トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 可撓管継手
【発明者】 【氏名】渡辺 善生

【氏名】仁科 雅雄

【氏名】西堀 慎一

【氏名】堀口 東太郎

【要約】 【課題】継手主体(1) と、それに螺入される締付筒(2) と、前側が弾性的に拡縮自在であり且蛇腹管(8) の前端部に外嵌して継手主体(1) 内のリテーナ収容室(17)に押し込まれる金属製のリテーナ(3) とを具備する可撓管継手に関し、接続される蛇腹管(8) のシール性を向上させると共に蛇腹管(8) が不用意に引っ張られても安易に抜けるがないように確実に接続できるようにすること。

【解決手段】自由状態にあるリテーナ(3) の前端部の食込み部(33)の内径は、蛇腹管(8) の山部(81)の外径よりも小さく且谷部(82)よりも大きく設定され、リテーナ収容室(17)は円筒形状に形成されていると共に、前記円筒の内径は、リテーナ(3) をほぼ前記自由状態のままで収容可能で且その前記前端部を拡開阻止状態に外嵌する大きさに設定されていること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 筒状の継手主体と、前記継手主体に後方から螺入される締付筒と、前記締付筒の前方に位置し且前記後方から挿入される蛇腹管に外嵌しながら前記継手主体内のリテーナ収容室に押し込まれる環状のリテーナとを具備し、前記リテーナは、前端部から切り込まれたスリットを介して周方向に並んで位置する複数の断面円弧状の金属製分割部材から構成されており、前記各分割部材は後端の薄肉部で相互に連結されているとともに、前記薄肉部を支点として前記リテーナの前記前端部は弾性的に拡縮自在となっており、前記各分割部材の前記前端部の内側には、前記蛇腹管の谷部に食い込む食込み部がそれぞれ形成されている可撓管継手において、自由状態にある前記リテーナの前記食込み部の内径は、前記蛇腹管の山部の外径よりも小さく且谷部よりも大きく設定され、前記リテーナ収容室は円筒形状に形成されていると共に、前記円筒の内径は、前記リテーナをほぼ前記自由状態のままで収容可能で且その前記前端部を拡開阻止状態に外嵌する大きさに設定されていることを特徴とする可撓管継手。
【請求項2】 請求項1に記載の可撓管継手において、前記リテーナ収容室よりも前方に前記蛇腹管の挿入端部が当接する管受け面を設け、前記管受け面の外側に、Oリングが装填される環状溝を形成し、前記リテーナが前記リテーナ収容室内の最終位置にまで押し込まれたとき、前記リテーナの前面部が前記環状溝内のOリングを抜止め状態とすると同時にこれに連続する前記食込み部の前面部が蛇腹管の挿入端部の外周域を前記管受け面の外側端縁に押圧するように設定されている可撓管継手。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の可撓管継手において、前記各分割部材の外周に環状凹部を形成し、前記環状凹部内に、前記分割部材とは別体に成型され且前端から後方に向かって複数の溝部が形成された弾性合成樹脂製又はゴム製の筒部材を外嵌状態に収容し、前記筒部材の後端には、前記筒部材と同じ材質からなるフランジ部を外方に一体的に張り出させ、前記継手主体の内周壁には、前記フランジ部が後方から当接する環状の係合凸部を突設させ、前記締付筒の前端面は、同心の二つの環状端面を具備する構成とし、外周側の外側環状端面は内周側の内側環状端面よりも前方に進出した位置にある押圧用端面とし、前記筒部材の後端面は、前記リテーナの後端よりも外周側で且前方に外れて位置する受圧端面とし、前記締付筒を締め付けたとき、前記締付筒の前記押圧用端面が前記筒部材の前記受圧端面に当接すると共に、前記締付筒の前記内側環状端面は前記リテーナの後端に、僅かな隙間を介して対向するように設定したことを特徴とする可撓管継手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、可撓管継手、特に、可撓性を有する金属製の蛇腹管が接続される可撓管継手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】可撓管継手として、実公平7−28467号の公報に開示のものがある。この可撓管継手は、図7に示すように、テーパ内周面(50)を有する筒状の継手主体(5) と、この継手主体(5) の後部(図面では左端部)に螺入されているナット(51)と、ナット(51)の締め付けによって前記継手主体(5) のテーパ内周面(50)に押し込まれる環状のリテーナ(52)とが、予め組み立てられてなる構成であり、図7の下半分はナット(51)の締め付け前の断面図であり、上半分はナット(51)の締付完了時の断面図である。
【0003】この可撓管継手内に蛇腹管(54)をナット(51)の後方から差し込み、その挿入端部を、継手主体(5) のテーパ内周面(50)よりも前方に位置する管受け面(55)に当接させる。ナット(51)及び蛇腹管(54)の最小径部は蛇腹管(54)の山部の外径よりも大きく設定されているから、蛇腹管(54)は無理なく可撓管継手内に挿入させることができる。
【0004】この状態でナット(51)を締め付ける。すると、図7の上半分に示すように、リテーナ(52)はナット(51)に押されて継手主体(5) の前方(図面では右側)へ移動させられ、テーパ内周面(50)内へ押し込まれる。リテーナ(52)には、その前端側から周方向に複数のスリットが形成された環状体に構成されていることから、リテーナ(52)はテーパ内周面(50)内に押し込まれることにより、テーパ内周面(50)に沿ってその前端側から縮径させられることとなり、リテーナ(52)の前端部に設けられている食込み部(53)(同公報では「鍔部」と表記)が、蛇腹管(54)の所定位置にある谷部に食込むこととなる。さらにナット(51)を締め付けることにより、テーパ内周面(50)の食込み部(53)よりも前方に挿入された蛇腹管(54)の挿入端部分は、食込み部(53)の前面部と前記管受け面(55)との間で圧縮され、これにより、蛇腹管(54)の接続が完了する仕組みとなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来のものでは、継手主体(5) とナット(51)とリテーナ(52)とが予め組み立てられた状態の可撓管継手内に蛇腹管(54)を挿入させると共にナット(51)を締め付けるだけで蛇腹管(54)の接続が完了するから、接続作業が容易であり、これに要する時間が短縮される上に、部品忘れもない。
【0006】しかしながら、リテーナ(52)を継手主体(5) のテーパ内周面(50)に押し込むことにより、同図の上半分に表されているように、リテーナ(52)を前記テーパ内周面(50)に正確にフィットした態様に変形させて、しかも、食込み部(53)の前面のフラット面を管受け面(55)に対してまっすぐに作用させることは、実際には困難である。
【0007】リテーナ(52)が金属製であっても樹脂製であっても、蛇腹管(54)の挿入端の所定範囲を管受け面(55)に圧接させる程の硬さを有する必要があり、このような硬質部材からなるリテーナ(52)をテーパ内周面(50)のようなテーパ筒部内に押し込んだ場合では、そのテーパに倣った形状に変形することは少なく、実際には、図8に示すように、リテーナ(52)はテーパ内周面(50)のテーパ角度以上に内側に屈曲変形してしまう。これに伴い、リテーナ(52)の外周面とテーパ内周面(50)との間に隙間が生じてしまい、食込み部(53)は、蛇腹管(54)の谷部に斜めに歪んだ姿勢で嵌り込む態様となる。その斜めに嵌り込んだ状態のままで、ナット(51)を締め付けると、その締付力は食込み部(53)から蛇腹管(54)に均一に作用せず、食込み部(53)の前面部は食込み部(53)よりも前方に位置する蛇腹管(54)を、不均一な力で管受け面(55)に押圧する。これにより、蛇腹管(54)は、管受け面(55)に対して斜めに圧接される態様となり、確実な接続状態を得ることが困難となる。
【0008】又、ナット(51)の締付力は、一旦テーパ内周面(50)で受けられて一部はリテーナ(52)を屈曲させる力として作用してしまうから、前記締付力を蛇腹管(54)を管受け面(55)に押圧する押圧力に転換させる転換効率が悪いものとなっている。
【0009】このように、この従来のものでは、蛇腹管(54)は、管受け面(55)に対して斜めに歪んで位置するリテーナ(52)の食込み部(53)によって、不均一な力で押されるとともに、ナット(51)の締付力の全部を管受け面(55)を押圧する押圧力として作用させることは困難であるから、接続状態にある蛇腹管(54)のシール性が悪く、又、蛇腹管(54)が不用意に引っ張られた場合、リテーナ(52)の前面部が蛇腹管(54)を押え切れずに蛇腹管(54)が抜けてしまうという問題がある。
【0010】本発明は、『筒状の継手主体と、前記継手主体に後方から螺入される締付筒と、前記締付筒の前方に位置し且前記後方から挿入される蛇腹管に外嵌しながら前記継手主体内のリテーナ収容室に押し込まれる環状のリテーナとを具備し、前記リテーナは、前端部から切り込まれたスリットを介して周方向に並んで位置する複数の断面円弧状の金属製分割部材から構成されており、前記各分割部材は後端の薄肉部で相互に連結されているとともに、前記薄肉部を支点として前記リテーナの前記前端部は弾性的に拡縮自在となっており、前記各分割部材の前記前端部の内側には、前記蛇腹管の谷部に食い込む食込み部がそれぞれ形成されている可撓管継手』において、接続される蛇腹管のシール性を向上させると共に前記蛇腹管が不用意に引っ張られても安易に抜けることがなく確実に接続することのできる可撓管継手を提供することを課題とする。
<1項>【0011】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決するために講じた本発明の解決手段は、『自由状態にある前記リテーナの前記食込み部の内径は、前記蛇腹管の山部の外径よりも小さく且谷部よりも大きく設定され、前記リテーナ収容室は円筒形状に形成されていると共に、前記円筒の内径は、前記リテーナをほぼ前記自由状態のままで収容可能で且その前記前端部を拡開阻止状態に外嵌する大きさに設定されている』ことである。
【0012】上記解決手段は次のように作用する。リテーナを継手主体内に後方から収容すると共にさらにその後方から締付筒を継手主体の後端に螺入させて可撓管継手を組み付ける。このように組み付けられた可撓管継手に、可撓管としての蛇腹管を締付筒の後方から挿入する。自由状態にある前記リテーナの前端部の内側に突出するように設けた食込み部の内径は前記蛇腹管の山部の外径よりも小さく且谷部よりも大きく設定されているから、蛇腹管を挿入すると、その最前端の山部が前記食込み部の内側端部に当接することとなるが、リテーナは、スリットを介して並列された複数の分割部材により構成されているとともにその後端部の薄肉部を支点として拡開可能であるから、蛇腹管を強制的に押し込むと、前記蛇腹管の前記山部は、リテーナの前記食込み部の直径を強制的に拡大させながら、前記食込み部を通過してリテーナの前方に挿入され、その挿入端部が継手主体の管受け面に当接することとなる。
【0013】尚、前端から開いた状態となった各分割部材は、初期状態に復帰させられて、前記食込み部が蛇腹管の前記山部に続く谷部に食い込む態様となる。この状態で締付筒をさらに締め付けると、リテーナは前記締付筒によって前方へ押され、前記食込み部の前面部でそれよりも前方に位置する蛇腹管を押しながら継手主体内のリテーナ収容室内に押し込まれて行くこととなる。
【0014】前記リテーナ収容室は円筒形状に形成されているとともに、前記円筒の内径は、ほぼ自由状態にある前記リテーナを収容可能であるから、前記リテーナは、前記食込み部が前記蛇腹管の谷部に食込んだ自由状態の姿勢をほぼ維持したまま、まっすぐに前記リテーナ収容室内に押し込まれていくと共に、リテーナ収容室の内周面によってその前端部は拡開阻止状態に保持されることとなる。
【0015】言い換えれば、リテーナを構成する分割部材がリテーナ収容室に収容される際に屈曲したり変形したりすることがなく、又、それらの前端部に形成されている前記食込み部が、蛇腹管の谷部に斜めに歪んだ姿勢で嵌り込んで、蛇腹管を不均一に押圧することがない。
【0016】
【発明の効果】前記リテーナがリテーナ収容室内に押し込まれる際に、各分割部材が屈曲したり変形したりすることが殆どないから、締付筒を締め付ける際の締付力を、食込み部の前面部が蛇腹管を押圧する押圧力へ効率良く転換させることができ、大きな押圧力が期待できる。又、食込み部の前面部が歪んだ姿勢で蛇腹管の谷部に嵌り込むことも殆どないから、前記押圧力を、前記食込み部の前面部からそれよりも前方に挿入されている蛇腹管に対して正しい方向で且均一に当たる力として確実に作用させることができ、前記蛇腹管のリテーナ収容室内における挟圧扁平化が確実なものとなる。よって、蛇腹管は確実にシールされた状態で抜止め状態に接続されることとなる。
【0017】又、リテーナ収容室の内径は、リテーナを拡開阻止状態に保持する寸法に設定されているから、接続状態にある蛇腹管が引っ張られても、リテーナの前端部が拡開することはないので、リテーナの前端部よりも前方に位置させた蛇腹管の山部が食込み部を越えることができない。よって、前記蛇腹管が不用意に抜け落ちる不都合はない。
【0018】<2項>前記1項に詳述した発明において、『前記リテーナ収容室よりも前方に前記蛇腹管の挿入端部が当接する管受け面を設け、前記管受け面の外側に、Oリングが装填される環状溝を形成し、前記リテーナが前記リテーナ収容室内の最終位置にまで押し込まれたとき、前記リテーナの前面部が前記環状溝内のOリングを抜止め状態とすると同時にこれに連続する前記食い込み部の前面部が蛇腹管の挿入端部の外周域を前記管受け面の外側端縁に押圧するように設定されている』ものでは、食込み部の前面部は分割部材の前面部と同一平面を構成しており、分割部材の前面部がOリングを抜止め状態に押圧すると同時に食込み部の前面部が、蛇腹管の挿入端部である山部の外周域を、前記管受け面の外側端縁、すなわち、管受け面と環状溝の境界縁部に押圧させる。これにより、前記蛇腹管の山部は、前記境界縁部に対応する箇所で食込み部による押圧によって押し潰されるとともに前記境界縁部よりも外側に突出している部分は環状溝内に押し込まれて分割部材の前面部によってOリングに押圧されることとなる。よって、蛇腹管はより一層確実に抜止め状態に接続されると共にそのシール性が向上することとなる。
【0019】<3項>前記1項又は2項において、『前記各分割部材の外周に環状凹部を形成し、前記環状凹部内に、前記分割部材とは別体に成型され且前端から後方に向かって複数の溝部が形成された弾性合成樹脂製又はゴム製の筒部材を外嵌状態に収容し、前記筒部材の後端には、前記筒部材と同じ材質からなるフランジ部を外方に一体的に張り出させ、前記継手主体の内周壁には、前記フランジ部が後方から当接する環状の係合凸部を突設させ、前記締付筒の前端面は、同心の二つの環状端面を具備する構成とし、外周側の外側環状端面は内周側の内側環状端面よりも前方に進出した位置にある押圧用端面とし、前記筒部材の後端面は、前記リテーナの後端よりも外周側で且前方に外れて位置する受圧端面とし、前記締付筒を締め付けたとき、前記締付筒の前記押圧用端面が前記筒部材の前記受圧端面に当接すると共に、前記締付筒の前記内側環状端面は前記リテーナの後端に、僅かな隙間を介して対向するように設定した』ものでは、リテーナの分割部材にこれとは別体に設けた筒部材が外嵌されることにより、リテーナは、金属製の分割部材と弾性合成樹脂製又はゴム製の筒部材とが相対回動可能に一体的に組み付けられた構成のものとなる。このように、弾性材料からなる筒部材を外嵌させた構成のリテーナを継手主体内に後方から収容すると、筒部材の後端に一体的に設けられているフランジ部が、前記継手主体の内周壁に突設されている環状の係合凸部に後方側から当接し係合される。そして、締付筒を締め込むと、締付筒の押圧用端面が筒部材の受圧端面に当接する。この状態が締付筒を初期位置に仮止めした状態である。
【0020】尚、前記筒部材の前端側からは複数の溝部が軸方向に形成されており、筒部材の周壁のうち、この溝部形成域は薄肉となっている。これにより、筒部材の前端側の直径は強制的に拡開可能となっている。
【0021】従って、このように組み付けられた可撓管継手に蛇腹管を挿入すると、この蛇腹管の最前端の山部が各分割部材の食込み部に当接するが、リテーナ及びこれに外嵌させている筒部材もそれらの前端部から拡開自在であるから、各分割部材の前端部はその後端の薄肉部を支点として拡開可能となり、蛇腹管を強制的に押し込むことにより、蛇腹管は前記食込み部間を通過することができる。
【0022】尚、前端から開いた状態となった各分割部材は、筒部材の弾性復帰力によって初期状態に復帰させられ、分割部材の前端部が前記蛇腹管の前記山部に続く谷部に食い込む態様となる。すなわち、前記筒部材は、分割部材を外側から締め付ける弾性リングとして機能することとなる。
【0023】この状態で締付筒をさらに締め付けると、締付筒の押圧用端面が筒部材の受圧端面を押圧する。それに伴って、前記係合凸部に係合状態にあるフランジ部がその外径が係合凸部の内径よりも小さくなるまで後方側に屈曲されると共に、筒部材が前記環状凹部内で前方へ押される。筒部材は、環状凹部の前面壁と押圧用端面との間で押されることにより軸線方向の長さが縮小させられ、その分、側方(外方)へ張り出すように変形する。この変形によって、筒部材の外径が、リテーナの外径以上に盛り上がり、この状態のままで、リテーナ収容室内へ、筒部材と共に押し込まれることとなる。リテーナの外径以上に外方に盛り上がった状態に変形させられた筒部材は、リテーナと共にリテーナ収容室内に収容されることにより、リテーナとリテーナ収容室の内周面との間で吸収され、リテーナのリテーナ収容室内からの抜止めをより一層確実なものとする。これにより、リテーナと管受け面との間で挟圧されている蛇腹管の抜止めも確実なものとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は、本願発明の実施の形態に於ける可撓管継手の一部切欠の分解斜視図であり、図2は、前記可撓管継手に蛇腹管(8) を挿入させた状態を示す部分断面図である。
【0025】この実施の形態の可撓管継手は、図1に示すように、筒状の継手主体(1) と、この継手主体(1) 内に挿入されるリテーナ(3) と、このリテーナ(3) を継手主体(1) の内方に押し込む締付筒(2) とを具備している。尚、これら継手主体(1) 、締付筒(2) 及びリテーナ(3) は真鍮等の金属材料で形成されている。
【0026】まず、継手主体(1) について説明する。上記の継手主体(1) は、図1及び図2に示すように、継手主体(1) の前端(図1では上端部、図2では左側)の外周に、例えば、ガスコックのガス入口部に螺入接続する為の雄ネジ(10)が刻設されている。
【0027】後述する締付筒(2) の螺入側端部となる継手主体(1) の後端内周には雌ネジ(13)が刻設されている。又、この継手主体(1) には、雌ネジ(13)の前方の内周に、係合凸部(11)が全周に亙って環状に形成されている。係合凸部(11)の前方には、リテーナ拡開許容部(12)、コーナアール部に続いて、円筒状のリテーナ収容室(17)が形成されている。
【0028】又、このリテーナ収容室(17)のさらに前方には、小径のガス通路(18)が形成されており、このガス通路(18)の後端部とリテーナ収容室(17)の前方側端部との間は、環状の管受け面(15)がリテーナ収容室(17)の内周面に対して直角に位置するように形成されている。そして、管受け面(15)の外側には、環状溝(19)が形成されており、環状溝(19)内には蛇腹管(8) との気密を確保する為のOリング(14)が装填されている。
【0029】次に、締付筒(2) について説明する。締付筒(2) は、図1及び図2に示すように、外周が六角状のスパナ係合部(22)と、これに続く円筒部(23)とから構成されている。
【0030】円筒部(23)の軸線方向の中程の外周には、継手主体(1) の雌ネジ(13)に螺合する雄ネジ(29)が刻設されているとともに、円筒部(23)の前端面は、二つの環状端面が同心状に形成された構成となっている。
【0031】外周側の外側環状端面は、押圧用端面(25)となっており、内周側の内側環状端面(28)よりも前方に突出している。そして、円筒部(23)に於ける押圧用端面(25)から雄ネジ(29)に至るまでの筒部分は、上記した係合凸部(11)内に挿通可能な大きさに設定されている。
【0032】さらに、スパナ係合部(22)の内周には、全周に亙って延びる凹部(24)が形成されており、この凹部(24)には、環状パッキン(27)が装填されている。この環状パッキン(27)は、蛇腹管(8) の外周を被覆する合成樹脂製の被覆管(80)に接触してこの可撓管継手内への雨水等の侵入を防止する為のものである。
【0033】最後に、リテーナ(3) について説明する。リテーナ(3) は、図3に示すように、全体として円筒状に形成されており、前記締付筒(2) の前方に位置するように継手主体(1) 内に収容される。
【0034】このリテーナ(3) には、締付筒(2) 側である後端の環状端面(30)に薄肉部(31)が形成されるように、前端側から軸方向に切り込まれたスリット(32)が周方向に90度のピッチで4つ設けられている、これによって、リテーナ(3) は、4片の分割部材(37)を有する構成となり、前記分割部材(37)の前端側が容易に拡開或は縮径するように撓み易くなっている。
【0035】分割部材(37)の前面部(34)はフラット面となっていると共に、その外周端縁は断面円弧状に形成されており、又、分割部材(37)の前端側を各スリット(32)分だけ縮径させた状態のリテーナ(3) の前端部の外径が、前記リテーナ収容室(17)の内径に一致するように、スリット(32)の幅は設定されているものとする。
【0036】各分割部材(37)の外周側には、所定幅の環状凹部(36)がリテーナ(3) の周方向に連続するように形成されている。又、分割部材(37)の前端部内側には、前記前面部(34)に連続するように環状の食込み部(33)が形成されており、食込み部(33)の内径は、リテーナ(3) の先端側の直径が拡大・収縮しない自由状態にて蛇腹管(8) の山部(81)の直径より小さく且つ蛇腹管(8) の谷部(82)の直径より若干大きくなるような寸法に設定されている。
【0037】そして、リテーナ(3) の前記環状凹部(36)内には、図4に示すような弾性合成樹脂からなる筒部材(40)が外嵌装着される。筒部材(40)は、その外周面に前端側から軸方向に複数の溝部(42)が設けられた筒状体(41)の後端部に環状体(43)を連結させた構成の環状筒体である。筒状体(41)の周壁のうち、溝部(42)が形成されている部分は薄肉部となっている。
【0038】筒部材(40)の内径は、前記リテーナ(3) に形成されている環状凹部(36)の外径に略一致するように設定されており、図5に示すように、筒状体(41)のみが、前記リテーナ(3) の環状凹部(36)内に収容されて装着される。尚、筒状体(41)の軸方向の長さは、環状凹部(36)のそれに一致するか僅かに短く設定されてある。
【0039】環状体(43)の後端面は、前記締付筒(2) の押圧用端面(25)に押圧される受圧端面(45)となっており、受圧端面(45)の外周側には、環状のフランジ部(44)が外方に張り出すように一体的に形成されている。フランジ部(44)の外径は、上記した係合凸部(11)の内径よりも大きく設定されている。
【0040】又、締付筒(2) の押圧用端面(25)から環状端面(28)までの距離は、筒部材(40)の受圧端面(45)から、リテーナ(3) の薄肉部(31)が配列されている前記環状端面(30)までの距離よりも大きく設定されている。これにより、押圧用端面(25)が受圧端面(45)に当接した状態において、環状端面(30)と環状端面(28)との間に所定の間隙(S) が形成されることとなる。
【0041】この可撓管継手を組立てる手順について説明する。先ず、筒部材(40)をリテーナ(3) の分割部材(37)に外嵌させて、両者を一体化する。筒部材(40)は、全体を弾性合成樹脂により成型されているから、リテーナ(3) のうち外径の小さな後端側の環状端面(30)を筒部材(40)の前端に当ててそのまま強制的に嵌め込むことにより、筒部材(40)の筒状体(41)の前端部側は環状体(43)を支点として拡開方向に弾性変形することとなり、筒部材(40)は分割部材(37)に外嵌させることができる。そして、筒状体(41)が環状凹部(36)に対応した時点で筒状体(41)は弾性復帰し、筒状体(41)は環状凹部(36)内に外嵌状態に収容されることとなる。
【0042】リテーナ(3) と合成樹脂製の筒部材(40)を組み込んだ後、継手主体(1) の後方(図2の右側)から、リテーナ(3) を、環状端面(30)が後端となる姿勢で挿入する。リテーナ(3) の挿入によって、筒部材(40)に形成されているフランジ部(44)が継手主体(1) の係合凸部(11)に対して後方側から係合した状態となって、リテーナ(3) が継手主体(1) に対して同軸状に位置決めされる。
【0043】この後、継手主体(1) の雌ネジ(13)に締付筒(2) の雄ネジ(29)をねじ込んで、締付筒(2) の押圧用端面(25)を受圧端面(45)に当接させると、締付筒(2) が初期位置に取付けられることとなる。
【0044】この状態におけるリテーナ(3) の前端部は、継手主体(1) のリテーナ拡開許容部(12)に位置するように設定されており、リテーナ(3) の食込み部(33)とこれに対向する管受け面(15)との間隔(L) は、蛇腹管(8) の一山分の寸法に略一致する構成となっている。又、このとき、筒部材(40)のフランジ部(44)は、継手主体(1) の係合凸部(11)と締付筒(2) の押圧用端面(25)とで挟まれる状態となっているが、リテーナ(3) の食込み部(33)の拡開を阻止する力は作用していない。
【0045】次に、この可撓管継手に対して可撓管である蛇腹管(8) を締付筒(2) の後方から挿入する。すると、図2の実線で示すように、この蛇腹管(8) の最前端の山部(81)がリテーナ(3) の食込み部(33)に当接する。
【0046】この当接状態から、蛇腹管(8) をさらに強く押し込むと、山部(81)が食込み部(33)を外周側に押す。このとき、リテーナ(3) 及びこれに外嵌する筒部材(40)には、上記したようにそれぞれスリット(32)及び溝部(42)が形成されているとともに、これらの前端部は、継手主体(1) のリテーナ拡開許容部(12)に位置することから、リテーナ(3) の前端側は拡開可能となる。これによって、図2の破線で示すように、山部(81)が食込み部(33)間を通過し、リテーナ(3) は、筒部材(40)の弾性復帰力によって上記した自由状態に復帰し、食込み部(33)が前記山部(81)に続く谷部(82)に食い込むこととなる。
【0047】この状態では、係合凸部(11)とフランジ部(44)との係合によって食込み部(33)の端面と管受け面(15)との間隔(L) が蛇腹管(8) の一山分に設定されていることから、図2の破線で示すように、蛇腹管(8) の最先端の山部(81)のみがリテーナ(3) から前方に突出した状態となる。
【0048】この状態から締付筒(2) をさらに締め込むと、この締付筒(2) の押圧用端面(25)が筒部材(40)の受圧端面(45)に当接して、環状凹部(36)内に収容されている筒部材(40)が、リテーナ(3) の環状端面(30)と締付筒(2) の環状端面(28)との間の間隙(S) 分だけ、前方に押される。筒部材(40)は、弾性合成樹脂により成型されているものであるから、押圧用端面(25)で前方へ押されることにより、図5の二点鎖線で示すように、環状凹部(36)から外周方へはみ出すように変形すると同時に、前記間隙(S) が消失して内側環状端面(28)が環状端面(30)に当接する。その後、締付筒(2) は、金属製のリテーナ(3) の後端の環状端面(30)を押圧していくこととなる。
【0049】尚、締付筒(2) の押圧用端面(25)が筒部材(40)の受圧端面(45)を押圧するとき、係合凸部(11)とフランジ部(44)との係合により筒部材(40)の移動が阻止されるが、締付筒(2) をさらに強く締め込むことにより、フランジ部(44)の基端部側が強制的に係合凸部(11)よりも前端へ移動させられ、それに伴って、フランジ部(44)の外周側は、後方側へ屈曲させられる。フランジ部(44)は、筒部材(40)と同様に、弾性合成樹脂によって形成されていることから、前記フランジ部(44)は、容易に後方側に屈曲することとなる。そして、フランジ部(44)の外径が係合凸部(11)の内径より小さくなったときに、フランジ部(44)と係合凸部(11)との係合が外れ、リテーナ(3) が締付筒(2) によって直接押圧されて、図6に示すように、リテーナ収容室(17)内に押し込まれることとなる。
【0050】リテーナ収容室(17)は円筒形状に形成されており、その内径は、分割部材(37)間の各スリット(32)分だけ縮径させた状態のリテーナ(3) の前端部の外径に略一致するように設定されているとともに、分割部材(37)の前端部の外周端縁は断面円弧状に形成されているから、締付筒(2) を締め付けることによって、リテーナ(3) は前記締付筒(2) に押されて、食込み部(33)が蛇腹管(8) の谷部(82)に外嵌した状態のままで、前端部の直径を縮径させながら、リテーナ収容室(17)内へ強制的に押し込まれていき、リテーナ(3) はリテーナ収容室(17)の内周壁によって拡開阻止状態に保持されることとなる。
【0051】尚、このものでは、自由状態にあるリテーナ(3) の前端部の外径と、スリット(32)分だけ縮径させた状態のリテーナ(3) の前端部の外径との間に余り差が生じないように、スリット(32)の幅は小さく設定されているものとする。これにより、リテーナ(3) は極端に変形させられることなく自由状態をほぼ維持したまま、リテーナ収容室(17)内にまっすぐに押し込まれることとなる。従って、締付筒(2) を締め付ける際の締付力は、リテーナ(3) を介して、蛇腹管(8) の挿入端部を押圧する押圧力へ効率よく転換させられると共に、リテーナ(3) の分割部材(37)の前面部はフラット面により構成されていることから、締付筒(2) が最終位置にまで締め込まれた図6に示す状態においては、前記押圧力により、分割部材(37)の前面部が、これに対向する環状溝(19)内のOリング(14)を抜止め状態に押圧すると同時に環状溝(19)の開放端縁を均一に押圧する態様となる。
【0052】これにより、前記分割部材(37)の前面部に連続する食込み部(33)と、管受け面(15)の外側端縁に相当する環状溝(19)の開放端縁との間に位置していた蛇腹管(8) の最前端の山部(81)は、食込み部(33)の前面部によって環状溝(19)の開放端縁に押し付けられて押し潰されるとともに前記外側端縁よりも外方に突出している山部(81)の一部分は環状溝(19)内に押し込まれ、分割部材(37)の前記前面部によって、Oリング(14)と共に圧接状態に押圧されることとなる。
【0053】このものでは、管受け面(15)と環状溝(19)との境界縁部に、蛇腹管(8) を押し潰すことにより固定する構成としたから、面相互間で挟圧する構成のものに比べて、蛇腹管(8) のシール性が向上すると共に、その状態のままリテーナ(3) の前端部はリテーナ収容室(17)の内周壁によって拡開阻止状態に保持された構成となっているから、蛇腹管(8) が不用意に引っ張られることがあっても、食込み部(33)が蛇腹管(8) の谷部(82)から抜けることがなく、蛇腹管(8) が抜け落ちることはない。
【0054】尚、分割部材(37)と共に筒部材(40)も同時に押し込まれるようにリテーナ収容室(17)の深さが設定されているものでは、前記筒部材(40)は、上記したように、締付筒(2) の押圧用端面(25)で後方から押されて外側にはみ出したままであるから、この筒部材(40)が分割部材(37)と共にリテーナ収容室(17)内に強制的に押し込まれることによって、リテーナ(3) のリテーナ収容室(17)からの抜止めをより一層確実なものとすることができる。
【出願人】 【識別番号】000151977
【氏名又は名称】株式会社藤井合金製作所
【出願日】 平成11年7月8日(1999.7.8)
【代理人】 【識別番号】100076912
【弁理士】
【氏名又は名称】坂上 好博 (外1名)
【公開番号】 特開2001−21085(P2001−21085A)
【公開日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願番号】 特願平11−194373