トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 接続配管及び配管の接続方法
【発明者】 【氏名】藤田 東一

【要約】 【課題】配管同士の接続を容易に行うことができるとともに、漏水の可能性を低減することができる接続配管及び配管の接続方法を提供する。

【解決手段】接続配管15はABS樹脂により筒状をなすほぼL字状に形成されている。接続配管15の一端部には第1排水管11の端部を嵌合可能な第1接続部19が形成されている。第1接続部19からは、その第1接続部19の軸線に対して約90度の角度をなすように延びる屈曲部20が曲げ形成されている。屈曲部20からは外周面が蛇腹状に形成された直線部21が形成されている。その蛇腹部分により直線部21は可撓性を有し、直線部21を所望する角度に曲げて、直線部21の延びる方向を調整することができるようになっている。直線部21の先端には第1排水管11の端部を嵌合可能な第2接続部22が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 配管を接続可能な接続部を両端に備え、それらの接続部に配管をそれぞれ接続して配管同士を接続する接続配管であって、一端側に所定の曲げ形状を保持できる剛性を有する屈曲部を備え、他端側に前記屈曲部から延びるとともに、可撓性を有する直線部を備えた接続配管。
【請求項2】 前記屈曲部は硬質材料により形成されて所定の曲げ形状を保持できる剛性を有し、直線部は蛇腹状に形成されて可撓性を有する請求項1に記載の接続配管。
【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の接続配管を用い、横方向へ延びるように配設された配管に屈曲部側の接続部を接続し、直線部が上下方向へ延びるように配置し、直線部側の接続部に別の配管を接続し、配管同士を接続する配管の接続方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば台所、洗面所、風呂、トイレ等の排水設備の排水管同士を接続するための接続配管及び配管の接続方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物内部の台所、洗面所、風呂、トイレ等の設備に接続される排水管は、建築物の基礎内に埋設されて建築物外部の地中へと配管され、その排水管に接続された主配管を介して基礎の外部に埋設された屋外桝に接続されている。
【0003】建築物内部に排水管を設置する場合、まず、屋外桝に接続された主配管に接続された排水管を、建築物を構築するための布基礎の内側に横方向へ延びるように配設する。次に、その排水管に、排水管の延びる方向に対して約90度をなすように曲げ形成された接続配管としてのエルボの一端側を接続する。又は蛇腹状に形成されたフレキシブル継手の一端側を接続し、そのフレキシブル継手の他端側を接続された排水管の延びる方向に対して約90度をなすように曲げて排水管の延びる方向を調整する。そして、エルボ又はフレキシブル継手の他端側に別の排水管の一端側を接続する。
【0004】続いて、その別の排水管をその他端側が基礎の上面から突出するように配設し、布基礎間に土を充填し、その土の上にコンクリートを流し込み、硬化させて基礎を形成する。すると、基礎の上面から排水管の端部が突出した状態で、建築物の基礎内に排水管が配設される。
【0005】次いで、布基礎上に床板が配置され、その床板上に設置される風呂等の設備に対応させて排水管挿通用の孔を床板に形成する。次に、排水管挿通用の孔に排水管を挿通し排水管の端部を床板の下方へ配置する。そして、その排水管と基礎から突出した排水管とを接続配管を使用して接続する。その結果、建築物の外部の屋外桝と建築物の内部の排水設備とが排水管、接続配管、主配管等を介して接続される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、建築物の基礎内に排水管が埋設され、布基礎上に床板が配置された後に、排水管挿通用の孔の位置が決定される。そのため、基礎から突出した排水管の他端側と排水管挿通用の孔とがずれる場合が多い。
【0007】そして、両排水管の接続を行うには、例えば、基礎から突出した排水管の他端側に45度の勾配をなすエルボの一端側を接続して排水管の延びる方向を斜め上方へ調整し、そのエルボの他端側に直管の一端側を接続する。このとき、直管の他端側が排水管挿通用の孔のほぼ下に位置するように直管の長さを調節する。次に、その直管の他端側に45度の勾配をなす別のエルボの一端側を接続して排水管の延びる方向を上方へ再度調整し、そのエルボの他端側に床板に挿通された排水管を接続して両排水管を接続していた。そのため、排水管、エルボ及び直管に対してそれぞれ接続する作業を必要とし、非常に手間がかかるとともに、接続箇所が多くなるため、漏水のおそれがあるという問題があった。
【0008】この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、配管同士の接続を容易に行うことができるとともに、漏水の可能性を低減することができる接続配管及び配管の接続方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の接続配管は、配管を接続可能な接続部を両端に備え、それらの接続部に配管をそれぞれ接続して配管同士を接続する接続配管であって、一端側に所定の曲げ形状を保持できる剛性を有する屈曲部を備え、他端側に前記屈曲部から延びるとともに、可撓性を有する直線部を備えたものである。
【0010】請求項2に記載の発明の接続配管は、請求項1に記載の発明において、前記屈曲部は硬質材料により形成されて所定の曲げ形状を保持できる剛性を有し、直線部は蛇腹状に形成されて可撓性を有するものである。
【0011】請求項3に記載の発明の配管の接続方法は、請求項1又は請求項2に記載の接続配管を用い、横方向へ延びるように配設された配管に屈曲部側の接続部を接続し、直線部が上下方向へ延びるように配置し、直線部側の接続部に別の配管を接続し、配管同士を接続するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図2及び図3に示すように、建築物内部の台所、洗面所、風呂、トイレ等の排水設備の配管としての第1排水管11及び第2排水管12は、塩化ビニル樹脂により円筒状に形成され、第1排水管11及び第2排水管12内を流通する流体が重力により落下するように、勾配を有するように建築物内に配設されている。
【0013】図3に示すように、第2排水管12は図示されない排水設備に接続され、その排水設備が設置された床板13に形成された排水管挿通孔14に挿通される。さらに、第2排水管12には接続配管15が接続され、その接続配管15には第1排水管11が接続される。その第1排水管11は、図2及び図3の破線に示すように、建築物の基礎16及び布基礎17を挿通されて建築物外部の地中へと配設されている。そして、その第1排水管11に接続された主配管18を介して基礎16の外部に埋設された屋外桝に接続されている。
【0014】図1に示すように、第1排水管11と第2排水管12とを接続する接続配管15は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)により筒状をなし、ほぼL字状に曲げ形成されている。接続配管15の一端部には前記第1排水管11の端部を嵌合可能な円筒状の第1接続部19が形成されている。同第1接続部19からは、その軸線に対して約90度の角度をなすように延びる屈曲部20が設けられている。この屈曲部20は硬質材料としてのABS樹脂製であるため、所要の剛性を有し約90度の曲げ形状を保持できるようになっている。
【0015】その屈曲部20からは外周面が蛇腹状に形成された直線部21が形成されている。そして、その蛇腹部分により直線部21は可撓性を有し、直線部21を所望する角度に曲げて、直線部21の延びる方向を調整することができるようになっている。直線部21の先端には第2排水管12の端部を嵌合可能な円筒状の第2接続部22が形成されている。第1接続部19、屈曲部20、直線部21及び第2接続部22よりなる接続配管15は、ブロー成形法、射出成形法、真空成形法等の成形法により一体成形され、それらの内面は平滑に形成されている。
【0016】次に、接続配管15を使用した第1排水管11と第2排水管12の接続方法について以下に記載する。まず、図示されない屋外桝に接続された主配管18に第1排水管11を勾配をなすように接続し、建築物を構築するための布基礎17内に引き込んで配設する。次に、図2に示すように、その第1排水管11の端部に接続配管15の第1接続部19を嵌合し、両者を接着剤により接合する。
【0017】このとき、屈曲部20は約90度をなすように曲げ形成されているため、直線部21はほぼ横方向に配設された第1排水管11に対して約90度をなすように上方へ延びて配設される。次いで、布基礎17間に土を充填し、その上にコンクリート23を流し込んで硬化させて基礎16が形成される。すると、基礎16の上面から直線部21が突出した状態で、建築物の基礎16に接続配管15が支持される。屈曲部20と直線部21は一体化されているため、1個の接続配管15のみにより第2接続部22を基礎16から突出させて配設することができる。
【0018】次いで、図3に示すように、布基礎17上に根太24を介して床板13が配置され、その床板13上に設置される図示されない排水設備に対応させて床板13に排水管挿通孔14を形成する。次に、直線部21の延びる方向を調整して第2接続部22と排水管挿通孔14とを対応させる。このとき、直線部21は蛇腹状をなし容易に撓んで変形するため、直線部21の位置調整作業が容易に行われる。
【0019】続いて、排水管挿通孔14から第2排水管12を挿通し、その第2排水管12の端部を第2接続部22に嵌合し、接着剤により両者を接合する。その結果、建築物の外部の屋外桝と建築物の内部の排水設備とが第1排水管11、接続配管15、第2排水管12及び主配管18を介して接続される。
【0020】前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。・ 基礎16から突出した接続配管15の直線部21と排水管挿通孔14に挿通された第2排水管12との接続の際に、直線部21の延びる方向を調整することにより排水管挿通孔14と第2接続部22とを対応させることができ、接続配管15と第2排水管12とを容易に接続することができる。そのため、従来のようにエルボや直管を使用して第1排水管11と第2排水管12とを接続する場合と比較して、接続配管15を使用して接続箇所を少なくして第1排水管11と第2排水管12との接続作業の簡易化を図ることができるとともに、漏水の可能性を低減することができる。加えて、接続箇所に汚物等が滞留するのを防止することができる。
【0021】・ 直線部21は蛇腹状をなして可撓性を有するため、直線部21の延びる方向を容易に調整することができる。・ 屈曲部20は硬質材料としてABS樹脂により形成されている。そのため、従来のように軟質の蛇腹状をなすフレキシブル継手を使用した場合のように、屈曲部20に水圧による負荷が作用しても、その劣化を防止することができる。また、屈曲部20の内面は平滑に形成されているとともに、撓まないため、蛇腹状をなすフレキシブル管の凹条部分や撓んだ部分に汚物が堆積するのを防止して屈曲部20の劣化を防止することができる。
【0022】・ 直線部21は上下方向へ延びるように配設されるため、直線部21に撓んだ部分が形成されず、汚物等が堆積するのを防止して直線部21が劣化するのを防止することができる。
【0023】・ 基礎16から突出した接続配管15の直線部21と排水管挿通孔14に挿通された第2排水管12との位置がずれていても、直線部21の延びる方向を調整することにより、第2接続部22と第2排水管12とを容易に接続することができる。基礎16内に第1排水管11及び第2排水管12を配設する際に第2排水管12の位置を調整したり、床板13に形成する排水管挿通孔14の位置を調整する必要がなく、接続配管15を使用して第1排水管11と第2排水管12の接続作業の簡易化を図ることができる。
【0024】なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
(1) 実施形態では第2接続部22を備えた直線部21と第1接続部19を備えた屈曲部20とを一体成形したが、直線部21と屈曲部20とを別体にし、長さの異なる直線部21を複数種類製作し、曲げ角度が45度又は約90度の屈曲部20を製作しても良い。そして、図5(a)に示すように、直線部21の第2接続部22が形成されていない側の端部を、屈曲部20の第1接続部19が形成されていない側の端部内に嵌合し、両者を接着剤により接着して一体化しても良い。また、図5(b)に示すように、屈曲部20の端部内に直線部21の端部を嵌合可能な環状溝25を形成し、その環状溝25に直線部21の端部を嵌合するとともに、接着剤により直線部21と屈曲部20とを一体化しても良い。さらに、直線部21と屈曲部20とをねじ止め、ボルトとナットによる固定、ビス止め、割ピン等により一体化しても良い。
【0025】このように構成した場合、直線部21の長さや屈曲部20の曲げ角度を選択して接続配管15を形成することができ、接続配管15の使用範囲を拡大することができる。また、接続配管15の施工現場で直線部21の長さ及び屈曲部20の曲げ角度を適宜選択することができ、第1排水管11と第2排水管12との接続作業を容易かつ確実に行うことができる。また、直線部21と屈曲部20とを別々に成形するため、一体成形した場合と比較して、金型の構成を簡易化してその製作を容易に行うことができる。
【0026】(2) 図4に示すように、例えば、建築物の2階に設置された床板13に形成された排水管挿通孔14に第2排水管12を挿通し、その第2排水管12に接続配管15の第2接続部22を接着又はねじ止め等の機械接続により接続する。その接続配管15の第1接続部19に第1排水管11を勾配をなすように横方向へ延びるように接着又はねじ止め等の機械接続により接続し、さらに、その第1排水管11を別の接続配管15の第1接続部19に接着又はねじ止め等の機械接続により接続して、直線部21が上下方向へ延びるように接続配管15を配設しても良い。次いで、その接続配管15の第2接続部22に別の第2排水管12を接着又はねじ止め等の機械接続により接続する。そして、1階の接続作業は実施形態と同様に行う。
【0027】このように構成した場合も、直線部21の延びる方向を調整することにより、1階の第2排水管12と2階の第2排水管12の位置を調整して、第2排水管12と第1排水管11との接続作業を容易に行うことができる。また、接続箇所を少なくして漏水の可能性を低減することができる。さらに、直線部21は上下方向へ延びるように配設されるため、撓んだ部分に汚物等が堆積して直線部21が劣化するのを防止することができる。
【0028】(3) 接続配管15の材料をポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、アクルロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂及びスチレン−ブタジエン共重合体樹脂等から選ばれる1種に変更しても良い。又は直線部21と屈曲部20とを上記材料から選ばれる1種によりそれぞれ成形し、両者を上記(1)に示す方法により一体化しても良い。
【0029】(4) 接続配管15の屈曲部20を、曲げ形状を保持することができるゴム材料により成形し、直線部21を、ABS樹脂、上記(3)に示される材料から選ばれる1種により成形して一体化しても良い。
【0030】(5) 直線部21を蛇腹状に形成せずに、外面を平滑に形成するとともに、直線部21の壁厚を薄く形成して可撓性を有するようにしても良い。このように構成した場合も、直線部21の延びる方向を調整することができ、接続配管15を使用して第1排水管11と第2排水管12との接続作業を容易に行うことができる。
【0031】(6) 接続配管15の第1接続部19と第1排水管11及び第2接続部22と第2排水管12との接続を接着剤により行ったが、図1の2点鎖線に示すように、第1接続部19及び第2接続部22にねじ孔26を形成する。また、第1接続部19及び第2接続部22の内周面に環状の溝部をそれぞれ形成し、その溝部にゴム材料製の環状のシール材を嵌着する。そして、そのねじ孔26から第1排水管11及び第2排水管12にねじをねじ込んで、両者を接続し、シール材により接続部分をシールしても良い。
【0032】(7) 直線部21の内周面を蛇腹状に形成しても良い。このように構成した場合、直線部21は上下方向へ延びるように配設されるため、直線部21に汚物等が堆積するのを防止してその劣化を防止することができる。
【0033】さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記直線部と屈曲部とは一体に形成されている請求項1又は請求項2に記載の接続配管。このように構成した場合、直線部と屈曲部が一体成形されているため、配管と接続配管との接続箇所を少なくして、接続作業の簡易化を図ることができる。
【0034】・ 前記配管は排水設備に接続される排水管である請求項1又は請求項2に記載の接続配管。このように構成した場合、建築物の内部における排水設備と排水管との接続作業を容易に行うことができる。
【0035】・ 前記屈曲部は一端側の接続部の軸線に対して45度又は約90度の角度をなすように延びている請求項1又は請求項2に記載の接続配管。このように構成した場合、直線部の延びる方向を2種類にして接続配管の使用範囲を広げることができる。
【0036】・ 前記配管は排水設備に接続される排水管である請求項3に記載の配管の接続法法。このように構成した場合、建築物の内部における排水設備と排水管との接続作業を容易に行うことができる。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の接続配管によれば、配管同士の接続を容易に行うことができるとともに、漏水の可能性を低減することができる。
【0038】請求項2に記載の発明の接続配管によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、直線部の延びる方向を容易に調整することができ、配管同士の接続作業を容易に行うことができる。また、屈曲部に水圧等による負荷が作用しても、その劣化を防止することができる。
【0039】請求項3に記載の発明の配管の接続方法によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、接続配管を使用して上下方向に位置する配管同士の接続を容易に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000000479
【氏名又は名称】株式会社イナックス
【出願日】 平成11年8月24日(1999.8.24)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
【公開番号】 特開2001−65747(P2001−65747A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−237512