| 【発明の名称】 |
管継手 |
| 【発明者】 |
【氏名】大道 康之
|
| 【要約】 |
【課題】接続されるポリエチレン樹脂管の外表面に鋭利な傷が入っても、水密性にすぐれた接続部を得ることができる管継手を提供すること。
【解決手段】継手本体2の受け口21の内周面に設けられた環状凹部211の内周面が開口端側に向かって縮径する傾斜内周面212を有し、この環状凹部211に、短円筒部41の一端にフランジ42を有するコレット4の短円筒部41が遊嵌状態で配置され、このコレット4の内方に、径小の短円筒部3が継手本体2の軸心と同心状に継手本体2の奥部内周面から開口端側に一体に延設して配置され、この短円筒部3の外周面に設けられた環状溝31にシールリング32が装着されている管継手1。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】継手本体の受け口の内周面に設けられた環状凹部の内周面が開口端側に向かって縮径する傾斜内周面を有し、この傾斜内周面側の環状凹部に、短円筒部の一端にフランジを有する管締付け部材の短円筒部が遊嵌状態で配置され、この管締付け部材の内方に、接続される樹脂管が外挿される径小の短筒部が前記継手本体の軸心と同心状に配置され、この短筒部の外周面に設けられた環状溝にシールリングが装着されていることを特徴とする管継手。 【請求項2】短筒部の奥部側端部が継手本体の内周面と連接されている請求項1記載の管継手。 【請求項3】短筒部が継手本体とは別体のものであり、短筒部の奥部側の外周面が第2のシールリングを介して継手本体の内周面と水密状に当接されている請求項1記載の管継手。 【請求項4】シールリングよりも奥側に位置する継手本体の受け口の壁部に、開口孔が設けられている請求項1記載の管継手。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は流体供給用の樹脂管との接続を簡単に行え、かつ、水密性にすぐれた接続部を得ることができる管継手に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、継手本体内に樹脂管の端部を差し込むだけで、簡単に連結できる管継手として、たとえば特公昭51−14166号公報、特開平6−193787号公報、米国特許第4005883号明細書などにおいて、図5に示す構造のものとほぼ同一の管継手が開示されている。 【0003】図5に示す管継手1は、真鍮製の継手本体2と、この継手本体2の一端部内側に遊嵌状態で配置されている管締付け部材であるコレット4とからなっている。継手本体2は雄ネジタイプのものであり、一端部が受け口21、他端部が雄ネジ接続部22とされている。受け口21内にたとえばポリエチレン樹脂管が接続され、雄ネジ接続部22に金属管が接続されるようになっている。受け口21側の内周面には環状凹部211が設けられ、この凹部211の受け口21開口端側の内周面は先細り状の傾斜内周面212とされている。 【0004】環状凹部211の奥部側にはシール用ゴム輪3が配置されている。継手本体2の受け口21と雄ネジ接続部22との境界部内周面には環状のストッパー214が一体に周設されている。6はガイド用のフランジ付き内筒であり、受け口21内に同心状に配置されている。内筒6の外径は接続されるポリエチレン樹脂管の内径にほぼ等しくされている。 【0005】コレット4は、図6および図7に示すように、短円筒部41の一端にフランジ42を有するものである。短円筒部41のフランジ42と反対側の壁部411には6個の逆T字状の切欠部412が軸芯方向に沿って形成されることで6本の横断面形状が円弧状の腕部413が形成されている。各腕部413の先端は厚肉とされ、内向きの刃415を有する歯部414とされている。 【0006】短円筒部41の内径は接続されるポリエチレン樹脂管の外径より少し径大とされ、フランジ42の外径は継手本体2の受け口21の外径とほぼ同径とされている。また、相対向する歯部414間の自由状態での外径は、継手本体2の環状凹部211の最大内径よりも径小で、かつ、継手本体2の開口端側の内径より径大とされている。 【0007】そして、継手本体2の受け口21内にポリエチレン樹脂管5が接続された際、コレット4の腕部413先端の各歯部414が継手本体2の傾斜内周面212にて押圧され、6本の腕部413全体が径方向に縮径することで、各内向きの刃415がポリエチレン樹脂管5の外表面に食い込み、この結果、図5に示すように、ポリエチレン樹脂管5が管継手1と連結されることになる。 【0008】上記管継手1においては、配管接続した後、ポリエチレン樹脂管5に引き抜き力が作用すると、ポリエチレン樹脂管5とともにコレット4も移動し、各歯部414の外面が継手本体2の傾斜内周面212に接触して、各内向きの刃415がポリエチレン樹脂管5の外面に食い込むことで、それ以上のポリエチレン樹脂管5の抜け出しが防止される。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】そして、上記従来の管継手の場合、継手本体2の受け口21の環状凹部211の奥部側に配置されたシール用ゴム輪3がポリエチレン樹脂管5の外周面にて押圧されることで、ポリエチレン樹脂管5との接続部の水密性が確保される。しかしながら、配管施工する際に、ポリエチレン樹脂管5が作業者によって引きずられることがあり、この結果、たとえばポリエチレン樹脂管5の外表面に鋭利な傷が生じることがある。このようなポリエチレン樹脂管を用いてそのまま配管接続した場合、接続部の水密性が損なわれ、水漏れが生じる恐れがあった。 【0010】本発明の目的は、たとえば施工現場にて接続されるポリエチレン樹脂管5が引きずられて、同樹脂管の外表面に鋭利な傷が入っても、水密性にすぐれた接続部を得ることができる管継手を提供することである。 【0011】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の管継手は、継手本体の受け口の内周面に設けられた環状凹部の内周面が開口端側に向かって縮径する傾斜内周面を有し、この傾斜内周面側の環状凹部に、短円筒部の一端にフランジを有する管締付け部材の短円筒部が遊嵌状態で配置され、この管締付け部材の内方に、接続される樹脂管が外挿される径小の短筒部が前記継手本体の軸心と同心状に配置され、この短筒部の外周面に設けられた環状溝にシールリングが装着されているものである。 【0012】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の管継手において、短筒部の奥部側端部が継手本体の内周面と連接されているものである。 【0013】請求項3記載の本発明は、請求項1記載の管継手において、短筒部が継手本体とは別体のものであり、短筒部の奥部側の外周面が第2のシールリングを介して継手本体の内周面と水密状に当接されているものである。 【0014】請求項4記載の本発明は、請求項1記載の管継手において、シールリングよりも奥側に位置する継手本体の受け口の壁部に、開口孔が設けられているものである。 【0015】(作用)請求項1記載の本発明の管継手においては、受け口の環状凹部に配置された管締付け部材の内方に、径小の短筒部が継手本体の軸心と同心状に配置され、この短筒部の外周面に設けられた環状溝にシールリングが装着されているので、この短筒部に外挿して接続される樹脂管はその内周面にてシールリングにて水密状に止水されて接続される。このため、接続される樹脂管の外表面に傷などが存在していても、接続部の水密性には影響がなく、水漏れなどは発生しない。 【0016】この結果、継手本体の受け口の壁部に覗き窓を開口することができ、この覗き窓を通じて、樹脂管の挿入状態を確認しながら接続作業を行える。 【0017】また、管締付け部材の短円筒部が継手本体の受け口の傾斜内周面に当接して縮径されることで、挿入接続される樹脂管の抜けを防止できる。 【0018】請求項2記載の本発明の管継手においては、短筒部が継手本体と一体化されているので、樹脂管を挿入するだけで接続でき、しかも、すぐれた水密性を有する接続部を得ることができる。 【0019】請求項3記載の本発明の管継手においては、短筒部が継手本体とは別体のものであり、短筒部の奥部側の外周面が第2のシールリングを介して継手本体の内周面と水密状に当接されているので、一体成形が困難である樹脂製の管継手の場合、継手本体と短筒部とを別々に射出成形することで適用可能となる。 【0020】請求項4記載の本発明の管継手においては、シールリングよりも奥側に位置する継手本体の受け口の壁部に開口孔が設けられているので、この開口孔を通じて、短筒部に外挿して接続される樹脂管の挿入状態を確認しながら接続作業を行える。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明の管継手の第1実施例の要部を示す縦断面図、図2は図1の管継手の使用状態を示す要部縦断面図である。 【0022】管継手1は、継手本体2と、管締付け部材であるコレット4と、ガイド部となる短円筒部3とを備えている。 【0023】継手本体2は、上記従来のものと同様に、真鍮製の雄ネジタイプのものであり、一端部が受け口21、他端部が雄ネジ接続部(図示せず)とされている。受け口21内にたとえばポリエチレン樹脂管が接続され、雄ネジ接続部に金属管が接続されるようになっている。受け口21側の内周面には環状凹部211が設けられ、この凹部211の受け口21開口端側の内周面は、開口端側に向かって縮径する先細り状の傾斜内周面212とされている。受け口21の壁部の一箇所には覗き窓としての機能を有する円形の孔213が穿孔されている。 【0024】短円筒部3の奥部側端部は、継手本体2の内周面と連接して一体化されて、継手本体2の軸心と同心状に配置されている。短円筒部3の外径は接続されるポリエチレン樹脂管の内径よりも少し径小とされ、その先端は受け口21の開口端よりも外方に突出されている。短円筒部3の外周面には略半円状の環状溝31が設けられ、この環状溝31にシールリング32が装着されている。このシールリング32が装着された部分の短円筒部3の外径は接続されるポリエチレン樹脂管の内径よりも少し径大とされている。 【0025】コレット4は、上記図6および図7にて示した従来のものと同一構造を有するポリアセタール樹脂製のものであり、短円筒部41の一端にフランジ42を有するものである。短円筒部41のフランジ42と反対側の壁部411には6個の逆T字状の切欠部412が軸芯方向に沿って形成されることで6本の横断面形状が円弧状の腕部413が形成されている。各腕部413の先端は厚肉とされ、内向きの刃415を有する歯部414とされている。 【0026】短円筒部41の内径は接続されるポリエチレン樹脂管の外径より少し径大とされ、フランジ42の外径は継手本体2の受け口21の外径とほぼ同径とされている。また、相対向する歯部414間の自由状態での外径は、継手本体2の環状凹部211の最大内径よりも径小で、かつ、継手本体2の開口端側の内径より径大とされている。 【0027】コレット4はその短円筒部41が、継手本体2の受け口21と、ガイド用の短円筒部3外面との間隙内に遊嵌状態で配置されている。そして、継手本体2の受け口21内にポリエチレン樹脂管5が接続された際、コレット4の腕部413先端の各歯部414が継手本体2の傾斜内周面212にて押圧され、6本の腕部413全体が径方向に縮径することで、各内向きの刃415がポリエチレン樹脂管5の外表面に食い込み、この結果、図2に示すように、ポリエチレン樹脂管5が管継手1と連結されることになる。 【0028】つぎに、上記管継手1の使用態様を説明する。まず、図2に示すように、コレット2の内面と、継手本体2の受け口21内に同心状に一体配置されているガイド用の短円筒部3外面との間隙内にポリエチレン樹脂管5の端部を挿入する。その際、受け口21の壁部に設けられた覗き窓213を通じて、挿入されるポリエチレン樹脂管5の挿入状態を確認できるので、挿入不足などの作業ミスを起こすことなく接続作業を行える。 【0029】また、接続されるポリエチレン樹脂管5はその内周面が短円筒部3の外周面の環状溝31に装着されたシールリング32にて水密状にシールされるので、ポリエチレン樹脂管5の外表面に傷などが付いていても、接続部の水密性はなんら影響を受けることがない。そして、図2に示す状態において、ポリエチレン樹脂管5に対して矢印方向に外力が作用しても、コレット2の内向きの刃415の食い込みによって継手本体2内からのポリエチレン樹脂管5の離脱を防止できる。 【0030】図3は本発明の管継手の第2実施例の要部を示す縦断面図、図4は図3の管継手の使用状態を示す要部縦断面図である。 【0031】この第2実施例の場合、ガイド用の短円筒部3を継手本体2とは別体のものとし、短円筒部3のフランジ33の外周面に設けられた環状溝34に第2のシールリング35が装着され、このシールリング35を介して、短円筒部3のフランジ33を継手本体2の内周面と水密状に当接させた以外は、上記第1実施例の管継手と基本的に同一である。 【0032】この第2実施例では、短円筒部3が継手本体2とは別体のものであるので、たとえば継手本体2がポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂などの樹脂製のものでも、あらかじめ射出成形にて継手本体2と短円筒部3とをそれぞれ別々に射出成形しておくことで可能となる。 【0033】上記実施例では、コレットを樹脂製のものとしたが、金属製のものとしてもよい。 【0034】 【発明の効果】請求項1ないし3記載の本発明の管継手においては、管締付け部材の内方に継手本体の軸心と同心状に配置された短筒部外周面の環状溝にシールリングが装着されているので、この短筒部に外挿して接続される樹脂管はその内周面にてシールリングにて水密状に止水され、同樹脂管の外表面に傷などが存在していても、接続部の水密性に影響はなく水漏れは発生しない。 【0035】このため、継手本体の受け口の壁部に覗き窓を設けることができ、この覗き窓を通じて、接続される樹脂管の挿入状態を確認でき、挿入不足などの作業ミスを防止することができる。 【0036】また、管締付け部材の短円筒部が受け口の傾斜内周面にて縮径されることで、挿入接続される樹脂管の抜けを防止できる。 【0037】請求項2記載の本発明の管継手においては、樹脂管を挿入するだけで接続でき、すぐれた水密性を有する接続部を得ることができる。 【0038】請求項3記載の本発明の管継手においては、特に、一体成形が困難である樹脂製の管継手の場合、継手本体と短筒部とを別々に射出成形することで適用可能となる。 【0039】請求項4記載の本発明の管継手においては、シールリングよりも奥側に位置する継手本体の受け口の壁部に設けられた開口孔を覗き窓として利用することで、短筒部に外挿して接続される樹脂管の挿入状態を確認しながら接続作業を行え、挿入不足などの作業ミスを防止することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002174 【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年7月8日(1999.7.8) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−21087(P2001−21087A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月26日(2001.1.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−194540 |
|