| 【発明の名称】 |
配管用保護材 |
| 【発明者】 |
【氏名】出口 敦
【氏名】二法田 勝
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| 【要約】 |
【課題】積層することなく一枚の織り布で必要十分な防護性能が得られる安価な配管用保護材を提供すること。
【解決手段】経糸1,緯糸2がポリプロピレン樹脂製フラットヤーンより成る織り布3であって、フラットヤーンは厚みが60〜120μmの範囲のものを使用し、織り布3の目付け質量が550〜750g/平方メートルの範囲であることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 経糸(1),緯糸(2)がポリプロピレン樹脂製フラットヤーンより成る織り布(3)であって、フラットヤーンは厚みが60〜120μmの範囲のものを使用し、織り布(3)の目付け質量が550〜750g/平方メートルの範囲であることを特徴とする配管用保護材。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は地中に埋設される合成樹脂製のガス、上下水道等の配管が、スコップ等の掘削機具の打撃によって破損するのを防ぐために、配管の上面側を覆って使用する配管用保護材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、地中に埋設されるガス等の配管には、鋳鉄などの金属製のものが使われていたが、近年では強い地震に見舞われても断裂しないということで、ポリエチレンや塩化ビニール等の合成樹脂製のものがさかんに使われるようになっている。合成樹脂製のガス管は、可撓性があって伸縮率が大きい反面、表面の硬さ等、強度面では金属製のものに劣る。ガス管は地中の比較的浅い位置に埋設されており、土木工事で土を掘り返す際に、スコップ等の掘削機具の先で不用意に打撃を加えて破損してしまうことがよくある。これを防ぐために図5に示すように、ガス管20の上面側は全長に渡って耐蝕性とクッション性のある保護材21で覆っている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】現在保護材21としては、合成樹脂の織り布を4枚、5枚と重ね合せて縫着あるいは接着したものが使用されている。こうした積層型の保護材は大量の織り布を必要とし、製造工程も複雑でコスト高となっている。ガス管そのもののコストが合成樹脂製のものを使用することによって下がったとしても、高価な保護材が添え物としてついてまわるのでは非常に厄介なことである。 【0004】本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、積層することなく一枚の織り布で必要十分な防護性能が得られる安価な配管用保護材を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するために本発明による配管用保護材は、経糸,緯糸がポリプロピレン樹脂製フラットヤーンより成る織り布であって、フラットヤーンは厚みが60〜120μmの範囲のものを使用し、織り布の目付け質量が550〜750g/平方メートルの範囲であることを特徴とする。 【0006】 【発明の実施の形態】配管用保護材には最低限必要とされる防護性能の基準というものがガス会社などから出されており、これをクリアーするためには織り布のボリュームを規定以上設定する必要がある。従来の保護材は何枚も重ねることによって必要なボリュームを持たせていたのに対し、本発明による配管用保護材はただ一枚の織り布のみで実現しようというのであるから、糸に使用する素材を吟味したり、糸の厚みを厚くしたり、織り組織をボリュームが得やすいものにするといった工夫が必要である。以下に実施の形態を述べる。 【0007】まず糸の素材は腐蝕することがなく、破断に強く、且つ安価であることの必要性から本発明による配管用保護材には、ポリプロピレン樹脂製のフラットヤーンを用いる。中でもプロピレンのホモポリマーを使用すると最も高い耐破断性が得られる。この素材は単独で使用する方がよいが、製織加工性やその他の物性を補う目的で、例えば酸化防止剤、充填剤、滑剤などを必要に応じて添加してもよい。前記プロピレンのホモポリマーは、密度(JIS K7112)が0.905g/立方センチメートル以上であって、メルトフローレート(JIS K7210)は0.5〜5.0g/10分、好ましくは1.0〜3.0g/10分の条件を満たすものを選択する。 【0008】フラットヤーンの製造方法については特に限定するものではなく、現存する種々の方法の中から都合のよいものを選択すればよく、その形状については、流れ方向にスジ状の凹凸や微細な切りミゾを付けてもよい。ただしフラットヤーン1枚の厚みは60〜120μmの範囲とすべきである。60μm以下では薄すぎてスコップ等の掘削機具の先端の打撃によって容易に破断してしまうし、120μ以上では剛性が大きすぎてフラットヤーン製造過程において、巻取加工性など取扱性が悪くなるので好ましくない。また、フラットヤーンの単糸太さは2000〜5000デニール、好ましくは2500〜3500デニールのものを用いる。単糸太さが2000デニール未満では、防護性を得るために織り布の打ち込み本数を多くする必要があり生産性、コスト等の観点より不利となる。一方、5000デニールを越えては織機による製織性が落ちて生産性が悪くなることに加えて、織り上った製品も硬く曲げにくいものとなるので取扱い性の面からも好ましくない。 【0009】また、上記した範囲内の厚みのフラットヤーンであっても、1枚だけの状態で経緯糸として織り上げても十分なボリュームが得られないので、フラットヤーンを長手方向に折り畳んで幾重にも重なった状態で使用するのが好ましい。折り畳む形態は特に限定するものではないが、現実的な経緯糸の断面の形態としては、図2(イ)に示すように渦巻き状に折り畳んでもよいし、図2(ロ)に示すように幅方向の真ん中で繰り返し折り重ねてもよい。あるいは、重ねていない幅広のフラットヤーンを経緯糸として緻密な組織に織り上げることによって、フラットヤーンが偶然に折り重なるように形成してもよい。 【0010】上記フラットヤーンを用いて成される織り布3の織り組織は、基本的には平織り、綾織り等現存する織り組織でよい。ただし経糸1、緯糸2が1本ずつで構成した組織では必要十分な織り布のボリュームを得ることは困難であるので、一つの織り目に対して経糸1、緯糸2共に2本以上織り込むことが必要である。例えば図3(イ)に示したものは、経糸1、緯糸2ともに2本ずつ重ねて打ち込んだ平織り組織である。この織り組織は単なる平織りと区別するために、畦織りとも呼ばれる。他にも図3(ロ)に示すように2本の経糸1の間に、緯糸2をひとつ飛びに挾み込むようにしてもよい。 【0011】織り布3は経糸1方向が配管の長手方向に相当する、細長いシートとなる。掘削機具による打撃はガス管に対して直角に当る場合もあれば斜めに当る場合もあるので、保護材は掘削機具の当る角度によって防護性能に偏りがあってはいけない。よって織り布3の経糸1と緯糸2の打ち込み本数の比は基本的に1:1が好ましいが、若干緯糸2の本数を少なくして、10:7程度にしてもよい。こうすることで織機のスピードが上がって生産性が向上する。 【0012】必要十分な防護性能を得るために必要な織り布3のボリュームは、種々の織り布を製作し、ポリエチレン製のガス管への剣先スコップによる打撃を想定した試験を行い考察したところ、目付け質量(織り布の単位面積当りの質量)が550g/平方メートル以上必要であることが判明した。また必要以上にボリュームを持たせても材料の無駄であり、製品の取扱い性、生産性も悪くなるので750g/平方メートルを限度とすることとした。以上に述べた条件を満たす1枚の細長い織り布3が配管用保護材となる。織り布3の周縁はヒートシールしてほつれを防止する。必要な防護性能はこの一枚の織り布3によって得られるが、普通は土木作業者にガス管20の存在を知らせ注意を促すために、赤や緑の目立つ色に着色した表示シート15をもう1枚上に重ねて縫着或いは接着等の方法で接合し、図1のような状態で使用する。 【0013】 【実施例】以下に実際に製作した配管用保護材のサンプルの状態と、防護性能の試験方法並びにその結果について述べる。 【0014】フラットヤーンの製造手順は、まずポリプロピレンのホモポリマー(密度:0.907g/立法センチメートル、メルトフローレート:2.3g/10分)を溶融押出機にて約225℃の成形温度にて溶融押出しし、インフレフィルム成形法にてフィルムを作成した。このフィルムを引き取りロールにて引き取りながら、レーザーを用いてスリットした後、約120℃の熱板上にて前後の引き取り比率が7倍になるように延伸した。次に、約140℃に設定した熱風オーブンを用いて前後同一速度にて引き取り、表1に示すようなデニール数、厚みの異なる種々のフラットヤーンを作成した。ついでこれを表1に示すような打ち込み条件にて織り上げてサンプル16を得た。織り組織は図3(イ)に示した畦織りを採用しており、打ち込み本数は見掛け上の2倍となっている。 【0015】 【表1】
【0016】こうして得られたサンプル16を図4に示すような装置によって耐衝撃性の試験を行った。試験方法は、鋼製台17上に固定したポリエチレン製のガス管20(肉厚6mm、外径60mm)に保護材サンプル16を載せ、その上に剣先スコップを模した自重3.5kgの打撃器具19の刃先を押し当て、打撃器具に3kgの重り18を0.5mの高さから落下させて衝撃を加えて、ガス管20につくキズの深さを測定した。打撃器具19の刃先は、ガス管20の長手方向に対して横になる状態と縦になる状態の二通り試験した。キズの深さが1mmに満たない場合を合格と判断した。それぞれのサンプルについての試験結果を表2に記載してある。 【0017】 【表2】
【0018】さらに、デニール数が3000デニールで共通のサンプル1〜18の防護性を、フラットヤーンの厚みと目付け質量をパラメーターとしてグラフ化したものが図6である。図6を見ると、フラットヤーンの厚みが120μmと同一のサンプル2〜7の結果から、防護性を確保するためには目付け質量が550g/平方メートル以上必要であることが分る。また目付け質量が同一のサンプル4、8、9、10、17、18の結果からフラットヤーンの厚みは最低でも60μm必要であることが分る。さらにフラットヤーンの厚みが120μm以上、目付け質量が750g/平方メートル以上となると、生産性が悪くなったり、製品の取扱い性が悪くなったり、あるいは織ること自体が不可能であったりと、生産には適さない領域とみることができる。こうした傾向は、他の適当なデニール数、例えば2500、3500デニールにおいても同一であると考えられる。また、参考までに試したエチレン−プロピレンのランダムコポリマーを用いたサンプル27、ブロックコポリマーを用いたサンプル28では、上記した適合領域に含まれるにも関わらず、防護性を確保できないことが分かった。 【0019】 【発明の効果】本発明による配管用保護材は、一枚の織り布のみで形成するので、従来の積層型の保護材と比べて製造工程が簡略化できるとともに、材料も少なくてすむので大幅に低いコストで生産することができる。性能面でも合成樹脂製の配管を掘削機具の打撃から確実に守るだけの十分な防護性を備えている。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000115382 【氏名又は名称】ヨツギ株式会社 【識別番号】390019264 【氏名又は名称】ダイヤテックス株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年6月17日(1999.6.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090206 【弁理士】 【氏名又は名称】宮田 信道
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| 【公開番号】 |
特開2001−4067(P2001−4067A) |
| 【公開日】 |
平成13年1月9日(2001.1.9) |
| 【出願番号】 |
特願平11−171398 |
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