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【発明の名称】 断熱パネル及びその製造方法
【発明者】 【氏名】足立 学

【氏名】露口 裕義

【要約】 【課題】ポリウレタンフォーム層1を断熱層として備える断熱パネルを製造するのに、環境への影響と資源・エネルギーの消費とを極力抑制しつつ、ポリウレタンフォーム層1の断熱特性が経時的に低下することを極力抑制する。

【解決手段】ポリウレタンフォーム層1を二酸化炭素ガス発泡のポリウレタン発泡体から形成し、ポリウレタンフォーム層1の全周を、二酸化炭素ガスの透過を阻止可能な被覆体3で気密に覆って断熱パネルを形成する。尚、内面6をポリウレタンに対して接着性の良好な膜材4で形成してあるラミネートフィルム5で被覆体3を形成してあればさらによい。また、被覆体3内でポリウレタンフォーム層1を形成するのに、ポリウレタン発泡体が硬化する前に被覆体3の開口部を封止すればなおよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリウレタンフォーム層を断熱層として備える断熱パネルであって、前記ポリウレタンフォーム層を二酸化炭素ガス発泡のポリウレタン発泡体から形成し、前記ポリウレタンフォーム層の全周を、前記二酸化炭素ガスの透過を阻止可能な被覆体で気密に覆ってある断熱パネル。
【請求項2】 前記ポリウレタンフォーム層の表面に前記被覆体を密着させてある請求項1記載の断熱パネル。
【請求項3】 前記被覆体を、前記ポリウレタンフォーム層の表面に接着してある請求項2記載の断熱パネル。
【請求項4】 内面をポリウレタンに対して接着性の良好な膜材で形成してあるラミネートフィルムで前記被覆体を形成してある請求項3記載の断熱パネル。
【請求項5】 前記ラミネートフィルムの内面をガラス繊維層で形成してある請求項4記載の断熱パネル。
【請求項6】 前記被覆体でパネル外装材を構成してある請求項1〜5の何れか1項に記載の断熱パネル。
【請求項7】 前記被覆体とは別体のパネル外装材で前記被覆体の外側を覆ってある請求項1〜5の何れか1項に記載の断熱パネル。
【請求項8】 ポリウレタンフォーム層を断熱層として備える断熱パネルの製造方法であって、内面をポリウレタンに対して接着性の良好な膜材で形成してあるラミネートフィルムの周縁部を密封して袋状又は箱状の容器を形成し、前記容器内に水発泡性のポリウレタン原液と水とを注入し、前記ポリウレタンを発泡、硬化させてポリウレタンフォーム層を形成し、前記容器内の空気を排除した後、前記容器の開口部を密封する断熱パネルの製造方法。
【請求項9】 ポリウレタンフォーム層を断熱層として備える断熱パネルの製造方法であって、内面をポリウレタンに対して接着性の良好な膜材で形成してあるラミネートフィルムの周縁部を密封して袋状又は箱状の容器を形成し、前記容器内に水発泡性のポリウレタン原液と水とを注入して前記ポリウレタンを発泡させ、前記容器内の空気を排除した後、前記容器の開口部を密封し、前記密封した容器内で前記発泡したポリウレタンを硬化させて前記ポリウレタンフォーム層を形成する断熱パネルの製造方法。
【請求項10】 ポリウレタンフォーム層を断熱層として備える断熱パネルの製造方法であって、内面をポリウレタンに対して接着性の良好な膜材で形成してあるラミネートフィルムの周縁部を密封して袋状又は箱状の容器を形成し、前記容器内に水発泡性のポリウレタン原液と水とを注入した後、前記容器の開口部を密封して、前記密封した容器内で前記ポリウレタンを発泡、硬化させて前記ポリウレタンフォーム層を形成する断熱パネルの製造方法。
【請求項11】 前記容器の開口部を密封するのに、前記開口部の対向面同士を熱融着させることによって封止する請求項8〜10の何れか1項に記載の断熱パネルの製造方法。
【請求項12】 内面をポリエチレンフィルムで形成してあるラミネートフィルムを用いて前記容器を形成する請求項8〜11の何れか1項に記載の断熱パネルの製造方法。
【請求項13】 前記ラミネートフィルムの内面にコロナ放電加工を施して、前記ポリエチレンフィルムの内面を化学的に活性化した後、前記ラミネートフィルムを熱融着して前記容器を形成する請求項12記載の断熱パネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタンフォーム層を断熱層として備える断熱パネル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記従来の断熱パネルは、主として低温液化ガス輸送船のタンクや陸上の低温液化ガスを収容するタンク等の断熱に用いられるものがある。これらのタンクにおいては、外部からの熱の侵入による液化ガスの蒸発を抑制するもので、各種の断熱材や断熱工法が用いられているが、断熱層としてポリウレタンフォーム層を用いるものが代表的である。そのポリウレタンフォーム層を形成するための発泡剤には、主としてフロン系のHCFC−141bが主として用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の発泡剤であるHCFC−141bは、地球環境問題としてのオゾン層の破壊原因であるとして、数年後には使用ができなくなる予定である。このために、代替発泡剤が種々検討されており、前記オゾン層の破壊原因にはならないフロン系のHFC−245fa、HFC−365mfcや、炭化水素系発泡剤、水等が候補として挙げられているが、前記HFC−245fa及び前記HFC−365mfcは、前記オゾン層の破壊原因ではないが、地球温暖化ガスとして規制の対象となるものである。因みに、前記HFC−245fa及びHFC−365mfcは、オゾン破壊係数は0であるが、温暖化係数は夫々、820、840である。また、前記炭化水素系発泡剤は、可燃性ガスを発生するものであるため、製造設備が防爆仕様でなければならないという制約があり、また、ポリウレタン発泡体を製造する際に危険を伴うおそれもある。さらに、両者共に、供給のための工場設備を必要とし、資源・エネルギーの消費量も無視できないという問題も有している。
【0004】上記候補に挙げられた発泡剤としては、上述の資源・エネルギーの消費の観点から、また、環境面・安全面の観点から、水を用いることが望ましいのであるが、ウレタン原液の反応の際に、水の存在によって二酸化炭素ガスを発生することで、ポリウレタン発泡体を形成するようになるものであり、前記二酸化炭素ガスが地球温暖化に影響を及ぼすものではあるが、大気中に放散する二酸化炭素ガス量は、問題となるほど大量ではないので、環境問題の観点からは影響が比較的小さいものである。しかしながら、発泡ガスが二酸化炭素である場合には、ポリウレタンフォーム層から前記二酸化炭素ガスが漏出し、時間の経過と共に断熱性能が低下し、或いは、寸法変化を来す場合があり、従来の発泡剤を用いたポリウレタンフォーム層に比して断熱性能が著しく劣るようになる場合があるという問題を有している。
【0005】そこで、本発明に係る断熱パネル及びその製造方法は、上記環境への影響と資源・エネルギーの消費とを極力抑制しつつ、ポリウレタンフォーム層の断熱特性が経時的に低下することを極力抑制することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】〔本発明に係る断熱パネルの特徴構成〕本発明に係る断熱パネルは、二酸化炭素ガスにより発泡させたポリウレタンフォーム層を断熱層として備え、その断熱層を、前記二酸化炭素ガスの透過を阻止可能な被覆体で気密に覆ってあり、以下の特徴を備えるものである。
【0008】本発明に係る断熱パネルの第1特徴構成は、請求項1に記載のごとく、ポリウレタンフォーム層を二酸化炭素ガス発泡のポリウレタン発泡体から形成し、前記ポリウレタンフォーム層の全周を、前記二酸化炭素ガスの透過を阻止可能な被覆体で気密に覆ってある点にある。
【0009】本発明に係る断熱パネルの第2特徴構成は、請求項2に記載のごとく、上記第1特徴構成におけるポリウレタンフォーム層の表面にに被覆体を密着させてある点にある。
【0010】本発明に係る断熱パネルの第3特徴構成は、請求項3に記載のごとく、上記第2特徴構成における被覆体を、ポリウレタンフォーム層の表面に接着してある点にある。
【0011】本発明に係る断熱パネルの第4特徴構成は、請求項4に記載のごとく、上記第3特徴構成において、内面をポリウレタンに対して接着性の良好な膜材で形成してあるラミネートフィルムで被覆体を形成してある点にある。
【0012】本発明に係る断熱パネルの第5特徴構成は、請求項5に記載のごとく、上記第4特徴構成におけるラミネートフィルムの内面をガラス繊維層で形成してある点にある。
【0013】本発明に係る断熱パネルの第6特徴構成は、請求項6に記載のごとく、上記第1特徴構成乃至第5特徴構成の何れかにおける被覆体でパネル外装材を構成してある点にある。
【0014】本発明に係る断熱パネルの第7特徴構成は、請求項7に記載のごとく、上記第1特徴構成乃至第5特徴構成の何れかにおいて、被覆体とは別体のパネル外装材で前記被覆体の外側を覆ってある点にある。
【0015】〔各特徴構成の作用及び効果〕上記断熱パネルの各特徴構成によれば、ポリウレタンフォーム層を被覆体で気密に覆ってあることで、少なくとも前記被覆体の中に二酸化炭素ガスを閉じ込めることができるから、断熱特性の経時的な劣化を防止できるものであり、特徴構成夫々に以下の特徴的な作用効果を奏するのである。
【0016】つまり、上記本発明に係る断熱パネルの第1特徴構成によれば、二酸化炭素ガスで発泡させたポリウレタン発泡体は、元来発泡ガスが逃げやすく、経時的に断熱特性が低下しやすいものであるが、前記二酸化炭素ガスの透過を阻止可能な被覆体で気密に覆ってあることから、前記二酸化炭素ガスが外部に放出されることがない。従って、仮に前記二酸化炭素ガスがポリウレタンフォーム層から漏出したとしても、漏出したガスは前記被覆体内の空間内に閉じ込められており、その漏出空間内における前記漏出した二酸化炭素ガスの前記被覆体内における分圧が次第に高まるから、前記ポリウレタンフォーム層からの二酸化炭素ガスの漏出を抑制できる。従って、断熱パネルの断熱特性の低下を防止できる。この点からは、前記被覆体内の空間内における二酸化炭素ガス分圧を高める手段を講じておけば、前記ポリウレタンフォーム層からの二酸化炭素ガスの漏出をより確実に抑制できる。
【0017】上記本発明に係る断熱パネルの第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成における二酸化炭素ガスのポリウレタンフォーム層からの漏出をより確実に抑制できる。つまり、被覆体がポリウレタンフォーム層の表面に密着していることで、前記ポリウレタンフォーム層からの前記二酸化炭素ガスの漏出空間が極めて小さくなり、前記ポリウレタンフォーム層から前記漏出空間に二酸化炭素ガスが漏出すれば、急激に前記漏出空間内における前記二酸化炭素ガスの分圧が上昇するから、その後に前記ポリウレタンフォーム層から二酸化炭素ガスが漏出することを確実に抑制できる。
【0018】上記本発明に係る断熱パネルの第3特徴構成によれば、上記第2特徴構成における二酸化炭素ガスのポリウレタンフォーム層からの漏出を阻止できるようになる。つまり、被覆体がポリウレタンフォーム層の表面に接着してあることで、前記ポリウレタンフォーム層から前記二酸化炭素ガスが漏出できなくなるのである。また、仮に前記被覆体の一部が破損したとしても、その他の部位では前記ポリウレタンフォーム層に前記被覆体が密着しているから、急激に断熱特性が低下することは防止できる。
【0019】上記本発明に係る断熱パネルの第4特徴構成によれば、上記第3特徴構成における二酸化炭素ガスのポリウレタンフォーム層からの漏出を確実に阻止できるようになる。つまり、被覆体が柔軟性を有するラミネートフィルムで形成してあることで、前記被覆体の内面を前記ポリウレタンフォーム層の表面に確実に密着させることができ、しかも、前記ラミネートフィルムの内面が接着性の良好な膜材で形成されていることで、前記ポリウレタンフォーム層の全表面に前記ラミネートフィルムを確実に自己接着させることができるのである。
【0020】尚、上記第5特徴構成のようにラミネートフィルムの内面をガラス繊維層で形成してあってもよく、前記ガラス繊維層の存在によって、ポリウレタンフォーム層を形成するポリウレタンによる前記ラミネートフィルムの内面への自己接着を確実にできる。
【0021】上記本発明に係る断熱パネルの第6特徴構成によれば、上記第1特徴構成乃至第5特徴構成の夫々が奏する作用効果に加えて、断熱パネルの構造を簡素化して、製造が容易になると共に、製造コストも低減できるようになる。つまり、パネル外装材内にポリウレタンフォーム層を密封形成してあることで、断熱パネルの工場生産が可能になり、また、前記外装材とポリウレタン原液とを施工現場に搬入して、ポリウレタンフォーム層を現場発泡により形成することも可能になるのである。殊に、断熱施工が容易でない狭隘な施工箇所や、形状が複雑な断熱対象の場合に、予めパネル外装材のみを断熱施工部位に取り付けておいて、取り付けた外装材からなる被覆体内にウレタン原液を注入して、現場発泡させることにより現場で断熱パネルを形成することも可能になる。ここに、前記パネル外装材とは、断熱パネルの外表面を形成し、前記断熱パネルの外形を保持すると共に、断熱層を損傷から保護する役割を担う表面形成材を指すものである。
【0022】上記本発明に係る断熱パネルの第7特徴構成によれば、上記第1特徴構成乃至第5特徴構成の夫々が奏する作用効果に加えて、断熱施工部位に適合する断熱パネルを容易に製造できるようになる。つまり、パネル外装材内に収容可能で、且つ、ポリウレタンフォーム層を形成容易な形状の被覆体内でポリウレタンを発泡させて、前記ポリウレタンフォーム層を形成し、形成した断熱材を前記パネル外装材の中に装入して断熱パネルを形成することが可能になる。従って、ポリウレタンフォーム層を、断熱特性を良好に維持できる形状に形成することができるから、断熱パネルの断熱特性を良好に維持できるようになる。尚、前記パネル外装材と前記被覆体内に密封した前記ポリウレタンフォーム層との間には、粉体状等の断熱材を封入しておけば一層効果的である。ここに、前記パネル外装材とは、断熱パネルの外表面を形成し、前記断熱パネルの外形を保持すると共に、断熱層を損傷から保護する役割を担う表面形成材を指すものである。
【0023】〔本発明に係る断熱パネルの製造方法の特徴手段〕本発明に係る断熱パネルの製造方法は、上記第4特徴構成或いは上記第4特徴構成に係る上記第5特徴構成乃至第7特徴構成の何れかによる断熱パネルを製造するに好適であり、容器としてのラミネートフィルムからなる被覆体内でポリウレタン層を形成するに際して、その被覆体の内面を、ポリウレタンフォーム層の表面に接着した状態で前記ポリウレタンフォーム層を形成するもので、以下の特徴を有するものである。
【0024】本発明に係る断熱パネルの製造方法の第1特徴手段は、請求項8に記載のごとく、内面をポリウレタンに対して接着性の良好な膜材で形成してあるラミネートフィルムの周縁部を密封して袋状又は箱状の容器を形成し、前記容器内に水発泡性のポリウレタン原液と水とを注入し、前記ポリウレタンを発泡、硬化させてポリウレタンフォーム層を形成し、前記容器内の空気を排除した後、前記容器の開口部を密封する点にある。前記開口部を密封する手段としては、前記開口部の接当面同士を接着剤或いは粘着剤を用いて接着してもよく、また、前記接当部同士を溶剤により溶着させてもよく、前記接当部同士を密着させた状態で、接着テープ、粘着テープ等の状態保持手段を用いて封止するようにしてもよい。
【0025】本発明に係る断熱パネルの製造方法の第2特徴手段は、請求項9に記載のごとく、内面をポリウレタンに対して接着性の良好な膜材で形成してあるラミネートフィルムの周縁部を密封して袋状又は箱状の容器を形成し、前記容器内に水発泡性のポリウレタン原液と水とを注入して前記ポリウレタンを発泡させ、前記容器内の空気を排除した後、前記容器の開口部を密封し、前記密封した容器内で前記発泡したポリウレタンを硬化させて前記ポリウレタンフォーム層を形成する点にある。尚、前記箱状の容器の形状は、直方体形状であってもよく、中空角柱を面の幅方向及び長さ方向に複数の面で分割した部分角柱状であってもよく、中空円筒或いは中空楕円筒を周方向及び長さ方向に複数の面で分割した部分円筒形状或いは部分楕円筒形状であってもよく、球殻を周方向に複数の面で分割した部分球殻状であってもよく、さらには、長円球殻、楕円球殻、卵殻等の閉鎖曲面殻を複数の面で分割した部分曲面殻形状であってもよい。要するに、複数の断熱パネルを並設して、配管若しくは容器の外面を被覆できる形状であればよいのである。この場合にも、上記第1特徴手段におけると同様に、前記開口部を密封する手段としては、前記開口部の接当面同士を接着剤或いは粘着剤を用いて接着し、また、前記接当部同士を溶剤により溶着させ、さらに、前記接当部同士を密着させた状態で、接着テープ、粘着テープ等の状態保持手段を用いて封止する等の手段が採用可能である。
【0026】本発明に係る断熱パネルの製造方法の第3特徴手段は、請求項10に記載のごとく、内面をポリウレタンに対して接着性の良好な膜材で形成してあるラミネートフィルムの周縁部を密封して袋状又は箱状の容器を形成し、前記容器内に水発泡性のポリウレタン原液と水とを注入した後、前記容器の開口部を密封して、前記密封した容器内で前記ポリウレタンを発泡、硬化させて前記ポリウレタンフォーム層を形成する点にある。尚、前記箱状の容器の形状は、直方体形状であってもよく、中空角柱を面の幅方向及び長さ方向に複数の面で分割した部分角柱状であってもよく、中空円筒或いは中空楕円筒を周方向及び長さ方向に複数の面で分割した部分円筒形状或いは部分楕円筒形状であってもよく、球殻を周方向に複数の面で分割した部分球殻状であってもよく、さらには、長円球殻、楕円球殻、卵殻等の閉鎖曲面殻を複数の面で分割した部分曲面殻形状であってもよい。要するに、複数の断熱パネルを並設して、配管若しくは容器の外面を被覆できる形状であればよいのである。この場合にも、上記第1特徴手段におけると同様に、前記開口部を密封する手段としては、前記開口部の接当面同士を接着剤或いは粘着剤を用いて接着し、また、前記接当部同士を溶剤により溶着させ、さらに、前記接当部同士を密着させた状態で、接着テープ、粘着テープ等の状態保持手段を用いて封止する等の手段が採用可能である。
【0027】本発明に係る断熱パネルの製造方法の第4特徴手段は、請求項11に記載のごとく、上記第8特徴手段乃至上記第10特徴手段の何れかにおいて、容器の開口部を密封するのに、前記開口部の対向面同士を熱融着させることによって封止する点にある。
【0028】本発明に係る断熱パネルの製造方法の第5特徴手段は、請求項12に記載のごとく、上記第8特徴手段乃至上記第11特徴手段の何れかにおいて、内面をポリエチレンフィルムで形成してあるラミネートフィルムを用いて、ウレタン原液を注入し、発泡させ、硬化させて内部にポリウレタンフォーム層を生成する容器を形成する点にある。
【0029】本発明に係る断熱パネルの製造方法の第6特徴手段は、請求項13に記載のごとく、上記第12特徴手段において、ラミネートフィルムの内面にコロナ放電加工を施して、ポリエチレンフィルムの内面を化学的に活性化した後、前記ラミネートフィルムの周縁部における対向面同士を熱融着して、ウレタン原液を注入し、発泡させ、硬化させて内部にポリウレタンフォーム層を生成する容器を形成する点にある。
【0030】〔各特徴手段の作用及び効果〕上記断熱パネルの製造方法の各特徴手段によれば、容器内で形成するポリウレタンフォーム層の表面に前記容器を形成するラミネートフィルムが接着された状態で前記ポリウレタンフォーム層を密閉できるから、前記ポリウレタンフォーム層内の二酸化炭素ガスが層外に逃げ出すことを防止できて、経時的に断熱特性の劣化を防止できる断熱パネルを製造でき、各特徴手段夫々に以下の特徴的な作用効果を奏するものである。尚、上記第1特徴構成乃至第3特徴構成においては、前記容器を封止する時期を異ならせたものであり、何れも容器内に水発泡性のポリウレタン原液と水とを注入することで、容器内でポリウレタンフォーム層を形成でき、前記ポリウレタンフォーム層の形成の際に、前記容器であるラミネートフィルムの内面に前記ポリウレタンフォーム層の表面を自己接着させることができるものである。
【0031】つまり、上記本発明に係る断熱パネルの製造方法の第1特徴手段によれば、ポリウレタンフォーム層を形成した後に、容器内の空気を排除して前記容器の開口部を密封するから、前記ポリウレタンフォーム層の形成に際して反応過程でポリウレタンから放出される二酸化炭素ガスその他のガスを同時に排除でき、密封後の前記容器内はほぼ真空にできるから、前記開口部においても前記容器を形成するラミネートフィルムは内面が前記ポリウレタンフォーム層の表面に密着するようになる。
【0032】また、上記本発明に係る断熱パネルの製造方法の第2特徴手段によれば、ウレタン原液が水と反応してポリウレタンが発泡し、硬化する前に容器内の空気を排除して前記容器の開口部を密封するから、前記ポリウレタンフォーム層の形成に際して反応過程でポリウレタンから放出される二酸化炭素ガスその他のガスを同時に排除でき、密封後の前記容器内はほぼ真空にできるから、前記ポリウレタンと前記容器との間は、ほぼ真空にでき、未硬化のポリウレタン発泡体の表面にラミネートフィルムの内面が密着し、前記ポリウレタン発泡体が硬化してポリウレタンフォーム層を形成するまでの間に前記ラミネートフィルムの内面に自己接着するようになる。
【0033】さらに、上記本発明に係る断熱パネルの製造方法の第3特徴手段によれば、容器内にポリウレタン原液と水を注入した後で前記容器の開口部を密封するから、ポリウレタン発泡体は前記密封容器の中で形成されることになり、前記ポリウレタン発泡体と前記容器の内面とは常に接触を保ち、形成されたポリウレタンフォーム層の表面と前記容器の内面とが極めて良好に接着されるようになる。従って、反応過程で生成する二酸化炭素ガスを確実にポリウレタン発泡体内に閉じ込めることができ、形成されたポリウレタンフォーム層内の二酸化炭素ガスの漏出を確実に防止できるようになる。
【0034】上記本発明に係る断熱パネルの製造方法の第4特徴手段によれば、上記第1〜第3特徴手段の何れかの作用効果をする中で、ラミネートフィルムの対向面同士を熱融着させれば、両側の膜材同士が一体化して極めて良好に密封できるようになり、二酸化炭素ガスをより確実に容器内に閉じ込めることができるようになる。
【0035】尚、上記第5特徴手段のように、ラミネートフィルムの内面をポリエチレンフィルムで形成してあれば、ポリエチレンに対してはウレタンの接着性がよいから、ポリウレタンフォーム層の表面とラミネートフィルムの内面とは、極めて良好に接着されるようになる。
【0036】また、上記第6特徴手段のように、ラミネートフィルムの内面に配したポリエチレンをコロナ放電加工により化学的に活性化することで、ウレタンとポリエチレンとの接着性をさらに向上でき、断熱性能の経時的低下を確実に防止した断熱パネルを製造できる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る断熱パネル及びその製造方法の実施形態の一例ついて図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る断熱パネルの一例を示す斜視図であり、図2はその断面図であり、図3はその要部拡大断面図であり、図4及び図5はその製造のための被覆体からなる容器の製造工程の説明図である。
【0038】図1に示すように、断熱パネル10は、断熱層をラミネートフィルム5で被覆して平板状の断熱体11に形成してあり、その一端部側で両側面を形成するラミネートフィルム5を熱融着して封止してある。前記ラミネートフィルム5は、前記断熱層を気密に覆う被覆体3の一例である。前記ラミネートフィルム5は、断熱パネル10の外形を整え、且つ、前記断熱層を保護するパネル外装材8としても機能するものである。具体的には、図2に断面を示すように、前記断熱層を形成するポリウレタンフォーム層1の全周を、ラミネートフィルム5を被覆体3として気密に覆って断熱体11を形成してあり、前記ラミネートフィルム5の内面6を前記ポリウレタンフォーム層1の表面1aに接着してある。前記ラミネートフィルム5は、例えば図3に拡大して示すように、外皮膜5aと、アルミニウム蒸着膜5bと、ガス透過阻止膜5cと、被覆体3の内面6を形成する膜材4としての熱融着膜5dとで構成することができる。
【0039】前記ポリウレタンフォーム層1は、二酸化炭素ガスで発泡させたものであり、前記ラミネートフィルム5で形成した袋の内側でポリウレタンを発泡させてポリウレタン発泡体を形成して、表面1aを前記ラミネートフィルム5の内面6に自己接着させたものである。そして、図3に示したラミネートフィルム5にあっては、例えば内側に前記アルミニウム蒸着膜5bを形成したポリエステルフィルムで前記外皮膜5aを形成し、前記ガス透過阻止膜5cをポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体で形成し、前記熱融着膜5dをポリエチレンフィルム9で形成して、前記外皮膜5aの内側に前記ガス透過阻止膜5cと前記熱融着膜5dとを順に配し、互いに接着して形成してあれば、前記外皮膜5aがその内側を保護し、前記熱融着膜5dが前記ポリウレタンフォーム層1の自己接着を良好に維持し、前記ガス透過阻止膜5cが断熱パネル10の断熱特性の低下を防止するのである。前記熱融着膜5dとしてのポリエチレンフィルム9は、前記ポリウレタンに対して接着性の良好な膜材4でもあり、前記ポリウレタンフォーム層1の自己接着を良好に維持できる膜材4として前記被覆体3の内面6を形成し、前記ガス透過阻止膜5cを形成するポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体からなるフィルムが前記ポリウレタンフォーム層1から洩れ出した二酸化炭素ガスが仮に前記ポリエチレンフィルム9を透過したとしても、その透過した二酸化炭素ガスの前記外皮膜5a側への透過を阻止して、前記断熱体11から前記二酸化炭素ガスが拡散放出されるのを防止するのである。この断熱体11が断熱パネル10として用いられるのである。
【0040】上述の断熱パネル10を製造する工程の一例について説明すると、[1]図4に示すように、内面6をポリウレタンに対して接着性の良好なポリエチレンフィルム9からなる膜材4で形成してある筒状のラミネートフィルム5(同図(イ)参照)の一端側を熱融着して袋状又は箱状の容器2を形成する(同図(ロ)参照)。
[2]次いで、図5に示すように、前記容器2内に水発泡性の二液からなるポリウレタン原液の一方に水を添加して、両者を共に注入する(同図(イ)参照)。前記一方のポリウレタン原液は水とは反応しないもので、他方のポリウレタン原液と反応してポリウレタンを生成するもので、前記他方のポリウレタン原液は水と接触すれば反応して二酸化炭素ガスを生成するものである。従って、前記容器2内に前記両ポリウレタン原液が注入されれば、反応してポリウレタンを生成しながら、内部に前記二酸化炭素ガスで形成される気泡を含むようになる。
[3]ここで、前記容器2内の空気を排除し(同図(ロ)参照)、前記容器2の開口部2aを熱融着して封止しポリウレタン発泡体を前記容器2内に密閉する(同図(ハ)参照)。
[4]前記容器2内に密閉されたポリウレタン発泡体を養生すれば、前記密閉状態のポリウレタン発泡体は、時間と共に硬化して、前記ポリウレタンフォーム層1となり、断熱体11を形成する。
【0041】尚、予め前記ラミネートフィルム5の内面6にコロナ放電加工を施しておけば、前記ポリエチレンフィルム9の内面6を化学的に活性化できるから、容器2内でポリウレタン発泡体がポリウレタンフォーム層1を形成する際に、前記ポリウレタンフォーム層1の表面1aを前記容器2の内面6に良好に自己接着させることができるようになる。
【0042】〔別実施形態〕上記実施の形態において説明した以外の本発明の実施の形態について以下に説明する。
【0043】〈1〉 上記実施の形態においては、被覆体3でパネル外装材8を構成してある例について説明したが、図6に概念的に示すように、前記被覆体3とは別体の、断熱パネル10の外皮を形成するパネル外装材8で前記被覆体3の外側を覆ってもよい。例えば、図7に示すように、断熱パネル10としての外形を整え、且つ、その断熱層を保護するパネル外装材8の内部に、前記被覆体3で被覆したポリウレタンフォーム層1を、断熱層として周囲に粉状断熱材12を介装した状態で装入して前記断熱パネル10を形成してもよい。つまり、前記被覆体3で形成する容器2をパネル外装材8よりも小さく形成しておき、前記容器2内で前記ポリウレタンフォーム層1を生成して前記被覆体3で被覆された断熱体11を形成した後に、その断熱体11を前記パネル外装材8内に装入し、前記断熱体11と前記パネル外装材8との間に他の断熱材を充填してあってもよい。尚、前記断熱パネル10の厚み方向における一方の前記パネル外装材8の内面に前記被覆体3の外面を接着してあってもよく、また、前記厚み方向における一方の被覆体3をパネル外装材8としてあってもよい。
【0044】〈2〉 上記実施の形態においては、被覆体3でパネル外装材8を構成してある例について説明したが、前記被覆体3とは別体のパネル外装材8を予め前記被覆体3に被着しておいて、前記被覆体3と前記パネル外装材8とを一体とした容器2を形成して、前記容器2内で前記ポリウレタンフォーム層1を生成して前記被覆体3及び前記パネル外装材8とで被覆された断熱体11を、断熱パネル10として形成するようにしてもよい。
【0045】〈3〉 上記実施の形態においては、ラミネートフィルム5からなる被覆体3の内面6を前記ポリウレタンフォーム層1の表面1aに接着してある例について説明したが、前記ポリウレタンフォーム層1の表面1aに前記被覆体3を密着させてあるだけでもよい。例えば、上記〈1〉に説明したように、断熱体11の被覆体3の外側からパネル外装材8で覆い、そのパネル外装材8と前記断熱体11との間に断熱材12を圧入介装して、前記被覆体3を前記ポリウレタンフォーム層1の表面1aに密着させてもよい。このように前記被覆体3を前記ポリウレタンフォーム層1の表面1aに密着させれば、前記ポリウレタンフォーム層1内から拡散して洩れ出す二酸化炭素ガスは、前記表面1aに露出する気泡の開口部内に閉じ込められるから、前記開口部内では急激に二酸化炭素ガスの分圧が上昇し、その内側からの二酸化炭素ガスの拡散漏出を阻止するようになるのである。尚、前記被覆体3の内面6をポリウレタンが自己接着し易い材料で形成する代わりに、前記内面6に前記ポリウレタンを容易に接着できる接着剤を配してあってもよい。
【0046】〈4〉 上記実施の形態においては、ラミネートフィルム5を、外皮膜5aと、アルミニウム蒸着膜5bと、ガス透過阻止膜5cと、被覆体3の内面6を形成する膜材4としての熱融着膜5dとで構成する例について説明したが、前記ラミネートフィルム5の内面6をガラス繊維層7で形成してあってもよい。例えば前記熱融着膜5dとして、ガラス繊維にポリエチレンのような熱融着可能な高分子体を含浸して形成した前記ガラス繊維層7を用いてもよい。このように形成したガラス繊維層7は、前記被覆体3の強度維持にも有効であり、また、内面に露出するガラス繊維はポリウレタンの自己接着を良好にするものでもある。従って、こうしたガラス繊維層7を前記内面6に配置して、上記実施の形態において説明したように、前記内面6にコロナ放電加工を施せば、前記内面6にはガラス繊維がさらに露出するから、前記ポリウレタンの自己接着をさらに強化できる。
【0047】〈5〉 上記実施の形態においては、被覆体3として内面6をポリエチレンフィルム9からなる膜材4で形成して、筒状に形成してあるラミネートフィルム5の周縁部としての一端側を熱融着により密封して容器2を形成し、その容器2内でポリウレタンフォーム層1を形成し、他端側の開口部2aを熱融着により密封する例について説明したが、前記周縁部及び開口部2aの密封は熱融着に限らず、他の手段によって封止してもよい。例えば、膜材4の内面に接着剤或いは粘着剤を塗布して接着し、また、前記膜材4の内面を溶解可能な溶剤を前記内面に塗布して互いに密着させ、溶着させるようにしてもよい。さらに、他の材料で前記周縁部或いは前記開口部2aを封止可能な、テープ状或いは膜状の接着シート或いは粘着シート等の封止手段を形成し、前記封止手段により前記周縁部或いは前記開口部2aを密封するようにしてもよい。
【0048】〈6〉 上記実施の形態においては、被覆体3としてラミネートフィルム5を用いた例について説明したが、前記被覆体3は気密であればよく、例えば、図8に示すように、他の材料で前記被覆体3を形成してあってもよい。つまり、容器2を開閉可能な蓋付きの箱体に形成し、その開口部2aから発泡ウレタン原液を注入し、前記蓋を閉じて密封し、断熱パネル10を形成するようにしてもよいのである。この箱体を前記被覆体3とパネル外装材8とを兼ねるように構成すれば、ポリウレタン発泡体が硬化すれば、形状の整った断熱パネル10を形成できるのである。従って、前記被覆体3は、二酸化炭素ガスの透過を阻止可能で気密な容器2を形成可能であればよく、開口部を気密に封止可能な金属缶体或いは金属容器であってもよく、プラスチック缶体或いはプラスチック容器であってもよく、内面をプラスチック被覆してあって開口部を気密に封止可能な金属缶体であってもよい。尚、この被覆体3は、その内面6がポリウレタンを接着させ易いものであることが好ましく、前記内面6が前記ポリウレタンが自己接着しやすい材料で形成されていることがさらに好ましい。
【0049】〈7〉 上記実施の形態においては、ラミネートフィルム5の例として、内側にアルミニウム蒸着膜5bを形成したポリエステルフィルムで外皮膜5aを形成し、ガス透過阻止膜5cをポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体で形成し、熱融着膜5dをポリエチレンフィルム9で形成して、前記外皮膜5aの内側に前記ガス透過阻止膜5cと前記熱融着膜5dとを順に配し、互いに接着して形成してあるものについて説明したが、これら外皮膜5a、ガス透過阻止膜5c、熱融着膜5dの材質は任意である。因みに、前記ガス透過阻止膜5cを前記ポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体で形成する場合には、前記ポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体が吸湿すると、ガス透過阻止能の低下をもたらすので、前記アルミニウム蒸着膜5bは、水蒸気透過阻止膜として前記ポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体の外側に配置されているのであるが、これが熱線反射膜としても機能するのである。ここで、前記外皮膜5aに水蒸気透過阻止の機能を備えさせることができれば、或いは、前記ガス透過阻止膜5cとして吸湿によってもガス透過阻止機能が低下しないものを用いるならば、前記アルミニウム蒸着膜5bを省いてあってもよい。例えば、被覆体3でポリウレタンフォーム層1を気密に被覆してある断熱体11をパネル外装材8で覆ってある場合に、前記パネル外装材8に輻射熱の反射手段を設けてある場合には、前記被覆体3に同様の手段を設けなくてもよい場合があるからである。例えば上記〈1〉で図7を参照して説明した場合のように、断熱体11とパネル外装材8との間を他の断熱材12で充填する場合に、このパネル外装材8と前記断熱体11の被覆体3との間に前記アルミニウム蒸着膜5bに代わる熱線反射体を介装しておけばよいのである。
【0050】〈8〉 上記実施の形態においては、製造工程の一例として、図4を参照して、筒状のラミネートフィルム5の一端側を熱融着して容器2を形成し、前記容器2内に水発泡性の二液からなるポリウレタン原液の一方に水を添加して、両者を共に注入して、ポリウレタン発泡体を生成させ、前記容器2内の空気を排除した後、前記容器2の開口部2aを熱融着して封止して、前記ポリウレタン発泡体を前記容器2内に密閉し、その後前記ポリウレタン発泡体を硬化させてポリウレタンフォーム層1を形成する例について説明したが、前記容器2内で前記ポリウレタンを発泡、硬化させてポリウレタンフォーム層1を形成して、前記容器2内の空気を排除した後、前記容器2の開口部2aを熱融着して封止するようにしてもよい。こうした工程においても、少なくとも前記開口部2a以外の内面6には前記ポリウレタンフォーム層1が自己接着しているのである。従って、僅かに残る前記開口部2aの内面6は、接着剤等を用いて前記ポリウレタンフォーム層1の表面1aに接着してもよいのである。尚、この接着は、前記ポリウレタンフォーム層1の形成直後からできるだけ早い時期に行うのが好ましい。
【0051】〈9〉 また、上記〈8〉の代わりに、前記容器2内に水発泡性のポリウレタン原液と水とを注入した後、直ちに前記容器2の開口部2aを熱融着により封止して、前記密封した容器2内で前記ポリウレタンを発泡、硬化させて前記前記容器2内でポリウレタンフォーム層1を形成するようにしてもよい。この場合においては、前記開口部2aを封止した後にも発泡が継続され、ポリウレタン発泡体の気泡による内圧により前記ポリウレタン発泡体の表面が前記容器2の内面6に密着させられるから、前記容器2の内面6がポリウレタンの自己接着性の良好な材料で形成されていれば、形成するポリウレタンフォーム層1の表面1aが確実に前記被覆体3の内面6に接着され、また、前記内面6にポリウレタンが自己接着しにくい材料を用いている場合においても、前記被覆体3の内面6が前記ポリウレタンフォーム層1の表面1aに密着されるから、前記ポリウレタンフォーム層1内部からの二酸化炭素ガスの拡散漏出を防止できるのである。
【0052】〈10〉上記実施の形態においては、容器2内に水発泡性の二液からなるポリウレタン原液を注入してポリウレタン発泡体を生成させ、容器2内の空気を排除した後、前記容器2の開口部2aを熱融着して封止するとして説明したが、前記容器2内に空気が残留しないか、除去しなくてもよい程度にしか残留しない場合には、上記〈9〉に説明したと同様に、前記ポリウレタン原液を前記容器2内に注入した後、前記容器2内の空気を排除することなく前記容器2の開口部2aを封止するようにしてもよい。また、前記容器2の形状は、袋状の被覆体3であってもよく、箱状の被覆体3であってもよく、その形状は任意である。また、その容器2は、パネル外装材8を形成するものであってもよく、また、断熱体11を形成するための外皮であってもよい。従って、前記被覆体3の厚さは任意であって、それ自身保形性を備えるだけの厚さにしてあってもよい。
【0053】〈11〉上記実施の形態においては、被覆体3の中でウレタン発泡体を形成する例について説明したが、前記ウレタン発泡体を別の容器内で形成した後に、被覆体3の中に封入するようにしてもよい。この場合にも、前記被覆体3をポリウレタンフォーム層1の表面1aに接着してあることが好ましく、この接着は、できるだけ早く行うことが好ましい。
【0054】
【実施例】上記実施の形態において説明した断熱パネルの一例について断熱特性の経時変化を調べた。実施例における容器、即ち被覆体としてはラミネートフィルムを用いた。用いたラミネートフィルムの構成は次の通りである。
【0055】
【表1】

【0056】実施例においては、ラミネートフィルムは2枚用い、熱融着膜側の面を重ね合わせて、幅方向両側の辺及び長さ方向片側の一辺に沿って熱融着し、袋状の容器を形成した。この容器内に水発泡ポリウレタン原液約60gを注入し、前記容器内で発泡させた。発泡完了後直ちに前記容器の開口部をポリウレタン発泡体との間に隙間が生じないように熱融着し、封止して硬化させて、断熱体を形成した。つまり、封止した開口部にもポリウレタン発泡体を自己接着させた。形成された発泡体の寸法は、長さ、幅共に約230mm、厚さ25mmであった。尚、同じ水発泡ウレタン原液を長さ、幅共に約200mm、深さ25mmの型枠内で発泡・硬化させた、裸のウレタン発泡体からなる断熱体を比較例として用意した。
【0057】両者の熱伝導率の経時変化を、JIS A 1412(1994)に定められた熱流計法により測定した。前記熱伝導率の測定は、測定温度を23℃として行った。測定した熱伝導率は表2に示すとおりであった。
【0058】
【表2】

【0059】表2から明らかなように、比較例における熱伝導率は、1週間で約5%増大し、2週間で約9%増大し、5週間では約24%増大し、7週間では約30%増大し、次第に飽和する傾向は示しているものの、9週間に至っては、約35%増大する。これに対して、本発明に係る断熱体の熱伝導率は、断熱体形成の翌日から9週間にわたって変化せず安定している。尚、本発明に係る断熱体においては、熱伝導率の増大は、高々0.8%に過ぎなかった。
【0060】以上の結果から、水発泡ウレタンからなるポリウレタン発泡体に被覆体を接着し、その被覆体に二酸化炭素ガスの透過阻止能力を付与してあれば、長期安定して断熱特性が高く維持できることが判った。
【出願人】 【識別番号】000244084
【氏名又は名称】明星工業株式会社
【出願日】 平成11年9月1日(1999.9.1)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−65782(P2001−65782A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−247614