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【発明の名称】 設備配管の更新工法
【発明者】 【氏名】関口 秀昭

【氏名】長門 明

【要約】 【課題】建築関連部分の工事を最小限に抑制し、設備配管の更新を短工期、低コストで実施できるとともに、既存の駆体や防水等の損傷、壁面,床面の仕上げ材の部分復旧による色違いの発生等の問題を解消し、しかも付帯工事、作業を極力少なくして、居ながら施工することが可能な設備配管の更新工法を提供する。

【解決手段】少なくとも一部が壁面2又は床スラブ11内に埋め込まれて配設されている設備配管を新たな配管7、8に更新する設備配管の更新工法において、上記壁面2内に埋め込まれて配設されている既設の設備配管9の少なくとも一部をそのまま残存させ、同既設配管9を保護用管としてその内部に更新用の新設配管8を通して配設することによって設備配管を更新する設備配管の更新工法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも一部が壁面又は床面内に埋め込まれて配設されている設備配管を新たな配管に更新する設備配管の更新工法において、上記壁面又は床面内に埋め込まれて配設されている既設の設備配管の少なくとも一部をそのまま残存させ、同既設配管を保護用管としてその内部に更新用の新設配管を通して配設することによって設備配管を更新することを特徴とする設備配管の更新工法。
【請求項2】 上記の新設配管として可撓性配管を用いてなることを特徴とする請求項1に記載の設備配管の更新工法。
【請求項3】 スラブ下空間内に配設されている配管と、同配管に接続されるとともに、壁面内に埋め込まれて所定位置まで立ち上げ配設されている配管とを有してなる設備配管を新たな配管に更新する設備配管の更新工法において、上記配管上端の配管出口位置に対応する壁面部分の仕上げ材及び下地材のみを撤去し、当該撤去部分を利用して既設の配管を残存させたまま更新用の新設配管をその内部を通して配設し、同新設配管の下端を上記スラブ下空間内に更新配設された新設配管に接続することによって設備配管を更新することを特徴とする設備配管の更新工法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物内に配設された給水管、給湯管、排水管、ガス管、冷水管、温水管、空気管、その他特殊ガス管等の各種設備配管が劣化した際に、それら設備配管を新たな配管に更新する設備配管の更新工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、建物のリニューアルが増加しており、その大規模化に伴って工期、工費ともに増大化する傾向にある。特に、設備配管が劣化している場合にその更新工事が必要であるが、設備配管の更新工事を計画に当たっては、設備配管のみならず、建築の仕上げ材や場合によっては一部駆体までもが関連することがあるため、設備配管の更新工事よりも建築関連部分の方が、工期、工費ともに大きくなることが多々あった。
【0003】中でも住宅の場合において、台所、浴室、洗面所等の水場まわりの更新工事を行うに際しては、床、壁、戸棚類等、周辺の建築仕上げ材を更新せざるを得ないケースが多くなる。図2はその一例を示す断面図で、11は床スラブを示し、そのスラブ下空間12内に配設された給水用の配管13から分岐し、蛇口14の配設位置まで床スラブ11を貫通するとともに、垂直の壁15内に埋め込まれて配設されている立ち上げ垂直配管16を有する設備配管の場合、図示のA範囲において、壁15を構成するタイル、石等の仕上げ材17を撤去するとともに、軽量鉄骨下地、コンクリートブロック、補強コンクリート等の下地材18を斫った上で、配管13及び立ち上げ垂直状の配管16を更新した後、下地材18の斫った部分を穴埋めし、仕上げ材17を復旧する必要があった。
【0004】従って、従来の設備配管の更新工法によると、どうしても建築関連部分の方の大がかりな改修工事は避けられず、その分だけ工期、工費が嵩むことになるとともに、仕上げ材が部分的に復旧されることになるため、当該部分に色違いが生じ外観意匠を損なうことは不可避であった。また、住宅の場合には、土、日、休日がなく、居ながらの工事を要求されることになるため、什器や備品類の移動、移設は極力抑制しなければならないが、従来の工法では限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題に対処するためになされたものであり、その第一の課題は、建築関連部分の工事を最小限に抑制し、設備配管の更新を短工期、低コストで実施することができる設備配管の更新工法を提供することにある。また、本発明のもう一つの課題は、建築関連部分の工事を最小限に抑えることで、既存の駆体や防水等の損傷、壁面又は床面仕上げ材の部分復旧による色違いの発生等の問題を解消することができる設備配管の更新工法を提供することにある。本発明の更なる課題は、付帯の工事、作業を極力少なくすることにより、居ながら施工することが可能な特に住宅の設備配管の更新工事に適用して好適な設備配管の更新工法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するため、本発明にかかる設備配管の更新工法は、少なくとも一部が壁面又は床面内に埋め込まれて配設されている設備配管を新たな配管に更新する設備配管の更新工法において、上記壁面又は床面内に埋め込まれて配設されている既設の設備配管の少なくとも一部をそのまま残存させ、同既設配管を保護用管としてその内部に更新用の新設配管を通して配設することによって設備配管を更新することを特徴とするものであり、壁面又は床面内に埋め込まれて配設されている設備配管をそのまま残存させ、その内部を通して更新用の新設配管を配設するようにしているため、配管が埋め込まれている壁面又は床面部分を全面撤去する必要がなく、壁面,床面の撤去工事を最小限に抑えて設備配管の更新工事を行うことができるようになる。
【0007】また、本発明にかかる設備配管の更新工法は、上記の設備配管の更新工法において、上記の新設配管として可撓性配管を用いてなることを特徴とするものであり、新設配管として可撓性配管を用いることによって、既設の配管内に更新用の新設配管を容易に挿入でき、工事の容易化を図ることができる。
【0008】更に、本発明にかかる設備配管の更新工法は、スラブ下空間内に配設されている配管と、同配管に接続されるとともに、壁面内に埋め込まれて所定位置まで立ち上げ配設されている配管とを有してなる設備配管を新たな配管に更新する設備配管の更新工法において、上記配管上端の配管出口位置に対応する壁面部分の仕上げ材及び下地材のみを撤去し、当該撤去部分を利用して既設の配管を残存させたまま更新用の新設配管をその内部を通して配設し、同新設配管の下端を上記スラブ下空間内に更新配設された新設配管に接続することによって設備配管を更新することを特徴とするものであり、スラブ下空間内に配設された配管と壁面内に埋め込まれて所定位置まで立ち上げ配設されている配管とを有する設備配管を更新するに際しても、配管上端の配管出口位置に対応する壁面部分のみを部分的に撤去するだけで、壁面内に埋め込まれている配管を残存させ、その内部に更新用の新設配管を通して配設することにより、壁面内に埋め込まれている配管部分を含めて全ての設備配管を新たな配管に更新することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態にかかる設備配管の更新工法を説明する給水配管の一部を示す断面図である。図1中において、1は建物を構成するスラブ、2は垂直状に立設された壁であり、この壁2はタイル、石等からなる仕上げ材3と、軽量鉄骨下地、コンクリートブロック、補強コンクリート等からなる下地材4とによって構成されている。
【0010】ここでの設備配管は、壁2の所定高さ位置に配設されている蛇口5に対して給水する給水配管の場合を例示しており、スラブ1のスラブ下空間6内に配設されている配管7と、同配管7から分岐して壁2内に埋め込まれて蛇口5位置まで立ち上げ配設されている垂直配管8とを有している。かかる設備配管を更新するに際しては、先ず、蛇口5を取り外し、蛇口位置に対応する部分Bの壁2を構成する仕上げ材3及び下地材4のみを部分的に撤去する。
【0011】この撤去した部分を利用することにより、垂直状に立設されている既設の配管9をそのまま残存させ、同配管9を保護用管としてその内部に新設の樹脂管等の可撓性配管からなる垂直配管8を通して配設し、配管を更新する。但し、既設の配管9が保護用管として利用可能であるか否かはその都度調査する必要がある。このようにして垂直配管8を新設の配管に更新することができ、その下端をスラブ下空間6内に配設された新設の配管7に接続することによって、全ての設備配管を更新することができる。
【0012】また、更新した垂直配管8の上端に水栓ボックス10を接続して撤去した下地材4中に埋設し、この水栓ボックス10に蛇口5を接続した後、撤去した下地材部分を穴埋めし、その上に仕上げ材3を復旧することによって、設備配管を埋め込んでいる垂直壁2の対応部分の改修工事を最小限に抑えながら設備配管を更新することができる。
【0013】しかして、上記の実施形態のように壁面に設備配管が埋め込まれて配設されている部分については、埋め込まれている既設の設備配管をそのまま保護用管として残存させ、その内部に新設の設備配管を通して更新工事を行うようにすることによって、以下のような多くの利点を得ることができる。
(1)建物の建築仕上げ面の損傷を必要最小限に抑え、工事を簡素にして設備配管の更新工事を実施することができる。
(2)既存の建物駆体、防水等を損傷することなく、設備配管の更新工事を行うことができる。
【0014】(3)上記(1)、(2)により、設備配管の更新工事の短工期化を図ることができると共に、建築仕上げ工事を必要最小限に抑制できる分、工費を低減することができる。
(4)部分的な設備配管の更新工事や居ながらの更新工事ができるようになるとともに、什器や備品等を移動、移設しないまま工事を行うことができる。
(5)建築仕上げ面の損傷を必要最小限に抑えることができるため、仕上げ面の色違い等による意匠の損傷を防止することができる。
(6)既設配管を新設配管の保護用管として有効活用できるため、新設配管の耐久性を高めることができる。
【0015】なお、上記の実施形態では、給水配管の場合を例にして説明したが、これに限定されるものではなく、以下の表1示す工種及び管種のような各種の設備配管の更新工事に適用することができる。
【0016】
【表1】

【0017】
【発明の効果】以上に詳細に説明したように、本発明にかかる設備配管の更新工法によると、壁面又は床面に埋め込まれている設備配管をそのまま残し、それを保護用管としてその内部を通して新設配管を配設するようにしているため、建築関連部分の工事を必要最小限に抑制して設備配管の更新することができる。従って、工事を簡略化し、短工期、低コストで設備配管の更新工事を実施することができる。
【0018】また、壁面、床面の仕上げ材や既存の駆体、防水等の損傷を少なくすることができるため、改修工事を最少とし、仕上げ材の色違い等による意匠の損傷を防止することができるとともに、既設配管を有効利用して新設配管の耐久性を向上させることができる。更に、付帯の工事や什器、備品類の移動、移設等作業を極力少なくすることができるため、特に住宅の設備配管の更新工事に際しても居ながら施工することができる。
【出願人】 【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
【出願日】 平成11年7月8日(1999.7.8)
【代理人】 【識別番号】100086298
【弁理士】
【氏名又は名称】船橋 國則
【公開番号】 特開2001−21064(P2001−21064A)
【公開日】 平成13年1月26日(2001.1.26)
【出願番号】 特願平11−193884