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【発明の名称】 管継手および管継手の封止方法
【発明者】 【氏名】永山 清市

【要約】 【課題】樹脂製短管2の一端側の内周面に嵌め込まれるスティフナー11を拡径するか若しくは圧入して樹脂製短管2の一端側を拡径することにより樹脂製短管2の外周面を継手本体1の食込み歯4に食い込ませる管継手において、樹脂製短管2の拡径に伴い継手本体1の一端側の外端面を覆う樹脂被覆層3の筒状部3aが継手本体1から剥離するのを防止し、前記隙間の封止機能、継手本体1の防錆機能の低下ないし喪失を防止する。

【解決手段】樹脂製短管2の外周面を継手本体1内の食込み歯4に食い込ませた後に、樹脂被覆層3の筒状部3aの内周面と樹脂製短管2の一端側の外周面との間の隙間に、液状のシーラント12を注入充填することにより封止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一端側の内周面に食込み歯を設けた継手本体と、この継手本体の外周面を覆い継手本体の前記一端側の外端面を覆う筒状部を有する樹脂被覆層と、一端側を継手本体の前記一端側に挿入し他端側は継手本体の前記一端側より突出した樹脂製短管と、この樹脂製短管の前記一端側の内周面に嵌め込まれるスティフナーとからなり、前記スティフナーを拡径するか若しくは前記スティフナーを樹脂製短管の前記一端側に圧入して樹脂製短管の前記一端側の外周面を前記食込み歯に食い込ませてなる管継手において、前記筒状部の内周面と樹脂製短管の前記一端側の外周面との間の隙間が、樹脂製短管の外周面と前記食込み歯との食い込み後に注入充填された液状のシーラントで封止されていることを特徴とする管継手。
【請求項2】 外周面と一端側の外端面とが樹脂被覆層で覆われ、一端側の内周面に食込み歯が設けられた継手本体の前記一端側に、樹脂製短管の一端側を挿入し、次いで、樹脂製短管の前記一端側の内周面にスティフナーを嵌め込んで樹脂製短管の前記一端側を拡径することにより樹脂製短管の一端側の外周面を前記食込み歯に食い込ませ、この食い込ませ後に、継手本体の前記一端側の外端面を覆った前記筒状部の内周面と、樹脂製短管の前記一端側の外周面との間の隙間に、液状のシーラントを注入充填して封止することを特徴とする管継手の封止方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、継手本体に樹脂製短管を一体的に組み込んで成り、ガス配管などにおいて金属製の管と樹脂製の管とを接続するのに用いられる管継手、およびその管継手の封止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の管継手は、例えば、特許第2608489号(特開平4−145283号公報)に公知である。この管継手は、図5に示すように、一端側の内周面に食込み歯4を設けた継手本体1と、この継手本体1の外表面を覆い継手本体1の前記一端側より突出した筒状部3aを有する樹脂被覆層3と、一端側を継手本体1の前記一端側に挿入し他端側は継手本体1の前記一端側より突出した樹脂製短管2と、前記筒状部3aの内周面と樹脂製短管2の前記一端側の外周面との間に介入したパッキン25と、樹脂製短管2の前記一端側の内周面に嵌め込まれるスティフナー11とからなり、前記スティフナー11を拡径して樹脂製短管2の前記一端側の外周面を前記食込み歯4に食い込ませてなる、というものがある。これによれば、樹脂製短管2の一端側の外周面と継手本体1の食込み歯4との食い込みにより樹脂製短管2の引抜き阻止力を発揮し、同時にパッキン25により内部流体の漏洩と外部からの土砂や地下水などの侵入とを防止できる、という利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記管継手の製造に際しては、樹脂被覆層3を外周面に形成した継手本体1の内面に、予めパッキン25を外周面に、スティフナー11を内周面にそれぞれ嵌装した樹脂製短管2を挿入し、しかる後に拡径用治具でスティフナー11を拡径し、この拡径により樹脂製短管2をも拡径して樹脂製短管2の一端側の外周面を継手本体1の食込み歯4に食い込ませている。しかるに、そのようにパッキン25が、樹脂製短管2の一端側を継手本体1の食込み歯4に食い込ませる前に、樹脂製短管2の一端側の外周面と樹脂被覆層3の筒状部3aの内面との間に介入されていると、スティフナー11の拡径に伴い樹脂製短管2を拡径する時に、この樹脂製短管2の拡径作用によりパッキン25が樹脂被覆層3の筒状部3aの内面上で圧縮してシール性を発揮する反面、樹脂被覆層3の筒状部3aが圧縮パッキン25の押圧力を受けて継手本体1の外端面1bから径方向外方Aへ剥離し易くなり、この剥離によりパッキン25による封止機能、および樹脂被覆層3による継手本体1の防錆機能を低下ないし喪失するという問題が生じる。
【0004】そこで、本発明は、上記パッキンによる封止手段を改善することにより樹脂製短管の一端側の外周面を継手本体の食込み歯に食い込ませるときに樹脂被覆層が樹脂製短管の一端側の外端面から剥離するのを防止でき、封止機能、防錆機能の低下ないし喪失を防ぐことのできる管継手およびその封止方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の管継手は、一端側の内周面に食込み歯を設けた継手本体と、この継手本体の外周面を覆い継手本体の前記一端側の外端面を覆う筒状部を有する樹脂被覆層と、一端側を継手本体の前記一端側に挿入し他端側は継手本体の前記一端側より突出した樹脂製短管と、この樹脂製短管の前記一端側の内周面に嵌め込まれるスティフナーとからなり、前記スティフナーを拡径するか若しくは前記スティフナーを樹脂製短管の前記一端側に圧入して樹脂製短管の前記一端側の外周面を前記食込み歯に食い込ませてなる管継手において、前記筒状部の内周面と樹脂製短管の前記一端側の外周面との間の隙間が、樹脂製短管の外周面と前記食込み歯との食い込み後に注入充填された液状のシーラントで封止されていることに特徴を有する。
【0006】本発明の管継手の封止方法は、外周面と一端側の外端面とが樹脂被覆層で覆われ、一端側の内周面に食込み歯が設けられた継手本体の前記一端側に、樹脂製短管の一端側を挿入し、次いで、樹脂製短管の前記一端側の内周面にスティフナーを嵌め込んで樹脂製短管の前記一端側を拡径することにより樹脂製短管の前記一端側の外周面を前記食込み歯に食い込ませ、この食い込ませ後に、継手本体の前記一端側の外端面を覆った前記筒状部の内周面と、樹脂製短管の前記一端側の外周面との間の隙間に、液状のシーラントを注入充填して封止することに特徴を有するものである。
【0007】
【作用】スティフナーの嵌め込みに伴い拡径される樹脂製短管の一端側の外周面は継手本体の内周面の食込み歯に食い込ませるので、樹脂製短管が継手本体から引き抜けるのを阻止することができる。その食込み歯に食い込んだ樹脂製短管の一端側の内面はスティフナーによって補強支持されているため、樹脂製短管の引抜き阻止力に十分対抗できる。
【0008】樹脂被覆層の筒状部の内周面と樹脂製短管の一端側の外周面との間の隙間は液状のシーラントで封止されるので、当該箇所からの内部流体の漏洩と外部からの土砂や地下水などの侵入とを防止できる。特に、そのシーラントは、樹脂製短管の外周面と継手本体の食込み歯とを食い込ませた後に、樹脂被覆層の筒状部の内周面と樹脂製短管の一端側の外周面との間の隙間に注入充填するので、予めパッキンを樹脂製短管の外周面に嵌装しておいて樹脂製短管を継手本体の食込み歯に食い込ませるという前述した従来例の封止構造により生じる不具合、すなわち樹脂被覆層の筒状部の剥離問題を起こすことなく、前記隙間を封止することができ、また樹脂製短管にパッキンを予め嵌装する手間も不要となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は管継手の半欠截断面図、図2は管継手により金属製管と樹脂製管とを接続した使用状態を示す半欠截断面図である。
【0010】図1において、本発明に係る管継手は金属製の継手本体1と、ポリエチレン管等の樹脂製短管2とを備える。継手本体1の外周面1aは防食用の樹脂被覆層3で覆われるとともに、継手本体1の一端側の外端面1bも樹脂被覆層3よりなる筒状部3aで覆われている。継手本体1の一端側の内周面には断面鋸歯状の食込み歯4が軸方向に所定ピッチで刻設されるとともに、その食込み歯4より内奥に環状凹溝5が形成されている。その環状凹溝5にはゴム輪よりなるパッキン6が嵌め込まれている。継手本体1の他端側の外周には雄ねじ7が設けられ、この雄ねじ7に金属製の押輪8の一端側の内周に設けた雌ねじ9が螺合されている。押輪8の外周面は防食用の樹脂被覆層10で覆われている。
【0011】樹脂製短管2の一端側の内周には、銅やステンレス鋼など延性を有する金属で筒状に形成されたスティフナー11を嵌め込んでいる。この樹脂製短管2の一端側は継手本体1の一端側の内周に挿入した後、拡径用治具を樹脂製短管2の他端側または継手本体1の他端側よりスティフナー11の内面に挿入して、該スティフナー11を拡径する。スティフナー11を拡径すると、樹脂製短管2の一端側も拡径され、樹脂製短管2の一端側の外周面は継手本体1の食込み歯4に食い込むと同時にパッキン6を継手本体1の環状凹溝5の溝底面で圧縮する。樹脂製短管2の一端側を拡径する手段としては、スティフナー11を拡径するに代えて、樹脂製短管2の一端側の内径よりも少し大きい外径のスティフナー11を、樹脂製短管2の一端側に圧入することによっても樹脂製短管2の一端側を拡径することができる。
【0012】食込み歯4に食い込んだ樹脂製短管2はスティフナー11によって内面が補強支持されているため、継手本体1と樹脂製短管2とが相対的に抜止め状に一体的に結合された状態が堅持されるとともに、パッキン6の圧縮によってシール性が確保される。
【0013】このように樹脂製短管2の一端側を継手本体1に対し食込み結合させた後は、樹脂被覆層3の筒状部3aの内周面と樹脂製短管2の一端側の外周面との間の隙間が、液状のシーラント12を注入充填することによって封止される。シーラント12には、シリコーンゴムやイソブチレン重合体等の液状ガスケットを用いる。このシーラント12は、内部流体が漏洩するのを防止し、また外部からの土砂や地下水などが樹脂被覆層3の筒状部3aの内周面と樹脂製短管2の一端側の外周面との間から侵入するのを防止する封止機能を十分に発揮する。なお、継手本体1内の内向鍔17と樹脂製短管2の一端に臨むスティフナー11の端部との間には絶縁リング18を介在している。
【0014】このように製造された管継手は、ガス配管などにおいて、図2のように、鋼管、鋳鉄管などの金属製管13と、ポリエチレン管などの樹脂製管14とを接続するのに用いられる。
【0015】樹脂製管14は、継手本体1の一端側より突出している樹脂製短管2の他端側に接合され、金属製管13は、継手本体1の他端側に押輪8などによって接合される。樹脂製管14の接合に際しては、例えば、図2のように、電熱線15を埋設した樹脂製のEF継手16を用い、EF継手16の一端側を樹脂製短管2の他端側に挿入し、EF継手16の他端側に樹脂製管14の一端側を挿入した後、電熱線15に通電を行ってEF継手16の一端側と樹脂製短管2の他端側を加熱溶融させて接合し、またEF継手16の他端側と樹脂製管14の一端側を加熱溶融させて接合する。または、図3のように、予め樹脂製短管2の他端側の内部に電熱線15を埋設しておき、樹脂製短管2の他端側に樹脂製管14の一端側を挿入した後、電熱線15に通電を行って樹脂製短管2の他端側と樹脂製管14の一端側を加熱溶融させて接合する。
【0016】一方、金属製管13はこれの一端側に予め押輪8、ボールバンド19、リテーナ20、ゴム管21を順に嵌装し、この一端側を継手本体1の他端側に挿入して、押輪8を継手本体1の他端側の雄ねじ7に締め付けることによりシール状態に接合される。
【0017】上記管継手において、継手本体1は図1に示すストレート形のものに代えて、図4に示すごとくエルボ形、あるいはT形のもの等にも同様に適用できる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂製短管の外周面を継手本体の食込み歯に食い込ませた後に、樹脂被覆層の筒状部の内周面と樹脂製短管の一端側の外周面との間の隙間に液状のシーラントを注入充填して封止する。したがって、樹脂製短管の一端側の拡径に伴い継手本体の一端側の外端面を覆う樹脂被覆層の筒状部が継手本体から剥離するのを防止でき、前記隙間の封止機能、継手本体の防錆機能を十分に確保できて有利である。
【出願人】 【識別番号】000231121
【氏名又は名称】日本鋼管継手株式会社
【出願日】 平成11年7月19日(1999.7.19)
【代理人】 【識別番号】100072338
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 孝一 (外1名)
【公開番号】 特開2001−32983(P2001−32983A)
【公開日】 平成13年2月6日(2001.2.6)
【出願番号】 特願平11−204951