| 【発明の名称】 |
ヤリトリ兼S字状弯曲可能の合成樹脂製上・下水用継ぎ手 |
| 【発明者】 |
【氏名】酒井 初雄
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| 【要約】 |
【課題】大型下水処理槽と他の同様の槽とを接続するとき、両槽が巨大化して両槽の芯出しができにくい。
【解決手段】大型下水処理槽2と他の同様の槽3とを接続する移流管1を、両端に差口をもつ可撓管10で構成し、該可撓管10を、先端に係止爪をもつ細軸とこの細軸を突設した袋体とのセグメントからなる帯体を円形に巻回延出させた管体で構成し、その短縮長から略倍の伸長になるようにして、ヤリトリ機能とS字弯曲機能とを同時に発揮させて、両槽2,3の芯出し困難を克服する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 両側に差口等の接続部をもつ合成樹脂製上・下水用継ぎ手であって、前記接続部で挟まれた部分を、側断面視で先端に係止爪をもつ軸を突設した袋体、からなる帯体を軸を他の袋体に遊嵌して抜止めするように円形に巻回延出した可撓管で構成することにより、該継ぎ手に、前記軸の略長さだけ伸縮させてヤリトリ機能とS字状弯曲機能を同時に発揮させるようにしたヤリトリ兼S字状弯曲可能の合成樹脂製上・下水用継ぎ手。 【請求項2】 請求項1の継ぎ手を、地下埋設で、かつ、接続ソケットを突設した大型下水処理槽と、同様な他の大型下水処理槽とを槽レベル性を確保しながら接続する移流管に適用したヤリトリ兼S字状弯曲可能の合成樹脂製継ぎ手。 【請求項3】 請求項1または2の軸と袋体との境における袋体に、側断面視で外周にリブを一体形成したヤリトリ兼S字状弯曲可能の合成樹脂製継ぎ手。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ヤリトリ機能およびS字状弯曲機能を同時に発揮できる上水用または下水用の合成樹脂製継ぎ手に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、公共下水道設備のない地域では、住宅や工場等から排出される排水は、浄化しなければ公共水域へは放流してはならない。そのため、生活排水の浄化のための個別処理としては、■生活雑排水のみを処理する雑排水単独処理、■生活雑排水と屎尿とを併せて処理する合併処理、■単独屎尿浄化槽で屎尿を処理し、その処理水と生活雑排水とを併せて処理する変則合併処理、の3種の処理が行われている。 【0003】かかる処理の1例について述べる。図4に示す浄化槽は、生産工場製の規格品を現場に搬入し埋設する型式であり、特に嫌気ろ床接触ばっ気(嫌気ろ床槽→接触ばっ気槽→沈殿槽→消毒槽)を用いた前記■の合併浄化槽であって、しかも、その放流水のBOD(生物化学的酸素要求量)濃度を20mg/リットルから10mg/リットル以下に浄化するための3次処理槽を組合せたものである。 【0004】すなわち、合併浄化槽101には、流入口102から、ろ材103を内臓した第1の嫌気ろ床槽室104、ろ材103を内臓した第2の嫌気ろ床槽室105、散気管106および接触材107を内蔵した接触ばっ気槽室108、沈殿槽室109および薬剤筒110を内蔵した消毒槽室111が並設されて流出口112に連通している。 【0005】そして、この合併浄化槽101内において、生活雑排水と屎尿との被処理水は矢印のように流れ、放流水のBOD濃度を20ppmに迄浄化している。 【0006】かかる合併浄化槽101の流出口112に移流管113を接続し、この移流管113に、接触ばっ気室や沈殿室や消毒室(いずれも不図示)を内臓した3次処理槽114を接続して、処理水を放流している。この処理水はBOD濃度が前記のように10ppmに浄化されているので、水質規制の厳しい環境でも放流することができる。 【0007】ここで、これらの合併浄化槽101や3次処理槽114の性能を十分に発揮させるには、これらの槽が水平に設置されるための基礎工事を適正に行われていること(レベル性があること)、雨水を流入させない配管を行うこと、かさ上げは保守点検が十分に実施できる範囲であること、等の事項を厳守しなければならない、とされている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところが、これらの合併浄化槽や3次処理槽は型式であるため、それ自体の加工精度は高いものの、その設置に関する施工精度は、コンクリ−ト打ち施工115,116と下水用配管工事とが異別の業種の専門家によることや、これらの槽が巨大化(例えば高さ約2m、上下流方向長約3m)して縦横左右の芯出しが困難であるばかりでなく、簡単に設置の手直しができないこと等から、浄化槽設備士によるものであっても、両槽を接続する移流管113には各種の誤差のしわ寄せがきて、両槽を接続することが困難となる、という問題があった。 【0009】そこで本発明は、かかる施工上の困難性を認めながら、発想を転換して、浄化槽のレベル性を確保して、その性能を十分に発揮させると共に、施工を容易にしようとすることを目的とするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するため、本発明の要旨は、1)両側に差口等の接続部をもつ合成樹脂製上・下水用継ぎ手であって、前記接続部で挟まれた部分を、側断面視で先端に係止爪をもつ軸を突設した袋体、からなる帯体を軸を他の袋体に遊嵌して抜止めするように円形に巻回延出した可撓管で構成することにより、該継ぎ手に、前記軸の略長さだけ伸縮させてヤリトリ機能とS字状弯曲機能を同時に発揮させるようにしたヤリトリ兼S字状弯曲可能の合成樹脂製上・下水用継ぎ手にあり、また、2)請求項1の継ぎ手を、地下埋設で、かつ、接続ソケットを突設した大型下水処理槽と、同様な他の大型下水処理槽とを槽レベル性を確保しながら接続する移流管に適用したヤリトリ兼S字状弯曲可能の合成樹脂製継ぎ手にあり、また、3)請求項1または2の軸と袋体との境における袋体に、側断面視で外周にリブを一体形成したヤリトリ兼S字状弯曲可能の合成樹脂製継ぎ手とするものである。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明を、添付図面に示す実施例により詳細に述べる。図1は本発明の実施の形態例の全体側面図、図2は図1の要部側面図、図3は図2の要部断面図を示し、図4と共通する部分は、その説明および図示を省略する。 【0012】本発明の実施の形態例の移流管(合成樹脂製継ぎ手)1は、型式である合併浄化槽2と3次処理槽3との槽最接近部の間隔が約300mmになるよう設置されているものを接続しようとするが、他に、レベル性を必要とする合併浄化槽2と、特にレベル性を必要としないポンプアップ槽や原水槽との接続や、地上設置の上水用の合成樹脂製槽同志の接続にも適用できる。 【0013】先ず、前記合併浄化槽2と3次処理槽3(以下、槽2,3という)について述べる。これらの槽2,3は、例えば宅地内を掘削して、その底にグリ石等により基礎工事4をした後、地表GLからの所定の深さ(槽の高さ)の所に、約100mm厚さのコンクリ−ト基盤5を打設する。 【0014】そこで、これらの槽2,3をクレ−ン等を用いて設置し、前記移流管1を接続すると共に、マンホ−ル蓋6のカサアゲ管体(例えば特許第2732374号公報参照)7によりマンホ−ル蓋6と地表GLとを、例えば面一に調節する。 【0015】次に、この移流管1について述べる。この移流管1には次のような可撓管10を用いて、槽2,3のレベル性を確保して設置後、両槽2,3の接続時の誤差を吸収し、槽2,3の処理性能を十分に発揮させるようにしている。 【0016】すなわち、槽2,3には生産工場において取付けられている槽(浄化槽)付設ソケット8,9をそれぞれ突設し、これらの槽付設ソケット8,9を接着接合する塩ビ製受口で構成している。 【0017】これらの槽付設ソケット8,9の管端間隔は約450mmになっている。なお、21’は槽2,3に取付けた槽付設ソケット8,9のための補強部分を示す。 【0018】一方、移流管1の主体を構成する、口径約100mmφの可撓管10には、図2に示すように左右同一構成(または異別の構成)になった接続部11,11を設けて、いわゆるヤリトリ機能およびS字状弯曲機能を同時に発揮させる継ぎ手に構成している。 【0019】この接続部11,11が左右(両側)同一構成になった片側について述べる。この接続部11は、既製の安価な塩ビ部品を生産工場で組合せたもので、その構造は、特に図2に示すように、前記槽付設ソケット8の受口(または差口)に、その一端側が施工現場で接着接合する接続短管12と、この接続短管2の他端側が生産工場で接着接合する受口継ぎ手13と、から構成し、この受口継ぎ手13が前記可撓管10のソケット部20に生産工場で接着接合するようになっている。勿論、前記接着接合はいずれもゴム輪接合であってもよい。 【0020】この可撓管10には、一般のコルゲ−ト管を用いてもよいが、図3に示すような可撓管を用いている。 【0021】なお、一般のコルゲ−ト管とは、図示しないが、蛇腹形状になったものと、独立の山谷形状になったものとがあり、いずれも排水管(例えば実公平6−40394号公報)等に用いられるが、上水または下水用管の大きさ(例えば75mmφから350mmφ)に適用すると、ヤリトリ機能とS字状弯曲機能とは同時に発揮されにくい。 【0022】すなわち、前記可撓管10は塩ビまたはPP樹脂を用いた押出成形品であって、その構造は図3に示すように側断面視で、塩ビ管(VP)肉厚程度の太さをもつ細い軸14が、断面細身5角状の袋体(ツボミ体ともいう)15の頭部から一体突出形成されている。 【0023】すなわち、中心軸aに平行線上で軸14と袋体15とが並列されて1つのセグメントとしている帯体16を、この軸14を水平にして円形に巻回しながら順次、図3中、左または右方向に接続して延出させて管体を構成している。 【0024】この構成にあたり、この軸14を、次に巻回してくる袋体15aの右向きの開口部17に樹脂弾性に抗して押し開いて(水密状になる)挿入して遊嵌し、軸14の先端に設けた矢印状爪(係止爪)18を、開口部17の内側で係止させて抜止めにして一体化する。このようにして管体状の可撓管10が形成される(例えば特許第2732374号公報参照)。 【0025】このとき、この袋体15aの開口部17の内側には段部19が形成されているので、この段部19に矢印状爪18が係止される迄、軸14は袋体15の空洞(軸14と略同一軸長の空洞)内で、その中心軸aに平行に軸14の略軸長の範囲で移動することができる。 【0026】特に、この可撓管10では、軸14と袋体15との境における、側断面視で可撓管10の外周に位置する部分に、軸14や袋体15の肉厚と同じ肉厚のリブ21を袋体15の外周より若干突出させて一体に成形しているので、山谷形状のコルゲ−ト管と同様、強度をもたせ、しかも、可撓管10を流れる水圧に対する耐圧性を保持し、その上、袋体15の開口部17の外端のストッパにして喰込みなく短縮するようにしている。勿論、このリブ21の付加により生産費を上げることはない。 【0027】したがって、この可撓管10によると、その口径が約75mmφ〜150mmφであるにもかかわらず、中心軸a方向に大きく(短縮時の略倍の長さに伸長)伸縮でき、ひいては、伸びによる弯曲外面と縮みによる弯曲内面とからなる弯曲作用を発揮することから、例えばS字状に半径を小としながら自由に弯曲することができる。 【0028】この弯曲性能は、この種の口径における一般のコルゲ−ト管では得られないものである。 【0029】そして、この可撓管10の両端には図2示すように受口または差口を形成するソケット部20が設けられ、前記接続部11と接着接合されている。 【0030】以上の移流管1の使用方法について述べる。槽付設ソケット8,9をもつ槽2,3を所定の位置に設置し、それぞれのレベル性を厳格に出す。このときの槽付設ソケット8,9の管端間隔が例えば450mmとすれば、すなわち、狭隘な間隔とすれば、この管端間隔より伸長した状態で若干長尺の移流管1を用いて両ソケット8,9を接続する。すなわち、管端間隔より、伸長して長尺になった合成樹脂製継ぎ手を用いる。 【0031】そこで、例えば、移流管1の接続部11の一方を、一方の槽3の槽付設ソケット9に接着接合(ゴム輪接合、単なる接合)した後、他方の接続部11を他方の槽2の槽付設ソケット8に接着接合(ゴム輪接合、単なる接合)させるため、可撓管10を短縮する。 【0032】このとき、可撓管10が最大伸び長さの約半分に短縮されることを利用して、他方の槽2の槽付設ソケット8や他方の接続部11へのそれぞれの接着剤塗布作業には十分なスペ−スができるので、その接続のヤリトリ作業は容易にできる。勿論、ゴム輪接合のヤリトリ作業も容易にできる。 【0033】そして、もし、これらの槽付設ソケット8,9が上下および/または左右前後方向にソゴしておれば、このソゴを可撓管10で十分に吸収して接続することができる。 【0034】なお、本実施の形態例のヤリトリ兼S字状弯曲可能の合成樹脂製継ぎ手は、下水処理用の移流管で説明したが、本発明はこれに限らず、上水用管布設部材にも適用できるものである。 【0035】 【発明の効果】本発明の請求項1によると、両側に差口や受口やゴム輪受口等の接続部をもった可撓管に、ヤリトリ機能(主として固定された既設管に対し新設管を接続するとき、その管継ぎ手を新設管の外周でスライドさせたり、または、管継ぎ手内で新設管端をスライドさせたりして新旧両端を接続させることをヤリトリ機能という)とS字状弯曲機能(単に上下方向や左右前後方向に弯曲させるだけでなく、斜め方向を含めてこれらが組合されて弯曲することをいう)とを同時にもたせるので、狭隘な所や既設のところの継ぎ手として、また、配管上の誤差吸収にきわめて有効となる。 【0036】請求項2によると、特にレベル性を必要とする地下埋設の大型下水処理槽同志やレベル性を必要としない大型下水処理槽とを接続する移流管に適用したので、レベル性を厳格に必要とする槽の設置作業ができ、その下水処理機能を遺憾なく発揮させ、設計値どおりの処理ができ、信頼性を得ることができるばかりか、設置作業を容易にすることができる。 【0037】請求項3によると、可撓管の耐圧性および強度を確保することができるばかりか、安価に生産できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000244224 【氏名又は名称】明邦工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年7月7日(1999.7.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082201 【弁理士】 【氏名又は名称】岡部 吉彦
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| 【公開番号】 |
特開2001−21082(P2001−21082A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月26日(2001.1.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−193556 |
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