| 【発明の名称】 |
高圧ゴムホース |
| 【発明者】 |
【氏名】青柳 奈須雄
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| 【要約】 |
【課題】高圧に耐えることが出来ると共に、耐引張り力が大きく金具端末部での破損を有効に防止でき、柔軟性に富んだ高圧ホースを提供することにある。
【解決手段】高圧ゴムホース1aは、内面ゴム層2,センター布3と外面ゴム層4との間に、層間ゴム層5a,5bを中間に介在させて内圧力負担層となる4層の鋼線スパイラル補強層12a,12b,12c,12dと、引張り荷重負担層となる2層の鋼線スパイラル補強層13a,13bとを配設し、内圧力負担層となる4層の鋼線スパイラル補強層12a,12b,12c,12dの鋼線巻付け角度αa 〜αd は、従来の汎用ホースと同じ103°〜120に設定し、また引張り荷重負担層となる2層の鋼線スパイラル補強層13a,13bの鋼線巻付け角度αe ,αf は、90°〜103°に設定し、引張り荷重負担層の巻付け角度を、内圧力負担層の最小巻付け角度より小さくなるように設定してある。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内面ゴム層と外面ゴム層との間に、層間ゴム層を介して複数の鋼線スパイラル補強層を介在させて構成して成る高圧ゴムホースにおいて、前記鋼線スパイラル補強層の内面ゴム層側の二層以上を内圧力負担層にすると共に、その外周の少なくとも二層以上を引張り荷重負担層に構成し、前記引張り荷重負担層の巻付け角度を、内圧力負担層の巻付け角度よりも小さく設定して成る高圧ゴムホース。 【請求項2】 前記内圧力負担層及び引張り荷重負担層を、二層以上の偶数層に設定した請求項1に記載の高圧ゴムホース。 【請求項3】 前記引張り荷重負担層の巻付け角度を、内圧力負担層の最小巻付け角度より小さい90〜103°に設定した請求項1または2に記載の高圧ゴムホース。 【請求項4】 前記引張り荷重負担層の鋼線密度を70〜90%に設定した請求項1,2または3に記載の高圧ゴムホース。 【請求項5】 前記引張り荷重負担層側の層間ゴム層の肉厚を、内圧力負担層側の層間ゴム層の肉厚よりも大きく設定した請求項1,2,3,または4に記載の高圧ゴムホース。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、単長20m或いは40mのゴムホースの両端に金具を組み付けたアセンブリホースを数本連結し、リールに巻いて使用する高圧ゴムホースに係わり、更に詳しくは特に金具端末部で曲げ、引張り、曲げ変形を要求される土木機械等で使用される高圧ゴムホースに関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、建設機械,土木機械等で使用される内圧と引張り荷重と曲げとが同時に作用し、しかもリール等に巻付け,巻出しを繰返し行う低伸長の高圧ゴムホースとしては、図6に示すように高圧ゴムホース1の両端に金具20を組付けたアセンブリホースを数本連結して使用され、このような高圧ゴムホース1の構成としては、例えば、図2〜図5に示すように、種々の構造のものが提案されている。 【0003】例えば、図2に示すような汎用の高圧ゴムホース1の場合は、内面ゴム層2,センター布3と外面ゴム層4との間に、層間ゴム層5を中間に介在させて内圧力負担層となる6層の鋼線スパイラル補強層7a,7b,7c,7d,7e,7fを配設し、この鋼線スパイラル補強層7a〜7fの鋼線巻付け角度αa 〜αf は、αa <αb <αc <αd <αe <αf となるように構成されている。 【0004】また、他の従来例としては、図3に示すように内面ゴム層2,センター布3と外面ゴム層4との間に、層間ゴム層5を中間に介在させて内圧力負担層となる4層の鋼線スパイラル補強層8a,8b,8c,8dと、引張り荷重負担層となる1層の鋼線編組層9とを配設して構成し、鋼線スパイラル補強層8a,8b,8c,8dの鋼線巻付け角度αa 〜αd は、αa <αb <αc <αd となるように構成されている。 【0005】更に、図4に示す従来例は、内面ゴム層2と外面ゴム層4との間に、内圧力負担層となる2層の鋼線編組層10a,10bと、引張り荷重負担層となる1層の鋼線編組層10cとを配設して構成し、また図5に示す従来例は、内面ゴム層2と外面ゴム層4との間に、内圧力負担層となる2層の鋼線編組層11a,11bと、引張り荷重負担層となる1層の糸編組層11cとを配設して構成してある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】然しながら、図2に示すような汎用の高圧ゴムホース1の場合は、内圧力負担層のみから構成されているため、ホースに引張り荷重が作用した場合、ホースの伸びが非常に大きくなると共に、ホース本体の内径が細くなり、後に荷重を取り除いても元の状態には復元しなくなると言う問題がある。 【0007】また、図3に示す高圧ゴムホースの場合は、引張り荷重負担層となる1層の鋼線編組層9が最外層に配設され、この鋼線編組層9の鋼線径は、ホースの加工上直径0.4mm以下の制約があるため、耐引張り力不足となり、鋼線編組層9が図6で示すように金具20の金具端末部20aで破損すると言う問題がある。 【0008】更に、図4に示す内圧力負担層となる2層の鋼線編組層10a,10bと、引張り荷重負担層となる1層の鋼線編組層10cとからなる高圧ゴムホースの場合は、耐圧力不足、及び座屈が発生し易いと言う問題がある。 【0009】また、図5に示す内圧力負担層となる2層の鋼線編組層11a,11bと、引張り荷重負担層となる1層の糸編組層11cとからなる高圧ゴムホースの場合は、耐圧力不足及び耐引張り力不足のため荷重に対する伸びが大きく、荷重を取り除いても元の状態には復元しなくなると言う問題がある。 【0010】以上のように、従来の高圧ホースの場合には、いずれも種々の問題を具備するものであった。 【0011】この発明の目的は、高圧に耐えることが出来ると共に、耐引張り力が大きく金具端末部での破損を有効に防止でき、柔軟性に富んだ高圧ホースを提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達成するため、鋼線スパイラル補強層の内面ゴム層側の二層以上を内圧力負担層にすると共に、その外周の少なくとも二層以上を引張り荷重負担層に構成し、前記引張り荷重負担層の巻付け角度を、内圧力負担層の巻付け角度よりも小さく設定したことを要旨とするものである。 【0013】この発明は、上記のように構成され、内圧力負担層が鋼線スパイラルで構成するため、高圧に耐え得ることが出来ると共に、引張り荷重負担層が鋼線スパイラルで構成されているため、鋼線線径は特に制約を受けることがなく、0.4mmより太い鋼線の使用も可能であり、耐引張り力が大きくなり金具端末部での破損を有効に防止することが出来るものである。更に、引張り荷重負担層の鋼線密度を70〜90%に設定してあるので、柔軟性に富みリールに巻付けることも容易に行うことが出来る。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。なお、従来例と同一構成要素は、同一符号を付して説明は省略する。 【0015】図1は、この発明を実施したリール巻き高圧ホースの補強構造を示す一部切欠した正面図を示し、この高圧ゴムホース1aは、内面ゴム層2,センター布3と外面ゴム層4との間に、層間ゴム層5a,5bを中間に介在させて内圧力負担層となる4層の鋼線スパイラル補強層12a,12b,12c,12dと、引張り荷重負担層となる2層の鋼線スパイラル補強層13a,13bとを配設して構成してあり、内圧力負担層及び引張り荷重負担層は、バンラスの関係上、二層以上の偶数層に設定することが望ましい。 【0016】前記内圧力負担層となる4層の鋼線スパイラル補強層12a,12b,12c,12dの鋼線巻付け角度αa 〜αd は、従来の汎用ホースと同じ103°〜120°に設定し、また引張り荷重負担層となる2層の鋼線スパイラル補強層13a,13bの鋼線巻付け角度αe ,αf は、90°〜103°に設定し、引張り荷重負担層の巻付け角度を、内圧力負担層の最小巻付け角度より小さくなるように設定してある。 【0017】即ち、一般の高圧ホースは、ホースの一端から引張り荷重が作用した場合、ホースの補強層の巻付け角度は変化し、その結果ホースは伸びることになる。その時、巻付け角度が大きいもの程変化し易く、巻付け角度が小さい程変化し難くなるものである。つまり、引張り荷重が作用した場合、巻付け角度が小さいものが引張り荷重を受けやすく、逆に巻付け角度が大きいものは変化し易い(伸び易い)ため、引張り荷重が作用した場合、変化して荷重を受け難くなる。 【0018】従って、上記のように張り荷重負担層の巻付け角度を、内圧力負担層の巻付け角度より小さくしておかないと、引張り荷重を内圧力負担層で受けなければならず、内圧力負担層がホース内圧に引張り荷重を加えた荷重が作用して破損し易くなり、これを防止するために上記のような巻付け角度配置としたものである。これを模式図で示すと、図7に示すようになる。 【0019】即ち、鋼線(A)α:巻付け角度小(張り荷重負担層)、鋼線(B)β:巻付け角度大(内圧力負担層)、とした場合、今、各層を自由に動けると仮定した場合、ホースを引張ることにより、それぞれ(A),(B)は、(A’),(B’)へ移動する。その時、ホースの伸び量をKA ,K Bの関係は、KA <K Bとなる。実際のホースの伸びは、2層共同じであることから、(B)層には引張り荷重がかからないことになる。 【0020】以上のような理由により、内圧力負担層から引張り荷重負担層の巻付け角度を、αe ≦αf <αa <αb <αc <αd に設定するのが望ましい。 【0021】次に、前記引張り荷重負担層(鋼線スパイラル補強層13a,13b)の鋼線密度は、従来の高圧ホースは一般に90%を超え、95%以下に設定されているのに対して、この発明の実施形態における高圧ホース1aは、70%〜90%に設定してある。 【0022】即ち、鋼線密度を70%以下に設定すると、ホースの口金を装着する際、鋼線の切れが発生し易く、また90%以上とした場合には、曲げ力が大きくなり、リールに巻付けるのが難くなり、使用上に支障を来すからである。 【0023】また、前記引張り荷重負担層(鋼線スパイラル補強層13a,13b)側の層間ゴム層5bの肉厚を、内圧力負担層(鋼線スパイラル補強層12a,12b,12c,12d)側の層間ゴム層5aの肉厚よりも大きく設定してある。 【0024】即ち、この発明の実施形態における高圧ゴムホース1aは、リール巻きのために柔軟性が要求される。柔軟性を良くするには、層間ゴムの厚さを厚くすれば良いが、反面ホース外径が太くなり、耐圧力が低下すると共に、質量が大きくなる等の問題が生じる。 【0025】そこで、この実施形態における高圧ホース1aの場合には、内圧力負担層側の層間ゴム層5aの肉厚は、従来の汎用ホースの層間ゴム層の肉厚(0.2mm)と同様とし、引張り荷重負担層側の層間ゴム層5bの肉厚を、内圧力負担層側よりも厚く(例えば、0.6mm程度)とすることにより、ホースを曲げ易くしたものである。 【0026】また、従来のような鋼線編組補強層の場合には、編組加工上、鋼線直径が0.4mm以下の制約があるが、この発明の実施形態では、鋼線スパイラル補強層で構成してあるため、加工上の制約がなく、従って引張り荷重負担層の鋼線の線径を0.4mmよりも太い鋼線を使用することが出来る。これにより、耐引張り力が大きくなり、金具端末部での破損を防止することが出来る。 【0027】次に、この発明のリール巻き高圧ホースの実験結果を、以下の表1及び表2に示す。 【0028】なお、この実験に使用した高圧ホースの仕様は、内径:50.8mm、外径:75mm、鋼線の線径:0.8 mm、層間ゴム(内圧力負担層:0.2 mm、引張り荷重負担層:0.6 mm) である。また、W/Sは鋼線(ワイヤー)/スパイラルを示している。 【0029】以下の表1は、リール巻き高圧ホースの内圧力負担層の巻付け角度、引張り荷重負担層の編組角度または巻付け角度を種々に設定した場合であり、本願発明の実施例1,2と、比較例1,2,3及び従来例1,2について、破壊圧力、引張り破断力、ホースの伸び、曲げ力を比較したものである。 【0030】 【表1】
【0031】なお、上記表1において、曲げ力は、比較例1>比較例3>実施例1>実施例2>比較例2の順になっているのは、引張り荷重負担層の巻付け角度によるものである。 【0032】また、従来例2(汎用ホース)が実施例1,実施例2,比較例2よりも曲げ力が大きいのは、4W/Sと5W/S、5W/Sと6W/S間の層間ゴムの厚さが実施例1,実施例2,比較例2よりも薄いからである。つまり、従来例2の層間ゴムの厚さは0.2 mm、他のホースは0.6 mmである。 【0033】また、以下の表2は、リール巻き高圧ホースの内圧力負担層の巻付け角度、引張り荷重負担層の巻付け角度を一定に設定し、層間ゴムの厚さを変えた場合の実験例を示している。 【0034】 【表2】
【0035】なお、上記表2において、比較例2では、実施例1,2に比べて曲げ力が小さいのは、引張り荷重負担層の層間ゴムの厚さが厚くなっているからである。 【0036】 【発明の効果】以上のように、この発明では鋼線スパイラル補強層の内面ゴム層側の二層以上を内圧力負担層にすると共に、その外周の少なくとも二層以上を引張り荷重負担層に構成し、前記引張り荷重負担層の巻付け角度を、内圧力負担層の巻付け角度よりも小さく設定したので、高圧に耐えることが出来ると共に、耐引張り力が大きく金具端末部での破損を有効に防止でき、柔軟性に富んだ高圧ホースとすることが出来る効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006714 【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年7月23日(1999.7.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066865 【弁理士】 【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−32966(P2001−32966A) |
| 【公開日】 |
平成13年2月6日(2001.2.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−209439 |
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