| 【発明の名称】 |
差込み継手 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡崎 義郎
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| 【要約】 |
【課題】外面樹脂被覆鋼管を、被覆層を剥がさずに差込み継手に差し込んでも、被覆層がそれほど傷つかず、差し込んだ管の引抜き方向への移動長さを滑り面の長さについて設計上適宜変更して適切な長さに定めることができ、良好な抜止め機能が発揮される差込み継手を提供する。
【解決手段】継手本体10に、テーパ状の第1滑り面21を有する第1壁部20と、円筒面状の第2滑り面31を有する第2壁部30と、作用部40とを設ける。第1壁部20の内側に拡縮径可能な抜止めリング60を配備する。第1滑り面21は、抜止めリング60を縮径させる機能と、抜止めリング60を第2滑り面31側に案内する機能とを有する。第2滑り面31は、抜止めリング60の外径を一定に保ったまま摺動させる機能を有する。作用部40は、第2滑り面31を摺動してきた抜止めリング60に当たって抜止めする機能を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属製の管本体の外面を樹脂の被覆層で被覆してなる外面樹脂被覆鋼管が接続される差込み継手において、筒状の継手本体に、内周面がテーパ状の第1滑り面として形成された第1壁部と、この第1壁部の一端に連設されて内周面が上記第1滑り面の径小側端部から延出された円筒面状の第2滑り面として形成された第2壁部と、この第2壁部を挟んで上記第1壁部の反対側でその第2壁部の一端に連設された作用部とが設けられていると共に、上記第1壁部で囲まれた空間に配備されて上記継手本体に差し込まれた外面樹脂被覆鋼管の被覆層に弾接状態で外嵌される弾性材でなる拡縮径可能な抜止めリングを有し、上記継手本体に差し込まれた外面樹脂被覆鋼管の管本体を被覆している被覆層に弾接状態で外嵌された上記抜止めリングは、外面樹脂被覆鋼管が抜出し方向に移動したときにその外面樹脂被覆鋼管に伴ってその外面樹脂被覆鋼管と同一方向に移動されるようになっており、上記第1滑り面は、上記抜止めリングが上記抜出し方向に移動されたときにこの第1滑り面に当接している上記抜止めリングを摺動させて縮径させることによりその抜止めリングの内周縁を上記被覆層と上記管本体の管壁とに喰い込ませる機能と、上記抜止めリングの内周縁が上記被覆層と管壁とに喰い込んだ後に上記第2滑り面側に案内する機能とを有し、上記第2滑り面は、上記抜止めリングが上記抜出し方向に移動されたときにこの第2滑り面に当接している上記抜止めリングの外径を一定に保ったまま摺動させる機能を有し、上記作用部は、上記第2滑り面を摺動して上記抜出し方向に移動されてきた上記抜止めリングに当たってその抜止めリングの抜出し方向の移動を阻止する機能を有していることを特徴とする差込み継手。 【請求項2】 上記作用部が、上記第2滑り面の一端から延出された先窄まりテーパ状をなす当り面として形成された内周面を有し、この当り面が、上記第2滑り面を摺動して上記抜出し方向に移動されてきた上記抜止めリングに当たってその抜止めリングに縮径方向の締付力を付与する機能を有している請求項1に記載した差込み継手。 【請求項3】 上記抜止めリングの内周縁が尖った喰込み歯として形成されている請求項1又は請求項2に記載した差込み継手。 【請求項4】 上記第1壁部の他端に連設されて内周面が上記第1滑り面の径大側端部から延出された円筒面として形成された第3壁部を有し、この第3壁部で囲まれた空間に配備され、かつ、上記第1壁部で囲まれた空間に配備された上記抜止めリングを上記第1滑り面と同心状に位置決めする抜止めリング保持部材を有する請求項1、請求項2、請求項3のいずれかに記載した差込み継手。 【請求項5】 上記抜止めリング保持部材が、上記第1壁部で囲まれた空間に配備された上記抜止めリングを上記第1滑り面と共働して弾性的に挟み付けることによりその抜止めリングを上記第1滑り面と同心状に位置決めする機能を有している請求項4に記載した差込み継手。 【請求項6】 上記抜止めリング保持部材が、上記第3壁部の円筒面と上記継手本体に差し込まれた上記外面樹脂被覆鋼管の被覆層の外周面とに密着してそれらの密着箇所を封止するシール機能を有する請求項5に記載した差込み継手。 【請求項7】 上記継手本体が、薄肉鋼管を塑性加工することによって製作されている請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6のいずれかに記載した差込み継手。 【請求項8】 上記継手本体が、厚肉鋼管を切削することによって製作されている請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6のいずれかに記載した差込み継手。 【請求項9】 上記継手本体が鋳造品である請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6のいずれかに記載した差込み継手。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、金属製の管本体の外面を樹脂の被覆層で被覆してなる外面樹脂被覆鋼管(以下「管」ともいう)が接続される差込み継手に関する。 【0002】 【従来の技術】この種の差込み継手では、筒状の継手本体に拡径及び縮径の可能な弾性材でなる抜止めリングが収容されている。この継手本体に管を差し込むと抜止めリングがその管と擦れ合いながら弾接状態に外嵌され、その後で管が抜止めリングを伴って引抜き方向に移動されると、抜止めリングが継手本体に具備されている作用部に当たってその抜止めリングに縮径方向の締付力が付与され、この締付力によって抜止めリングが管を強く締め付け、もって、管が抜止めリングを介して上記作用部に係合することにより抜止めされるようになっている。 【0003】このような差込み継手を用いる管工作業では、従来、接続作業を行う施工現場で、継手本体に差し込まれる管の差込み代となる部分で被覆層を剥がし取る作業を行った後、被覆層を剥がした管本体の端部を継手本体に差し込んで抜止めリングを管本体の外側に直接に嵌合させるようにしていた。このため、従来の差込み継手では、管が抜止めリングを伴って引抜き方向に移動すると、継手本体の作用部に当接することによって締付力の付与された抜止めリングが被覆層を介さずに管本体を直接に締め付けるようになっていた。 【0004】一方、差込み継手に高い抜止め性能を持たせるためには、抜止めリングの内周縁を刃物のようにエッジ状に尖らせておくことが有効である。こうしておくと、抜止めリングが継手本体の作用部に当接した後、さらに管が引抜き方向に引張られると、その抜止めリングが管本体を締め付けると同時に、抜止めリングの尖った内周縁が金属製の管本体に喰い込んで高い抜止め作用を発揮する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来では、管接続作業を行うのに先立って管の差込み代となる部分の被覆層を剥がし取るという余分な作業を行わねばならない煩わしさがあった。また、被覆層を剥がし取る部分の長さが作業者によって一様にならないことなどにより、管を差込み継手に接続した当初や、接続後の抜止めリングによる抜止め作用が発揮されているときなどに、管の端部の被覆層を持たない金属製の管本体が差込み継手の外部に露出して発錆しやすくなるといったおそれがあった。 【0006】管の被覆層を剥がし取る煩わしさや、接続後に金属製の管本体が差込み継手の外部に露出するといった事態をなくするためには、被覆層を剥がさずに被覆層で覆われている管の端部をそのまま継手本体に差し込むようにすることが有効であるとも考えられる。 【0007】しかし、そのようにすると、管の被覆層が金属製の管本体に比べて柔らかいことから、継手本体に管を差し込んで抜止めリングをその管に外嵌させるときに、抜止めリングの尖った内周縁が管の被覆層と擦れてその被覆層に深い擦り傷を残すことがあり、そのために、その被覆層の表面に継手本体に収容したパッキンを密着させてシール性を確保しようとする場合にはその密着箇所でのシール信頼性を向上させることが困難になる。また、継手本体に差し込んだ管が引抜き方向に引張られた場合、抜止めリングが継手本体の作用部に当たったときに抜止めリングの尖った内周縁が被覆層と摺動せずに直ちに被覆層に喰い込んでしまって、管の引抜き方向への移動長さが一定しないという事態が起こる。 【0008】本発明は以上の状況の下でなされたものであり、管をその端部の被覆層を剥がし取ることなく継手本体に差し込んでも、被覆層に抜止めリングとの擦り傷が残るといったおそれが少なく、また、継手本体に差し込んだ管の引抜き方向への移動長さを設計上適宜変更して適切な長さに定めることが可能であり、しかも、良好な抜止め機能が発揮される差込み継手を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、金属製の管本体の外面を樹脂の被覆層で被覆してなる外面樹脂被覆鋼管が接続される差込み継手を対象としている。本発明では、筒状の継手本体に、内周面がテーパ状の第1滑り面として形成された第1壁部と、この第1壁部の一端に連設されて内周面が上記第1滑り面の径小側端部から延出された円筒面状の第2滑り面として形成された第2壁部と、この第2壁部を挟んで上記第1壁部の反対側でその第2壁部の一端に連設された作用部とが設けられている。また、上記第1壁部で囲まれた空間に配備されて上記継手本体に差し込まれた外面樹脂被覆鋼管の被覆層に弾接状態で外嵌される弾性材でなる拡縮径可能な抜止めリングを有している。 【0010】この差込み継手において、上記継手本体に差し込まれた外面樹脂被覆鋼管の管本体を被覆している被覆層に弾接状態で外嵌された上記抜止めリングは、外面樹脂被覆鋼管が抜出し方向に移動したときにその外面樹脂被覆鋼管に伴ってその外面樹脂被覆鋼管と同一方向に移動されるようになっている。 【0011】そして、上記第1滑り面は、上記抜止めリングが上記抜出し方向に移動されたときにこの第1滑り面に当接している上記抜止めリングを摺動させて縮径させることによりその抜止めリングの内周縁を上記被覆層と上記管本体の管壁とに喰い込ませる機能と、上記抜止めリングの内周縁が上記被覆層と管壁とに喰い込んだ後に上記第2滑り面側に案内する機能とを有する。 【0012】また、上記第2滑り面は、上記抜止めリングが上記抜出し方向に移動されたときにこの第2滑り面に当接している上記抜止めリングの外径を一定に保ったまま摺動させる機能を有する。 【0013】さらに、上記作用部は、上記第2滑り面を摺動して上記抜出し方向に移動されてきた上記抜止めリングに当たってその抜止めリングの抜出し方向の移動を阻止する機能を有する。 【0014】この差込み継手において、管の継手本体に差し込まれていないときには、抜止めリングが、テーパ状の第1滑り面を有する第1壁部で囲まれた空間に配備されているので、抜止めリングの内周縁が管本体の管壁に喰い込むほどには縮径されていない。そのため、管をその端部の被覆層を剥がし取ることなく継手本体に差し込んでも、被覆層に抜止めリングとの擦り傷が残るといったおそれが少なく、たとえ擦り傷が残ったとしてもその傷は小さいので、その傷付き箇所にパッキンを密着させてシール性を確保することが容易である。 【0015】また、この差込み継手において、継手本体に適正長さだけ差し込まれた管が引抜き方向に移動されると、その管の被覆層に弾接状態で外嵌している抜止めリングが、その管と共に引抜き方向に移動する。このときの移動の初期段階で、抜止めリングが第1滑り面と摺動して縮径すると共に、その抜止めリングの内周縁が管の被覆層と管本体の管壁とに喰い込む。その後、さらに管が引抜き方向に移動されると、抜止めリングはその管に伴って第1滑り面から第2滑り面側に案内されて第2滑り面と摺動するようになる。 【0016】第2滑り面は、抜止めリングが上記抜出し方向に移動されたときにこの第2滑り面に当接している上記抜止めリングの外径を一定に保ったまま摺動させる機能を有しているので、この第2滑り面の長さに見合うだけ管を引抜き方向に移動させることが可能である。したがって、継手本体に差し込んだ管が直ちに抜止めリングで抜止めされてしまって、管を引抜き方向への移動させることができなくなるといった事態が起こらない。 【0017】第2滑り面を摺動して抜出し方向に移動されてきた抜止めリングは、作用部に当たって抜出し方向の移動が阻止される。これにより管が抜止めされる。 【0018】上記作用部が、上記第2滑り面の一端から延出された先窄まりテーパ状をなす当り面として形成された内周面を有し、この当り面が、上記第2滑り面を摺動して上記抜出し方向に移動されてきた上記抜止めリングに当たってその抜止めリングに縮径方向の締付力を付与する機能を有していることが望ましい。このようになっていると、抜止めリングが作用部の当り面に当たった状態で管が引抜き方向に引っ張られたときには、管に対する抜止めリングの締付力がそのときの引張力に見合って増大して優れた抜止め性能が発揮される。なお、上記抜止めリングの内周縁は尖った喰込み歯として形成されていることが望ましい。 【0019】本発明に係る差込み継手では、上記第1壁部の他端に連設されて内周面が上記第1滑り面の径大側端部から延出された円筒面として形成された第3壁部を有し、この第3壁部で囲まれた空間に配備され、かつ、上記第1壁部で囲まれた空間に配備された上記抜止めリングを上記第1滑り面と同心状に位置決めする抜止めリング保持部材を有することが望ましい。このものでは、第3壁部で囲まれた空間に配備された抜止めリング保持部材の作用によって、抜止めリングが第1滑り面と同心状に位置決めされるので、管本体に管を差し込むときに、その管が抜止めリングに当たって差し込めなくなるという事態が起こらない。 【0020】上記抜止めリング保持部材が、上記第1壁部で囲まれた空間に配備された上記抜止めリングを上記第1滑り面と共働して弾性的に挟み付けることによりその抜止めリングを上記第1滑り面と同心状に位置決めする機能を有していてもよい。 【0021】上記抜止めリング保持部材が、上記第3壁部の円筒面と上記継手本体に差し込まれた上記外面樹脂被覆鋼管の被覆層の外周面とに密着してそれらの密着箇所を封止するシール機能を有していてもよい。このものによると、抜止めリング保持部材によって、管と第3壁部の円筒面との間の隙間が塞がれてシール性が付与される。 【0022】本発明に係る差込み継手において、上記継手本体は、薄肉鋼管を塑性加工することによって製作されているものであっても、厚肉鋼管を切削することによって製作されているものであっても、鋳造品によって形成されていてもよい。これらによると、継手本体に大きな機械的強度が付与されるので、抜止めリングが作用部の当り面に当たった状態で管が引抜き方向に引っ張られたときに、その作用部が開いて抜止めリングが継手本体から脱落するといった事態が起こりにくい。 【0023】 【発明の実施の形態】図1は本発明に係る実施形態の一部破断側面図である。この差込み継手Aは、薄肉鋼管を塑性加工することによって形成されている。すなわち、筒状の継手本体10の軸方向中央部に径小に塑性加工された連結壁部11を有していると共に、その継手本体10の一端側と他端側とに同一構造の機能部12,13が備わっている。また、継手本体10の外面や内面などには、防錆などのために溶融亜鉛めっきや塗装が施されている。 【0024】継手本体10の一端側の機能部12において、継手本体10には、内周面がテーパ状の第1滑り面21として形成された第1壁部20と、この第1壁部20の一端22に連設されて内周面が第1滑り面21の径小側端部23から延出された円筒面状の第2滑り面31として形成された第2壁部30と、この第2壁部30を挟んで上記第1壁部20の反対側でその第2壁部30の一端32に連設された作用部40とが設けられている。また、第1壁部20の他端24に連設されて内周面が第1滑り面21の径大側端部25から延出された円筒面51として形成された第3壁部50が設けられている。 【0025】第1壁部20で囲まれた空間には抜止めリング60が配備されている。この抜止めリング60は、たとえば円周方向の一箇所が欠除された金属製の欠円リングによって形成され、それ自身の弾性に抗して拡縮径可能である。また、この抜止めリング60は、その内周縁が尖った喰込み歯61として形成されている。そして、無負荷状態(自然状態)での抜止めリング60の内径は、後述する外面樹脂被覆鋼管100の被覆層110の外周直径よりもわずかに短い長さになっている。したがって、第1壁部20で囲まれた空間に抜止めリング60が配備されているときに、継手本体10に管100が差し込まれたときには、その管100が抜止めリング60の内側に差し込まれると共に、抜止めリング60が管100の被覆層110に弾接状態で外嵌する。そして、抜止めリング60に管100が差し込まれるときに被覆層110が抜止めリング60の喰込み歯61と擦れても、喰込み歯61が被覆層110を傷付けるという事態は起こりにくく、たとえ傷付けたとしても、その傷は微細な傷に過ぎなくなる。 【0026】第3壁部50で囲まれた空間には抜止めリング保持部材70が配備されている。この抜止めリング保持部材70は、一端部の周方向複数箇所に突出部71を有し、かつ、内周側に数条の環状突出片72を備えたゴム輪によって形成されている。また、この抜止めリング保持部材70は、上記第3壁部50に弾接して定位置に保持されていると共に、その突出部71が、第1壁部20で囲まれた空間には配備されている抜止めリング60を第1滑り面21に弾圧してその抜止めリング60を第1滑り面21と同心状に位置決めしている。この抜止めリング保持部材70は、第3壁部50の円筒面51と継手本体10に差し込まれた管100の被覆層110の外周面とに密着してそれらの密着箇所を封止するシール機能を有している。 【0027】図2は継手本体10の一端側の機能部12に管100の端部を適正長さだけ差し込んだ状態の要部拡大断面図、図3は差込み継手が抜止め機能を発揮している状態の要部拡大断面図である。 【0028】継手本体10に管100の端部を差し込むときに、管100の差込み代となる部分の被覆層110を剥がし取る作業は必要ない。また、管100に溝を付けて抜止めリング60が引掛かりやすくしておく必要もない。 【0029】すなわち、図2のように、端部外周が面取りされた管100の端部が被覆層110を備えたまま、連結壁部11に当たるまで差し込まれると、その差込み途中で抜止めリング60や抜止めリング保持部材70が管100に外嵌される。この場合、抜止めリング60は管100の被覆層110に弾接状態で外嵌し、抜止めリング保持部材70は、被覆層110の外周面に密着し、同時に、第3壁部50の円筒面51にも密着する。そのため、継手本体10に管100を適正長さだけ差し込んだ段階で、抜止めリング保持部材70と第3壁部50の円筒面51及び被覆層110の外周面との各密着箇所が封止されてそれらの管100と第3壁部50との隙間が塞がれてシール性が発揮されるようになる。 【0030】上記第1壁部20の第1滑り面21は、抜止めリング60の喰込み歯61を被覆層110と管本体の管壁120とに喰い込ませる機能と、抜止めリング60を第2滑り面31側に案内する機能とを有している。すなわち、図2の状態から管100を引張って図3に矢印Pで示す抜出し方向に移動させたときには、被覆層110に弾接している抜止めリング60がその管100に伴って引抜き方向Pに移動するので、それまでは第1滑り面21に当接していた抜止めリング60を摺動させて縮径させる。こうして抜止めリング60が縮径すると、その喰込み歯61が被覆層110を突き破って管本体の管壁120に喰い込む。喰込み歯61が被覆層110を突き破って管本体の管壁120に喰い込んだ後、さらに管100が引抜き方向に引張られて移動すると、管本体の管壁120に喰込み歯61が食い込んでいる抜止めリング60が、そのまま、第2壁部30の第2滑り面31側に案内されて移行する。図3には第2滑り面31側に移行した抜止めリング60を仮想線で示してある。 【0031】上記第2壁部30の第2滑り面31は、抜止めリング60が抜出し方向Pに移動されたときに第2滑り面31に当接している抜止めリング60の外径を一定に保ったまま摺動させる機能を有する。したがって、抜止めリング60が第1滑り面21から第2滑り面31側へ移行した後では、管100を、抜止めリング60が作用部40に当たるまでの長さ分だけ、必ず引抜き方向Pに移動させることができるようになる。このため、不測に抜止め作用が働いて管100が不慮に抜止めされてしまうといった事態は起こらない。 【0032】上記作用部40は、第2滑り面31を摺動して抜出し方向Pに移動されてきた抜止めリング60に当たってその抜止めリング60の抜出し方向の移動を阻止する機能を有している。このため、図3のように、管100の引抜き方向Pの移動によって抜止めリング60が作用部40に当たると、もはや管100が引抜き方向Pには移動できなくなって抜止め作用が発揮される。 【0033】この実施形態では、図1〜図3のように、作用部40が、第2滑り面31の一端32から延出された先窄まりテーパ状をなす当り面41として形成された内周面を有し、この当り面41が、抜止めリング60に当たってその抜止めリング60に縮径方向の締付力を付与する機能を有している。したがって、図3のように、抜止めリング60が作用部40の当り面41に当たった状態で管100が引抜き方向Pに引張られたときには、管100に対する抜止めリング60の締付力ないし喰込み歯61の喰込み力がそのときの引張力に見合って増大して優れた抜止め性能が発揮される。 【0034】以上では継手本体10の一端側の機能部12の構造や作用を説明したけれども、継手本体10の他端側の機能部13の構造や作用についても同様である。また、この実施形態では、継手本体の一端側の機能部12と他端側の機能部13とが同一の構造を有し、同一の作用を発揮するように形成してあるけれども、他端側には、他の構造、たとえばメカニカル継手構造といった差込み継手構造以外の構造を備えさせて他の作用が発揮されるようにしておいてもよい。 【0035】図4は、図1〜図3に示した継手本体10の外周面を樹脂層80によって被覆し、その樹脂層80の一端部と他端部とを軸方向に延出させてそれぞれの延出層81の端部内側に、シール用パッキン82を保持させた事例を示している。このものにおいて、パッキン82は、継手本体10に差し込まれた管100の被覆層110に密着してその箇所にシール性を付与する機能を有している。したがって、このように構成した場合には、抜止めリング保持部材70によってシール性を発揮させる必要性が必ずしもない。そのため、抜止めリング保持部材70には、抜止めリング60を第1滑り面21と同心状に位置決めする機能が備わっていれば十分であり、必ずしもシール性を発揮する機能が備わっている必要はない。 【0036】図1〜図3又は図4で説明した差込み継手Aの継手本体10は、所要厚さの管壁を有する鋼管を所定形状に塑性加工することによって形成されている。そのため、図3のように、抜止めリング60が作用部40の当り面41に当たった状態で管100が引抜き方向Pに大きな力で引張られたときには、そのときの引張力で抜止めリング60が作用部40を押し開いて脱落するという事態の起こる可能性を否定できない。この点を解決するためには、たとえば図5のように作用部40を第2壁部30に対して直角に絞り込んで作製し、その内面を当り面41として形成しておくことが有益である。また、継手本体10を、厚肉鋼管を切削することによって製作することや、鋳造品とすることによっても、上記事態の起こる可能性を無くすることが可能である。 【0037】図6は継手本体10が厚肉鋼管を切削することによって製作されている差込み継手Aの一部破断側面図、図7は図6の差込み継手Aが抜止め機能を発揮している状態の要部拡大断面図である。 【0038】図6及び図7に示した実施形態の差込み継手Aは、継手本体10が厚肉鋼管を切削することによって製作されている点、継手本体10の外面や内面などに防錆などのために溶融亜鉛めっきや塗装が施されている点、抜止めリング保持部材70が抜止めリング60を第1滑り面21と同心状に位置決めする機能を備えているけれども、シール性を発揮する機能を備えていない点、継手本体10の一端部と他端部とを軸方向に延出させてそれぞれの延出部14,15の内側に、シール用パッキン82を保持させた点において、図1〜図3で説明したものと異なっているだけであり、その他の構成や作用は図1〜図3又は図4で説明したものと同様であるので、同一又は相応する部分に同一符号を付して詳細な説明を省略する。 【0039】図8は継手本体10が鋳造品である差込み継手Aの一部破断側面図、図9は図8の差込み継手Aが抜止め機能を発揮している状態の要部拡大断面図である。 【0040】図8及び図9に示した実施形態の差込み継手Aは、継手本体10が鋳造品である点、抜止めリング保持部材70が抜止めリング60を第1滑り面21と同心状に位置決めする機能を備えているけれども、シール性を発揮する機能を備えていない点、継手本体10の一端部と他端部とを軸方向に延出させてそれぞれの延出部14,15の内側に、シール用パッキン82を保持させた点において、図1〜図3で説明したものと異なっている。なお、継手本体10を鋳造品とした場合にも、継手本体10を上述したところの薄肉鋼管の塑性加工や厚肉鋼管の切削加工によって製作した場合と同様に、その外面や内面などに溶融亜鉛めっきや塗装を施して防錆しておくことが望ましい。 【0041】また、この実施形態では、図1〜図3で説明した継手本体10の第1壁部20を省略することによって第3壁部50を第2壁部20に連設してある点、図1〜図3で説明した第1滑り面21の代わりに、第3壁部50で囲まれた空間に配備されている抜止めリング保持部材70の内周面71をテーパ状に形成し、その内周面71が、抜止めリング60が抜出し方向に移動されたときにこの内周面71に当接している抜止めリング60を摺動させて縮径させることによりその抜止めリング60の内周縁を管100の被覆層110と管本体の管壁120とに喰い込ませる機能と、抜止めリング60の内周縁61が被覆層110と管壁120とに喰い込んだ後に内周面71側に案内する機能とを発揮するようにしてある点でも、図1〜図3で説明したものと異なっている。 【0042】その他の構成や作用は図1〜図3、図4、図5などで説明したものと同様又は略同様であるので、同一又は相応する部分に同一符号を付して詳細な説明を省略する。 【0043】 【発明の効果】以上のように、本発明によると、管をその端部の被覆層を剥がし取ることなく継手本体に差し込んでも、被覆層に抜止めリングとの擦り傷が残るといったおそれが少なく、また、継手本体に差し込んだ管の引抜き方向への移動長さを設計上適宜変更して適切な長さに定めることが可能であり、しかも、良好な抜止め機能が発揮される差込み継手を提供することが可能になる。 【0044】本発明に係る差込み継手は、電線や通信ケーブルの保護管に用いられる外面樹脂被覆鋼管の接続に好適に用い得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000231121 【氏名又は名称】日本鋼管継手株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年7月7日(1999.7.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072338 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 孝一 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−21073(P2001−21073A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月26日(2001.1.26) |
| 【出願番号】 |
特願平11−193279 |
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