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【発明の名称】 流量制御弁
【発明者】 【氏名】伊藤 義峰

【氏名】太田 裕志

【要約】 【課題】本発明は、振動子で発生した振動を有効に回転力として働かせる超音波モータによる制御弁を提供することを目的とする。

【解決手段】本発明の流量制御弁は、弾性体6の上面に圧電素子2もしくは電歪素子を接合してなる振動子10と、該振動子に発生する節円位置に、円筒7と、弁口8を備え下面より延長された筒状部9aを持つボディ9を各々溶接等の適宜な加工手段により密閉構造に形成した略π型形状の制御弁本体1を設け、該制御弁本体1内に、振動子10の振動により駆動子4を介して回転するロータ3と、該ロータ3の回転を適宜な付勢手段によって前記弁口8との開度を変化させる弁体5を設けてなる超音波モータ利用の制御弁であって、前記ボディ9外縁部の下面より延長された筒状部9aに切り欠き9bを少なくとも一つ以上設けた事を特徴とするものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】弾性体(6)の上面に圧電素子(2) もしくは電歪素子を接合してなる振動子(10)と、該振動子に発生する節円位置に、円筒(7)と、弁口(8)を備え下面より延長された筒状部(9a)を持つボディ(9)を各々溶接等の適宜な加工手段により密閉構造に形成した略π型形状の制御弁本体(1)を設け、該制御弁本体(1)内に、振動子(10)の振動により駆動子(4)を介して回転するロータ(3)と、該ロータ(3)の回転を適宜な付勢手段によって前記弁口(8)との開度を変化させる弁体(5)を設けてなる超音波モータ利用の制御弁であって、前記ボディ(9)外縁部の下面より延長された筒状部(9a)に切り欠き(9b)を少なくとも一つ以上設けた事を特徴とする流量制御弁。
【請求項2】前記の円筒(7)とボディ(9)とを結合するに際し、円筒(7)下端部の内側にボディ9を配置させ、ボディ9の外縁部を下方に延長させて筒状部(9a)を形成させるか、もしくはボディの下面より前記円筒(7)部を下方に延長させて筒状部(9a)を形成させたことを特徴とする請求項1記載の流量制御弁。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気調和装置、冷凍冷蔵庫等に接続され、冷媒等の流量を制御するために用いる超音波モータ利用の流量制御弁または圧力制御弁等に係わり、特に円筒及びボディの形状等により、振動子で発生した振動を有効に回転力として働かせる流量制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、圧電素子を超音波領域の高周波電圧で駆動する超音波モータを制御弁に組み合せると、小型で制御性の優れた制御弁を構成することができる。図3は、従来の超音波モータを用いた制御弁の一例であり本出願人が特願平11-190577号にて出願している。以下、従来技術を図3に基づき説明する。
【0003】従来技術における制御弁は、弾性体6の上面に圧電素子2を接合してなる振動子10と、側面に流入管12を備えた円筒7と、弁口8と流出管13と筒状部9aを備えたボディ9とからなり、該制御弁本体1は、弾性体6と振動子10に発生する節円位置11に接合する、くびれ部19またはテーパー部または凹あるいは凸型の突起を有する形状の円筒7と、ボディ9とを各々溶接等の適宜な加工手段により密閉構造に接合し略π型に形成したものである。また、前記制御弁本体1内には、ロータ3と駆動子4および弁体5とが収納され、前記ロータ3は駆動子4側に適宜な付勢手段によって圧接されている。また、前記弁体5は、前記ロータ3と共回りして弁口8の開度を制御できるものである。
【0004】スラストスプリング14は、駆動子4側およびボディ9側にスラスト荷重を与え、かつロータ3および弁体5の回転と共回りさせるようになっている。また、前記弁体5の中心部に形成された円筒状の穴には、スプリング15が挿入され、該スプリング15を介してボール16をボディ9の中心部に形成された凹部17に当接させている。なお、前記スラストスプリング14は、スプリング15に比べ、ばね力が大きく設定してあるので、常時弁体5の下面をボディ9に圧接するとともに、ロータ3を介して駆動子4の方向にも圧接している。
【0005】また、前記弁体5は、外周部の一部を外側に張り出してストッパー片が形成され、このストッパー片は、弁体5の基準位置(全閉状態)が弁口8に達したときに、ボディ9に植設して固定されたストッパーピン18に当接してロータ3の回転が止まるようになっている。
【0006】次に、従来技術の動作について説明する。従来技術の駆動機構は、圧電素子2により駆動子4が振動し、これによってロータ3が回転する超音波モータである。動作原理の説明は省略するが、いわゆる定在波駆動の超音波モータである。従来技術は、このロータ3の回転運動を利用して、弁体5が回転することにより、ボディ9の弁口8と弁体5の流通溝の間隙が変化し、弁口8への流量を制御するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の超音波モータによる制御弁は、振動子10と円筒7とボディ9を溶接等によって密閉構造を形成したために振動子10で発生した振動が横波や縦波として伝搬して、円筒の先端部に振動が集中するため、円筒7の形状をくびれ部19やテーパー部、または凹あるいは凸型の突起を設けた形状にして振動伝搬を抑制していた。しかし、振動子10で発生した振動の伝搬を完全に抑制するには至らないため、ボディ9に筒状部9aを設けることにより、わずかながら伝搬した振動を自由にすることで、振動子10に配設された駆動子4との摩擦駆動によって回転するロータ3の回転を確実なものにしていた。しかしながら、従来の構成においても、ロータ3の回転動作は超音波モータの持つ本来の迅速な回転が得られないという問題があった。さらに、従来の超音波モータによる制御弁では円筒7とボディ9の溶接等による接合部において、耐圧強度は十分であるが、より高い制御弁本体1の破壊圧強度を得ることができないという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、振動子で発生した振動を有効に回転力として働かせる超音波モータによる制御弁を提供することにある。
【0009】すなわち、第一の発明は、弾性体6の上面に圧電素子2もしくは電歪素子を接合してなる振動子10と、該振動子に発生する節円位置11に、円筒7と、弁口8を備え下面より延長された筒状部9aを持つボディ9とを各々溶接等の適宜な加工手段により密閉構造に形成した略π型形状の制御弁本体1を設け、該制御弁本体1内に、振動子10の振動により駆動子4を介して回転するロータ3と、該ロータ3の回転を適宜な付勢手段によって前記弁口8との開度を変化させる弁体5を設けてなる超音波モータ利用の制御弁であって、前記ボディ9外縁部の下面より延長された筒状部9aに切り欠き9bを少なくとも一つ以上設けた事を特徴とする流量制御である。
【0010】また、第二の発明は、前記の円筒7とボディ9とを結合するに際し、円筒7下端部の内側にボディ9を配置させ、ボディ9の外縁部を下方に延長させて筒状部9aを形成させるか、もしくはボディの下面より前記円筒7部を下方に延長させて筒状部9aを形成させたことを特徴とする請求項1記載の流量制御弁である。
【0011】
【発明の作用】本発明によれば、弾性体6と円筒7と弁口8を有するボディ9とを各々溶接等の適宜な加工手段により密閉構造にし、弾性体の外部に接合してなる圧電素子2もしくは電歪素子に超音波領域の電気信号を印加し、内部の駆動子4に圧接されているロータ3を介して流量を制御する弁体5がボディ9の上を摺動しながら回転する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一の実施例を図1に基づき説明する。図2は、本発明の第ニの実施例を示す断面図である。本実施例における流量制御弁は、従来品と同様に、弾性体6の上面に圧電素子2を接合してなる振動子10と、側面に流入管12を備えた円筒7と、弁口8と流出管13と少なくとも一つ以上の切り欠き9bを持つ筒状部9aを備えたボディ9とからなり、該制御弁本体1は、弾性体6と振動子10に発生する節円位置11に、円筒7とボディ9を各々溶接等の適宜な加工手段により密閉構造に接合し略π型に形成したものである。また、前記制御弁本体1内には、ロータ3と駆動子4および弁体5とが収納され、前記ロータ3は駆動子4側に適宜な付勢手段によって圧接されている。また、前記弁体5は、前記ロータ3と共回りして弁口8の開度を制御できるものである。なお、前記流入管12は、円筒7の側部取付けに変えて、図示しないがボディ9に接続してもよい。
【0013】該制御弁本体1において、本発明品と従来品の相違点を説明する。本発明品では、前記ボディ(9)外縁部の下面より延長された筒状部9aに、少なくとも一つ以上の切り欠き9bを設けている。
【0014】したがって、該制御弁本体1においては、振動子10で発生した振動の一部が円筒7を伝搬し、切り欠き9bを少なくとも一つ以上設けた筒状部9aの先端部でわずかながら伝搬した振動を自由にすることにより、ロータ3の回転は、超音波モータの持つ本来の迅速な回転を得ることができる。
【0015】本発明の駆動機構における動作については、従来技術と同じであるため省略する。
【0016】図2は、本発明の第ニの実施例を示す断面図である。本実施例における流量制御弁は、前記の円筒7とボディ9とを結合するに際し、円筒7下端部の内側にボディ9を配置させ、ボディ9の外縁部を下方に延長させて筒状部9aを形成させるか、もしくはボディの下面より前記円筒7部を下方に延長させて筒状部9aを形成させたものである。
【0017】上記の図2に示す制御弁本体1において、本発明品と従来品の相違点を説明する。該制御弁本体1においては、円筒7下端部の内側にボディ9と配置させて両者が結合されている。従って、従来の接合方法に比べて高い、制御弁本体1の破壊圧強度を有する。
【0018】また、特に図示しないが、円筒7の形状を、本出願人が特願平11-190577号にて出願しているくびれ部もしくはテーパー部もしくは凹あるい凸の突起を有する形状にしても、本発明は成立する。
【0019】また、特に図示しないが、圧電素子2の分割数は偶数分割にすれば本発明は成立する。また圧電素子2の分極方向は、+、−にて2分化した場合、すべてのエリアを同一方向にして行うシリーズ接続でも本発明は成立する。
【0020】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、筒状部9aに切り欠きを設けることによって、円筒7より伝搬した一部の振動を先端部にて働かせることにより、ロータ3の回転をスムーズなものにできる利点を有し、また、制御弁本体1の破壊圧強度を高めることができる利点を有するという効果は絶大なものである。
【出願人】 【識別番号】598161082
【氏名又は名称】伊藤 義峰
【出願日】 平成12年2月25日(2000.2.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−241561(P2001−241561A)
【公開日】 平成13年9月7日(2001.9.7)
【出願番号】 特願2000−48402(P2000−48402)