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【発明の名称】 電磁弁
【発明者】 【氏名】石垣 聡

【氏名】小林 康規

【要約】 【課題】圧力制御弁および開閉弁の機能を兼ねる電磁弁を提供する。

【解決手段】弁部材20は第1の通路12aと第1の圧力室45とを連通可能な第1の連通路20aを有している。受圧部材30が弁部材20に当接すると、第1の連通路20aの第1の圧力室側開口と第1の圧力室45との連通は遮断される。永久磁石61の磁力により、永久磁石61とともにシャフト63は受圧部材30側に付勢されている。コイル52への通電オフ中、第2の通路13aの圧力が上昇すると、第1の圧力室45と第2の圧力室46との差圧により受圧部材30が弁部材20から離れ、第1の連通路20aを介し第1の通路12aと第2の通路13aとが連通する。電磁弁10のコイル52への通電をオンすると、固定コア55と永久磁石61との間で反発力が発生し、シャフト63とともに受圧部材30は矢印B方向に移動し、第1の通路12aと第2の通路13aとが連通する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可動子と、前記可動子との間に磁力が作用可能な固定子と、前記可動子の往復移動方向の一方に前記可動子を付勢する第1の付勢手段と、通電することにより、前記往復移動方向の他方に前記可動子を移動させる磁力を前記可動子と前記固定子との間に発生させるコイルと、第1の通路および前記第1の通路と連通可能な第2の通路を有するハウジングと、前記可動子に対し前記第1の付勢手段の付勢方向側に配置され、前記ハウジング内に形成されている圧力室を前記可動子側の第2の圧力室と前記第2の通路に連通している第1の圧力室とに仕切っている受圧部材と、前記受圧部材と別部材であり、前記受圧部材に対し前記可動子と反対側に配置され、前記第1の通路と前記第1の圧力室とを連通可能な第1の連通路を有している弁部材と、前記弁部材が着座可能な弁座であって、前記弁部材が離座すると前記弁部材と前記弁座との開口を介し前記第1の通路と前記第1の圧力室とが連通し、前記弁部材が着座している状態で前記第1の連通路を介し前記第1の通路と前記第1の圧力室とが連通可能な弁座と、前記受圧部材に向け前記弁部材を付勢する第2の付勢手段とを備え、前記受圧部材と前記弁部材とが当接することにより前記第1の連通路の前記第1の圧力室側開口は前記第1の圧力室との連通を遮断され、前記受圧部材が前記第1の連通路の前記第1の圧力室側開口と前記第1の圧力室との連通を遮断している状態で前記弁部材が前記弁座に着座すると、前記第1の圧力室と前記第1の通路との連通を遮断することを特徴とする電磁弁。
【請求項2】 前記受圧部材が前記第2の圧力室から圧力を受ける受圧面積は、前記弁部材が前記第1の通路から圧力を受ける受圧面積とほぼ等しいことを特徴とする請求項1記載の電磁弁。
【請求項3】 前記受圧部材が前記第1の連通路の前記第1の圧力室側開口と前記第1の圧力室との連通を遮断している状態で、前記受圧部材は前記第1の連通路と前記第2の圧力室とを連通する第2の連通路を有することを特徴とする請求項2記載の電磁弁。
【請求項4】 前記可動子は前記第1の付勢手段である永久磁石を有し、前記永久磁石の磁力により前記可動子は前記固定子に吸引され、前記コイルに通電して発生する磁力により前記可動子は前記固定子から離れることを特徴とする請求項1、2または3記載の電磁弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力調整弁と開閉弁の機能を兼ねる電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の蒸発燃料処理システムに加え、給油中に燃料タンクから発生する蒸発燃料を大気に排出せずキャニスタに吸着させる図7に示すようなORVR(On Board Refueling Vapor Recovery)システムが要求されている。
【0003】図7に示すORVRシステムにおいて、燃料タンク200とキャニスタ210とを配管202と配管205とが接続している。燃料タンク200にはタンク内圧を検出する圧力センサ201が取り付けられている。電磁弁203は、蒸発燃料の漏れチェックを行うときに開弁し燃料タンク200側とキャニスタ210側とを強制的に連通させる。内圧弁204はダイヤフラムを有し、燃料タンク200内の圧力を所定圧以下に保持する圧力制御弁である。給油弁206はダイヤフラムを有し、燃料タンク200に給油するときに燃料タンク200内の圧力が上昇すると開弁し、蒸発燃料をキャニスタ210側に排出しキャニスタ210に吸着させる。パージ弁213が開弁すると、吸気通路208とキャニスタ210内とが連通する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図7に示すようなORVRシステムでは、燃料タンク200とキャニスタ210とを接続する2本の配管202、205、ならびに、電磁弁203、内圧弁204、給油弁206等の多くの弁および配管が必要である。したがって、これら部品の搭載スペースが必要であり、搭載工数も増加するという問題がある。本発明の目的は、圧力制御弁および開閉弁の機能を兼ねる電磁弁を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の電磁弁によると、コイルへの通電をオフしているときに、第1の圧力室の圧力が第2の圧力室の圧力よりも高くなり、両圧力室の差圧から受圧部材が可動子の往復移動方向の他方に受ける力が第1の付勢手段の付勢力よりも大きくなると、可動子および受圧部材は往復移動方向の他方に移動する。このとき、弁部材が弁座に着座していても弁部材に設けた第1の連通路を介して第1圧力室、つまり第2の通路と第1の通路とは連通する。また、弁部材が弁座から離座していれば、弁部材と弁座との開口を介し第1の圧力室、つまり第2の通路と第1の通路とが連通する。第1の圧力室と第2の圧力室との差圧により受圧部材が移動し第1の通路と第2の通路との連通を断続するので、電磁弁は圧力制御弁として作用する。
【0006】次に、コイルへの通電をオンし可動子を往復移動方向の他方に移動させると、弁部材から離れて可動子とともに受圧部材が往復移動方向の他方に移動するか、、あるいは弁部材が弁座から離れ可動子とともに受圧部材および弁部材が往復移動方向の他方に移動する。第1の通路と第2の通路とは、第1の連通路、あるいは弁部材と弁座との開口を介して連通する。つまり、コイルへの通電をオンすると、第1の圧力室と第2の圧力室との差圧の大きさに関わらず、第1の通路と第2の通路とが連通する。つまり、電磁弁は電磁開閉弁として作用する。
【0007】このように、コイルへの通電をオフしているときは圧力制御弁として作動し、コイルへの通電をオンしたときは開閉弁として作動する。一つの電磁弁により圧力制御弁と開閉弁の機能を兼ねているので、圧力制御弁と開閉弁とを別の弁装置にするよりも部品点数が低減し、組付けが容易である。さらに、圧力制御弁と開閉弁とを別の弁装置にするよりも小型化できるので、狭いスペースにも電磁弁を搭載可能である。
【0008】本発明の請求項2記載の電磁弁によると、受圧部材が第2の圧力室から圧力を受ける受圧面積は、弁部材が第1の通路から圧力を受ける受圧面積とほぼ等しい。したがって、第2の圧力室の圧力と第1の通路の圧力とがほぼ等しい場合、受圧部材が第1の連通路の第1の圧力室側開口と第1の圧力室との連通を遮断し、かつ弁部材が弁座に着座している状態において、受圧部材が第2の圧力室から受ける力と、弁部材が第2の圧力室と反対方向に働く第1の通路から受ける力とを相殺することができる。したがって、電磁弁を閉弁するために必要な第1の付勢手段の付勢力、あるいはコイルに通電することにより可動子とともに受圧部材を往復移動方向の他方に移動させるために必要な磁力を低減可能であり、電磁弁が小型化する。
【0009】本発明の請求項3記載の電磁弁によると、請求項2記載の構成に加え、受圧部材が第1の連通路の第1の圧力室側開口と第1の圧力室との連通を遮断している状態で、受圧部材は第1の連通路と第2の圧力室とを連通する第2の連通路を有している。第2の圧力室の圧力が第1の通路の圧力と等しくなるので、受圧部材が第2の圧力室から受ける力と、弁部材が第2の圧力室と反対方向に働く第1の通路から受ける力とを相殺することができる。
【0010】本発明の請求項4記載の電磁弁によると、永久磁石の磁力により可動子が固定子に吸引されることにより受圧部材および弁部材は可動子の往復移動方向の一方である弁座方向に付勢される。したがって、可動子と固定子とが接近した状態で第1の通路と第2の通路との連通を遮断し電磁弁を閉弁できる。可動子と固定子との間に働く磁力による吸引力は可動子と固定子との間に形成されるエアギャップが小さいほど大きくなる。したがって、磁力の小さい永久磁石で大きな閉弁力を得ることができる。また、永久磁石と反発する磁極が固定子に形成されるようにコイルに通電することにより、可動子は固定子から離れる。このときに可動子と固定子との間に働く反発力も、可動子と固定子との間に形成されるエアギャップが小さいほど大きくなる。したがって、コイルが発生する磁力が小さくても可動子が固定子から離れる。コイルの巻数を少なくできるので、電磁弁を小型化できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示す実施例を図に基づいて説明する。本発明の一実施例による電磁弁を用いたORVRシステムを図2に示す。燃料タンク100とキャニスタ110とを一系統の配管102と配管103とが接続している。電磁弁10のハウジング11に第1接続管12および第2接続管13が形成されている。第1接続管12はキャニスタ110側の配管102と接続しており、第2接続管13は燃料タンク100側の配管103と接続している。圧力センサ101は燃料タンク100内の圧力をチェックし、蒸発燃料の漏れをチェックする。
【0012】キャニスタ110は蒸発燃料を吸着するものである。電磁弁112が開弁すると、キャニスタ110は配管111を介し大気開放される。キャニスタ110は配管104を介して吸気管105と接続している。配管104に取り付けられているパージ弁113が開弁すると、キャニスタ110内および配管102内と吸気通路105aとが連通する。
【0013】次に電磁弁10の構成を詳細に説明する。図1に示すように、電磁弁10のハウジング11は樹脂製である。第1接続管12内に第1の通路12aが形成され、第2接続管13内に第2の通路13aが形成されている。第1接続管12のハウジング内側端部に弁座14が形成されている。
【0014】弁部材20は、弁本体21と、弁座14に着座可能なゴム製の当接部材22とを有している。弁本体21の中央部に弁本体21を貫通し、第1の通路12aと第1の圧力室45とを連通可能な第1の連通路20aが形成されている。第2の付勢手段としてのスプリング23は受圧部材30側に弁部材20を付勢している。
【0015】受圧部材30は第1の圧力室45と第2の圧力室46とを仕切っている。第1の圧力室45は第2の通路13aと連通している。弁部材20が第1の通路12aから圧力を受ける受圧面積は、受圧部材30が第2の圧力室46から圧力を受ける受圧面積とほぼ等しくなるように設定されている。受圧部材30は、当接側部材31、シャフト側部材32、ゴム製の当接部材33、およびダイヤフラム40を有している。ダイヤフラム40の内周縁は当接側部材31とシャフト側部材32とに挟持され、ダイヤフラム40の外周縁は第1プレート41と第2プレート42とにより挟持されている。当接側部材31とシャフト側部材32との中央部に貫通孔が形成されており、第2の連通路30aを形成している。第2の連通路30aは第2の圧力室46と連通している側孔30bを有している。受圧部材30の当接部材33が弁部材20の第1の連通路20aの外周側に当接すると、第1の連通路20aの第1の圧力室側開口と第1の圧力室45との連通は遮断される。
【0016】電磁駆動部50は、スプール51に巻回されているコイル52、固定コア55、端部コア56、ヨーク57、および可動子60を有している。コイル52はターミナル53と電気的に接続されている。固定コア55、端部コア56およびヨーク57は磁性材で形成されており固定子を構成している。可動子60は、永久磁石61、樹脂部62およびシャフト63を有している。樹脂部62は、永久磁石61をモールドしており、シャフト63とねじ結合している。ハウジング11の調節孔11aはねじ65で封止され、ねじ65はポッティング樹脂66で固定されている。コイル52への通電をオフしているとき、永久磁石61の磁力により、可動子60は図1に示す矢印A側、つまり可動子60の往復移動方向の一方に吸引されている。図1はコイル52への通電がオフされている状態を示している。
【0017】シャフト63の樹脂部62側の端部63aは径方向外側に向け十字状に張り出している。固定コア55の内壁に端部63aと嵌合するように十字状の溝が形成されている。ハウジング11の調節孔11aから治具を挿入し樹脂部62のねじ込み量を調節して永久磁石61と固定コア55との吸引力、つまり電磁弁10の閉弁力を調節する場合、シャフト63の端部63aが固定コア55の十字溝に係止され回転しないので、固定コア55にシャフト63を嵌合した状態で電磁弁10の閉弁力を調節できる。樹脂部62のねじ込み量を調節した後、調節孔11aをねじ65で封止し、ポッティング樹脂66でねじ65を固定する。
【0018】次に電磁弁10の作動について説明する。
(1) コイル52への通電オフ中図3の(A)に示すように、コイル52への通電オフ中、永久磁石61と固定コア55との間に働く吸引力により、可動子60は矢印A方向に付勢されている。受圧部材30は弁部材20に当接した状態でシャフト63に付勢されている。そして、スプリング23の付勢力に抗し弁部材20は弁座14に着座している。図3の(A)に示す状態では、第1の連通路20aおよび第2の連通路30aを介し第1の通路12aと第2の圧力室46とが連通しているので、第1の通路12aと第2の圧力室46とは同じ圧力である。
【0019】車両の走行中または停止中に燃料タンク100内の圧力上昇にともない第2の通路13aおよび第1の圧力室45の圧力が上昇すると、第1の圧力室45と第2の圧力室46との差圧から受圧部材30が矢印B方向に受ける力が大きくなり、図3の(B)に示すように、永久磁石61と固定コア55との吸引力に抗し受圧部材30が矢印B方向に移動する。弁部材20は、第1の圧力室45と第1の通路12aとの差圧により弁座14に着座している。受圧部材30は弁部材20から離れることにより、第1の連通路20aを介して第1の圧力室45、つまり第2の通路13aと第1の通路12aとが連通する。第1の通路12aと第2の通路13aとが連通すると、圧力の上昇した燃料タンク100内の蒸発燃料がキャニスタ110側に排出され、キャニスタ110に吸着される。
【0020】(2) コイル52への通電オン時(a) ORVRシステム内の蒸発燃料の漏れチェックを行う場合、まず、図5に示すように電磁弁112を開弁し、キャニスタ110を大気開放する。燃料タンク100内の圧力は正圧または負圧のいずれでもよい。次に、図4の(A)に示す閉弁状態から電磁弁10のコイル52への通電をオンにする。コイル52への通電方向は、永久磁石61と対向する固定コア55の端部に永久磁石61との間で反発力が発生する方向に通電する。すると、図4の(B)に示すように、永久磁石61は固定コア55と反発し、可動子60は矢印B方向に移動する。可動子60が矢印B方向に移動すると、スプリング23の付勢力により受圧部材30および弁部材20は矢印B方向に移動する。すると、弁部材20が弁座14から離座し、弁部材20と弁座14との開口を介し、第1の通路12aは第1の圧力室45および第2の通路13aと連通する。
【0021】第1の通路12aと第2の通路13aとが連通した状態で、図5に示すように電磁弁112を閉弁しパージ弁113を開弁すると、吸気通路105aと、配管102、103、104内および燃料タンク100内とが連通する。そして、配管102、103、104および燃料タンク100に漏れがなければ、燃料タンク100内の圧力は図5に示すように一定の負圧に達する。どこかに漏れがあれば、図5の点線120に示すように燃料タンク100内の圧力は上昇する。このように燃料タンク100内の圧力を検出することにより、ORVRシステムの漏れをチェックすることができる。
【0022】(b) 燃料タンク100に給油するとき、蓋を開けると電磁弁10のコイル52への通電がオンされるように電気的に接続されている。図6の(A)に示す閉弁状態から燃料タンク100の蓋を開けることによりコイル52への通電をオンすると、図6の(B)に示すように、まず可動子60および受圧部材30が矢印B方向に移動する。燃料給油中、燃料タンク100内の圧力は上昇するので、第2の通路13aの圧力により弁部材20は弁座14に着座したままである。この状態で、第1の連通路20aを介し第1の通路12aと第2の通路13aとは連通する。
【0023】燃料タンク100内の蒸発燃料が排出され燃料タンク100内の圧力が低下すると、図6の(C)に示すように、弁部材20は弁座14から離座する。すると、弁部材20と弁座14との開口を介し第1の通路12aと第2の通路13aとは連通する。弁部材20が弁座14から離座している、いないに関わらず、第1の通路12aと第2の通路13aとが連通するので、燃料給油中に燃料タンク100内で発生する蒸発燃料はキャニスタ110側に排出され、キャニスタ110に吸着される。
【0024】本実施例では,可動子60に取り付けた永久磁石61が固定コア55に吸引され、可動子60に付勢される受圧部材30が弁部材20に当接し、弁部材20が弁座14に着座することにより、第1の通路12aと第2の通路13aとの連通を遮断している。
【0025】これに対し、永久磁石を用いずスプリング等の弾性部材の付勢力で固定コアから離れる方向に可動コアを付勢することにより受圧部材30が弁部材20に当接し、弁部材20が弁座14に着座する構成では、可動コアと固定コアとが離れた状態でコイルに通電し、固定コアに可動コアを吸引しなければならない。したがって、固定コアに可動コアを吸引するためには、大きな磁力が必要となる。大きな磁力を発生するためにはコイルの巻数を増やす必要があるので、電磁駆動部の体格が大きくなる。
【0026】一方本実施例では、永久磁石61と固定コア55とが接近した状態で第1の通路12aと第2の通路13aとの連通を遮断し電磁弁10を閉弁できる。永久磁石61と固定コア55との間に働く磁力による吸引力は永久磁石61と固定コア55との間に形成されるエアギャップが小さいほど大きくなる。したがって、小さな永久磁石61で大きな閉弁力を得ることができる。また、永久磁石61と反発する磁極が永久磁石61と向き合う固定コア55に形成されるようにコイル52に通電することにより、永久磁石61は固定コア55から離れる。このときに永久磁石61と固定コア55との間に働く反発力も、永久磁石61と固定コア55との間に形成されるエアギャップが小さいほど大きくなる。したがって、コイル52が発生する磁力が小さくても永久磁石61は固定コア55から離れる。コイル52の巻数を少なくできるので、電磁弁を小型化できる【0027】以上説明した本発明の上記実施例では、コイル52への通電をオフした状態で、第1の圧力室45と第2の圧力室46との差圧により受圧部材30が移動するので、圧力調整弁として電磁弁10が作動する。コイル52への通電をオンし強制的に弁部材20から離れる方向に受圧部材30を移動させると、弁部材20が弁座14から離座する、しないに関わらず第1の通路12aと第2の通路13aとが連通するので、電磁弁10は開閉弁として作動する。
【0028】このように、圧力調整弁および開閉弁の両方の機能を兼ねている電磁弁10を例えば本実施例のORVRシステムに用いることにより、燃料タンク100の圧力を一定圧以下に調整する内圧弁、燃料給油中に発生する蒸発燃料をキャニスタ側に排出する給油弁、ならびに蒸発燃料の漏れチェック用の電磁弁の機能を一つの電磁弁10で兼ねることができる。さらに、配管の接続系統が一つになる。したがって、部品点数が減少し、システムの組付けが容易になる。さらに、システムが小型化するので、狭いスペースにも容易に搭載できる。
【0029】また本実施例では、弁部材20が第1の通路12aから圧力を受ける受圧面積は、受圧部材30が第2の圧力室46から圧力を受ける受圧面積とほぼ等しい。さらに、受圧部材30が第1の連通路20aの第1の圧力室側開口と第1の圧力室45との連通を遮断している状態で、受圧部材30に形成した第2の連通路30aが第1の連通路20aと第2の圧力室46とを連通する。弁部材20に受圧部材30が当接し弁部材20が弁座14に着座している状態において、第2の圧力室46の圧力が第1の通路12aの圧力と等しくなるので、弁部材20が第2の圧力室46と反対方向に働く第1の通路12aから受ける力と、受圧部材30が第2の圧力室46から受ける力とを相殺することができる。
【0030】(a) 弁部材20が第1の通路12aから圧力を受ける受圧面積が受圧部材30が第2の圧力室46から圧力を受ける受圧面積よりも大きい場合に比べ、永久磁石61の磁力を小さくすることができる。(b) また、受圧部材30が第2の圧力室46から圧力を受ける受圧面積が弁部材20が第1の通路12aから圧力を受ける受圧面積よりも大きい場合に比べ、スプリング23の付勢力を小さくすることができる。したがって、電磁弁10の体格が小さくなる。
【0031】また本実施例では、磁力により固定コア55に永久磁石61を吸引し、固定コア55と永久磁石61とが接近した状態で第1の通路12aと第2の通路13aとの連通を遮断している。したがって、磁力の小さい永久磁石でも閉弁力を得ることができる。また、永久磁石61との間で反発力が働くようにコイル52に通電することにより、固定コア55から永久磁石61を離している。コイル52の巻数が少なくても電磁弁10を開弁することができるので、電磁弁を小型化できる。
【0032】本実施例の構成に対し、本実施例の永久磁石61および樹脂部62を磁性材に置き換えて可動コアを構成し、固定コア55に永久磁石を取り付ける構成にすることも可能である。コイル52への通電オフ中は固定コア55に取り付けた永久磁石の磁力により可動コアは固定コア55に吸引される。そして、固定コア55に取り付けた永久磁石の磁束方向と反対方向の磁束が発生するようにコイル52に通電すれば、可動コアと固定コア55との間に働く吸引力が低下し、受圧部材30側に弁部材20を付勢するスプリング23の付勢力により、固定コア55から可動コアを離すことができる。
【0033】また本実施例の構成に対し、スプリングの付勢力により固定コア55から可動コアを引き離して電磁弁を閉弁し、コイルに通電することにより固定コアに可動コアを吸引する構成にすることも可能である。本実施例ではORVRシステムに本発明の電磁弁を用いたが、二つの圧力源の間で圧力を調整し、かつ場合によっては強制的に圧力源の間を連通させる構成ならば、本発明の電磁弁を使用可能である。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【出願日】 平成12年2月25日(2000.2.25)
【代理人】 【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
【公開番号】 特開2001−241563(P2001−241563A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−49447(P2000−49447)