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【発明の名称】 管の接合装置
【発明者】 【氏名】戸島 敏雄

【氏名】横溝 貴司

【要約】 【課題】管どうしの接合作業中にこれら管どうしに屈曲が生じないようにする。

【解決手段】互いに接合される一方の管1に固定される固定具22に、第1の係り合い部27が設けられる。他方の管2に固定される固定具23ににおける周方向に距離をおいた二か所に、第2および第3の係り合い部28、28が設けられる。連結具38の一端側および他端側が、第2および第3のの係り合い部28、28に係り合う。連結具38における第2および第3のの係り合い部28、28の中間部44と第1の係り合い部27とが管の接合方向に沿って配置された状態で、この連結具38における中間部44と第1の係り合い部27とを、引き寄せ手段46、47によって互いに引き寄せる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに接合される一方および他方の管の外周にそれぞれ固定される第1および第2の固定具と、一方の固定具における周方向の一か所に設けたられた第1の係り合い部と、他方の固定具における周方向に距離をおいた二か所に設けられた第2および第3の係り合い部と、一端側が第2の係り合い部に係り合うとともに他端側が第3の係り合い部に係り合う連結具と、この連結具における第2の係り合い部と第3の係り合い部との中間部と前記第1の係り合い部とが管の接合方向に沿って配置された状態で、この連結具における第2の係り合い部と第3の係り合い部との中間部と前記第1の係り合い部とを互いに引き寄せる引き寄せ手段とを有することを特徴とする管の接合装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は管の接合装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば複数の鋳鉄管を接合して管路を敷設する場合において、手動のレバーブロックを利用した接合装置が用いられている。この従来の接合装置を、図6を用いて説明する。この図6において、1、2は互いに接合される一対の鋳鉄製の管であり、一方の管1の端部には受口3が形成され、他方の管2の端部には挿口4が形成されている。そして、受口3の内部に挿口4が挿入されることで、これらの管1、2が互いに接合されるように構成されている。管1、2は、いずれも異形管としての曲管にて形成されている。
【0003】5は従来の接合装置で、一方の管1の外周に固定されるリング状の第1の固定具6と、他方の管2の外周に固定されるリング状の第2の固定具7とを有する。それぞれの固定具6、7にはピン8、9が設けられており、これらのピン8、9を管1、2の接合方向すなわち接合部における管軸と平行な方向に沿って配置した状態で、これらピン8、9どうしの間にチェーン10が渡されている。そして、このチェーン10の一端および他端のフック11、12がピン8、9に引っ掛けられ、レバーブロック13の操作によりチェーン10が短縮化されることでフック11、12どうしが互いに引き寄せられ、これによって挿口4が受口2の内部に挿入される。
【0004】チェーン10による引き寄せは、管1、2の周方向に沿った二か所すなわち互いに周方向に180度の間隔をおいた位置にて行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図6(a)に示すようにこのような従来の接合装置を所定の位置にセットし、レバーブロック13の操作によって挿口4を受口3に挿入しようとする場合に、作用する力のバランスがくずれることがある。そのような場合には、たとえば図6(b)に示すように挿口4が一方に曲がり、管1、2どうしが屈曲して、受口3への挿口4の挿入ができなくなって、管1、2どうしを接合できなくなる。
【0006】このような場合に、従来は図6(c)に示すように作業者が挿口4を手14で押さえて真直にしながらレバーブロック13を操作しなければならず、その作業を容易に行うことができないという問題点がある。そこで本発明は、このような問題点を解決して、管どうしの接合作業中にこれら管どうしに屈曲が生じないようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため本発明は、互いに接合される一方および他方の管の外周にそれぞれ固定される第1および第2の固定具と、一方の固定具における周方向の一か所に設けたられた第1の係り合い部と、他方の固定具における周方向に距離をおいた二か所に設けられた第2および第3の係り合い部と、一端側が第2の係り合い部に係り合うとともに他端側が第3の係り合い部に係り合う連結具と、この連結具における第2の係り合い部と第3の係り合い部との中間部と前記第1の係り合い部とが管の接合方向に沿って配置された状態で、この連結具における第2の係り合い部と第3の係り合い部との中間部と前記第1の係り合い部とを互いに引き寄せる引き寄せ手段とを有するようにしたものである。
【0008】このような構成であると、他方の固定具における周方向に距離をおいた二か所に第2の係り合い部と第3の係り合い部とを設けたことで、一端側および他端側がこれらの係り合い部に係り合う連結具の中間部を引き寄せ手段によって引き寄せることになるため、引き寄せ手段から他方の固定具に作用する力が周方向に均等に分散されることになる。したがって、引き寄せ時に力のバランスがくずれることがなく、たとえバランスをくずすような方向に力が働いても、自動的にバランスがとれて、管どうしが真直に接合されることになる。
【0009】なお、第1〜第3の係り合い部はピンや孔などの適宜の形態をとることができ、これに対応して連結具と掛かり合い部との係り合い構造は適宜のものとすることができ、また引き寄せ手段もチェーンブロックやシリンダ装置などの適宜の構成を採用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1および図2において、1、2は互いに接合される一対の鋳鉄製の管であり、一方の管1の端部には受口3が形成され、他方の管2の端部には挿口4が形成されている。21は本発明にもとづく接合装置で、各管1、2の端部の外周に固定される第1および第2の固定具としての一対の環状体22、23を有している。各環状体22、23は、周方向二つ割りに構成されて、一対のC字形の本体部24、25を有し、周方向に沿った二か所の分割部でこれら本体部24、25が締結部26によって互いに接合されることで、環状に組み立てられた状態で管11、12の外周に固定されている。
【0011】受口3が形成された管1に固定された環状体22には、締結部26以外の周方向の二か所の位置に、係り合い部としての一対のピン27が設けられている。これらのピン27は、周方向に沿って180度の間隔をおいた位置にそれぞれ設けられている。挿口4が形成された管2に固定された環状体23には、係り合い部としてのピン28が形成されている。このピン28は、図1および図2に示すように、締結部26以外の周方向の四か所の位置に設けられている。これらのピン28は、一対ずつが、それぞれ環状体22のピン27に対応して、このピン27からそれぞれ周方向に等しい角度をおいて位置するように配置されている。すなわち、一方のピン27から管の周方向に等しい距離をおいて一対のピン28、28が配置されるとともに、他方のピン27に対応して同様に一対のピン28、28が配置されている。
【0012】図3は、ピン27、28の構成の一例、およびこのピン27、28の環状体22、23への取付け構造の一例を示す。すなわち、図2にも示すように、環状体22、23におけるピン27、28を配置すべき位置には、管径方向の外向きに突出する突出部29がそれぞれ形成されており、この突出部29には、管軸方向の切欠部30が、突出部29の先端からその基端側に向けて開口するように形成されている。
【0013】突出部29および切欠部30を利用して環状体22、23にピン27、28が取り付けられるのであるが、これらのピン27、28は、取付けボルト31とピン本体32とが一体化されたうえで、ナット33が取付けボルト31にねじ合わされた構成となっている。詳細には、取付けボルト31が環状体22、23の切欠部30にはめ込まれたうえでナット33によって突出部29に固定されることで、この取付けボルト31と一体に構成されたピン本体32が、突出部29の先端からさらに径方向に突出した位置で環状体22、23に固定されるように構成されている。ピン本体32は、一対のつば部34、35の間に管径方向の軸部36が配置された構成となっており、この軸部36が後述のように本来のピンとしての役割を果たすように構成されている。
【0014】なお、ピン27、28およびこれらピン27、28の環状体22、23への取付け構造は、上記において説明したものに限定されるわけではなく、他の適宜の構成とすることもできる。また係り合い部として、上述のピン27、28以外の、たとえば孔部などの適宜の構成を有するものを採用することもできる。挿口4側の環状体23における、受口3の環状体22の一つのピン27に対応した一対のピン28、28どうしにわたって、連結具としての連結バー38が設けられている。この連結バー38は、ピン27に対応した周方向の二か所の位置に配置され、図1、図2、図4に示すように、くの字形に形成された丸棒状のバー本体39の一端および他端にそれぞれ一対ずつの突出片40、40が溶接などによって形成されることで、このバー本体39の一端および他端にそれぞれF字形のフック41、41が形成されている。各フック41は、突出片40、40がピン27、28のつば部34、35どうしの間に入り込むことによって軸部36、36に係り合い可能とされており、これによってピン28、28に係り合い可能なように構成されている。
【0015】連結バー38におけるくの字形のバー本体39の背部には、補強板42が溶接などによって取り付けられている。この補強板42は、ピン28、28に係り合った一対のフック41、41どうしの中間の部分に開口部43を有し、この開口部43とバー本体39の中央におけるくの字形に張り出した部分とによって、後述するフックのための引っ掛かり部44が形成されている。これにより、引っ掛かり部44は、一対のピン28、28どうしから周方向に等しい距離をおいた位置、すなわち管軸方向に沿ってピン27に対応した位置に形成されることになる。
【0016】受口3側の環状体22におけるピン27と、挿口4側の連結バー38における引っ掛かり部44との間にわたって、引き寄せ手段としての、レバーブロック46を備えたチェーン47が設けられている。このチェーン47は、その一端のフック48がピン27に係り合わされるとともに、その他端のフック49が連結バー38の引っ掛かり部44に係り合わされている。このレバーブロック46を備えたチェーン47も、ピン27および連結バー38に対応して、管の周方向に沿って互いに180度の間隔をおいた二か所の位置に設けられている。
【0017】なお、引き寄せ手段は、上記のようなレバーブロック46を備えたチェーン47の形態のほかに、任意の構成をとることともできる。たとえばレバーブロック46に代えてシリンダ装置などの適宜のアクチュエータを設けたものや、チェーン47に代えてワイヤやベルトなどを設けたものなどを用いることもできる。このような構成において、管1、2どうしを接合する際には、図示のように受口3と挿口4とが互いに接近した状態の管1、2の外周にそれぞれ環状体22、23を固定する。環状体22、23には、あらかじめピン27、28を取り付けておくか、あるいはこれら環状体22、23を管1に固定したあとでこれら環状体22、23にピン27、28を取り付ける。そして、挿口4の環状体23のピン28、28に連結バー38を係り合わせ、この連結バー38の引っ掛かり部44と受口3の環状体22のピン27とが管1、2の軸心方向に揃うように位置させて、これら引っ掛かり部44とピン27との間に、レバーブロック46を備えたチェーン47をわたしてそれぞれフック49、48を係り合わせる。これによって、互いに180度の間隔をおいた管の周方向の二か所の位置にチェーン47が配置されることになる。
【0018】この状態で作業者がレバーブロック46を操作することで、チェーン47が緊張され、挿口4に受口3内への挿入力が作用される。このとき、くの字形の連結バー38を用いて、挿口4側の環状体23における周方向に距離をおいた二か所のピン28、28の位置でこの環状体23に力が及ぼされるため、また、このような一対のピン28、28を180度の距離をおいた周方向に二か所の位置にそれぞれ配置して、一つの環状体23につき一対の連結バー38、38を用いて周方向の四か所で力を作用させるため、この力が周方向に分散された状態で挿口4に挿入力を作用させることが可能となる。このため、受口3と挿口4との間に曲がりが発生しない状態でこれら受口3と挿口4とを互いに接合することができる。
【0019】接合時の様子を図5を用いて説明する。図5(a)に示すように接合装置21を用いて異形管1の受口3の内部に異形管2の挿口4を挿入しようとする場合に、同図(b)に示すように管1、2どうしに屈曲が生じようとすることがあるが、挿口4に作用する挿入力が連結バー38によって周方向に分散されるために、図5(c)に示すように自動的に屈曲が修正された状態での接合が可能となる。すなわち図5(c)に示す真直な状態で管1、2どうしの接合が行われる。また、このため、接合前に受口3の内部にあらかじめ装着されていたリング状のゴムパッキンなどにずれが発生することが防止される。
【0020】受口3内への挿口4の挿入が完了して、管1、2どうしが互いに接合されたなら、レバーブロック46付きのチェーン47および連結バー38を取り外し、環状体22、23をそれぞれ受口3および挿口4から取り外すことで、接合装置21を解体する。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明によると、互いに接合される一方の管に固定される固定具に第1の係り合い部を設け、他方の管に固定される固定具の周方向に距離をおいた二か所に設けられた第2および第3の係り合い部に一端側および他端側が係り合う連結具を設け、この連結具における第2の係り合い部と第3の係り合い部との中間部と前記第1の係り合い部とが管の接合方向に沿って配置された状態で、前記中間部と第1の係り合い部とを互いに引き寄せる引き寄せ手段を設けたため、引き寄せ手段から他方の管の固定具に作用する力を周方向に均等に分散させることができ、したがって、引き寄せ時に力のバランスがくずれることがなく、たとえバランスをくずすような方向に力が働いても、自動的にバランスをとることができて、管どうしを真直に接合することができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年8月30日(1999.8.30)
【代理人】 【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開2001−65737(P2001−65737A)
【公開日】 平成13年3月16日(2001.3.16)
【出願番号】 特願平11−242390