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【発明の名称】 管継手構造
【発明者】 【氏名】大谷 和弘

【氏名】村本 晴正

【氏名】石川 貴章

【氏名】上村 浩一

【要約】 【課題】配管へのホースの取付け及び取り外しが容易で且つ簡易に緩み止め防止を実現できる管継手構造を提供する。

【解決手段】金具4の端部に対し回転自在且つ抜け止め状態で袋ナット5が取り付けられている。配管側継手部1の外径面に設けられた雄ねじ部1bに緩み止め用ナット2が螺合している。袋ナット5は上記雄ねじ部1bに所定の締付け力で螺合していると共に、緩み防止用ナット2を締め付けることで、袋ナット5と緩み防止ナット2とは所定の締付け力でテーパ面で係合する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2つの管の端部にそれぞれ設けられた継手部同士を同軸状態に突き合わせて着脱可能に接続する管継手構造であって、一方の継手部の端部に対し回転自在且つ抜け止め状態で取り付けられた袋ナットと、他方の継手部の外径面に設けられて上記袋ナットを螺合する雄ねじ部と、その雄ねじ部に螺合し且つ軸方向で上記袋ナットに当接させる緩み防止用ナットとを備え、軸方向で当接した上記袋ナットと緩み防止ナットとはテーパ面で係合することを特徴とする管継手構造。
【請求項2】 上記継手部同士の突合せ部は、テーパ面で係合することを特徴とする請求項1に記載した管継手構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配管やホース等の管を着脱可能に接続する管継手構造に関するものであり、特に振動が入力される部分での接続に有効な管継手構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、配管とホースは、図5に示すような管継手構造で接続される。この管継手構造では、配管50の継手側端部における内径面に雌ねじ50aが設けられていると共に、ホース51の端部にホース側金具52(ホース側継手部)が同軸に取り付けられている。このホース側金具52には、回転自在且つ抜け止め状態に袋ナット53が取り付けられている。
【0003】そして、上記配管50の継手側端部に、ニップル54の軸方向一端部を同軸に螺合して連結させると共に、そのニップル54の軸方向他端部の端面に、上記ホース側金具52の端面を同軸に突合せた状態で、袋ナット53をニップル54の他端部側に螺合し締め付けることによって、配管50とホース51とが接続される。
【0004】このとき、上記各ねじ部X、Y(各接続部分)での緩み防止は、ホース51の取替え等における取り外し作業性を考慮して施されないことが多いが、振動の激しい機械や装置などに使用される場合には、上記図5に示されるように、配管50の継手側端部と上記袋ナット53とを、緩み防止金具55を介して溶接等で固着して各ねじ部X、Yでの緩み発生を防止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】緩み防止対策を施していない場合には、振動によって各ねじ部X、Yに緩みが発生するおそれがあり、緩みが発生すると管内を流れる液体や気体が接続部から漏れるという問題がある。一方、上記のような緩み防止金具55でねじ部X、Yの緩みを防止した場合には、当該緩み防止金具55の取付け作業が溶接作業になるなど面倒となるばかりか、ホース51の取替え等の作業のために配管50からホース51を外す際に、ガス切断等の特殊工具を使用して上記緩み防止金具55の取り外し作業を行う必要がある。
【0006】本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、配管へのホースの取付け及び取り外しが容易で且つ簡易に緩み止め防止を実現できる管継手構造を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、2つの管の端部にそれぞれ設けられた継手部同士を同軸状態に突き合わせて着脱可能に接続する管継手構造であって、一方の継手部の端部に対し回転自在且つ抜け止め状態で取り付けられた袋ナットと、他方の継手部の外径面に設けられて上記袋ナットを螺合する雄ねじ部と、その雄ねじ部に螺合し且つ軸方向で上記袋ナットに当接させる緩み防止用ナットとを備え、軸方向で当接した上記袋ナットと緩み防止ナットとはテーパ面で係合することを特徴とする管継手構造を提供するものである。
【0008】次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明に対し、上記継手部同士の突合せ部は、テーパ面で係合することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施形態に係る管継手構造を示す断面図である。図1中、符号1は配管側の継手部を表し、その内径面に先端に向けて薄肉となるようにテーパ加工されて当該内径面にテーパ面1aが形成されている。その配管側継手部1の外径面には雄ねじ部1bが形成されている。その配管側継手部1は、配管自体であっても良いし、当該配管本体の端部に取り付けられたソケットであっても良い。また、上記配管側継手部1の雄ねじ部1bに対して緩み防止用ナット2が螺合している。
【0010】また、ホース3の端部には、ホース側の継手部を構成する金具4が取り付けられている。その金具4の配管側端部の外径面には、上記配管側継手部1のテーパ面1aに係合可能なテーパ面4aが形成されている。その金具4に対し、回転自在で且つ抜け止め状態に袋ナット5が取り付けられている。上記袋ナット5の先端部は、図2に示すように、先端に向けて肉厚が薄くなっていることで、当該先端部外径面にテーパ角θのテーパ面5aが形成されている。また、上記緩み防止用ナット2の上記袋ナット5と対向する側の内径面には、図3に示すように、上記袋ナット5のテーパ面5aに係合するテーパ角θのテーパ面2aが形成されている。
【0011】そして、配管側継手部1と金具4とを同軸に対向させた状態で、袋ナット5を配管側継手部1の雄ねじ部1bに螺合させて締め付けることで、当該配管側継手部1の端面と金具4の端面とがテーパ面1aで係合して所定の締付け力で密封状態となり、もって配管とホース3とが接続する。このように、配管側継手部1の端面と金具4の端面とをテーパ形状の面1a、4aで突き合わせて袋ナット5で締め付けることで、くさび効果と共に両者の突合せ面積を広く確保できて、配管とホース3との接触面に所望のシール効果が確保される。
【0012】次に、上記締め付けた袋ナット5の回転を拘束した状態で、緩み防止用ナット2を袋ナット5に向けて回転し、当該緩み防止用ナット2を上記袋ナット5に向けて締め付ける。なお、両ナット2、5において軸方向で対向する軸に直交する面の間には、図4に示すように、所定の隙間L、L′が設けられるように予め加工しておき、テーパ面1a間での十分な締付け力を入力可能にしておく。
【0013】これによって、配管側継手部1と袋ナット5及び配管側継手部1と緩み防止用ナット2との各ねじ間で引張方向の軸力が付与されて、配管とホース3との接続部に振動が入力しても両ナット2、5が緩むことが防止される。同時に、両ナット2、5の当接部の互いに係合するテーパ面2a、5a間によるくさび効果によって、当該両ナット2、5の接触面に大きな摩擦力が発生するため、上記振動が入力しても、袋ナット5に対し相対的に緩み防止用ナット2が回転して当該緩み防止用ナット2による締付けが緩むこともない。このような結果、シール性を確保する袋ナット5の緩みが防止される。
【0014】ここで、上記実施形態では、配管側継手部1と金具4とをテーパ面2a、5aで係合するように突き合わせているが、テーパ面1a、4aを設けなくても良い。テーパ面1a、4aで係合するように突き合わせた方がシール性は良いが、テーパ面1a、4aを設けなくても、配管側継手部1と金具4との間にリング状のシール部材などを介挿させることで、要求されるシール性は確保可能である。
【0015】また、上記実施形態では、袋ナット5の外径面及び緩み防止用ナット2の内径面にテーパ加工をした場合を例に説明しているが、袋ナット5の内径面及び緩み防止用ナット2の外径面にテーパ加工を施して、袋ナット5と緩み防止用ナット2とをテーパ面で係合させるようにしても良い。また、上記実施形態では、金具4の外径面及び配管側継手部1の内径面にテーパ加工をした場合を例に説明しているが、金具4の内径面及び配管側継手部1の外径面にテーパ加工を施して、金具4と配管側継手部1とをテーパ面で係合させるようにしても良い。
【0016】また、上記実施形態では、袋ナット5を金具4に設けた例で説明しているが、袋ナット5を配管側継手部1側に回転自在且つ抜け止め状態で取り付けても良い。この場合には、金具4側に雄ねじ部1b及び緩み防止用ナット2が配置される。ここで、各テーパ面2a、5aのテーパ角度θは、30度程度とすればよい。ただし、各テーパ面2a、5a間に作用する摩擦力F2は、下記(1)式で表され、テーパ角θが小さくなる程大きくなるので、テーパ角θを小さく設定した方が、より有効にシール性及び緩み抑止力が確保できる。
【0017】F2=μ・F1/(2・sin 2θ)
ここで、F1はねじ部に付与された軸方向引張力、μは摩擦係数である。また、上記実施形態は、ホースと配管とを接続する場合の例であるが、本発明はこれに限定されず、配管と配管との接続にも適用できる。この場合には、一方の配管の端部には金具4を溶接により取り付けて継手部とし、他方の配管の端部は、外径面に雄ねじ部1bを形成させた継手部1としておけばよい。
【0018】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の管継手構造を採用すると、緩み防止用ナットを締め付けるという簡単な手段で袋ナットが緩むことが防止され、振動が激しい箇所であっても液漏れやガス漏れの発生が防止できると効果がある。また、緩み防止用ナットを緩めることで、ホースの取替えも容易である。
【0019】また、本実施形態では、ニップル(図5における符号54の部品を参照)が不要となり、シールすべき位置が1箇所となるという効果がある。すなわち、1箇所のシール面だけに液漏れやガス漏れの対策を施せば良いという効果がある。このとき、請求項2に記載の発明を採用することで、シール面のシール性が向上し、所望のシール性を確保できるという効果がある。
【出願人】 【識別番号】000001258
【氏名又は名称】川崎製鉄株式会社
【出願日】 平成11年7月16日(1999.7.16)
【代理人】 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也 (外2名)
【公開番号】 特開2001−32980(P2001−32980A)
【公開日】 平成13年2月6日(2001.2.6)
【出願番号】 特願平11−203404