| 【発明の名称】 |
ニップル装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】棟方 明広
【氏名】嶺岸 輝彦
【氏名】新妻 重人
|
| 【要約】 |
【課題】取付作業が容易なニップル装置を提供することにある。
【解決手段】ニップル部NBは、本体部NAに一体的に取り付けられる。本体部NAは、ストッパリング装着部NA3と、Oリング装着部NA4とを有する。ストッパリングNCのリング基部NC1は、その一部にスリット部を有する円環状であり、リング基部NC1には、外周方向に突出した複数の突起部NC2が形成されている。ストッパリングNCは、本体部NAのストッパリング装着部NA3に装着される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】挿入口に差し込まれて使用されるニップル装置において、ニップル部が一体的に取り付けられるとともに、ストッパリング装着用のストッパリング装着部とOリング装着用のOリング装着部とを有する本体部と、上記本体部の上記ストッパリング装着部に装着されるとともに、その一部にスリット部を有する円環状のリング基部と、このリング基部から外周方向に突出した複数の突起部とを有するストッパリングと、上記Oリング装着部に装着されるOリングとを備えたことを特徴とするニップル装置。 【請求項2】請求項1記載のニップル装置において、上記本体部は、上記挿入口に形成された切欠と係合する突起部を備えたことを特徴とするニップル装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ニップル装置に係り、特に、樹脂部材に取り付けるに好適なニップル装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、自動車用一体吸気装置のように、車両の構成部品を樹脂モールドにより成型して、車両重量を低減して、燃費を改善するとともに、コストを低減することとが行われつつある。一体吸気装置においては、吸気通路を流れる吸気圧を、他の部分のアクチュエータに供給したり、外部から吸気通路に流体を流入させる必要がある。一般に、吸気通路に、外部のパイプを直接は接続できないため、吸気通路と外部のパイプを接続する部分にニップル装置が用いられている。 【0003】吸気装置が樹脂製で、ニップル装置が金属製の場合、一体成型前に、金型にニップル装置をセットした上で、一体成型する必要がある。また、ニップル装置も樹脂製の場合には、吸気装置とニップル装置を溶着する必要がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従来の一体成型によるニップル装置に場合には、成型前にストッパプレートを金型にセットする必要があるため、成形作業工数が増えるという問題があった。また、溶着による方法では、作業固定が複雑になるという問題があった。 【0005】本発明の目的は、取付作業が容易なニップル装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成するために、本発明は、挿入口に差し込まれて使用されるニップル装置において、ニップル部が一体的に取り付けられるとともに、ストッパリング装着用のストッパリング装着部とOリング装着用のOリング装着部とを有する本体部と、上記本体部の上記ストッパリング装着部に装着されるとともに、その一部にスリット部を有する円環状のリング基部と、このリング基部から外周方向に突出した複数の突起部とを有するストッパリングと、上記Oリング装着部に装着されるOリングとを備えるようにしたものである。かかる構成により、ストッパリングはスリット部を有しているため、このスリット部を広げることにより、ストッパリングを、本体部のストッパリング装着部に容易に装着することができ、取付作業が容易となる。 【0007】(2)上記(1)において、好ましくは、上記本体部は、上記挿入口に形成された切欠と係合する突起部を備えるようにしたものである。かかる構成により、ニップル装置を挿入口に差し込んだ際には、突起部が切欠を係合するため、ニップル装置の回転を防止し得るものとなる。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、図1〜図5を用いて、本発明の一実施形態によるニップル装置について説明する。最初に、図1を用いて、本実施形態によるニップル装置を用いる一体吸気装置を備えたエンジンの吸気システムについて説明する。 【0009】エンジン10のシリンダ12に吸入される空気の通路である吸気通路IPは、スロットルチャンバ20と、一体吸気装置のマニホルド30と、インテークマニホルド40とによって構成される。スロットルチャンバ20の内部には、回転可能にスロットルバルブ22が支持されており、吸入空気量を可変する。スロットルチャンバ20は、通常、アルミダイキャスト等により一体成型されている。一体吸気装置のマニホルド30の内部には、可変吸気長バルブ32が回動可能に支持されており、吸気長を可変する。インテークマニホルド40は、プラスチックモールドにより一体成型されている。インテークマニホルド40の内部には、スワールバルブ42と、燃料噴射弁44とが備えられている。スワールバルブ42は、インテークマニホルド40の内部に回転可能に支持されており、シリンダ12に吸入される吸気を渦流とする。燃料噴射弁44から噴射された燃料は、シリンダ12内において層状となる。シリンダ12には、吸気弁14,排気弁15,点火プラグ16,ピストン17等が備えられている。インテークマニホルド40は、通常、アルミダイキャストにより一体成型されている。 【0010】可変吸気長バルブ32は、アクチュエータAC1によって駆動される。そのために、アクチュエータAC1には、一体吸気装置のマニホルド30からパイプP1及びバルブV1を介して、吸気圧が導入される。ここで、プラスチックモールドされたマニホルド30に、パイプP1を接続するために、本実施形態によるニップル装置N1が、マニホルド30に取り付けられている。可変吸気長バルブ32を動作させる場合には、バルブV1が開かれ、吸気圧がアクチュエータAC1に作用する。 【0011】また、スワールバルブ42は、アクチュエータAC2によって駆動される。そのために、アクチュエータAC2には、一体吸気装置のマニホルド30からパイプP2及びバルブV2を介して、吸気圧が導入される。ここで、プラスチックモールドされたマニホルド30に、パイプP2を接続するために、本実施形態によるニップル装置N2が、マニホルド30に取り付けられている。スワールバルブ42を動作させる場合には、バルブV2が開かれ、吸気圧がアクチュエータAC2に作用する。 【0012】さらに、エンジン10のクランク室18に残留している未燃焼ガスは、クランク室18から、パイプP3及びバルブV3を介して吸気通路IPの中のダンパー室34に環流される。ここで、プラスチックモールドされたマニホルド30に、パイプP3を接続するために、本実施形態によるニップル装置N3が、マニホルド30に取り付けられている。バルブV3の開度を制御することにより、未燃焼ガスの戻し量やタイミングが制御される。 【0013】次に、図2を用いて、本実施形態によるニップル装置を用いた一体吸気装置の外観形状について説明する。図2は、本発明の一実施形態によるニップル装置を用いた一体吸気装置の外観形状を示す斜視図である。 【0014】一体吸気装置のマニホルド30の一方の端部に形成されたフランジF1は、図1に示したスロットルチャンバ20に接続される。また、他方の端部に形成されたフランジF2は、図1に示したインテークマニホルド40に接続される。 【0015】一体吸気装置のマニホルド30には、可変吸気長バルブを駆動するためのアクチュエータAC1及びニップル装置N1が取り付けられている。ニップル装置N1と、アクチュエータAC1の間は、図1に示したように、バルブV1を介して、パイプP1によって接続される。なお、可変吸気長バルブの図示は省略している。 【0016】また、同様にして、ニップル装置N2及びダンパー室34内に未燃焼ガスを環流するためのニップル装置N3も、マニホルド30に取り付けられている。ニップル装置N2には、図1に示したように、パイプP2が接続される。ニップル装置N3には、図1に示したように、パイプP3が取り付けられる。 【0017】次に、図3〜図6を用いて、本実施形態によるニップル装置の構成について説明する。最初に、図3を用いて、本実施形態によるニップル装置の形状及び取り付け状態について説明する。図3は、本発明の一実施形態によるニップル装置の取り付け状態を示す部分断面図である。 【0018】ニップル装置Nは、本体部NAと、ニップル部NBとを備えている。本体部NAとニップル部NBとは、プラスチックにより一体モールド成型される。本体部NAは、本体基部NA1と、差込み基部NA2と、リング装着部NA3と、Oリング装着部NA4を有している。ニップル部NBの一端部NB1は、本体部NAの本体基部NA1に一体的に取り付けられている。ニップル部NBの他端部NB2は、半径が大きくなった膨張形状を有しており、ニップル部NBに接続用のパイプを挿入した場合の抜け止めの作用を有している。 【0019】本体部NAの本体基部NA1と、差込み基部NA2と、リング装着部NA3と、Oリング装着部NA4とは、同心円的に形成されている。樹脂製のマニホルド30に形成された挿入穴30Aに、ニップル装置Nを差込み取り付ける際、差込み基部NA2,リング装着部NA3,Oリング装着部NA4は、挿入穴30Aの内部に挿入される。従って、差込み基部NA2,リング装着部NA3,Oリング装着部NA4の外径は、挿入穴30Aの内径よりも小さいものである。一方、本体基部NA1の外径は、挿入穴30Aの内径よりも大きくなっており、ニップル装置Nを挿入穴30Aに挿入した際、本体基部NA1がストッパとなり、ニップル装置Nの位置決めを行える。 【0020】リング装着部NA3の外径は、差込み基部NA2の外径よりも小さく、円環状の凹部を形成している。リング装着部NA3には、SUS等の金属製のストッパリングNCが装着される。ストッパリングNCは、ニップル装置Nの抜け止め防止のために備えられている。ストッパリングNCの構成及び装着方法については、図4〜図7を用いて後述する。 【0021】Oリング装着部NA4の外径は、差込み基部NA2の外径よりも小さく、円環状の凹部を形成している。Oリング装着部NA4には、気密封止のためのOリングNDが装着される。 【0022】また、差込み基部NA2の外周の一部には、回転防止のための突起部NA5が形成されているが、その詳細については、図6を用いて後述する。 【0023】次に、図4及び図5を用いて、本実施形態によるニップル装置に用いるストッパリングの構成について説明する。図4は、本発明の一実施形態によるニップル装置に用いるストッパリングの平面図であり、図5は、本発明の一実施形態によるニップル装置に用いるストッパリングの断面図であり、図4のY−Y断面図である。 【0024】図4及び図5に示すように、ストッパリングNCは、リング基部NC1と、複数の突起部NC2とから構成されている。リング基部NC1と突起部NC2とは、SUS等の金属を一体成形して形成されている。リング基部NC1は、その一部にスリット部NC3を有する円環状である。突起部NC2は、リング基部NC1の周囲に10個形成されており、リング基部NC1の外周側に突出するように折り曲げられている。 【0025】図4及び図5に示したストッパリングNCは、図3に示すように、リング装着部NA3に装着される。そして、図3に示したように、マニホルド30の挿入穴30Aにニップル装置Nが挿入された後、ニップル装置Nを引き抜こうとしても、ストッパリングNCの突起部NC2が、マニホルド30の壁面に食込むことにより、ニップル装置Nの抜けを防止することができる。 【0026】次に、図6を用いて、本実施形態によるニップル装置の回り止め機構について説明する。図6は、本発明の一実施形態によるニップル装置の回り止め機構の説明図であり、図3のX−X断面図である。 【0027】図6に示すように、差込み基部NA2の外周の一部に形成された突起部NA5は、半径方向に突出している。一方、マニホルド30の上端には、突起部NA5と契合する切欠部30Bを有している。従って、突起部NA5が、切欠部30Bと係合することにより、ニップル装置Nは、回転することを防止できる。 【0028】次に、図7を用いて、本実施形態によるストッパリングNCを本体部NAに装着する方法について説明する。図7は、本発明の一実施形態によるストッパリングの本体部NAに対する装着方法の説明図である。 【0029】図7に示すように、ストッパリングNCを本体部NAのリング装着部NA3に装着するために、挿入治具Jを使用する。挿入治具Jは、先端部の直径がR1であり、末端部の直径がR3であり、その途中にテーパ部J1を有している。また、末端部の内部に凹部J2を有している。 【0030】ここで、凹部J2の内径R1は、本体部NAの先端部の外径R1より大きくなっており、挿入治具Jは、本体部NAの先端に挿入することが可能である。また、挿入治具Jの先端部の直径R3は、通常の状態におけるストッパリングNCの内径R4よりも小さいものである。従って、ストッパリングNCは、挿入治具Jの先端部に挿入することが可能である。 【0031】図示する状態から、ストッパリングNCを上方にスライドさせることにより、ストッパリングNCは、テーパ部J1に沿って移動するとともに、テーパ部J1の外径が大きくなるにつれて、スリット部NC3が徐々に開いていく。また、挿入治具Jの末端部の外径R5は、リング装着部NA3の手前の突起部の外径R6とほぼ同じくしてあるため、挿入治具Jの末端部まで移動したストッパリングNCを、リング装着部NA3に装着することができる。 【0032】なお、OリングNDは、ゴム等の弾性体で形成されているため、OリングNDをのばすことにより、Oリング装着部NA4に容易に装着することができる。 【0033】なお、以上の説明では、本実施形態によるニップル装置は、マニホルドに差込み使用するものとしたが、マニホルドに限らず、樹脂製の部材に流体の取り出し用若しくは流体の導入用の接続口として、冷却水通路や燃料パイプ等にも用いることができる。また、ニップル部NBの取付方向は、図3に示したように、本体部NAの軸方向に対して直交する方向だけでなく、図2に示したニップル装置N2,N3のように、本体部の軸方向に取り付けることもできる。 【0034】以上説明したように、本実施形態に用いるニップル装置Nは、本体部NAと、ニップル部NBと、抜け止め防止のためのストッパリングNCと、OリングNDとから構成されている。ここで、本体部NAとニップル部NBは、一体的に成型される。ストッパリングNCは、本体部NAとは別体に形成されるとともに、挿入治具等を用いて、後から容易に本体部NAに装着することができるため、ニップル装置を容易に製造することができる。ストッパリングNCを備えたニップル装置は、マニホルド等の開口に差込挿入することで、容易に取り付けることができ、取付後は、ストッパリングがマニホルド等の被装着物に食い込み、抜けを防止することができる。また、ニップル装置Nは、OリングNDを備えているため、気密封止して、流体の漏れを防止することができる。さらに、本体部NAは、突起部NA5を有しており、ニップル装置の取付後回転することを防止できる。また、ストッパリングNCは、図3に示したように、ニップルの本体部NAと、マニホールド30の間のクリアランスの中に挿入されている。このクリアランスがあるため、温度変化時のニップル本体部NAとストッパリングNCとの線膨張係数の違いによる歪や、挿入時ストッパリングNCの突起部NC2の変形による歪を吸収することができる。 【0035】 【発明の効果】本発明によれば、ストッパリングの取付作業が容易となる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所 【識別番号】000232999 【氏名又は名称】株式会社日立カーエンジニアリング
|
| 【出願日】 |
平成11年7月8日(1999.7.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077816 【弁理士】 【氏名又は名称】春日 讓
|
| 【公開番号】 |
特開2001−21086(P2001−21086A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月26日(2001.1.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−194028 |
|