トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 管継手
【発明者】 【氏名】高村 強道

【要約】 【課題】流体管に装着しやすいインコアの管継手を提供すること。

【解決手段】インコア8は、薄肉円筒形に形成され、所定の間隔で周方向に間隙が設けられるとともに、半径方向に弾性縮径可能となっているので、インコア8には周方向に間隙が設けられているので、流体管2に装着する際に縮径させて挿入することがでる。よって、挿入に際しての抵抗が小さいので装着が容易となり作業時間が短縮される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インコアを端部の内周面に嵌合した流体管と、パッキンを装着した受口部に前記流体管の端部が水密に挿入された継手本体とからなる管継手であって、前記インコアは、薄肉円筒形に形成され、所定の間隔で周方向に間隙が設けられるとともに、半径方向に弾性縮径可能となっていることを特徴とする管継手。
【請求項2】 前記インコアには、縮径を規制する規制装置が設けられている請求項1に記載の管継手。
【請求項3】 前記インコアの規制装置は、周方向の一端部に、他端部が当接して縮径が規制される係止部が設けられている請求項2に記載の管継手。
【請求項4】 前記インコアの規制装置は、周方向の端部同士の重なりを防止する阻止部が設けられている請求項2または3に記載の管継手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばポリエチレン等の軟質合成樹脂製の水道管、ガス管、プラント用配管の接続に使用される管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の流体管の管継手として特開平10−122459に開示されているものが知られている。(図6)【0003】この従来の管継手Aは、継手本体Bと流体管CおよびインコアDより成り、継手本体Bの受口部B1の開口端近傍にはパッキン収容部B2が形成され、パッキン収容部B2の奥部には断面が略コ状のリング収容部B3が形成されている。
【0004】そして、パッキン収容部B2にパッキンEが収容され、リング収容部B3に芯出し部材Fおよび離脱防止リングGが収容された状態で、受口部B1内に流体管Cの挿口部C1が挿入される。
【0005】挿口部C1には、挿口部C1からの離脱を防止するために挿口部C1の内径よりやや大きい外径に形成されたインコアDが挿入されている。
【0006】インコアDは、パッキンEや離脱防止リングGによる縮径方向の力が作用する挿口部C1の変形を防止するために装着されている。
【0007】このインコアDが装着される流体管Cは、ポリエチレン管等の軟質合成樹脂管であって、その製造方法や材質の特性によって管径や管厚のばらつきが大きく、軟質合成樹脂管各規格における管径や管厚は、公差が大きく規定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の管継手におけるインコアは、装着した流体管からの抜け出しを防止するために、公差を見込した流体管の最大内径よりも大きな外径に形成されていた。
【0009】従って、流体管の接合作業時には、流体管の内径よりも大きな外径のインコアを流体管内周部に挿入することになり、インコアは流体管を押し拡げるようにして挿入されていた。よって、インコアを装着するのに大きな力を必要とし、ハンマーで叩き込んだりしており、流体管の反発力で抜け出してきたりし、所定の位置に装着するのが困難であったりし、作業時間を多く必要としていた。
【0010】本発明が解決しようとする課題は、上記問題を解決するためになされたもので、流体管に装着しやすいインコアの管継手を提供する点にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の管継手は、インコアを端部の内周面に嵌合した流体管と、パッキンを装着した受口部に前記流体管の端部が水密に挿入された継手本体とからなる管継手であって、前記インコアは、薄肉円筒形に形成され、所定の間隔で周方向に間隙が設けられるとともに、半径方向に弾性縮径可能となっていることを特徴としている。この特徴により、インコアには周方向に間隙が設けられているので、流体管に装着する際に縮径させて挿入することがでる。よって、挿入に際しての抵抗が小さいので装着が容易となり作業時間が短縮される。また、インコアは弾性縮径されているので、装着後には復元し、流体管の内周面に圧接するので流体管からの抜け出しが防止され、装着位置の保持がなされ安定固定される。
【0012】前記インコアには、縮径を規制する規制装置が設けられているのが好ましい。このようにすることで、流体管に縮径方向の力が作用したときには、インコアは所定の径まで縮径するが規制装置により縮径が規制されるのでそれ以上の縮径が防止され、流体管の縮径を防止することができる。
【0013】前記インコアの規制装置は、周方向の一端部に、他端部が当接して縮径が規制される係止部が設けられているのが好ましい。このようにすると、インコアの周方向の一端部に係止部が設けられ、他端部が係止部に当接するので縮径が規制され更なる変形が確実に防止される。
【0014】前記インコアの規制装置は、周方向の端部同士の重なりを防止する阻止部が設けられているのが好ましい。このようにすることで、周方向の端部同士の重なりを阻止部で防止することができるので、確実にインコアの縮径を防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1、2は、本発明の管継手1を用いてポリエチレン製の流体管2、2を接合した第1実施例を示している。
【0016】同図において、3は、ダクタイル鋳鉄製の継手本体、4は、継手本体3に締結される押輪、5は、押輪4の内周面に配置されるロックリング、6は、流体管2を継手本体3に水密に接合するパッキン、7は、パッキン6を押圧するリテーナ、8は、流体管2の端部内周に装着されたインコアである。
【0017】継手本体3の内面中央には中心方向に突出したストッパー3dが設けられ、継手本体3の両端部分には、パッキン6が収容される拡径部3aが形成され、その外面にはフランジ3bが連設されており、拡径部3aの端部にはリテーナ7が当接してその移動を防止する当接部3cが設けられている。
【0018】継手本体3の外周面に設けられたフランジ3bには、押輪4のフランジ4bが複数のT頭ボルト15とナット16により取り付けられ、ロックリング5は、押輪4の内テーパ面4aにより締め付けられている。
【0019】ロックリング5は、流体管2よりも硬質の合成樹脂、例えばアセタール樹脂等やステンレス等の金属体からなる1つ割りの形状をしており、縮径させても元の形状に戻る弾性を有し、その断面形状は、外周面は押輪4の内テーパ面4aとほぼ同じ傾斜の外テーパ面5aが形成され、その最大外径は内テーパ面の最大内径より大きく設定され、内周面には、円周方向を向く複数の刃5bが形成されている。
【0020】インコア8は、図3に示すように自然の状態での外径が流体管2の内径よりも若干大きめの薄肉円筒状に形成された本体8aと、一方の端部に外径方向に突出した鍔部8bと、他方の端部に外径が徐々に縮小する小径部8cとで構成されている。インコア8は周方向で切断され、端部8d、8eが所定の間隔で設けられており、間隙8fが形成されている。また、縮径させても元の状態に戻る弾性を持たされている。
【0021】上記実施例の管継手1を用いて、流体管2を接合するには、まず、接合する流体管2の端部に鍔部8bが当接するまでインコア8を挿入する。
【0022】次に、フランジ3bとフランジ4bにT頭ボルト15を挿し通しナット16を仮締めし、ロックリング5とリテーナ7とが内部に装着された押輪4をパッキン6が拡径部3aに挿入された継手本体3に仮止めする。
【0023】ついで、インコア8が内部に装着された流体管2を継手本体3に仮止めされた押輪4の端部よりストッパー3cに当接するまで挿入し、仮締めしてあるナット16をフランジ3bとフランジ4bが当接するまで均等に締め付けて接合を完了する。
【0024】流体管2の端部にインコア8を装着する際には、間隙8fが形成されているインコア8に力を加えて縮径させて流体管2に挿入することができるので、容易に作業が行なえ、作業時間を短縮することができる。
【0025】また、インコア8は弾性を持っているので、縮径させていた力を除くと拡径して流体管2の内周面に密着するので流体管8より抜け落ちたりすることがなく安定的に装着することができる。
【0026】図4は、本発明の第2実施例のインコア9を示し、継手本体3、押輪4、ロックリング5、パッキン6、リテーナ7等が第1実施例とほぼ同様に構成され管継手で使用される。
【0027】インコア9は、自然の状態での外径が流体管2の内径よりも若干大きめの薄肉円筒状に形成されており、周方向で切断され、端部9a、9bが設けられるとともに縮径させても元の状態に戻る弾性を持たされている。
【0028】一方の端部9aには、中心方向に突出した係止部9cと阻止部9dで略L形に形成された規制装置13が所定の間隔を空けて3箇所設けられており、他端部9bが端部9aと規制装置13の間に嵌合されている。
【0029】上記第2実施例のインコア9を用いた管継手1で、流体管2を接続するには、第1実施例と同様な方法で行われる。
【0030】流体管2の端部にインコア9を装着する際には、端部9bが係止部9cに当接するまで縮径させて流体管2に挿入することができるので、容易に作業が行なえ、作業時間を短縮することができる。
【0031】また、インコア9は弾性を持っているので、縮径させていた力を除くと拡径して流体管2の内周面に密着するので流体管2より抜け落ちたりすることがなく安定的に装着することができる。
【0032】流体管2と継手本体3とが相対移動し、ロックリング5が縮径して、流体管2に縮径方向の力が働いた場合、インコア9は係止部9aに端部9bが当接して縮径が規制され流体管2の縮径を防止する。また、端部9bが径の中心方向に移動するのを阻止部9cが防止して流体管2の縮径を防止する。
【0033】図5は、本発明の第3実施例のインコア10を示し、継手本体3、押輪4、ロックリング5、パッキン6、リテーナ7等が第1実施例とほぼ同様に構成され管継手で使用される。
【0034】インコア10は、周方向で切断され、端部10a、10bが所定の間隔で設けられており、間隙10cが形成されるとともに縮径させても元の状態に戻る弾性を持たされている。
【0035】間隙10cには、端部10a、10bが当接して縮径を規制する係止部11と、端部10a、10bが中心方向および反中心方向へ移動するのを防止する阻止部12,12とにより断面略H形に形成された規制装置14が嵌合されている。
【0036】上記第3実施例のインコア10を用いた管継手1で、流体管2を接続するには、第1実施例と同様な方法で行われる。
【0037】流体管2の端部にインコア10を装着する際には、端部10a、10bが係止部11に当接するまで縮径させ、流体管2の内径よりも小径にして挿入することができるので、容易に作業が行なえ、作業時間を短縮することができる。
【0038】また、インコア10は弾性を持っているので、縮径させていた力を除くと拡径して流体管2の内周面に密着し、流体管2より抜け落ちたりすることがなく、装着位置を決めることが容易となり安定的な装着ができる。
【0039】流体管2と継手本体3とが相対移動し、ロックリング5が縮径して、流体管2に縮径方向の力が働いた場合、インコア10は係止部11に端部10a、10bが当接して縮径が規制され流体管2の縮径を防止する。また、端部10a、10bが径の中心方向に移動するのを阻止部12が当接して流体管2の縮径を防止する。
【0040】以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明の具体的な構成はこれに限定されるものではない。
【0041】実施例では、押輪やロックリングが設けられた管継手であったが、押輪やロックリングがない挿し込み式の管継手であってもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、インコアには周方向に間隙が設けられているので、流体管に装着する際に縮径させて挿入することがでので、挿入に際しての抵抗が小さく装着が容易となり作業時間が短縮される。また、インコアは弾性縮径されているので、装着後には復元し、流体管の内周面に圧接するので流体管からの抜け出しが防止され、装着位置の保持がなされ安定固定される。
【0043】請求項2の発明によれば、流体管に縮径方向の力が作用したときには、インコアは所定の径まで縮径するが規制装置により縮径が規制されるのでそれ以上の縮径が防止され、流体管の縮径を防止することができる。
【0044】請求項3の発明によれば、インコアの周方向の一端部に係止部が設けられ、他端部が係止部に当接するので縮径が規制され更なる変形が確実に防止される。
【0045】請求項4の発明によれば、周方向の端部同士の重なりを阻止部で防止することができるので、確実にインコアの縮径を防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000105556
【氏名又は名称】コスモ工機株式会社
【出願日】 平成11年7月9日(1999.7.9)
【代理人】 【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男 (外1名)
【公開番号】 特開2001−21075(P2001−21075A)
【公開日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願番号】 特願平11−196250