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【発明の名称】 プラスチックパイプ
【発明者】 【氏名】津永 正行

【氏名】佐藤 政広

【氏名】酒井 麓郎

【氏名】細田 栄次

【氏名】杉本 敏幸

【氏名】角田 敦

【氏名】圓尾 哲朗

【要約】 【課題】鋼帯に比べて軽量かつ可撓性を有する補強用シートを使用することにより、生産性に優れ、かつ優れた耐久性と保形性とを備えたプラスチックパイプを提供する。

【解決手段】プラスチックからなる導管21と防食層22との間に補強用シート10(10’)を配置した構成からなるプラスチックパイプであって、その補強用シート10(10’)が複数本の補強繊維フィラメント束1を相互に隙間gを介在させて平行配列し、該平行配列した補強繊維フィラメント束1の片面または両面に保持シート2(2’)を貼り付けた構成からなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プラスチックからなる導管と防食層との間に補強用シートを配置した構成からなり、前記補強用シートが複数本の補強繊維フィラメント束を相互に隙間を介在させて平行配列し、該平行配列した補強繊維フィラメント束の片面または両面に保持シートを貼り付けた構成からなるプラスチックパイプ。
【請求項2】 前記平行配列した補強繊維フィラメント束の両面に配置した保持シートが前記隙間を介して互いに接着している請求項1に記載のプラスチックパイプ。
【請求項3】 前記補強繊維フィラメント束が撚り数10〜200回/mであると共に偏平であり、その偏平な面を前記保持シートの表面に沿わせて接着してなる請求項1または2に記載のプラスチックパイプ。
【請求項4】 前記保持シートが合成樹脂フィルム又は合成繊維不織布である請求項1,2または3に記載のプラスチックパイプ。
【請求項5】 前記補強繊維フィラメント束を構成する繊維が、芳香族ポリアミド繊維、ポリ−P−フェニレンベンズビスオキサゾール繊維、炭素繊維又はガラス繊維である請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラスチックパイプ。
【請求項6】 前記平行配列した補強繊維フィラメント束の両面に配置した保持シートの一方が合成樹脂フィルムであり、他方が合成繊維不織布である請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチックパイプ。
【請求項7】 前記保持シートが合成樹脂フィルムであり、該合成樹脂フィルムにコーティングした接着剤又は低融点樹脂を介して前記補強繊維フィラメント束が貼り付けられてなる請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチックパイプ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプラスチックパイプに関し、さらに詳しくは、特に鋳鉄管や鋼管等の金属パイプの代替として、軽量で優れた耐久性能を有するプラスチックパイプに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に上水、下水などの送水管、海水の取水管、放流管等の用途に使用されるパイプは、特に大きな強度が要求されるため鋳鉄管や鋼管等の金属パイプが使用されている。しかし、金属パイプは重量が大きいため施工現場への搬入や敷設作業に多大の労力が必要になって工事期間が長くなること、可撓性を有しないため地震などの大きな負荷を受けると破損しやすいこと、また錆を発生するため耐腐蝕性が低いことなどの問題があった。
【0003】かかる金属パイプが有する問題の対策として、金属パイプに比べて軽量で可撓性を有し、かつ耐腐蝕性にも優れているプラスチックパイプが注目され、このプラスチックパイプは金属パイプに比べて強度が低いという問題があったが、これを導管に補強材として薄いテープ状の鋼帯を巻き付けることにより解決し、実用化されるに至っている。
【0004】しかし、プラスチックパイプの補強に使用される鋼帯は剛性が大きいため、巻き付け時の曲げ抵抗によりパイプ導管の外周面に馴染みにくく、また鋼帯は過度の曲げ変形が与えられると永久変形し、それを元の形状に戻そうとしても曲げ癖が残ってしまうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鋼帯に比べて軽量かつ可撓性を有する補強用シートを使用することにより、生産性に優れ、かつ優れた耐久性と保形性とを備えたプラスチックパイプを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明のプラスチックパイプは、プラスチックからなる導管と防食層との間に補強用シートを配置した構成からなり、前記補強用シートが複数本の補強繊維フィラメント束を相互に隙間を介在させて平行配列し、該平行配列した補強繊維フィラメント束の片面または両面に保持シートを貼り付けた構成からなることを特徴とするものである。
【0007】本発明のプラスチックパイプは、プラスチックからなる内防食層と補強繊維フィラメント束を主材とする補強用シートとから構成されているので軽量で可撓性を有し、大きな曲げ荷重を受けても容易に追従変形すると共に弾性回復することができるため、優れた耐久性と保形性とを示すことができる。
【0008】また本発明に使用される補強用シートは、補強繊維フィラメント束を主材としているため軽量かつ可撓性であり、重量で高い剛性をもつ鋼帯に比べると、プラスチックパイプ導管の円筒形状に容易に馴染むことができる。したがって、プラスチックパイプ加工時には優れたハンドリング性が得られるため、生産性を向上することができる。
【0009】また、補強用シートは複数本の補強繊維フィラメント束を隙間を介して平行配列するため、補強繊維フィラメント束の種類や本数の選択により鋼帯と同等以上の補強性能を発揮し、また要求性能に応じて本数と隙間を適宜設計することにより、その要求性能を最低の補強繊維フィラメント束の使用量で達成することができる。また補強用シートは複数本の補強繊維フィラメント束を保持シートに単に貼り付けるだけで得られ、よこ糸を使用する必要がないので低コストで得ることができる。
【0010】また、補強繊維フィラメント束は保持シートに保持されているので、プリプレグのように熱硬化性樹脂等の樹脂を含浸させる必要はないので、補強用シートの可撓性を一層高くし、ハンドリング性の向上を測ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチックパイプは、導管と防食層とがプラスチックからなり、その導管と防食層との間に補強用シートを配置することにより構成されている。用途としては特に限定されるものではないが、特に従来から鋳鉄管や鋼管が使用されていた上水、下水などの送水管、海水の取水管、放流管等の用途に好ましく使用される。管径としては、20〜800mmが好ましく使用される。
【0012】導管と防食層に使用されるプラスチックの種類は、特に限定されないが、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルなどの樹脂を使用するのがよい。
【0013】補強用シートのプラスチックパイプにおける配置方法は、その補強用シートを長手方向(補強繊維フィラメント束の長手方向)を円筒状プラスチック導管の外周に少なくとも1層螺旋状に巻き付けたり、或いは円筒状プラスチック導管の長手方向に実質的平行に配置するようにすればよい。前者の場合は、主としてプラスチックパイプの径方向の膨張を抑制する補強を行い、また後者の場合は、プラスチックパイプの長手方向の伸長を抑制する補強を行う。
【0014】補強用シートを螺旋状に2層以上巻き付ける場合には、各層の補強用シートを同一方向に螺旋方向に巻き付けてもよく、或いは互いに逆方向に交差するように巻き付けてもよい。また、螺旋状に巻き付ける補強用シートと、長手方向に直線状に配置する補強用シートとを併用するようにしてもよい。
【0015】本発明に使用される補強用シートは、複数本の補強繊維フィラメント束が互いに隙間を介して平行に長手方向の一方向だけに配列し、この長手方向と交差する方向によこ糸を配置していないことが特徴である。複数本の各補強繊維フィラメント束が、上記のようによこ糸を設けずに保持シートの表面に直線状に貼り付けられていることにより、補強繊維フィラメント束の強力が有効に利用されるようになっている。
【0016】長手方向に配列する補強繊維フィラメント束と交差する方向によこ糸を配置すると、例えば織機などを使用して長手方向のたて糸によこ糸を挿入する織物構造になるため、補強繊維が余分に必要になるコストだけでなく、手間も多くなるため生産性が低下し、コストアップになることが避けられない。この問題はよこ糸が補強繊維でない場合でも同様である。また、よこ糸を配置すると、よこ糸が横切る箇所でたて糸の補強繊維フィラメント束が屈曲変形した状態になるため、その屈曲変形した箇所により材料力学上の補強繊維フィラメント束の強力利用率が低下する。
【0017】本発明に使用される補強用シートは、軽量かつ可撓性の補強繊維フィラメント束が複数本平行に配列した状態で、単に保持シートの表面に貼り付けられただけの構成であるので全体に高い可撓性を有し、パイプの円筒形状に容易に馴染むため優れたハンドリング性を有する。また、複数本の補強繊維フィラメント束は互いに隙間を介して配列しているため、要求特性に応じて補強繊維フィラメント束の本数と隙間を適宜選択することにより、その要求特性を最低の補強繊維フィラメント束の使用量で達成することができる。
【0018】本発明において、補強繊維フィラメント束に使用する繊維は、高強力、高弾性率の繊維であれば特に限定されないが、好ましくは強度が100 kgf/mm2 以上、弾性率が4000 kgf/mm2 以上の繊維、さらに好ましくは強度が200 kgf/mm2 以上、弾性率が5000 kgf/mm2 以上の繊維を使用するとよい。具体的には、補強繊維フィラメント束の繊維としては、芳香族ポリアミド繊維、ポリ−P−フェニレンベンズビスオキサゾール繊維(PBO繊維)、炭素繊維、ガラス繊維などが好ましい。
【0019】補強繊維フィラメント束は、従来のプリプレグのように熱硬化性樹脂等の樹脂を含浸させずに、単繊維相互を無拘束状態にすることが好ましい。このような構成により単にコストダウンに役立つだけでなく、巻き付け時の曲げ操作を容易にし、ハンドリング性を向上することができる。
【0020】また、補強繊維フィラメント束には、甘撚り程度の撚りを付与しておくことが好ましい。具体的な撚り数としては10〜200回/m、さらに好ましくは20〜100回/mがよい。10回/mよりも少ない撚りであると、補強繊維フィラメント束の集束性が不足するため、保持シートに貼り付けたとき単繊維が乱れ、保持を不安定にする。また、撚りが200回/mよりも多いと、補強繊維フィラメント束の強力利用率が低下する。
【0021】補強繊維フィラメント束の太さは特に限定されないが、好ましくは1000d〜7000dの範囲のものを使用するとよい。また、補強繊維フィラメント束の横断面形状は、好ましくは円形よりも、偏平にしたものの方がよい。補強繊維フィラメント束を偏平にすることにより、保持シート上で横ずれや屈曲を起さないように安定した直線状態に配列しやすくすることができる。しかも、補強繊維フィラメント束の単位容積当たりの補強効果を向上することができる。
【0022】補強繊維フィラメント束を偏平にして使用する場合は、その幅wを1〜8mm、厚さtを1mm以下にすることが好ましい。このような範囲にすることにより、保持シートに対する形態保持を安定させ、かつその安定な形態保持により補強効果を向上することができる。
【0023】また、隣接し合う補強繊維フィラメント束間の隙間gとしては、片側の保持シート上の接着剤又は低融点樹脂を他側の保持シートに転写可能にする程度の大きさであればよい。好ましくは、補強用シートにおける隙間gの合計幅が補強用シート全幅Wの30%以上、好ましくは30〜80%にするとよい。一つ当たりの隙間gの幅としては、この隙間gを介して接着剤又は低融点樹脂が他方の保持シート側に転写可能になる程度の大きさであればよいが、補強用シートにおける隙間gの合計幅を上記の通りにした上で、好ましくは1〜5mmにするとよい。
【0024】補強用シートの保持シートは専ら補強繊維フィラメント束を一定間隔に並べて保持する機能を有していれば十分であり、被補強体の補強作用に関与させる手段として使用するものではない。したがって、保持シートの強度としては、補強繊維フィラメント束の保持に支障のない程度を有していればよく、特に大きな値を有する必要はない。
【0025】このような観点から、保持シートとしては、合成樹脂フィルムまたは合成繊維不織布が使用される。合成樹脂フィルムは、無延伸フィルムであっても、延伸フィルムであってもよい。延伸フィルムの場合は一軸延伸であっても、二軸延伸であってもよい。また、合成繊維不織布は、メルトブロー法、スパンボンド法、ニードルパンチ法のいずれの加工法で製造されたものであってもよい。
【0026】保持シートの素材としては、合成樹脂フィルムおよび合成繊維不織布のいずれの場合でも、熱可塑性樹脂が好ましい。例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの樹脂を挙げることができる。
【0027】保持シートに補強繊維フィラメント束を貼り付ける手段としては、接着剤または低融点樹脂が使用される。接着剤は保持シートの片側全面にコーティングし、その上に複数本の平行配列状態の補強繊維フィラメント束を配置し、その上面から押圧することにより貼り付けることができる。このように接着剤をコーティングする保持シートは、合成樹脂フィルムおよび合成繊維不織布のいずれであってもよいが、好ましくは合成樹脂フィルムの方にコーティングするのがよい。
【0028】また、低融点樹脂の場合は、同じく保持シートの片側全面に低融点樹脂をフィルム状に積層すればよい。このようにフィルム状に積層された低融点樹脂の表面に複数本の平行配列状態の補強繊維フィラメント束を配置し、その上から熱を加えることにより低融点樹脂を溶融して融着させることができる。低融点樹脂がコーティングされる保持シートとしては、接着剤の場合と同様に合成樹脂フィルムおよび合成繊維不織布のいずれであってもよいが、好ましくは合成樹脂フィルムに積層させる方がよい。
【0029】複数本の平行配列した補強繊維フィラメント束の両側に保持シートを配置する場合の組合せとしては、一方の保持シートを合成樹脂フィルムにし、他方の保持シートを合成繊維不織布にする態様、両側の保持シートとも合成樹脂フィルムにする態様、或いは両側の保持シートとも合成繊維不織布にする態様のいずれであってもよい。しかし、好ましくは一方の保持シートを合成樹脂フィルムにし、他方の保持シートを合成繊維不織布にする第一番目の組合せがよい。
【0030】上述のように構成された補強用シートの総幅Wは特に限定されるものではないが、プラスチックパイプの管径にもよるが、30〜400mmの範囲が好ましい。また、補強用シートの50mm幅当たりの補強繊維フィラメント束の配列本数は、3000dの補強繊維フィラメント束を基準として、10〜20本/50mm、好ましくは13〜18本/50mmがよい。
【0031】図1は、本発明のプラスチックパイプの一例を示したものである。図1において、プラスチックパイプ20は内側の導管21と外側の防食層22とがプラスチックから成形され、その中間に、後述する図4又は図5に例示する構成からなる補強用シート10(10’)が挿入されている。補強用シート10(10’)は、導管21と防食層22との間において、補強繊維フィラメント束1の長手方向をプラスチックパイプ20の軸方向に対して角度θをなすように導管21の外周に螺旋状に巻回されている。
【0032】このように螺旋状に巻回された補強用シート10(10’)は、主としてプラスチックパイプ20の径方向の膨張を抑制する。補強用シート10(10’)のパイプ軸方向に対する巻付け角度θ(螺旋角度)は45°以上、90°未満とし、好ましくは50°以上、80°以下にするとよい。
【0033】図2は、本発明の他の実施形態からなるプラスチックパイプを示す。この実施形態では、補強用シート10(10’)が内外2層に螺旋状に巻き付けられている。内側に巻き付けられた補強用シート10(10’)の両縁が接合する螺旋状境界線の上面を、外側の補強用シート10(10’)が同じ螺旋角度θで覆うように巻き付けられている。
【0034】ここで補強用シートの両縁が接合する螺旋状の境界線は、必ずしも縁部同士が接している必要はなく、互いに隙間を介して離れていても、或いは互いに一部をオーハラップさせるようになっていてもよい。
【0035】図3は、本発明の更に他の実施形態からなるプラスチックパイプを示す。この実施形態は、図2と同様に補強用シート10(10’)が内外2層に螺旋状に巻き付けられているが、内側の補強用シート10(10’)の螺旋方向と外側の補強用シート10(10’)の螺旋方向とがパイプ軸方向を挟んで互いに反対方向になっている。すなわち、内側の補強用シートと外側の補強用シートとがパイプ軸方向を挟んで交差するようになっている。この実施形態では、補強用シートがプラスチックパイプの径方向の膨張抑制と共に、捩じれ抑制にも有効に作用する。
【0036】図4は、プラスチックパイプの補強に使用される補強用シートを例示したものである。図4の補強用シート10は、複数本の補強繊維フィラメント束1を相互間に隙間gを介在させて平行に配列し、これらを帯状の保持シート2の表面に長手方向に沿って接着剤により貼り付けて構成されている。保持シート2は、合成樹脂フィルムまたは合成繊維不織布からなり、また補強繊維フィラメント束1は40回/mの撚りを有し、かつ偏平に押し広げられ、その偏平な面を保持シート2の表面に沿わせるようにしている。
【0037】また、図5は別の実施形態からなる補強用シートを示す。図5の補強用シート10’は、上述した図4の構成において、さらに補強繊維フィラメント束1の上面側に別の保持シート2’を貼り合わせるようにしたものである。上面に被覆した保持シート2’は、保持シート2と同様に合成樹脂フィルムまたは合成繊維不織布から構成されている。両側の保持シート2と2’は、一方が合成樹脂フィルムで、他方が合成繊維不織布であるような組合せにしてもよく、或いは両方とも合成樹脂フィルムまたは合成繊維不織布であるようにしてもよい。
【0038】この補強用シート10’において、保持シート2に塗布された接着剤は、補強繊維フィラメント束1,1の間の隙間gに滲出し、この滲出した接着剤を介して反対側の保持シート2’が保持シート2に接着するようになっている。互いに接着した保持シート2,2’は、複数の補強繊維フィラメント束1を挟持することによって拘束し、これら補強繊維フィラメント束1が横ずれしたり、或いは交錯したりしないようにする。
【0039】図6は、上述した補強用シート10又は10’を使用してプラスチックパイプを連続的に成形する装置を例示したものである。最初に押出機31が溶融樹脂を図7(A)に示すような横断面をもつ導管21として押し出し、その押し出した導管21を次のシート巻付機32へ送り出すようにする。
【0040】シート巻付機32は、導管21の外側で同軸に回転する回転胴34を有し、その回転胴34に斜め放射状に延びる一対の支持軸35a,35bを固定し、その各支持軸35a,35bにそれぞれ補強用シート10(10’)が巻かれたボビン36a,36bを回転可能に支持している。シート巻付機32は、矢印方向に走行する導管21に対し、回転胴34を回転させながらボビン36a,36bから補強用シート10(10’)を1本ずつ解除しつつ導管21の外周に平行に螺旋状に巻き付け、図7(B)に示す横断面の管状積層体にし、その管状積層体を次の押出機33へ送り出すようにする。
【0041】押出機33は、上記のように送り出された管状積層体の外周に対して、溶融樹脂を防食層22として被覆し、図7(C)のような横断面を有するプラスチックパイプ20に成形する。
【0042】
【実施例】保持シート2としてゴム系接着剤がコーティングされた幅100mm、厚さ40μmの一軸延伸ポリプロピレンフィルム、保持シート2’として目付40g/m2 、幅100mmのポリエステル長繊維スパンボンド不織布、また補強繊維フィラメント束1として3000dの芳香族ポリアミド繊維フィラメント束(東レ・デュポン製“ケブラー”29)をそれぞれ使用し、該芳香族ポリアミド繊維フィラメント束35本が上記保持シート2に略等間隔で平行配列するように貼り付けた補強用シートAを製造した。
【0043】また、比較のため厚さ0.15mm、幅100mmのステンレス鋼(SUS)の帯板からなる補強用シートBを用意した。
【0044】上記2種類の補強用シートA及びBを使用し、それぞれ図6の製造装置を使用し、導管と防食層がポリエチレンからなり、巻付け角度θが68°の螺旋状に巻付け、外径が114mm、全肉厚が9mmの同一寸法からなる本発明のプラスチックパイプ(補強用シートAに基づく)と、比較例のプラスチックパイプ(補強用シートBに基づく)との2種類を成形した。
【0045】上記のようにして得られた2種類のプラスチックパイプについて、それぞれ内圧をかけて破壊強力を測定したところ、両パイプとも内圧65 kgf/cm2 でも破壊することがなく、優れた破壊圧力を有していた。
【0046】次いで、各プラスチックパイプに曲げ荷重を加えて約30度まで曲げたのち、その曲げ荷重を解除したところ、本発明のプラスチックパイプは元のストレートな状態に復帰したが、比較例のプラスチックパイプは、元のストレートな状態に戻らず屈曲変形したままであった。その屈曲変形を強制的に直線状に戻したところ、屈曲部分が偏平状の歪んだ断面として残った。
【0047】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、プラスチックの内防食層と補強繊維フィラメント束を主材とする補強用シートとから構成されているので軽量かつ可撓性を有し、大きな曲げ荷重に対して容易に追従変形すると共に、元の形状に簡単に弾性回復するので、優れた耐久性と保形性とを有している。
【0048】また本発明に使用される補強用シートは、補強繊維フィラメント束が主材であるため軽量かつ可撓性であり、プラスチックパイプ導管の円筒形状に容易に馴染むことができるので、プラスチックパイプの加工時に優れたハンドリング性が得られ、著しく生産性を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000174909
【氏名又は名称】三井金属エンジニアリング株式会社
【識別番号】597140110
【氏名又は名称】サカイ産業株式会社
【識別番号】000219266
【氏名又は名称】東レ・デュポン株式会社
【出願日】 平成11年7月8日(1999.7.8)
【代理人】 【識別番号】100066865
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信一 (外2名)
【公開番号】 特開2001−21067(P2001−21067A)
【公開日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願番号】 特願平11−194752