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【発明の名称】 横置き式回転弁の開閉装置
【発明者】 【氏名】長尾 稔

【要約】 【課題】減速機の水没をなくして、浸水による減速機の故障を回避することができるとともに、弁室の容積を縮小することができる横置き式回転弁の開閉装置を提供する。

【解決手段】弁室4に設置される弁箱1の外部に導出した弁棒2の一端部に同時回転可能に第1レバー9を取付け、弁室4の上階6に設置した減速機7の減速出力軸7Aに同時回転可能に第2レバー10を取付けて、この第2レバー10と第1レバー9とを上下方向にのびる一対の連結棒11,11を介して連動可能に互いに連結する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 横軸線を有する筒状の弁箱に前記横軸線に交差する横軸線を有して弁棒が回転自在に軸支され、この弁棒に取付けられた弁体が弁棒とともにその軸まわりに回転可能に弁箱に収容され、その回転によって弁箱を開閉するように構成されているとともに、弁室に設置される横置き式回転弁において、前記弁棒の一端部が弁箱の外部に導出され、この導出部に同時回転可能に第1レバーが取付けられ、前記弁室の上階に減速機を備えた弁体開閉手段が設置されているとともに、前記減速機の減速出力軸に同時回転可能に第2レバーが取付けられ、この第2レバーと前記第1レバーが上下方向にのびる連結棒を介して連動可能に互いに連結されていることを特徴とする横置き式回転弁の開閉装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、横置き二床式バタフライ弁や横置き二床式ボール弁などの横置き式回転弁の開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】横置き二床式バタフライ弁は、図4および図5に示すように、弁箱1には、その水平軸線C1に直交する水平軸線C2を有して弁棒2が回転自在に軸支され、この弁棒2に弁体3が取付けられて、弁棒2とともにその軸まわりに回転可能に弁箱1に収容され、その回転によって弁箱1の開閉を行うように構成されている。この種の横置き二床式バタフライ弁では、弁箱1、弁棒2および弁体3などを備えた弁本体側は弁室4に設置され、弁体開閉手段5は弁室4の上階6に設置され、弁箱1の外部に導出した弁棒2の一端部に減速機7の水平出力軸を同時回転可能に連結し、減速機7の垂直入力水軸と弁体開閉手段5の垂直出力軸とを、上下方向にのびる連結棒8を介して連動可能に互いに連結した構造になっている。なお、12,12は配管を示し、弁箱1の両側に接続される。
【0003】このように構成された横置き二床式バタフライ弁の開閉装置では、弁体開閉手段5の自動または手動開閉操作により、連結棒8、減速機7および弁棒2を介して弁体3を全閉位置から全開位置にかけて90度回転させると、弁体3の回転角の拡大に伴って弁箱1の内面と弁体3の外周部の回転軌跡との間隔が大きくなり、流体(水などの液体)の通過断面積が拡大されて流量を増大させることができる。また、前記の逆操作により弁体3をその全開位置から全閉位置にかけて回転させると、弁箱1の内面と弁体3の外周部の回転軌跡との間隔が小さくなり、流体の通過断面積が縮小されて流量を減少させ、全閉位置では流量を「0」にすることができる。したがって、弁体3を回転角0゜の全閉位置に位置決めした流量「0」の状態から、回転角90゜の全開位置に位置決めした流量「最大」の範囲内で弁体3の回転角に応じて配管の通過流量を調整することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の横置き二床式バタフライ弁の開閉装置では、万一、弁室4が水没すると減速機7も水没する。横置き二床式バタフライ弁において、弁箱1と弁棒2との摺動部などは高いシール性能を有して軸封されているので、弁室4が水没してもバタフライ弁本体側に影響することはない。しかし、減速機7のシール性能はバタフライ弁本体側のシール性能よりも低いので、弁室4の水没時に減速機7内に浸水して故障が生じるおそれを有している。また、弁箱1の外部に導出した弁棒2の一端部に減速機7を連結している直結構造では、容積の大きい弁室4が必要になる欠点もある。
【0005】このため、図6に示すように、弁体開閉手段5を弁室4の上階6に設置する二床式の場合には、弁箱1には、その水平軸線C1に直交する垂直軸線C3を有して弁棒2が回転自在に軸支され、この弁棒2に弁体3が取付けられて、弁棒2とともにその軸まわりに回転可能に弁箱1に収容された立置き二床式バタフライ弁を弁室4に設置し、弁棒2の上端部と弁体開閉手段5の垂直出力軸(図示省略)とを、上下方向にのびる連結棒8を介して連動可能に互いに連結して、浸水による減速機7の故障を回避し、かつ弁室4の容積を縮小するようにしている。
【0006】しかし、前記立置き二床式バタフライ弁では、弁箱1内の通過流体が比較的多量の固形異物を混入している下水などの場合、弁棒2の下端部を回転自在に軸支している下部軸封部に固形異物が侵入・滞積して弁棒2の円滑な回転を妨げ、弁体開閉手段5による弁体3の開閉操作を困難にするおそれを有している。このことは、前述したバタフライ弁のみに限らず、ボール弁などの回転弁にもいえる。
【0007】そこで、本発明は、比較的多量の固形異物が混入している下水などの通過流体に影響されない横置き二床式バタフライ弁や横置き二床式ボール弁などの回転弁であっても、減速機の水没をなくして、浸水による減速機の故障を回避することができるとともに、弁室の容積を縮小することができる横置き式回転弁の開閉装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、本発明に係る横置き式回転弁の開閉装置は、横軸線を有する筒状の弁箱に前記横軸線に交差する横軸線を有して弁棒が回転自在に軸支され、この弁棒に取付けられた弁体が弁棒とともにその軸まわりに回転可能に弁箱に収容され、その回転によって弁箱を開閉するように構成されているとともに、弁室に設置される横置き式回転弁において、前記弁棒の一端部が弁箱の外部に導出され、この導出部に同時回転可能に第1レバーが取付けられ、前記弁室の上階に減速機を備えた弁体開閉手段が設置されているとともに、前記減速機の減速出力軸に同時回転可能に第2レバーが取付けられ、この第2レバーと前記第1レバーが上下方向にのびる連結棒を介して連動可能に互いに連結されていることを特徴としている。
【0009】本発明によれば、筒状の弁箱、弁棒、および弁体などを備えた横置き二床式回転弁の弁本体側を弁室に設置し、減速機を弁室の上階に設置することができるので、万一、弁室が水没しても、減速機の水没をなくして、浸水による減速機の故障を回避することができる。また、減速機が弁室の上階に設置されることで、弁室の容積の縮小を図ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態を示す正面図、図2は図1のA−A矢視図である。なお、図4ないし図6の従来例と同一部分には同一符号を付して説明する。
【0011】図1および図2において、弁箱1には、その水平軸線C1に直交する水平軸線C2を有して弁棒2が回転自在に軸支され、この弁棒2に弁体3が取付けられて、弁棒2とともにその軸まわりに回転可能に弁箱1に収容され、その回転によって弁箱1の開閉を行うように構成されて弁室4に設置される。弁棒2の一端部は弁箱1の外部に水密に導出され、この導出部に同時回転可能に第1レバー9が取付けられている。また、弁室4の上階6に減速機7を備えた弁体開閉手段5が設置されている。
【0012】一方、減速機7の水平減速出力軸7Aには同時回転可能に第2レバー10が取付けられ、この第2レバー10の両端部と前記第1レバー9の両端部とが上下方向にのびる一対の連結棒11,11を介して連動可能に互いに連結されている。つまり、第1レバー9と、第2レバー10および一対の連結棒11,11によって2連リンクを構成しており、一対の連結棒11,11の上端部と第2レバー10の両端部は、連結棒11,11の上端部に設けた軸方向にのびる長孔13を介して互いに連結されている。また、連結棒11,11と第1レバー9の両端部は回動自在に連結されている。図中、12,12は配管を示し、弁箱1の両側に接続される。
【0013】前記構成において、弁体開閉手段5の自動または手動開閉操作力は、減速機7の水平減速出力軸7A→第2レバー10→一対の連結棒11,11→第1レバー9→弁棒2の動力伝達経路により弁体3に伝わって弁体3を開閉することができる。すなわち、図1において実線で示す姿勢に第1レバー9、第2レバー10および一対の連結棒11,11が保持されて、弁体3が実線で示すように全閉されている状態から、弁体開閉手段5の自動または手動開閉操作力によって、減速機7の水平減速出力軸7Aを時計まわりに90度回転させると、第1レバー9、第2レバー10および一対の連結棒11,11は二点鎖線で示す状態になり、弁棒2は時計まわりに90度回転して弁体3を二点鎖線で示すように全開させる。また、二点鎖線で示す姿勢に第1レバー9、第2レバー10および一対の連結棒11,11が保持されて、弁体3が二点鎖線で示すように全開されている状態から、弁体開閉手段5の自動または手動開閉操作力によって、減速機7の水平減速出力軸7Aを反時計まわりに90度回転させると、第1レバー9、第2レバー10および一対の連結棒11,11は実線で示す状態になり、弁棒2は反時計まわりに90度回転して弁体3を実線で示すように全閉させる。
【0014】弁体3を全閉状態から全開状態に弁開する場合には、図1の長孔13により一対の連結棒11,11における右側の連結棒11はフリーとなって力が作用せず、左側の連結棒11に引張力が作用し、弁体3を全開状態から全閉状態に弁閉する場合には、長孔13により一対の連結棒11,11における左側の連結棒11はフリーとなって力が作用せず、右側の連結棒11に引張力が作用することになり、連結棒11,11には圧縮応力が発生しない。このため、連結棒11,11の軸方向の寸法が相当に長くなっても、座屈を考慮することなく、連結棒11,11を設計することができる。
【0015】本発明は、筒状の弁箱1、弁棒2、および弁体3などを備えた横置き式バタフライ弁の弁本体側を弁室4に設置し、減速機7を弁体開閉手段5とともに弁室4の上階6に設置しているので、万一、弁室4が水没しても減速機7の水没をなくして、浸水による減速機7の故障を回避することができる。また、減速機7が弁室4の上階6に設置されることで、弁室4の容積の縮小を図ることができる。
【0016】前記実施の形態では、一対の連結棒11,11の上端部と第2レバー10の両端部を、連結棒11,11の上端部に設けた軸方向にのびる長孔13を介して互いに連結した構成で説明しているが、図3に示すように、一対の連結棒11,11の上端部と第2レバー10の両端部(ただし、図3には、1本の連結棒11の上端部と第2レバー10の一端部のみを部分的に示している)は、テーパピン14により連結棒11,11の上端部に固定したカップリング15に対して、第2レバー10の両端部にピン16を介して回転自在に取付けた連結部材17を軸方向のスライド代h1,h2相当分の摺動を可能に嵌合してもよい。
【0017】また、前記実施の形態では、横置き二床式バタフライ弁について説明しているが、本発明は横置き二床式バタフライ弁にのみ限定されるものではなく、横置き二床式ボール弁などの回転弁に適用可能である。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る横置き式回転弁の開閉装置弁は、弁室に設置される弁箱の外部に導出した弁棒の一端部に同時回転可能に第1レバーを取付け、弁室の上階に設置した減速機の減速出力軸に同時回転可能に第2レバーを取付けて、この第2レバーと前記第1レバーとを上下方向にのびる連結棒を介して連動可能に互いに連結してあるので、万一、弁室が水没しても減速機の水没をなくして、浸水による減速機の故障を回避することができる。また、減速機が弁室の上階に設置されることで、弁室の容積の縮小を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年2月25日(2000.2.25)
【代理人】 【識別番号】100072338
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 孝一 (外1名)
【公開番号】 特開2001−241566(P2001−241566A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−49988(P2000−49988)