| 【発明の名称】 |
スプール弁 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤江 智洋
【氏名】古荘 弘志
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| 【要約】 |
【課題】作動応答性が良くスプールの移動が滑らかなスプール弁を提供する。
【解決手段】スプール弁1は、内部にスプール孔3を有しこれに開口した上部ポート5を有したバルブハウジング9と、スプール孔3内で軸方向に移動自在に配設されたスプール11とを備え、スプール11は、スプール孔3に摺合するランド部31とこれよりも小径の連接部29とを有し、スプール11をスプール孔3内で軸方向に移動させてランド部31により上部ポート5の開口面積を変化させて、上部ポート5を流れる作動油の流量を調整する。ランド部摺接面31aにはその左端から右端部側に延びるノッチ35が形成され、ランド部31の右側面に連接部29を接続し、連接部29の接続部29aはR形状である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部にスプール孔を有し前記スプール孔に開口したポートを有したバルブハウジングと、前記スプール孔内に軸方向に移動自在に配設されたスプールとを備え、前記スプールは、前記スプール孔に摺合するランド部と前記ランド部よりも小径の溝部とを有し、前記スプールを前記スプール孔内で軸方向に移動させて前記ランド部により前記ポートの開口面積を変化させて、前記ポートを通って圧力流体の流量を調整するスプール弁において、前記スプール孔に摺合する前記ランド部の摺接面に前記ランド部の一方の端部から他方の端部側に延びるノッチ部が形成され、前記ノッチ部が形成された前記ランド部の他方側側面に前記溝部を接続し、前記溝部と前記ランド部との接続部は前記ランド部側から離反するとともに軸心に向かって径を減少させるように傾斜していることを特徴とするスプール弁。 【請求項2】 内部にスプール孔を有し前記スプール孔に開口したポートを有したバルブハウジングと、前記スプール孔内に軸方向に移動自在に配設されたスプールとを備え、前記スプールは、前記スプール孔に摺合するランド部と前記ランド部よりも小径の溝部とを有し、前記スプールを前記スプール孔内で軸方向に移動させて前記ランド部により前記ポートの開口面積を変化させて、前記ポートを通って圧力流体の流量を調整するスプール弁において、前記スプール孔に摺合する前記ランド部の摺接面に前記ランド部の一方の端部から他方の端部側に延びるノッチ部が形成され、前記ノッチ部の先端と前記ランド部の他方側端部との間の前記摺接面に凹溝が環状に形成されていることを特徴とするスプール弁。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、スプール弁に関し、更に詳細には、スプール孔を有するバルブハウジングと、スプール孔内で軸方向に移動自在に配設されたスプールとを備え、スプールは、スプール孔に摺合するランド部とランド部よりも小径の溝部を有し、スプール孔に摺合するランド部のランド摺接面にランド部の一方の端部から他方の端部側へ延びるノッチ部が形成されたスプール弁に関する。 【0002】 【従来の技術】作業車に搭載された作業装置の駆動源である油圧アクチュエータの作動制御は、一般に、油圧回路内に設けられた油圧アクチュエータよりも上流側に配設された制御弁によって行なわれる。制御弁は、内部にスプール孔を有しスプール孔に開口したポートを有したバルブハウジングと、スプール孔内で軸方向に移動自在に配設されたスプールとを備えている。スプールは、スプール孔に摺合するランド部とランド部よりも小径でランド部に連接された連接部とを有する。スプールをスプール孔内で軸方向に移動させてランド部によりポートの開口面積を変化させることで、ポートを通る作動油の流量を調整することができる。 【0003】また、スプール孔の一部である中間挿通孔に摺接するランド部のランド摺接面には、ランド部の一方の端から他方の端部側に延びるノッチが形成されている。このため、スプールを移動させてランド部によりポートの開口面積を変化させ、ノッチの先端を開口部に連通させるとともにノッチの開口面積を変化させることで、作動油の流量調整をゼロから徐々に行なうことができ、制御弁の作動応答性が向上し、また、油圧アクチュエータの急激な作動を防止することができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4(a)に示すように、連接部29のランド部31側の縁部はランド部31の側面に急激に角度が変化する状態で接続されているので、ノッチ35の先端をランド部31の右側面の近傍まで延ばすと、ノッチ35の先端とランド部31の右側面間の距離D(以下、「ラップ距離D」と記す。)が小さなり、スプール51に何らかの外力が作用するとノッチ35の先端部と右側面間のラップ部分37に応力集中が生じ、最悪の場合にはラップ部分37が破損する虞が生じる。このため、ラップ距離を小さくするには限界がある。 【0005】また、図4(b)に示すように、ランド部31の長さがランド部31に摺合する中間挿通孔17の長さよりも長いタイプのスプール51では、作動油に汚染物等のコンタミが混入し中間挿通孔17から突出するランド摺接面の周辺にコンタミCが存在して、突出するランド部31が中間挿通孔17側に移動すると、コンタミCがランド部31と中間挿通孔17間の間隙33に侵入し、スプール51がスムースに動かなくなる、という問題が生じる。 【0006】本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、スプールの作動応答性を向上させるノッチの長さを長くしてもラップ部分が破損せず、また、ランド部と中間挿通孔との間隙間にコンタミが詰まり難いスプール弁を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために本発明のスプール弁は、内部にスプール孔を有しスプール孔に開口したポート(例えば、実施形態における上部ポート5)を有したバルブハウジングと、スプール孔内に軸方向に移動自在に配設されたスプールとを備え、スプールは、スプール孔に摺合するランド部(例えば、実施形態におけるランド部31)とランド部よりも小径の溝部(例えば、実施形態における連接部29)とを有し、スプールをスプール孔内で軸方向に移動させてランド部によりポートの開口面積を変化させて、ポートを通って圧力流体の流量を調整するスプール弁(例えば、実施形態における制御弁1)において、スプール孔に摺合するランド部の摺接面にランド部の一方の端部から他方の端部側に延びるノッチ部(例えば、実施形態におけるノッチ35)が形成され、ノッチ部が形成されたランド部の他方側側面に溝部を接続し、溝部とランド部との接続部はランド部側から離反するとともに軸心に向かって径を減少させるように傾斜しているように構成する。 【0008】このように構成されたスプール弁によれば、何らかの外力がランド部に作用した場合、接続部はランド部側から離反するとともに軸心に向かって径を減少させるように傾斜しているので、ノッチ部の先端と溝部間のランド部の距離が大きくなる。そして、ノッチ部の先端側のランド部に応力集中が生じても、ノッチ部の先端側のランド部は破損しない。 【0009】このように、接続部がランド部側から離反するとともに軸心に向かって径を減少させるように傾斜することで、ノッチ部の先端側のランド部に応力集中が生じても、この部分が破損する虞を無くすことできる。また、ランド部に長さの長いノッチ部を形成することができるので、スプール弁の作動応答性を向上させることができる。更に、ノッチ部の先端と接続部の端部間の距離を短くすることができる。 【0010】また、本発明のスプール弁によれば、内部にスプール孔を有しスプール孔に開口したポートを有したバルブハウジングと、スプール孔内に軸方向に移動自在に配設されたスプールとを備え、スプールは、スプール孔に摺合するランド部とランド部よりも小径の溝部とを有し、スプールをスプール孔内で軸方向に移動させてランド部によりポートの開口面積を変化させて、ポートを通って圧力流体の流量を調整するスプール弁において、スプール孔に摺合するランド部の摺接面にランド部の一方の端部から他方の端部側に延びるノッチ部が形成され、ノッチ部の先端とランド部の他方側端部との間の摺接面に凹溝(例えば、実施形態におけるV溝39、U溝41)が環状に形成されているように構成することができる。 【0011】上記構成のスプール弁によれば、圧力流体に汚染物等のコンタミが混入しスプール孔から突出するランド部の摺接面の周辺にコンタミが存在して、突出するランド部がスプール孔側に移動すると、コンタミは摺接面に環状に形成された凹溝内に移動する。そして、凹溝がスプール孔の内壁面内側に移動すると、コンタミは凹溝内に留まって凹溝とともに移動する。 【0012】このため、ランド部の摺接面に凹溝を環状に設けることで、コンタミが間隙内に詰まることを防止することができ、スプールの移動を滑らかに保つことができる。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態を図1から図3に基づいて説明する。本実施の形態は油圧ポンプから供給される作動油を油圧シリンダに給排制御する制御弁の態様を示す。 【0014】 【第1の実施の形態】本発明の第1の実施の形態の制御弁1は、図1に示すように、内部に水平方向に貫通するスプール孔3を有し、このスプール孔3の上方及び下方に開口した上部ポート5及び下部ポート7を有したバルブハウジング9と、スプール孔3内に軸方向に移動自在に配設されたスプール11とを備えている。スプール11の移動はスプール11の端部に枢結された図示しない操作レバーの手動操作により行なわれ、この操作レバーが揺動操作されると、スプール11がスプール孔3内で左右方向に移動するように構成されている。尚、スプール11の移動は操作レバーによる手動操作に限られず、機械式(カム式)、電磁式、油圧パイロット式等を使用することができる。 【0015】スプール孔3は、スプール孔3の左右両側部に配設され同径の左挿通孔13及び右挿通孔15と、左挿通孔13及び右挿通孔15間の略中間に配設され左挿通孔13及び右挿通孔15と略同径の中間挿通孔17と、左挿通孔13と中間挿通孔17間に配設されてこれらに連通し左挿通孔13と中間挿通孔17よりも大径な左連通孔19と、右挿通孔15と中間挿通孔17間に配設されてこれらに連通し右挿通孔15と中間挿通孔17よりも大径な右連通孔21と、を有して構成されている。即ち、スプール孔3は、左側から左挿通孔13、左連通孔19、中間挿通孔17、右連通孔21、右挿通孔15を有して構成され、これらの孔13,15,17,19,21は同一軸上にある。 【0016】右連通孔21の上部のバルブハウジング9には上方へ延出する上部連通孔23が連通しており、上部連通孔23の上端部には上部ポート5が上方へ開口している。また、左連通孔19の下部のバルブハウジング9には下方へ延出する下部連通孔25が連通しており、下部連通孔25の下端部は下方へ開口した下部ポート7を有している。 【0017】スプール11は、左挿通孔13及び右挿通孔15よりも小径の一対の連接部27,29と、一対の連接部27,29間に接続され連接部27,29よりも大径で同軸上に配設されたランド部31とを有して構成されている。ランド部31の幅寸法Aは左連通孔19及び右連通孔21の幅寸法Bよりも若干大きくなるように形成されている。また、中間挿通孔17の幅寸法Cはランド部31の幅寸法Aよりも若干大きくなるように形成されている。ランド部31の右側に接続された連接部29のランド部31との接続部29aはRカットされている。即ち、接続部29aはランド部31側から離反するとともに軸心に向かって径を減少させるように傾斜した形状をなしている。 【0018】尚、スプール11は、図2に示すように、スプール孔3内を移動可能な状態にするため、ランド摺接面31aと中間挿通孔17間には僅かな隙間33が設けられている。この隙間33はスプール孔3内に供給された作動油が隙間33を流れないような大きさに形成されている。 【0019】図1に示すランド部31の摺接面であるランド摺接面31aには周方向に所定の間隙を有して配設された凹状のノッチ35が複数設けられている。ノッチ35は、ランド部31の左端部から右側へ延び、その先端部がランド部31の右端部の近傍まで延出している。このため、ノッチ35の先端とランド部31の右端間の距離(以下、「ラップ距離」と記す。)は小さな離間寸法Dを有している。 【0020】尚、接続部29aの形状は、図2に示すように、Cカットにすることができる。この場合、Cカットの傾きはノッチ35の先端と接続部29aの表面部29bとの離間寸法Eが大ききなるような角度にする。 【0021】次に、本発明のスプール弁1の作用を説明する。図1に示すように、図示しない操作レバーが操作されてスプール11が矢印A方向に移動して、ランド部31の右側端部が右連通孔21内に突出し、ノッチ35の先端部が右連通孔21の左側面よりも若干右側へ突出した位置に移動する。ノッチ35の先端部が右連通孔21内に移動すると、図示しない油圧ポンプPから吐出された作動油は下部ポート7を通って下部連通孔25に流入し、下部連通孔25に流入した作動油は左連通孔19及び中間挿通孔17を通って、スプール11のランド部31の左側面に当接する。そして、ランド部31の左側面に当接した作動油の一部はノッチ35内に流入してノッチ先端側へ流れ、右連通孔21に開口したノッチ35の先端部から右連通孔21内に流入する。 【0022】そして、中間挿通孔21内に流入した作動油は、上部連通孔23及び上部ポート5を通って図示しない油圧シリンダに供給され、油圧シリンダが伸長動又は縮小動する。尚、油圧シリンダから吐出された作動油は制御弁1の図示しないポートを通って図示しないタンクに戻される。 【0023】ところで、スプール11がスプール孔3内で移動しているときにランド部31に外力(例えば、ランド部31と中間挿通孔17間に作動油に混入され汚染物等のコンタミが浸入して、スプール11の移動にともなってコンタミを介してランド部31に作用する外力)が作用すると、ランド部31内に応力が生じる。この応力は断面形状が急激に変化する部分では集中して作用するため、この応力集中が作用した部分では破損する虞を生じさせる。ここで、ランド部31にはノッチ35が設けられているが、ノッチ35の先端部とランド部31の右側面間の部分37(以下、「ラップ部分37」と記す。)では断面形状が急激に変化するため応力集中が発生する。しかしながら、ランド部31の右側面に接続された連接部29の接続部29aはRカットが施され、ラップ部分37における図2に示すラップ距離Eはランド部31の軸芯方向へ進むに従って暫時大きくなっているので、応力に対するラップ部分37の変形を小さくすることができる。このため、ラップ部分37に応力集中が作用しても、大きく変形しないので、ラップ部分37の破損を未然に防止することができる。 【0024】尚、図2に示すように、ランド部31の右側面に接続された連接部29の接続部29aはCカットに形成されている場合でも、ラップ部分37に応力集中が発生するが、ラップ部分の変形は小さいので、ラップ部分37の破損を未然に防止することができる。 【0025】 【第2の実施の形態】次に、第2の実施の形態の制御弁を図3を使用して説明する。尚、第2の実施の形態においては第1の実施の形態との相違点のみを説明し、第1の実施の形態と同一態様部分については同一符号を附してその説明を省略する。図3(a)に示すように、ランド部31の長さは中間挿通孔17のそれよりも長く形成されている。ノッチ35よりも先端側のランド摺接面31aにおいてノッチ35の先端部より右側へ所定の離間寸法を有した位置に断面V字状のV溝39が環状に設けられている。尚、V溝39は1本に限らず、互いに所定の間隙を有して複数本設けることができる。また、ランド摺接面31aに設ける溝は、V溝39に限らず、図3(b)に示すようにU溝41にすることができる。 【0026】図3(a)に示すように、ランド摺接面31aにV溝39を設けると、作動油に汚染物等のコンタミCが混入し、V溝39を設けたランド摺接面31aの周辺にコンタミCが存在してスプール11が矢印A方向へ移動すると、V溝39s周辺の作動油はランド部31の移動に伴って矢印A方向へ移動しV溝39内に移動する。このため、V溝39が中間挿通孔17内に移動しても、コンタミCはV溝39a内に留まってV溝39aとともに移動し、ランド摺接面31aと中間挿通孔17の内壁面間の間隙33内にコンタミCが詰まることはない。また、ランド摺接面31aにV溝39を設けることで、スプール11の円周上に作動油が導かれ、この作動油による圧力がスプール11の円周方向から軸心方向に均等で且つ等方に作用する。このため、スプール11が軸心方向に押しつけられ、スプール11のバランスを維持することができる。 【0027】 【発明の効果】以上説明したように、本発明におけるスプール弁によれば、スプール孔に摺合するランド部の摺接面にランド部の一方の端部から他方の端部側に延びるノッチ部を形成し、ノッチ部が形成されたランド部の他方側側面に溝部を接続し、溝部とランド部との接続部がランド部側から離反するとともに軸心に向かって径を減少させるように傾斜することで、ノッチ部の先端と溝部間の距離を大きくすることができ、ノッチ部の先端側のランド部に応力集中が生じても、ノッチ部の先端側のランド部が破損することを防止することができる。 【0028】また、スプール孔に摺合するランド部の摺接面にランド部の一方の端部から他方の端部側に延びるノッチ部を形成し、ノッチ部の先端とランド部の他方側端部との間の摺接面に凹溝を環状に形成することで、圧力流体に汚染物等のコンタミが混入しスプール孔から突出するランド部の摺接面の周辺にコンタミが存在した状態でランド部がスプール孔側に移動すると、コンタミは凹溝内に移動し、凹溝がスプール孔の内壁面内側に移動してもコンタミは凹溝内に留まるので、ランド部の摺接面とスプール孔の内壁面間の間隙内にコンタミが詰まることはなく、スプールの移動を滑らかに保つことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000116644 【氏名又は名称】株式会社アイチコーポレーション
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| 【出願日】 |
平成12年3月1日(2000.3.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092897 【弁理士】 【氏名又は名称】大西 正悟
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| 【公開番号】 |
特開2001−241559(P2001−241559A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−55155(P2000−55155) |
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