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【発明の名称】 制御弁
【発明者】 【氏名】高見 治

【氏名】矢野 邦貴

【要約】 【課題】従来、ニードル弁に設けられていた均圧孔を、加工が容易な弁本体に設けることにより、ニードル弁の先端で乱流を起こさないようにする。

【解決手段】弁軸22の雄ねじと推進軸受け24の雌ねじにより弁軸22を直進運動に変換させて弁座25の開口度を制御する電動弁に於いて、弁軸22に形成されるニードル28のストレート部36外径を弁座とほぼ同径に形成し、弁本体23には、弁座25の下方に流出チャンバー33を設けると共に該流出チャンバー33とケース内のチャンバー20に連通する縦方向の導通孔35を設け、前記弁本体23の上方には、上方開口部を推進ねじ室39とし、その内面に雌ねじ24を設けると共に下方開口部の内面を前記ニードルのガイド部29として設け、さらに、下方開口部と前記チャンバー20とを連通する貫通孔26を設けてなる推進軸受27を固着したことを特徴とする電動弁である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】モータの回転子21と一体である弁軸22の雄ねじと弁本体23に設けた推進軸受け24の雌ねじにより弁軸22を直進運動に変換させて弁本体23にある弁座25の開口度を制御する電動弁に於いて、前記弁軸22の雄ねじ部22a下方に形成されるニードル28のストレート部36外径を弁座とほぼ同径に形成し、流体の出入り口37、38を備えた前記弁本体23には、弁座25の下方に流出チャンバー33を設けると共に該流出チャンバー33とケース内のチャンバー20に連通する縦方向の導通孔35を設け、前記弁本体23の上方には、上方より段付き状に開口を形成して、上方開口部を推進ねじ室39とし、その内面に雌ねじ24を設けると共に下方開口部の内面を前記ニードルのガイド部29として設け、さらに、下方開口部と前記チャンバー20とを連通する貫通孔26を設けてなる推進軸受27を固着し、閉弁時に、弁本体23の流出チャンバー33と導通孔35並びに推進軸受27の貫通孔26を通して、流体の出入り口38と推進ねじ室39とが均圧になるようにしたことを特徴とする電動弁。
【請求項2】前記弁軸22をニードル28と雄ねじ部22aに分離させると共に前記雄ねじ部22aの下端部に縦穴31を設け、該縦穴31内に内挿させた圧縮コイルばね32を介して前記ニードル28をかしめにて上下に摺動可能に固定したことを特徴とする請求項1記載の電動弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本考案は、エアコンなどに用いられる電動膨張弁や、一般の産業分野でマイコンと組み合わせて使用する比例制御弁として利用される電動弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ニードル弁に均圧口を設けることによって、冷媒の流入側である一次口と流出側である二次口との間に大きな差圧が生じてもニードル弁にその差圧力が作用しないようにし小形化出来る電動弁が提案されている。図2は、実公平5ー26388号公報に開示されたニードル弁に均圧口を有する従来タイプの電動弁の構造を示す縦断側面図である。
【0003】この従来の電動弁のバルブ部Vにおいては、弁本体の一次口1aと二次口1b間に弁口2aが設けられると共に該弁口2aと同一線上において摺動孔1cが設けられ、該弁口2aに対してニードル弁3が進退するもので、該ニードル弁3は二次口1b側において弁本体1に螺着された雄螺子管4内において回動しながら摺動孔1cから弁口2aにかけて軸方向に摺動自在に支持されている。ニードル弁3は、端部において流量制御用円錐状周面部3cを有し、これに続いて外径が弁口2aの口径と略一致する直状摺動部3dを有している。ニードル弁3は弁閉時において、直線摺動部3dが弁口2a内に深く進入することにより弁漏れを小さくしている。ニードル弁3の中心部には、下端部から軸方向に延長して弁本体の摺動孔1c内において開口する均圧孔3e及び、開口部3fが形成されており、これによって一次口1aと二次口1b間における差圧がニードル弁3に及ぼす力を小さくしている。
【0004】弁本体1の上部には下蓋5が設けられ、該下蓋5上にステッピングモーター部Mにおける密閉型ケース6が固定されている。そして、ケース6の外周部にはステータ8が設けられ、ケース6内においてロータ9が前記雄螺子管4により回動自在に支持して設けられている。なお、前記ロータ9は、支持筒10と永久磁石11を一体化したものであり、支持筒10の内側下方に嵌合固定した雌螺子管4に螺合して回動且つ軸方向に移動可能に設けられている。また、前記支持筒10の軸方向の中間部には連結壁10bが形成され、その孔10cにニードル弁の小径部3aを挿通した後Eリング13にて止着している。また、ニードル弁3の小径部3aには圧縮コイルばね14がその段部3bと連結壁10bとの間において捲装されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の電動弁においても均圧孔が設けられているが、ニードル弁3の中心部に、下端部から軸方向に延長して弁本体の摺動孔1c内において開口する均圧孔3e及び、開口部3fが形成されている為、次のような課題があった。
(1)ニードル弁3は、細くて長く、横穴があり、ステンレス製の為、加工しにくいといった課題があった。
(2)ニードル弁3は、先端に穴がある為、テーパー形状をなす制御部分が全部使えないばかりか、先端で乱流を起こすといった課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は、モータの回転子21と一体である弁軸22の雄ねじと弁本体23に設けた推進軸受け24の雌ねじにより弁軸22を直進運動に変換させて弁本体23にある弁座25の開口度を制御する電動弁に於いて、前記弁軸22の雄ねじ部22a下方に形成されるニードル28のストレート部36外径を弁座とほぼ同径に形成し、流体の出入り口37、38を備えた前記弁本体23には、弁座25の下方に流出チャンバー33を設けると共に該流出チャンバー33とケース内のチャンバー20に連通する縦方向の導通孔35を設け、前記弁本体23の上方には、上方より段付き状に開口を形成して、上方開口部を推進ねじ室39とし、その内面に雌ねじ24を設けると共に下方開口部の内面を前記ニードルのガイド部29として設け、さらに、下方開口部と前記チャンバー20とを連通する貫通孔26を設けてなる推進軸受27を固着し、閉弁時に、弁本体23の流出チャンバー33と導通孔35並びに推進軸受27の貫通孔26を通して、流体の出入り口38と推進ねじ室39とが均圧になるようにしたことを特徴とする電動弁である。
【0007】また、第2の発明は、前記弁軸2をニードル28と雄ねじ部22aに分離させると共に前記雄ねじ部22aの下端部に縦穴31を設け、該縦穴31内に内挿させた圧縮コイルばね32を介して前記ニードル28をかしめにて上下に摺動可能に固定したことを特徴とする請求項1記載の電動弁である。
【0008】上記の発明においては、従来品と異なり、均圧孔をニードル弁にもうけるのではなく、黄銅製の加工し易い弁本体に均圧孔を設けるものであり、且つ、横穴が無く、同一方向から加工出来る為、容易に均圧孔を設ける事が出来る。また、ニードル弁3は、先端に穴がない為、制御部分が全部使えるだけでなく、先端で乱流を起こさないものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の電動弁の縦断面図を示すものであり、該電動弁は、非磁性体からなるケース40の外周部に固定したモータの固定子コイル41への通電によりモータの回転子21を回転させ、この回転を回転子21と一体である弁軸22の雄ねじと、弁本体23に設けた推進軸受け24の雌ねじにより弁軸22を直進運動に変換させて弁本体23にある弁座25の開口度を制御するものである。なお、図中、42はケース40の上部を覆う蓋であり、該蓋42は溶接等で気密的に一体化されている。
【0010】弁本体23は、下方に流体の出入り口38を備え側部に出入り口37を備えている。また、前記流体の出入り口37と流体の出入り口33との間に弁座25が形成されている。また、前記弁座25の下方には流出チャンバー33が形成されると共に該流出チャンバー33に連通する縦方向の導通孔35が設けられている。
【0011】推進軸受け27は、回転子21の内部に臨む如く円筒状に形成されていて本体23の上部に一体的に設けられるものであり、該推進軸受け27は、上方より段付き状に開口を形成して、上方開口部を推進ねじ室39とし、その内面に雌ねじ24が設けらると共に下方開口部の内面が前記ニードルのガイド部29として形成されている。また、下方開口部には、その内側と前記チャンバー20とを連通する貫通孔26が設けられている。なお、図中、39は、前記推進軸受けの上部開口内に形成される推進ねじ室である。
【0012】弁軸22は、ニードル28と雄ねじ部22aに分離されており、前記ニードル28のストレート部36の外径は弁座とほぼ同径に形成されている。また、該ニードル28のストレート部36が摺動する弁本体のガイド部29とのクリアランスは、微少なものとなっている。また、前記の前記雄ねじ部22aの下端部には、縦穴31が設けられ、該縦穴31内に内挿させたボール並びに圧縮コイルばね32を介して前記ニードル28がかしめにて上下に摺動可能に固定されている。なお、上記の実施例においては、前記弁軸22を、ニードル28と雄ねじ部22aに分離したが、これが一体であっても同じ作用効果が得られるのは言うまでもない。
【0013】次に、本発明の作用について説明する。冷媒の流体の出入り口38と流体の出入り口37との間に大きな差圧が生じた時のことを考えると、弁座25の面積をS1 、ガイド部29の面積をS2 、流体の出入り口38の圧力をP1 、流体の出入り口37の圧力をP2 とすると、下方に(P1 −P2)*S2上方に(P1 −P2)*S1この時 前述の如く、ニードル28はストレート部36が弁座25とほぼ同径であるから、S2 ≒S1となり、このためニードル28には力が相殺されてかからない。すなわち、弁軸22のおねじ、推進軸受け24のめねじには力がかからない。ゆえに、電動弁を小型化出来る。
【0014】
【発明の効果】本発明の電動弁は、弁本体23の流出チャンバー33と導通孔35並びに推進軸受27の貫通孔26を通して、流体の出入り口38と推進ねじ室39とが均圧になるようにしたものであるため、冷媒の流体出入口38と37との間に大きな差圧が生じてもニードル28にその圧力差がかからなく、小型化できる。また、従来品と異なり、均圧孔をニードル弁にもうけるのではなく、黄銅製の加工し易い弁本体に均圧孔を設けるものであり、且つ、横穴が無く、同一方向から加工出来る為、容易に均圧孔を設ける事が出来る。さらに、ニードル弁3は、先端に穴がない為、制御部分が全部使えるだけでなく、先端で乱流を起こさない。というものである。
【出願人】 【識別番号】000204033
【氏名又は名称】太平洋工業株式会社
【出願日】 平成12年3月1日(2000.3.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−241562(P2001−241562A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−55067(P2000−55067)