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【発明の名称】 管継手
【発明者】 【氏名】深野 喜弘

【氏名】丸山 哲郎

【要約】 【課題】所定の外径で製造誤差等により肉厚が若干異なる流体用チューブを接続した場合であっても、本体部に対する流体用チューブの脱抜を確実に阻止することが可能な管継手を提供する。

【解決手段】流体用チューブ70の流体通路72にインサート部材20が挿入されると、流体用チューブ70がテーパ部34によって拡径し、ナット部材48の雌ねじ52を本体部14の雄ねじ16に螺合させると、複数のエッジ部58、60がテーパ部34によって拡径した流体用チューブ70の外周に食い込むように係合する。このため、流体用チューブ70が管継手10に確実に抜け止めされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】流体通路が画成された本体部と、前記流体通路の開口部に向かって徐々に縮径して形成され流体用チューブの内部に該流体用チューブを拡径しながら挿入されるテーパ部を有し、前記流体通路に連通する孔部が画成されたインサート部材と、前記本体部のねじ部に螺合させることにより、前記インサート部材側に向かって変位する複数の環状の係止部が設けられた緊締部材と、を備え、前記係止部が前記テーパ部に向かって変位すると、前記テーパ部によって拡径した流体用チューブの外周に前記係止部が係合し、該流体用チューブを前記係止部と前記テーパ部とにより挟持することを特徴とする管継手。
【請求項2】請求項1記載の管継手において、前記インサート部材が挿入された前記流体用チューブを囲繞して設けられ、弾性を有する材料で形成されたスリーブと、前記スリーブに形成され、端部に向かって徐々に縮径する傾斜面と、前記緊締部材に形成され、該緊締部材を前記本体部のねじ部に螺合させることにより前記傾斜面を押圧する押圧部と、を備え、前記押圧部が前記傾斜面を押圧すると、前記スリーブがその弾性により縮径して該スリーブと前記インサート部材とにより前記流体用チューブを挟持することを特徴とする管継手。
【請求項3】請求項1または2記載の管継手において、前記係止部は、前記流体用チューブに食い込むエッジ部であることを特徴とする管継手。
【請求項4】請求項3記載の管継手において、前記エッジ部は、前記流体用チューブを囲繞し、断面鋭利に形成された複数の環状突起部からなることを特徴とする管継手。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体を導入、導出するための通路を形成した流体用チューブを電磁弁、シリンダ等の流体圧機器に接続するための管継手に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電磁弁、シリンダ等の流体圧機器に流体用チューブを連結接続するために、管継手が使用されている。この管継手には所定の外径を有する流体用チューブが接続され、流体用チューブの外周は管継手のナット部材に環状に形成された係止部に係合して抜け止めされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の従来の管継手では、流体用チューブの外径が同一であっても製造誤差等により該流体用チューブの肉厚が異なる場合がある。例えば、従前に使用されていた流体用チューブに対し、同一外径且つ肉厚の薄い流体用チューブを使用すると、該流体用チューブを係止部によって係止する力が低下し、流体用チューブが本体部から容易に脱抜してしまうおそれがあった。
【0004】本発明は前記の課題を解決すべくなされたものであって、所定の外径で製造誤差等により肉厚が若干異なる流体用チューブを接続した場合であっても、本体部に対する流体用チューブの脱抜を確実に阻止することが可能な管継手を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するために、本発明は、流体通路が画成された本体部と、前記流体通路の開口部に向かって徐々に縮径して形成され流体用チューブの内部に該流体用チューブを拡径しながら挿入されるテーパ部を有し、前記流体通路に連通する孔部が画成されたインサート部材と、前記本体部のねじ部に螺合させることにより、前記インサート部材側に向かって変位する複数の環状の係止部が設けられた緊締部材と、を備え、前記係止部が前記テーパ部に向かって変位すると、前記テーパ部によって拡径した流体用チューブの外周に前記係止部が係合し、該流体用チューブを前記係止部と前記テーパ部とにより挟持することを特徴とする。
【0006】本発明によれば、流体用チューブが複数の環状の係止部に係合して抜け止めされるため、流体用チューブを係止する力が強くなり、製造誤差等によって流体用チューブの肉厚が変化しても流体用チューブが管継手から脱抜してしまう懸念が減少する。
【0007】この場合、端部に向かって徐々に縮径する傾斜面と、前記緊締部材を前記本体部に螺合させることにより前記傾斜面を押圧する押圧部とを有し、かつ弾性を有する材料で形成されたスリーブを設けるとよい。
【0008】このように構成すると、前記押圧部が前記傾斜面を押圧することにより前記スリーブが縮径して該スリーブと前記インサート部材とで前記流体用チューブを挟持し、前記流体用チューブを前記本体部に強固に保持することができる。
【0009】また、この場合、前記係止部が前記流体用チューブに食い込むエッジ部であると、流体用チューブを前記本体部に一層強固に保持することができ、好適である。
【0010】さらに、この場合、前記エッジ部が前記流体用チューブを囲繞し、断面鋭利に形成された複数の環状突起部からなると、流体用チューブを複数の環状突起部によって確実に係止することができ、一層好適である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る管継手について、好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0012】図1および図2において、参照符号10は、本実施の形態に係る管継手を示す。この管継手10は流体圧機器等に設けられ、流体通路12が画成された略筒状の本体部14を備える。本体部14の端部外周には雄ねじ(ねじ部)16が形成される。前記本体部14の内壁面には凹部18が画成され、凹部18の内周面は円筒面18aとして形成される。円筒面18aは本体部14の軸線と略平行に形成されており、この軸線と交差状に設けられていない。また、本体部14の内壁面には環状突部19が形成される。環状突部19の傾斜した外周面19aには、図3に示すように、複数の溝部21が放射状に形成される。
【0013】凹部18には略筒状のインサート部材20が嵌合する。インサート部材20の内部には流体通路12に連通する孔部22が画成され、孔部22を形成する壁部は流体通路12側から内部に向かって徐々に縮径するように形成される。インサート部材20の一端部側の外周には段部23を介して大径な嵌合部24が形成され、嵌合部24の端部には、図4に示すように、環状突部19が嵌合する環状溝部25が形成される。環状溝部25を形成する傾斜した壁部25aが外周面19aに当接すると、壁部25aと外周面19aとの間を除く本体部14と嵌合部24との間にクリアランス27a、27bが形成され、それぞれのクリアランス27aと27bとは溝部21によって連通するように設けられている。
【0014】嵌合部24の外周には複数の環状突部26が形成される。環状突部26は断面略台形状に形成され、その平坦な頂面26aは円筒面18aに接触するように形成される。この場合、頂面26aはインサート部材20の軸線と平行に形成されており、この軸線と交差状に設けられていない。インサート部材20の外周は他方の端部に向かって段部28を介して縮径する縮径部30が形成される。インサート部材20の外周面は、縮径部30の端部から他方の端部に向かって徐々に拡径する拡径部32と、前記拡径部32に連続し、端部側に向かって徐々に縮径するテーパ部34とを有する。
【0015】本体部14の凹部18には、弾性を有する樹脂等の材料で形成されたスリーブ38がインサート部材20を囲繞して設けられ、スリーブ38の一端部はインサート部材20の段部23に当接することにより、スリーブ38がインサート部材20に対して位置決めされる。スリーブ38の内周には、インサート部材20の拡径部32から所定間隔離間し、他端部側に向けて徐々に拡径する拡径部40が形成される。スリーブ38の外周面には、他端部に向かって徐々に拡径する拡径部42と、前記拡径部42に連続し端部側に向かって徐々に縮径する傾斜面44とを有する。
【0016】前記雄ねじ16には弾性を有する樹脂等の材料により形成されたナット部材(緊締部材)48が螺合する。ナット部材48の内部には凹部50が画成され、凹部50を形成する壁部には雄ねじ16が螺合する雌ねじ52が形成される。ナット部材48には環状突部54が形成され、環状突部54には凹部50に連通する孔部56が画成される。前記ナット部材48の内壁面には孔部56の開口部に沿って周回するエッジ部58が形成され、さらに、エッジ部58を囲繞して断面略鋸歯状のエッジ部60が周回して形成される。エッジ部58およびエッジ部60は係止部を構成するものである。また、ナット部材48の内壁面にはエッジ部60を囲繞して筒状の押圧部62が形成され、押圧部62の内周は押圧面64としての機能を営む。
【0017】本実施の形態に係る管継手10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用について説明する。
【0018】予め、スリーブ38はインサート部材20に装着されている。
【0019】先ず、図5に示すように、ナット部材48が本体部14から取り外された状態で、ナット部材48の孔部56に外径寸法がTに設定された流体用チューブ70を挿通させる。次に、スリーブ38が装着されたインサート部材20を図示しない治具を使用して流体用チューブ70の端部に挿入すると、該流体用チューブ70の端部はテーパ部34によって拡径しながら拡径部32とスリーブ38の拡径部40との間に装着され、流体用チューブ70の端部が段部28に当接することにより該流体用チューブ70がインサート部材20に対して位置決めされる。この結果、流体通路12と流体通路72とが孔部22を介して連通するとともに、流体用チューブ70の内周面とインサート部材20の拡径部32およびテーパ部34とが液密または気密に保持される。
【0020】次いで、ナット部材48の雌ねじ52を本体部14の雄ねじ16に螺合させると、図1に示すように、エッジ部58およびエッジ部60がテーパ部34に向かって変位し、テーパ部34によって拡径した流体用チューブ70の外周に係合する。このため、流体用チューブ70が抜脱する方向に変位しようとすると、エッジ部58、60が流体用チューブ70の外周に食い込み、流体用チューブ70の変位が阻止されて流体用チューブ70が管継手10に抜け止めされる。このとき、流体用チューブ70は複数のエッジ部58、60によって係止されているため、従来技術と比較して流体用チューブ70を係止する力が強く、流体用チューブ70が管継手10に確実に抜け止めされる。
【0021】また、押圧部62の押圧面64がスリーブ38の傾斜面44に当接し、押圧部62がその弾性により拡径するとともに、スリーブ38の傾斜面44がその弾性により縮径する。このため、スリーブ38内部の拡径部40とインサート部材20の拡径部32とにより流体用チューブ70が挟持される。
【0022】このようにして、流体用チューブ70は本体部14に保持され、流体の供給に供せられる。
【0023】このとき、インサート部材20の環状突部26に形成された頂面26aは、図4に示すように、円筒面18aに接触することによりシールされるが、環状突部19と嵌合部24との間はクリアランス27a、27bおよび溝部21が形成されているので、シール機能を有していない。
【0024】次に、外径Tが同一で、前記流体用チューブ70と比較して、製造誤差等により肉厚の薄い流体用チューブ80の場合、図6に示すように、ナット部材48のねじ込み量を、前述の流体用チューブ70の場合より増大させると、エッジ部58、60はテーパ部34によって拡径した流体用チューブ80の外周にさらに食い込み、また、押圧部62の押圧面64がスリーブ38の傾斜面44を押圧することにより、流体用チューブ80がスリーブ38の拡径部40とインサート部材20の拡径部32により挟持される。このため、外径Tが同一で肉厚の薄い流体用チューブ80を管継手10に取り付けることができ、流体用チューブ80がエッジ部58、60によって係止されているため、流体用チューブ80が脱抜してしまう懸念が減少する。
【0025】一方、外径Tが同一で、前記流体用チューブ70と比較して肉厚の厚い流体用チューブ90が管継手10に装着される場合、図7に示すように、ナット部材48の雌ねじ52を雄ねじ16に螺合させると、エッジ部58、エッジ部60は、流体用チューブ90の肉厚に拘わらず、テーパ部34によって拡径した流体用チューブ90の外周に係合してエッジ部58、60が流体用チューブ90の外周に食い込み、流体用チューブ90がスリーブ38の拡径部40とインサート部材20の拡径部32により挟持される。このため、外径Tが同一で肉厚の厚い流体用チューブ90であっても管継手10に取り付けることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明に係る管継手によれば、以下のような効果ならびに利点が得られる。
【0027】インサート部材に形成されたテーパ部で流体用チューブの一端部を拡径し、前記流体用チューブの拡径した部位に係止部が係合するため、所定の外径で製造誤差等によって肉厚が若干異なる他の流体用チューブを接続した場合であっても、前記流体用チューブが管継手から抜脱してしまうことを確実に阻止することができる。
【出願人】 【識別番号】000102511
【氏名又は名称】エスエムシー株式会社
【出願日】 平成11年7月2日(1999.7.2)
【代理人】 【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏 (外1名)
【公開番号】 特開2001−21074(P2001−21074A)
【公開日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願番号】 特願平11−189711