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【発明の名称】 フレキシブルチューブ用継手
【発明者】 【氏名】藤沢 正造

【氏名】倉谷 純一

【氏名】柴渕 利夫

【氏名】中岡 幹夫

【氏名】雁木 和良

【要約】 【課題】コルゲイト管にて構成されたフレキシブルチューブのための継手において、スペーサなどの特別な部材を用いることなしに、押輪を筒状本体に対し所定位置に仮にねじ合わせておくことができるようにする。

【解決手段】押輪25は、コルゲイト管2を挿通可能な状態で筒状本体11に仮にねじ込まれたときに、筒状本体11の内部に形成された突起40に係り合って位置決めされる。リテーナ44がコルゲイト管2に係り合った状態で押輪25が筒状本体11内にさらにねじ込まれるときに、突起40は、この押輪25により切断されて、この押輪25のさらなるねじ込みを許容する。この押輪25のさらなるねじ込みによって、コルゲイト管2の先端の山部が、リテーナ44と筒状本体11の当接面23との間で圧し潰される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コルゲイト管にて構成されたフレキシブルチューブのための継手であって、内部に当接面を有する筒状本体と、先端部が筒状本体の内部にねじ込まれる押輪と、筒状本体の内部における押輪よりも奥側に配置されるリテーナとを具備し、フレキシブルチューブは、コルゲイト管が、押輪の端部から、この押輪とリテーナと筒状本体との内部に向けて挿通可能とされ、リテーナは、コルゲイト管の山部が内部を通過するときにこの山部によって一時的に拡径されるように構成されるとともに、その内部に挿通されたコルゲイト管と押輪との両者に係り合い可能とされ、押輪は、リテーナがコルゲイト管に係り合った状態で筒状本体内にさらにねじ込まれることによって、そのコルゲイト管の先端の山部をリテーナと筒状本体の当接面との間で圧し潰すように構成され、押輪がコルゲイト管を挿通可能な状態で筒状本体にねじ込まれたときにこの押輪に係り合うとともに、リテーナがコルゲイト管に係り合った状態で押輪が筒状本体内にさらにねじ込まれるときに、この押輪により切断されて、この押輪のさらなるねじ込みを許容する突起を、筒状本体の内部に形成したことを特徴とするフレキシブルチューブ用継手。
【請求項2】 突起における押輪によって切断される部分に切欠が形成されていることを特徴とする請求項1記載のフレキシブルチューブ用継手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフレキシブルチューブ用継手に関し、特にガス配管などに使用されるコルゲイト管にて構成されたフレキシブルチューブのための、フレキシブルチューブ用継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のフレキシブルチューブ用継手として、内部に当接面を有する筒状本体と、先端部が前記筒状本体の内部にねじ込まれた状態で、コルゲイト管の先端数山分の被覆体が取り除かれたフレキシブルチューブが挿通される押輪と、この押輪に挿通されたフレキシブルチューブのコルゲイト管の外周の谷部に係り合い可能な内周突部を有するとともに前記押輪の先端部に連結されたリテーナとを備えたものが、たとえば特開平8−159350号公報に開示されている。
【0003】このようなフレキシブルチューブ用継手においては、押輪を筒状本体に対し所定位置に仮にねじ合わせた状態でこの押輪の中にフレキシブルチューブのコルゲイト管を挿入させることで、このコルゲイト管の先端の山部がリテーナの内周突部を押し拡げてこの内周突部の位置を通過する。これにより、リテーナの先端からコルゲイト管の先端が所定量突出した状態で、リテーナの内周突部がコルゲイト管の谷部に係り合うので、その後に押輪をさらにねじ込むことによって、リテーナの先端から突出したコルゲイト管の部分をこのリテーナと前記筒状本体の当接面との間で密接状態で圧し潰すことができる。これによって、フレキシブルチューブが継手にシール状態で接続されることになる。
【0004】このような構成の継手においては、上述のように押輪はコルゲイト管の挿入前の段階において筒状本体に対し所定位置に仮にねじ合わせておかなければならない。このため、特開平8−159350号公報では、ねじ合わせ部よりも筒状本体の外側における押輪の外周にC字形の合成樹脂製のスペーサをはめ合わせ、押輪を筒状本体に仮にねじ合わせるときに筒状本体の端面とこの筒状本体の外側における押輪の端面との間でスペーサを挟み込むことによって、この押輪の位置決めを行うようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような構成であると、スペーサという特別の部材を用いなければならない。しかもこのスペーサは、リテーナの先端部の圧し潰しのために押輪をさらに筒状本体にねじ込む際には、筒状本体の端面と押輪の端面との間から取り除かなければならず、そのための作業が必要になるとともに、取り除いた後のスペーサはもはや継手の構成部材としての使い途がないので、廃棄するしかないという問題点がある。
【0006】そこで本発明は、このような問題点を解決して、スペーサなどの特別な部材を用いることなしに、押輪を筒状本体に対し所定位置に仮にねじ合わせておくことができるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため本発明は、コルゲイト管にて構成されたフレキシブルチューブのための継手が、内部に当接面を有する筒状本体と、先端部が筒状本体の内部にねじ込まれる押輪と、筒状本体の内部における押輪よりも奥側に配置されるリテーナとを具備し、フレキシブルチューブは、コルゲイト管が、押輪の端部から、この押輪とリテーナと筒状本体との内部に向けて挿通可能とされ、リテーナは、コルゲイト管の山部が内部を通過するときにこの山部によって一時的に拡径されるように構成されるとともに、その内部に挿通されたコルゲイト管と押輪との両者に係り合い可能とされ、押輪は、リテーナがコルゲイト管に係り合った状態で筒状本体内にさらにねじ込まれることによって、そのコルゲイト管の先端の山部をリテーナと筒状本体の当接面との間で圧し潰すように構成され、押輪がコルゲイト管を挿通可能な状態で筒状本体にねじ込まれたときにこの押輪に係り合うとともに、リテーナがコルゲイト管に係り合った状態で押輪が筒状本体内にさらにねじ込まれるときに、この押輪により切断されて、この押輪のさらなるねじ込みを許容する突起を、筒状本体の内部に形成したものである。
【0008】このような構成であると、押輪が筒状本体に仮にねじ合わされるときには、この押輪が筒状本体の突起に係り合うことで、スペーサなどの特別の部材を用いることなしに、この押輪が所定位置に位置決めされる。コルゲイト管が挿通された後に押輪にねじ込み力を作用させると、突起はこの押輪により切断されてこの押輪のさらなるねじ込みを許容する。このため、コルゲイト管の先端の山部がリテーナと筒状本体の当接面との間で圧し潰される。切断された突起は、筒状本体にねじ込まれる押輪によって筒状本体の奥側へ運ばれる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1において、1はフレキシブルチューブで、薄肉のステンレス製のコルゲイト管2と、このコルゲイト管2の外周を覆う樹脂製のチューブ状の被覆体3とによって構成されている。このフレキシブルチューブ1は、コルゲイト管2の先端の数山分につき被覆体3が取り除かれた状態で継手に接続される。
【0010】図1〜図3はこの継手を示す。ここで11は筒状本体で、真鍮などの金属によって形成され、その一端に外ねじ部12が形成されることで、ガス管などの被接続体に接続することができるように構成されている。13は六角部で、外ねじ部12のねじ込み操作のために用いられる。14は、その他端側の端面である。筒状本体11の他端側の内周には、その開口側から順に、内ねじ部15と、この内ねじ部15のねじの谷部の内径とほぼ同径の中ぐり部16と、この中ぐり部よりも小径の押輪先端収容部17と、この押輪先端収容部17よりも小径のリテーナ収容部18とが形成されている。中ぐり部16と押輪先端収容部17との境界部分における同収容部17の内周には、この収容部17よりも径方向の内側に突出する環状の突起40が形成されている。この突起40の基端部、すなわち、この突起40と収容部17の内周面との境界部分には、筒状本体11の開口側から、切欠41が周方向に沿って形成されている。また押輪先端収容部17とリテーナ収容部18との境界の部分すなわち押輪先端収容部17の奥端の部分には、径方向の第1の当接面20が形成されている。
【0011】リテーナ収容部18の奥端の部分には、筒状本体11の開口側を向いて形成されたあり溝構造の環状のパッキン収容溝21が形成されている。パッキン収容溝21には、パッキンとしてのOリング22がはめ込まれている。このOリング22は、その先端部がパッキン収容溝21からわずかに突出した状態で、この収容溝21に収容されている。
【0012】パッキン収容溝21よりも内周側の部分には、径方向の第2の当接面23が形成されている。第2の当接面23よりも内周側には、筒状本体11の開口の方へ突出する環状突起24が形成されている。この環状突起24は、コルゲイト管2の谷部の内径よりも小径に形成されている。25は押輪で、真鍮などの金属によって筒状に形成されるとともに、その一端側に、筒状本体11の内ねじ部15にねじ込み可能な外ねじ部26を有する。押輪25の他端側の外周には、ねじ込み操作のための六角部27が形成されている。この六角部27は外ねじ部26よりも大径に形成され、したがって筒状本体11の端面14に向かい合う端面部28が形成されている。この端面部28には環状のパッキン29が装着されている。外ねじ部26よりもさらに一端側には、外ねじ部26よりも小径に形成されることで収容部17に入り込み可能な先端部30が形成されている。31は押輪25の先端面で、径方向に形成されることで、筒状本体11の突起19に当たることができるように構成されている。押輪25の一端部の内周には、その開口端に向かうにつれて次第に拡径するテーパ面32が形成されている。
【0013】押輪25には、フレキシブルチューブ1を挿通させるための孔部34が形成されている。この孔部34すなわち押輪25の他端側の内周には、パッキン35が収容されている。押輪25のテーパ面32と筒状本体11の第1の当接面20との間には、リテーナ44が設けられている。このリテーナ44は、周方向一つ割りの真鍮などの金属材料により形成され、ある程度の範囲で弾性的に拡径および縮径可能とされている。リテーナ44の外周には、押輪25の内周のテーパ面32に接することができるテーパ面45が形成されている。また、リテーナ44の内周には、その軸心方向にわたって、筒状本体11の奥側に向かうにつれて次第に縮径するテーパ面46が形成されている。47はリテーナ44の先端面で、この先端面47とテーパ面46との交差部によって形成される鋭角状のエッジ部48が、周方向に沿って形成されている。また、リテーナ44の外周には、先端面47側の部分において、テーパ面45よりも径方向の外向きに突出する突部49が形成されている。リテーナ44のエッジ部48は、その内径が、コルゲイト管2の山部の外径よりも小さくかつその谷部の外径と同等以上の寸法となるように形成されている。
【0014】このようなものにおいて、継手を構成する場合には、筒状本体11の内部にOリング22とリテーナ44とをはめ込んだうえで、この筒状本体11に押輪25をねじ込む。すると、図1に示すように押輪25の先端面31が筒状本体11の突起40に当たることになって、押輪25が軸心方向に位置決めされる。このとき、リテーナ44は、押輪先端収容部17の内周側に位置しており、弾性的に拡径も縮径もしておらず、その先端の外周縁部が筒状本体11の第1の当接面20の内周縁部に当たった状態にあり、また押輪25のテーパ面32に制限されずに拡径することが可能である。
【0015】この状態の継手とフレキシブルチューブ1とを接合させる際には、図1に示すように、コルゲイト管2の谷部で切管されかつコルゲイト管2の先端の数山分につき被覆体3が取り除かれた状態のフレキシブルチューブ1を、押輪25の端部から孔部34の中に挿入する。すると、コルゲイト管2の先端の山部がリテーナ44のエッジ部48に当たる。この状態でフレキシブルチューブ1をさらに押し込むと、第1の当接面20に係り合ったリテーナ44をコルゲイト管2の山部が弾性的に拡径させ、この山部がエッジ部48の位置を通過して、このエッジ部48よりも筒状本体11の奥側の位置すなわち第2の当接面23に近づいた位置あるいは接触した位置まで入り込む。すると、リテーナ44は拡径状態が解除されて元の状態に戻り、エッジ部48はコルゲイト管2の谷部にはまり込む。図1および図3はこのときの状態を示す。
【0016】次に、押輪25に強い力を加えてさらに筒状本体11にねじ込む。すると、このときの力にもとづき押輪25の先端部30が筒状本体11の突起40を押し、その切欠41が形成された部分に応力集中が生じて、突起40は、この切欠41が形成された部分が破断されることによって、押輪先端収容部17から切断される。
【0017】これによって、押輪25の先端部30が収容部17に入り込む。また、押輪25のテーパ面32がリテーナ44のテーパ面45に接してこれを押圧し、これによって第1の当接面20に接触した状態のリテーナ44を弾性的あるいは塑性的に縮径させる。この縮径によって、リテーナ44は第1の当接面20の内周縁部よりも小径になって、この第1の当接面20との係り合いが解除される。
【0018】すると、押輪25のねじ込みによってリテーナ44とコルゲイト管2とが筒状本体11の奥側ヘ移動され、コルゲイト管2の先端部が第2の当接面23に接した状態で押輪25がねじ込まれると、押輪25の先端面31でリテーナ44の突部49が押されることで、図2に示すように、第2の当接面23と、収容部18に入り込んだリテーナ44の先端面47との間でコルゲイト管2の先端の山部を挟み込んで圧し潰す。これによって、コルゲイト管2と筒状本体11とが金属シール状態で接合されることになる。また、押輪25のねじ込みに伴って、上述のように切断された環状の突起40は、押輪25の先端部30に押されて押輪先端収容部17の奥側へ送り込まれる。
【0019】また、このときコルゲイト管2の最先端部は筒状本体11の環状突起24に外ばめされる。したがって、圧し潰し時に不均一な力が作用することなどが原因してコルゲイト管2の先端部が径方向の内向きに変形し、それによってシール不良やガス通路の縮径などが発生することが、効果的に防止される。図2に示す接合完了状態では、テーパ面32、45どうしの接触を伴って押輪25がリテーナ44の外周に被さっており、しかも押輪25の先端面31がリテーナ44の突部49に当たっており、さらにリテーナ44は縮径状態で収容部18に収容されているため、このリテーナ44が再び拡径したり軸心方向に移動したりすることが防止される。このため、フレキシブルチューブ1が継手から抜け出すような事態の発生が防止される。
【0020】また、図2に示す接合完了状態では、リテーナ44の先端面47が収容溝21内のOリング22を圧縮し、またこの圧縮されたOリング22がコルゲイト管2の圧し潰し部も押圧することになるため、多重のシールを確保できる。また、パッキン29が筒状本体11の端面14と押輪25の端面部28との間で圧縮される。また、上述のようにフレキシブルチューブ1を押輪25に挿通させると、その被覆体3がパッキン35の内側に入り込んで、その外周がシールされる。これらのパッキン29、35は、主として継手の内部に水などが浸入することを防止するために用いられる。
【0021】なお、上記においては、押輪25とリテーナ44とが分離した構成の継手について説明したが、上述の特開平8−159350号公報に記載されたように押輪とリテーナとが互いに連結された構成の継手にも本発明を適用することができる。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によると、コルゲイト管がリテーナに係り合った状態で押輪を筒状本体内にさらにねじ込むことによって、そのコルゲイト管の先端の山部をリテーナと筒状本体の当接面との間で圧し潰すように構成され、また押輪がコルゲイト管を挿通可能な状態で筒状本体にねじ込まれたときにこの押輪に係り合うとともに、コルゲイト管がリテーナに係り合った状態で押輪が筒状本体内にさらにねじ込まれるときに、この押輪により切断されて、この押輪のさらなるねじ込みを許容する突起を、筒状本体の内部に形成したため、スペーサなどの接合作業後には使い途が無くなる特別な部材を用いることなしに、押輪を筒状本体に対し所定位置に仮にねじ合わせておくことができ、しかも押輪を筒状本体内にさらにねじ込むときにも、部材の取り外しなどを行わずに作業することができる。
【出願人】 【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
【識別番号】000191397
【氏名又は名称】新和産業株式会社
【出願日】 平成11年7月8日(1999.7.8)
【代理人】 【識別番号】100068087
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
【公開番号】 特開2001−21083(P2001−21083A)
【公開日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願番号】 特願平11−193809