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【発明の名称】 クイックコネクター
【発明者】 【氏名】伊藤 公英

【氏名】高柳 晃

【要約】 【課題】部品点数が少なく、組み立てコストを削減できると共に、径方向及び軸方向において更にコンパクト化を図り、安価で小型のクイックコネクターを提供する。

【解決手段】雄部材50を係合部材70を介して筒状本体60に接続するクイックコネクターであり、係合部材70はブッシュ部71と、ブッシュ部71の一端側に支持脚部73と中央脚部74を介して一体的に設けたリング部72と、リング部72から突設して雄部材50の環状突出部51を係合する係合突部76を備える。係合部材70と筒状本体60とは、ブッシュ部71から延長した支持脚部73の爪部77を肩部64に係止するか、ブッシュ部71の突起部78を窓部66のような係合凹部に係止することにより係合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一端に他端より大きい外径をもつ大径部及び該他端に小径部をもつ筒状本体と、該筒状本体に止着された係合部材と、該係合部材に挿入端部の外周面から径方向外方に突出した環状突出部が係止されて前記筒状本体に接続される雄部材とを備えたクイックコネクターであって;該係合部材は、前記筒状本体の大径部内に嵌着された環状のブッシュ部と、該ブッシュ部の外周面から突設された接続基部と、一端を該接続基部に接続せしめて該ブッシュ部の外周面から半径方向隙間を設けて他端側に向かって軸方向に延長した第1の脚と該第1の脚の他端に設けられた終端部を備えた複数の支持脚部と、該支持脚部の終端部から分かれて一端側に延びる前記ブッシュ部よりも一端側に延出した第2の脚と、該第2の脚の一端側の延出端に前記筒状本体と軸方向に距離を隔てて同軸的に設けられた変形可能なリング部と、該リング部の内周面から径方向内方に互いに対向して突設され、前記雄部材の挿入端部を筒状本体の大径部内に挿入したとき環状突出部とスナップ係合する一対の係合突部とを備えることを特徴とするクイックコネクター。
【請求項2】 前記筒状本体の大径部の内周面から径方向外方に延びる係合凹部と、該係合凹部と係止する前記係合部材のブッシュ部の外周面から係合方向外方に突設した少なくとも一つの突起部とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のクイックコネクタ。
【請求項3】 一端に他端より大きい外径をもつ大径部及び該他端に小径部をもつ筒状本体と、該筒状本体に止着された係合部材と、該係合部材に挿入端部の外周面から径方向外方に突出した環状突出部が係止されて前記筒状本体に接続される雄部材とを備えたクイックコネクターであって;該係合部材は、前記筒状本体の大径部内に嵌挿される環状のブッシュ部と、該ブッシュ部の外周面から突設された接続基部と、一端を該接続基部に接続せしめて該ブッシュ部の外周面から半径方向隙間を設けて他端側に向かって軸方向に延長した第1の脚と該第1の脚の他端に設けられた終端部を備えた複数の支持脚部と、前記係合部材を前記筒状本体に止着するために前記大径部の端面に該接続基部を当接させて前記筒状本体の該大径部と該小径部の間に形成された肩部に係止する該終端部に設けられた爪部と、該支持脚部の該終端部から分かれて一端側に延びる前記ブッシュ部よりも一端側に延出した第2の脚と、該第2の脚の一端側の延出端に前記筒状本体と軸方向に距離を隔てて同軸的に設けられた変形可能なリング部と、該リング部の内周面から径方向内方に互いに対向して突設され、前記雄部材の挿入端部を筒状本体の大径部内に挿入したとき環状突出部とスナップ係合する一対の係合突部とを備えることを特徴とするクイックコネクター。
【請求項4】 前記係合部材のリング部に設けた一対の係合突部と、前記係合部材のブッシュ部に設けた一対の中央脚部とが、それぞれ軸方向同一線上にあることを特徴とする、請求項3に記載のクイックコネクター。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガソリン、オイル、水及びエア等の流体を移送するホースやパイプ等を互いに連結するためのクイックコネクターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の各種ホースやパイプ等を相互に連結するために、各種のクイックコネクターが使用されている。その代表的なものの一つに、図9に示すものがある。このクイックコネクターは、一端に金属パイプ等の雄部材10を収納する大径部を有し、他端に樹脂ホース等を挿着するためのホース挿着部21を有する筒状の雌部材20と、雌部材20の一端開口から挿入されて雌部材20に係止されると共に、雄部材10の環状突出部11を係合して雌部材20に連結させる係合部材30とを備えている。尚、雌部材20の中央部内周には、雄部材10の外周面との間をシールするOリング等のシール部材12、及びシール部材12を所定位置に保持するためのブッシュ部13が配置されている。
【0003】この種のクイックコネクターでは、係合部材30が一端から他端に向かって漸次小径となるように形成された略筒状で、その少なくとも一箇所を軸方向に切り欠くことで弾性変形可能になっている。従って、係合部材30は雌部材20内に縮径しながら挿入され、係止部31が雌部材20に設けた窓部22にスナップ係止するようになっている。雌部材20に係止された係合部材30は、その小径側他端で雄部材10の環状突出部11と係合し、雄部材10を雌部材20に連結することができる。また、係止部材30の一端には一対の操作アーム部32が一体的に設けてあり、この操作アーム部32を径方向内方に押して全体を縮径させることで、係止部材30を雌部材20から取り外すことができる。
【0004】また、雄部材を係合するための部材を雌部材と一体化したクイックコネクターとして、例えば特表平9−505871号公報記載のものがある。このクイックコネクターは、図10に示すように、他端にホース挿着部41を有する筒状の本体部40と、本体部40から一端側に延長した2個のビーム部42により一体的に固定された保持リング43とを備えており、一端の開口44から挿入された雄部材10の環状突出部11を保持リング43から突き出た一対の移動止め45のフィンガ部45aにより係止するようになっている。尚、本体部40内にはブッシュ部13が嵌着され、シール部材12を所定位置に保持すると同時に、雄部材10の環状突出部11の多端側を支持している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のクイックコネクターにおいては、いずれも、軸方向の全長が長く且つ径方向にも大きかった。例えば図9に示すクイックコネクターでは、操作アーム部32を有する略筒状の係合部材30及びブッシュ部13を雌部材20の内部に収納するうえ、雌部材20の一端開口から挿入した雄部材10の環状突出部11を係合部材30の他端で係止して接続するため、軸方向の全長が極めて長くなり、コンパクト化が難しいかった。また、部品点数が多く、組み立てコストも高くなっていた。
【0006】これに対して図10に示すクイックコネクターは、保持リング43を2個のビーム部42により本体部40と一体化させ、この保持リング43により雄部材10を係合しているため、部品点数が削減され、軸方向長さも若干短くすることが可能である。しかしながら、雄部材10を係合する際の移動止め45の弾性作用を確保するため、移動止め45のフィンガ部45aとビーム部42との間に径方向に間隔を隔ててスロット46を設けている。このスロット46を設けるため径方向のコンパクト化が難しく、更なるコンパクト化が望まれていた。
【0007】本発明は、このような従来の事情に鑑み、部品点数が少なく、組み立てコストを削減できると共に、径方向及び軸方向において更にコンパクト化を図り、安価で小型のクイックコネクターを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明が提供するクイックコネクターの一つは、一端に他端より大きい外径をもつ大径部及び該他端に小径部をもつ筒状本体と、該筒状本体に止着された係合部材と、該係合部材に挿入端部の外周面から径方向外方に突出した環状突出部が係止されて前記筒状本体に接続される雄部材とを備えたクイックコネクターであって;該係合部材は、前記筒状本体の大径部内に嵌着された環状のブッシュ部と、該ブッシュ部の外周面から突設された接続基部と、一端を該接続基部に接続せしめて該ブッシュ部の外周面から半径方向隙間を設けて他端側に向かって軸方向に延長した第1の脚と該第1の脚の他端に設けられた終端部を備えた複数の支持脚部と、該支持脚部の終端部から分かれて一端側に延びる前記ブッシュ部よりも一端側に延出した第2の脚と、該第2の脚の一端側の延出端に前記筒状本体と軸方向に距離を隔てて同軸的に設けられた変形可能なリング部と、該リング部の内周面から径方向内方に互いに対向して突設され、前記雄部材の挿入端部を筒状本体の大径部内に挿入したとき環状突出部とスナップ係合する一対の係合突部とを備えることを特徴とする。
【0009】本発明が提供するクイックコネクターの他の一つは、一端に他端より大きい外径をもつ大径部及び該他端に小径部をもつ筒状本体と、該筒状本体に止着された係合部材と、該係合部材に挿入端部の外周面から径方向外方に突出した環状突出部が係止されて前記筒状本体に接続される雄部材とを備えたクイックコネクターであって;該係合部材は、前記筒状本体の大径部内に嵌挿される環状のブッシュ部と、該ブッシュ部の外周面から突設された接続基部と、一端を該接続基部に接続せしめて該ブッシュ部の外周面から半径方向隙間を設けて他端側に向かって軸方向に延長した第1の脚と該第1の脚の他端に設けられた終端部を備えた複数の支持脚部と、前記係合部材を前記筒状本体に止着するために前記大径部の端面に該接続基部を当接させて前記筒状本体の該大径部と該小径部の間に形成された肩部に係止する該終端部に設けられた爪部と、該支持脚部の該終端部から分かれて一端側に延びる前記ブッシュ部よりも一端側に延出した第2の脚と、該第2の脚の一端側の延出端に前記筒状本体と軸方向に距離を隔てて同軸的に設けられた変形可能なリング部と、該リング部の内周面から径方向内方に互いに対向して突設され、前記雄部材の挿入端部を筒状本体の大径部内に挿入したとき環状突出部とスナップ係合する一対の係合突部とを備えることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のクイックコネクターでは、主に、特表平9−505871号公報に記載され且つ図10に図示したクイックコネクターのスロット46をなくし、シール部材12の位置を固定するためのブッシュ部13を保持リング43と一体化することによって、径方向の太さ及び軸方向の長さの両方について一層のコンパクト化を実現し、同時に少ない部品点数でコストの削減をも可能にした。
【0011】具体的に本発明のクイックコネクターを図面に基づいて詳しく説明する。図1は本発明のクイックコネクターの断面図、図2と図3は筒状本体と係合部材を組み合わせた(雄部材を係合する前)状態の一部切欠側面図であり、互いに径方向に90°回転して図示したもの、図4は係合部材の底面図、図5は係合部材の一部切欠側面図及び図6はその断面図であり、互いに径方向に90°回転して図示したもの、及び図7と図8は筒状本体の一部切欠側面図であって、互い径方向に90°回転して図示したものである。
【0012】基本的に本発明のクイックコネクターは、図1から分かるように、挿入端部52の外周面から径方向外方に突出した環状突出部51を有するパイプ状の雄部材50と、一端に大径部62、他端にホース挿着部61、及び大径部62とホース挿着部61の間に小径部63を有する筒状本体60と、筒状本体60の大径部62内に係止されると共に筒状本体60内に収納された前記雄部材50と係合し、筒状本体60と雄部材50を接続する係合部材70とを備えている。また、53は筒状本体60の大径部62内に挿着されたOリング等のシール部材である。
【0013】上記の係合部材70は、筒状本体60の大径部62内に嵌合される環状のブッシュ部71を備え、ブッシュ部71の一端から軸方向一端側に軸方向に距離を隔ててリング部72が配置され、ブッシュ部71とリング部72とは支持脚部73と中央脚部74により一体的に形成されている。ブッシュ部71は筒状本体60の小径部63とほぼ同一内径を有し、一端から挿通されたパイプ状の雄部材50を筒状本体60の小径部63と共に保持するようになっている。また、このブッシュ部71は、筒状本体60の大径部62内に嵌合することにより、大径部62内に挿着したシール部材53を保持して、その位置ズレを防ぐことができる。
【0014】係合部材70のブッシュ部71には、その外周面から互いに周方向に間隔を隔てて半径方向に突設された一対の接続基部75、75が設けられ、これら接続基部75、75から半径方向隙間を設けて、他端側に向かって延長した一対の平行脚(第1の脚)73a、73aと各平行脚73a、73aの他端を周方向に延びる終端部73bで連結した径対象に設けられた一対のコの字状の支持脚部73が一体的に接続されている。これらコの字状の支持脚部73の終端部73bから分かれて一対の平行脚73a、73aに平行に、その間を周方向間隔を設けて一端側に延びる前記ブッシュ部71よりも一端側に延出した第2の脚74が設けてある。この第2の脚(中央脚部)74の一端側の延出端には、前記筒状本体60と軸方向に距離を隔てて同軸的に設けられた変形可能なリング部72が一体に設けてある。
【0015】このリング部72は、パイプ状の雄部材50が一端から挿入できるように大きな内径を有すると共に、リング部72の内周面から径方向内方に互いに対向して突設された一対の係合突部76を備えている。また、この係合突部76は、一端側を傾斜面76aとすることにより雄部材50の環状突出部51がリング部72を弾性変形させて挿入されやすくなっていると共に、その後リング部72が元に戻ることにより係合突部76が環状突出部51にスナップ係合するようになっている。しかも、リング部72をブッシュ部71に固定している中央脚部74は支持脚部73の他端側の終端部73bに接合され、且つ支持脚部73の2つの平行脚73aとの間は周方向間隙74a、74aで分離されているので、リング部72は弾性変形しやすくスナップ係合が容易になっている。尚、図4や図6等に示す係合部材70において、リング部72の中央脚部74との連結部分と係合突部76との間には、型抜き用孔79bが存在している。
【0016】本発明の筒状本体60と係合部材70は上記のごとく別体であるため、互いに組み合わせて一体に止着するための係止手段を備えている。この係止手段の第1は、図6に明示されているように、係合部材70は環状のブッシュ部71の接続基部75から外周側に沿い軸方向他端側に延長した一対の支持脚部73の終端部73bに、径方向内側に突出して設けた爪部77を備えている。この爪部77は、図1及び図2に示すように、筒状本体60の大径部62の端面に接続基部75を当接させた時に、大径部62と小径部63の間に設けた外周面の肩部64に係止することにより、係合部材70を筒状本体60に止着する。また、この爪部77を終端部73bに備えた支持脚部75は、少なくとも一対を径方向に対向する位置に設けるが、それ以上、例えば3カ所に等間隔に設けることもできる。尚、筒状本体60の外周面には、爪部77で係止した支持脚部73の終端部73bを覆うように庇部65を設けることができる。
【0017】筒状本体60と係合部材70との第2の係止手段は、図5に図示するように、係合部材70のブッシュ部71の軸中心を通る直線上の対向する位置の外周面から径方向外方に突設された少なくとも一対の突起部78と、この突起部78に対向して筒状本体60の大径部62に穿設された窓部66とからなる。この係合部材70の突起部78は、図3に示すように、筒状本体60の一端から挿入されたとき、予め筒状本体60の大径部62を貫通して設けた窓部66に係止され、係合部材70を筒状本体60に保持する。尚、突起部78と係止する筒状本体60の窓部66の代わりに、筒状本体60の大径部を貫通することなく、その内周面から径方向外方に延びる係合凹部であってもよい。突起部78と窓部66又は係合凹部は互いに対向する位置に、いずれも少なくとも一対を設ける必要があるが、それぞれ対向している限り等間隔に3カ所以上設けることもできる。
【0018】上記した筒状本体60と係合部材70を係止するための二つの係止手段は、いずれか片方の係止手段を備えればよいが、両者の係止をより一層確実にするためには、図示したごとく両方の具体例の係止手段を備えることが好ましい。更に、上記第2の係止手段の変形例として、突起部78や係合凹部又は窓部66を設けることなく、係合部材70を筒状本体60の大径部内に圧入することにより嵌着することも可能である。
【0019】本発明のクイックコネクターの組み立ては、まず図7及び図8に示すように、筒状本体60の大径部62内にシール部材53を挿着する。次に図2及び図3に示すように、この筒状本体60の一端の大径部62内に係合部材70のブッシュ部71を挿入し、係合部材70の支持脚部73の終端部73bに設けた爪部77と筒状本体60の外周面の肩部64を係止させるか、及び/又は係止部材70のブッシュ部71の外周に設けた突起部78と筒状本体60に穿設した窓部66又は係合凹部を係止させ、若しくは圧入することにより、係合部材70を筒状本体60に係止する。最後に、図1に示すように、筒状本体60と係止された係合部材70のリング部72内に一端から雄部材50を挿入し、雄部材50の管状突出部51をリング部72の係合突部76にスナップ係止することにより、係合部材70を介して雄部材50と筒状本体60を接続する。
【0020】尚、係合部材70から雄部材50を取り外すには、係合部材70のリング部72を一対の係合突部74と略直角方向に設けた押圧部79aを径方向内側に押すことにより、リング部72を弾性変形させて係合突部76を径方向外方に開き、雄部材50を引き抜くことができる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、シール部材を筒状本体内の所定位置に保持するための環状のブッシュ部を係合部材と一体化させ、この係合部材と筒状本体との係止手段を改善することで、部品点数が少なく、組み立てコストを削減できると共に、径方向及び軸方向において従来よりも更にコンパクト化を図り、安価で小型のクイックコネクターを提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000219602
【氏名又は名称】東海ゴム工業株式会社
【出願日】 平成11年8月31日(1999.8.31)
【代理人】 【識別番号】100083910
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 正緒
【公開番号】 特開2001−65768(P2001−65768A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−245054