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【発明の名称】 気泡シート断熱材
【発明者】 【氏名】杉山 修

【氏名】川上 肇

【要約】 【課題】プラスチック気泡シートとアルミ蒸着フイルムとを積層してなる断熱シートにおいて、アルミ蒸着層が酸化され難く、従って熱線反射能が長期にわたって維持されるものを提供すること。

【解決手段】透明性の高いポリエチレン製で多数のキャップ状の膨らみを有するキャップフィルム(1)と、同じく透明性の高いポリエチレン製で平坦なバックフィルム(2)とを、キャップの底面で貼り合わせてなるポリエチレン気泡シートを2枚、アルミニウムの蒸着層(3)を有するポリエチレンフィルム(4)を中に挟んで貼り合わせた積層構造を有する。アルミニウムの蒸着膜の上には、プラスチックのオーバーコート(5)を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ともにプラスチック製であって、多数のキャップ状の膨らみを有するキャップフィルムと、平坦なバックフィルムとを、キャップの底面で貼り合わせてなるプラスチック気泡シートを2枚、アルミニウムの蒸着層を有するプラスチックフィルムを中に挟んで貼り合わせた積層構造を有する気泡シート断熱材。
【請求項2】 アルミニウムの蒸着膜の上にプラスチックのオーバーコート層を有する請求項1の気泡シート断熱材。
【請求項3】 プラスチックとして透明性の高いポリエチレンを材料とし、光線透過率が少なくとも80%ある気泡シートを使用した請求項1または2の気泡シート断熱材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック製の気泡シートにアルミニウムの蒸着層を組み合わせた断熱材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック気泡シートすなわち、ともにプラスチック製であって、多数のキャップ状の膨らみを有するキャップフィルムと、平坦なバックフィルムとを、キャップの底面で貼り合わせてなるシートは、緩衝包装材として広く使用されるほか、このシートがもつ若干の断熱作用を利用して、アルミ蒸着フィルムと組み合わせた形で、断熱シートとしても使用されている。
【0003】従来のこの種断熱シートの積層構造は、図1に示すようなものが代表的であって、キャップフィルム(1)とバックフィルム(2)とを貼り合わせてなる気泡シートの一方の面に、アルミニウムの蒸着層(3)を有するプラスチックフィルム(4)を重ねて製造されている。気泡シートのキャップの向きは、図示したものと反対の場合もあるし、気泡シートを二層重ねたものもある。アルミニウムの蒸着層(3)の表面には、その保護のため、しばしばオーバーコート層(5)が設けられる。
【0004】この断熱シートの使い方は、建物やコンテナーの壁・天井あるいは床の内部に入れることが多いが、屋外に置く物品の包装に使用することもある。プラスチックとしては通常ポリエチレン、とくに低密度ポリエチレンが使用されていて、ポリエチレンは一般にガスバリヤ性が低いから、アルミ蒸着層にオーバーコートを設けた場合でも、大気中の酸素がアルミ蒸着層の表面に到達してこれを酸化し、表面が白化して熱線反射能力が低下しがちであり、さらにはオーバーコートが剥落するという問題がある。ポリエチレンは耐候性も高くないから、日光にさらされる用途において、この問題はいっそう深刻になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プラスチック気泡シートとアルミ蒸着フイルムとを積層してなる断熱シートにおいて、アルミ蒸着層が酸化され難く、従って熱線反射能が長期にわたって維持されるものを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の気泡シート断熱材は、その代表的な例を図2に示すように、ともにプラスチック製であって、多数のキャップ状の膨らみを有するキャップフィルム(1)と、平坦なバックフィルム(2)とを、キャップの底面で貼り合わせてなるプラスチック気泡シートを2枚、アルミニウムの蒸着層(3)を有するプラスチックフィルム(4)を中に挟んで貼り合わせた積層構造を有する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の気泡シート断熱材においても、従来から行なわれていたところと同様に、アルミ蒸着層の上に、プラスチックのオーバーコート(5)を設けることが好ましい。
【0008】この気泡シート断熱材の材料とするプラスチックは、透明性の高いポリエチレンが好ましい。従来の気泡シート断熱材において、プラスチック気泡シートを2枚重ねた場合であってもアルミ蒸着層が積層構造の表面に置かれ、本発明のように2枚の気泡シートの間に置かれることがなかった理由は、ひとつはそのような貼り合わせが技術的に困難であるということであり、いま一つは、気泡シートがアルミ金属層の表面を覆うことによって、熱線の反射能が低めれれるのを避けたからである。近年、フィルムに成形したときに、高い透明性を示すポリエチレンが市場で入手できるようになった。具体例は、「エボリュー」(三井化学製)や「スミカセンE」(住友化学製)である。本発明は、このようなポリエチレンをプラスチック材料として使用し、実施することが好ましい。気泡シートとしての透明性は、材料のほか、製造技術によっても異なってくるが、好ましい材料と適切な製造方法によるときは、光線透過率にして80%の気泡シートを得ることができる。
【0009】本発明の気泡シート断熱材を構成する気泡シートおよびアルミ蒸着フィルムの製造それ自体は、既知の技術に従って実施することができる。本発明の断熱材を製造するには、あらかじめ製造した1枚の気泡シートのキャップフィルム面またはバックフィルム面に、アルミ蒸着を施し、その上にトップコート層を有するフィルムをまず貼り合わて複合シートを得、続いて、これもあらかじめ製造したもう1枚の気泡シートを、この複合シートのアルミ蒸着のある面に貼り合わせるという逐次法によるか、または、アルミ蒸着を施し、その上にトップコート層を有するフィルムを挟んで、あらかじめ製造した2枚の気泡シートをこれに貼り合わせる同時法によるかする。貼り合わせは、熱融着が適切であって、赤外線加熱などの手段を利用する。もちろん接着剤の使用も可能であるが、フィルム材料として最適なポリエチレンに対しては強力にはたらく接着剤がないから、有利な貼り合わせ法とはいえない。
【0010】本発明の断熱シートの用途は広い。住宅の壁や天井材料の裏に貼ることにより暖冷房の効率を持続的に高めることができる。プレハブ住宅においても、パネル材の内部に装填して、高い断熱効果を得ることができる。そのほか、一時的に屋外に置かれる物品に対し、その包装に使用して、直射日光による過度の温度上昇や物品の劣化を防ぐのにも有用である。
【0011】
【実施例】低密度ポリエチレンを材料として、キャップの直径10mm、高さ4mm、千鳥配置でピッチ11.5mmの気泡シートを製造した。フィルムの厚さは、キャップフィルムが50μm、バックフィルムが30μmである。一方、同じポリエチレンのフィルム上にアルミ蒸着層を有し、その上にポリエチレンのオーバーコートを施した蒸着フィルムを用意した。層の厚さは、基材フィルムが15μm、蒸着層が800オングストローム、オーバーコートが5μmである。上記の気泡シートを2枚、個々の巻き取りから繰り出し、蒸着フィルムを繰り出し、接触面を赤外線で加熱しながら、水平に配置した2本の圧着ロールの間に挟んで積層一体化し、本発明の断熱シートを得た。
【0012】
【発明の効果】本発明の断熱シートは、2枚の気泡シートが重なった内部にアルミ蒸着層が存在するので、アルミ蒸着層が空気中の酸素による酸化から保護されて、白化が進まない。つまり、アルミ蒸着層表面の鏡面が長期間保たれ、光線を遮断し熱線を反射する性能が長く維持される。気泡シートの材料として好適なポリエチレンは、残念なことにガスバリヤ性が低く、長い年月の経過のうちには酸化が進んで、断熱シートとしての性能も低下するが、その速度は従来品に比べて格段に遅い。
【0013】アルミ蒸着層が断熱シートの表面に存在しないということは、断熱・保温効果を発揮する上で有利である。断熱・保温の対象物と本発明の断熱材のアルミ蒸着層との間には空気層が存在し、直接接触していないから、熱伝達の三要素のうちで対流および輻射は避けられないものの、伝導は防げるから、全体として断熱効果が高い。前述のように、アルミ蒸着層の上を気泡シートが覆うことで、熱線反射性能が原理的にはやや低下するはずであるが、透明性の好いフィルムを与えるポリエチレンを使用することにより、性能の低下は実質上防げる。
【0014】この断熱材は、厚さがあまり厚くないわりには断熱性能が高く、住宅の壁や天井の材料に貼りつけて用いても、またプレハブ住宅のパネルに装填しても、厚さを増さずに済むから広い居住空間を確保でき、かつ軽量であるから取り扱いが容易で、輸送・施工に便利である。アルミ蒸着層が2枚の気泡シートの間にあるため、製造時における巻き取りが、外面に蒸着層をもつ従来品より容易である上、他の建材などとの接触により傷つくことが防げるという利点もある。
【0015】アルミ蒸着層が2枚の気泡シートの間にあるということはまた、この気泡シート断熱材を建材の角などに当てて屈曲させて用いたとき、伸縮しにくいアルミ蒸着層を中間にしてその外側と内側に、それぞれ伸縮しやすい気泡シートがあるため、全体として屈曲が容易で、フィットしやすく、使いやすい。
【出願人】 【識別番号】000199979
【氏名又は名称】川上産業株式会社
【出願日】 平成11年8月25日(1999.8.25)
【代理人】 【識別番号】100070161
【弁理士】
【氏名又は名称】須賀 総夫
【公開番号】 特開2001−65784(P2001−65784A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−238303