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【発明の名称】 伸縮管継手
【発明者】 【氏名】末次 康容

【氏名】目黒 義孝

【要約】 【課題】管路中に一ヶ所の接続結合部で部品組合せの簡単な構造によって必要な管伸縮余裕を任意の長さに容易に設定できる自由度がある管継手とすることができ、コスト的にも低廉な形態の管接続を可能とする。

【解決手段】配管系の管路に設けられる管接続結合部が、管体1の一端部に受口筒部2を連結し、かつ、管体1の他端部に差口筒部3とを連結した管継手からなり、前記受口筒部2は管体1の一端部を接続する接続部21と、前記管体1の内径より小径の受口22とを有し、また前記差口筒部3は、管体1の他端部を接続する接続部31と管体1の口径より小径の差口筒体22を接続する接続部33とを有すると共に、該接続部33に差口筒体32を連結してなるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸方向に全長にわたって等径の管体の一端部に受口筒部を連結し、かつ管体の他端部に差口筒部とを連結した管継手において、前記受口筒部は管体の一端部を接続する接続部と、前記管体内径より小径の受口とを有し、また前記差口筒部は管体の他端部を接続する接続部と、管体の口径より小径の差口筒体を接続する接続部とを有すると共に、該接続部に差口筒体を連結してなることを特徴とする伸縮管継手。
【請求項2】 前記受口筒部が、その内周に周方向に沿って突設されたフランジ部を備え、該フランジ部に環状パッキングを当接して、押え部材で固着してなる請求項1記載の伸縮管継手。
【請求項3】 前記受口筒部が、受口端側にシール部材用環状溝を形成し、該環状溝に環状シール部材を装着してなる請求項1記載の伸縮管継手。
【請求項4】 前記差口筒部が、大径の接続部と小径の接続部とをテーパー部を介して両端部内周面に備えてなる請求項1記載の伸縮管継手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地下に埋設される管路或いは地上に敷設される配管系での管路、例えばハンドホール、マンホール等の情報ボックスや、その他配管系を有する設備で、管の結合部や接続部に温度変化による管自体の伸縮や地震等の外力によって発生する管の移動や破損、損傷などがないように防護し、管路としての保安上の安全性、機能性を容易に確保するための伸縮自在の管継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、地下に埋設され、または液中に配管或いは地上に敷設される配管系での管路に伸縮性能を持たせるための伸縮管継手としては、例えば、図4aの例のように管路の管端部を接続結合するのに管aの一方端が大径となりシールリングbを有する受け口cに成形し、該受け口cに他方の小径管dを挿し込んだ構造にして、押し込み側に寸法δと引き込み側に寸法δとの範囲δ内で管の移動ができるものが知られている。
【0003】また、この管伸縮範囲を超えるような場合には、押し込み側では挿入された管が受け口奥の縮径部に当接させ引き抜き側については、離脱防止用治具eによってロックされ強制的に管の移動を制御する方法がとられてきた(図4b)。さらに管の移動変位が大きいものでは、上述と同様な接続結合部fを複数箇所設けて、管移動を吸収する方法が採られてきた(図4c)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、管路が設置される環境は、空中、水中、土中など様々であり、同じ土中でも地盤条件や地理的条件などから、特に地震などで発生する地盤変位量は大きく異なるし、また管自体の材料特性の違いや、管路延長の長短、使用目的例えば、圧力管路、通信保護管路などの違いを考えると、各条件に対応するための適切な必要伸縮性能は大巾に異なることになる。しかも要求される直管部の長さ寸法が異なるために、何種類ものサイズの管継手を用意する必要ができてやっかいであり、また異なる条件、即ち管路の大巾な温度伸縮や大地震などに対応させるためには、既存の製品の組み合せで対応すると、殊に挙動の大きな構造物際では複数の接続結合管路形態(図4c)としたり、受け口長さを特別に長くした製造やっかいな特注品とした形態としたりする必要があって、構造複雑で大幅なコスト高となるほか、管路伸縮範囲にも限界があって問題であった。
【0005】本発明は、これら従来の問題点を解消しようとするもので、管路中に一ヶ所の接続結合部で簡単な構造によって、必要な管伸縮余裕を任意の長さに容易に設定できる自由度があり、しかもコスト的にも低廉な形態の伸縮自在の管継手を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1によれば、軸方向に全長にわたって等径の管体の一端部に受口筒部を連結し、かつ管体の他端部に差口筒部とを連結した管継手において、前記受口筒部は管体の一端部を接続する接続部と、前記管体内径より小径の受口とを有し、また前記差口筒部は管体の他端部を接続する接続部と、管体の口径より小径の差口筒体を接続する接続部とを有すると共に、該接続部に差口筒体を連結してなるもので、必要な管伸縮余裕を持たせることができ、しかも管路中の伸縮範囲での設計自由度が広範囲となって、配管接続工事やその他の取扱い上での簡便化を図ることができる。
【0007】
【作用】本発明の伸縮管継手を用いた管接続によれば、管体を所定長さに切断して長さ調節可能として必要とされる長さに合わせることができ、その両端にある受口筒部と差口筒部を取替えることの部品組合せで要求される管路に対応でき、受口筒体に嵌挿する収納管によって、温度変化による管自体の伸縮や、地震等の外力によって発生する管の移動や破損、損傷などがないように防護し、管路としての保安上の安全性、機能性を容易に確保することができる。本発明では、管路の配管系を有する設備で、管路中に一ヶ所の接続結合部で簡単な構造によって、必要な管伸縮余裕を任意の長さに容易に設定できる自由度があり、コスト的にも低廉な形態の管接続し、管路寿命も大幅に高めることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面を用いて説明すると、図1は、この発明の第1の実施形態にかかわる伸縮管継手を示し、適当な長さに切断することができ、軸方向に全長にわたって等径の管体1と、該管体1の一端部に受口筒部2を連結し、かつ管体1の他端部に差口筒部3とを連結した管継手からなり、前記受口筒部2は管体1の一端部を接続する接続部21と、前記管体1の内径より小径の受口22とを有し、また前記差口筒部3は、管体1の他端部を接続する接続部31と管体1の口径より小径の差口筒体32を接続する接続部33とを有すると共に、該接続部33に差口筒体32を連結してなるものである。
【0009】前記管体1は、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン等の熱可塑性合成樹脂からなり、長手方向に沿って内外径が、等径のもので必要な長さに合わせられるもので、長さ調節された両端には受口筒部2と差口筒体3とが連結されて伸縮管継手4を構成する。
【0010】前記受口筒部2としては、一端部に受口22を有し、他端部に接続部21を有していて、その受口22の内周中央部位に周方向に沿って突設されたフランジ部23を備え、該フランジ部23に環状パッキング24を当接して、押え部材25で固着してなる。そして、構造物20に連結された管路10を管体1の受口筒部2内に嵌挿して配管セットすれば、気密性を保持すると共に、管移動時にパッキング上にスライドし、管路10が管体1内に入り込み伸縮自在で必要な伸縮余裕を任意の長さに設定できる。前記受口筒部2の接続部21はその外径又は内径が管体1の一端の内径又は外径と略同一とされる接続嵌合部となっている。
【0011】また、前記差口筒部3は、大径の接続部31と小径の接続部33とをテーパー部34を介して両端部内周面に備えていて、前記管体1及び差口筒体32の接続連結を容易にし、必要に応じ接着剤によって固着することができる。なお、差口筒部3は、両端開口の筒体であって、一端部に差口筒体32を有し、他端部に管体1との接続部31を有していて、差口筒体32の口径は、管体1の口径より小さくされ、接続部31の内径は管体1の他端部の外径と同一に形成され連結しやすくなっていて、また、差口筒体32の内径は差口筒体32の外径と同一に形成されている。
【0012】図2の例のようにハンドホールなどの構造物20間に、情報ケーブルを通す管路10が伸縮継手管4で接続セットされる場合、必要とする伸縮長さを自由に確保できるが、受口筒部2に設けた環状パッキング24で伸縮自在に接続する。これら管路を複数まとめて大径の外管路内に収めて保護して構造物間に連結配備する。この外管路は同様の継手管構造を採用してある。
【0013】即ち、構造物20に埋設された導管18の拡径部に、収納管19を嵌合装入し該収納管19の端縁にスリーブ17を介して収納管19 を接続延長し、この延長収納管19 の端縁側に環状溝16を介してシール部材15が設けられて受口側を形成し、この受口側に挿入管14を挿入して伸縮接続する接続結合部としてある。
【0014】なお、前記伸縮管継手4の受口側は、直管部或いは拡径部で一体成形構造でもよく、シール部材を有する部分径より大径である内径を持った直管或いはスリーブ管とを接合する伸縮構造とすることもできる。この場合、必要な伸縮量によって接合する直管或いはスリーブ管の全長を変えて用いることが配慮される。また前記シール部材の環状パッキング24の直管との接合においては、特に限定されないが、例えば、接着、溶接、融着等の方法が用いられる。この場合、シール部材は例えばSBR、NBR、シリコーンゴム等を用い、円環状に成形したものであり、気密性を保持でき、挿入管の伸縮性に支障がなければ、シール部材の環状パッキング或いはシールゴム輪の挿入管と接触する内表面構造は限定されないが、例えば、リブ構造を設けたものが好適である。なお受口筒部2側に挿入管の被継手管を挿入する場合、シールゴム輪表面とする管表面に、植物油、高級脂肪酸等より成る滑剤を塗布することが、継手管の伸縮性を円滑にする上で望ましい。
【0015】図3の第2の実施例では本発明の他の実施例で、他端に差口筒部3を有する管体1の一端にある前記受口筒部2が両端開口の筒体であって、その受口端側にシール部材用環状溝26を形成し、該環状溝に環状シール部材27を装着して伸縮管継手4としたものである。この場合、前記接続部21は、前記管体1の一端部の内周面に嵌合する外径を有し、接続しやすく構成されている。
【0016】
【発明の効果】本発明は、管継手の受口筒部は管体の一端部を接続する接続部と、前記管体内径より小径の受口とを有し、また前記差口筒部は管体の他端部を接続する接続部と、管体の口径より小径の差口筒体を接続する接続部とを有すると共に、該接続部に差口筒体を連結してなることで、管接続に際して、被継手管の管路を軸方向に等径の管継手管体内に挿入して内外二重管構造として接続でき、前記被継手管の押込最大移動量を継手管または被継手管の略全長とし、受口筒部に設けたシール部材を前記被接続管外周部に密接させたことにより、温度変化による管自体の伸縮や、地震等の外力によって発生する管の移動や破損、損傷などがないように防護し、管路としての保安上の安全性、機能性を容易に確保することができる。また、配管系の管路に設けられる管接続結合部が、伸縮管継手によって嵌挿した二重管構造の管接続結合部として接続させ、シール部材を被継手管の外周に密接配備してなることでも、一つの管継手を用意するだけで任意の伸縮性を得ることができ、管路施工作業性も良く、共通部品組合せで要求に対応した伸縮管継手に構成できてコストも低減可能であり、さらに大きな地盤変状が想定される地層の変化界や軟弱地盤、盛土と現地盤の横断部に有効であって、また温度依存性の大きな合成樹脂管等を長距離配管した場合における構造物との接続部などに有効に利用することができると共に、これまで管の大変位には解決が困難であった比較的口径の大きな管路についても、経済的効果を生む大伸縮対応管路が提供できる。
【出願人】 【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
【出願日】 平成11年9月2日(1999.9.2)
【代理人】 【識別番号】100097021
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 紘一 (外1名)
【公開番号】 特開2001−74166(P2001−74166A)
【公開日】 平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願番号】 特願平11−248410