ガソリンの放置前後の重量変化から、燃料ホース一本当たり一日当たりの燃料透過量(g)を算出し、その結果を表1に表記した。 【0049】〔第2実施例〕第1実施例と同じ要領で、ゴム管状体の構成材料が異なり薄膜樹脂層が同一である、表2の実施例1(第1実施例の実施例1と同一)〜実施例8に係る燃料ホースを作製した。具体的には、ゴム管状体の構成材料として、表2の「外皮ゴム種」の欄に示すゴム材料を用い、薄膜樹脂層はいずれも前記実施例1の場合と同じ構成とした。 【0050】そして、これらの各例に係る燃料ホースについて、第1実施例と同様にして、成膜性評価,柔軟性評価及び燃料不透過性評価を行った。それらの結果を、表1の場合と同じ要領で表2に表記した。 【0051】 【表1】
【0052】 【表2】
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000219602 【氏名又は名称】東海ゴム工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年9月3日(1999.9.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100097733 【弁理士】 【氏名又は名称】北川 治
|
| 【公開番号】 |
特開2001−74174(P2001−74174A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月23日(2001.3.23) |
| 【出願番号】 |
特願平11−250210 |
|