| 【発明の名称】 |
ゲートバルブ |
| 【発明者】 |
【氏名】真下 岳士
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| 【要約】 |
【課題】構造が簡素化、小型化され安価であり、動きがスムーズで高速動作することができ、静粛性に富み、信頼性の高いカム機構を備えたゲートバルブを提供する。
【解決手段】カム機構部31は、転動体としてのローラ35と、ローラ35が転がるカム面38aを備え、エアシリンダによって駆動される第1のカム部材としてのシリンダ側カム部材38と、シリンダ側カム部材38のカム面38aに対向して配置され、ローラ35が転がるカム面32aを備えた弁ロッド6に連結された第2のカム部材としてのロッド側カム部材32とを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】気密室内に設けられ当該気密室の開口部を開閉可能でかつ前記開口部に対して傾動することにより当該開口部を密封可能な弁体と、一端部に前記弁体が固定され、前記弁体が開口部を開閉する所定の直動方向に移動可能に保持され、かつ、所定の傾動軸を中心に傾動可能に保持された弁ロッドと、前記弁ロッドが移動可能に前記弁ロッドと前記気密室との間をシールするシーリング手段と、前記弁体の前記開口部を閉じる向きの直動を当該弁体が開口部を閉じた閉位置で規制する規制手段と、前記弁ロッドの気密室外側の他端部と連結され、供給される直動力によって前記弁ロッドを直動させ、かつ、供給される直動力を傾動力に変換して前記閉位置で直動が規制された弁ロッドを前記弁体が前記開口部を密封する向きに前記傾動軸を中心に傾動させるカム機構と、前記カム機構に直動力を供給する駆動手段と、を有するゲートバルブであって、前記カム機構は、転動体と、前記転動体が転がるカム面を備え、前記駆動手段によって駆動される第1のカム部材と、前記第1のカム部材のカム面に対向して配置され、前記転動体が転がる第2のカム面を備えた前記弁ロッドに連結された第2のカム部材とを有するゲートバルブ。 【請求項2】前記転動体は、前記第1および第2のカム部材のカム面によって転動可能に挟持されている請求項1に記載のゲートバルブ。 【請求項3】前記転動体の転動面は、円柱面からなる請求項1または2に記載のゲートバルブ。 【請求項4】前記第1および第2のカム部材のカム面は、凹状の曲面からなる第1の保持部と、前記第1の保持部に連続し、前記転動体が転がることによって前記弁ロッドに所要の傾動力を発生させる曲面からなる傾斜面部と、前記傾斜面部に連続する凹状の曲面からなる第2の保持部と、からそれぞれ構成され、前記転動体は、前記カム機構の動作開始によって、前記第1および第2のカム部材のカム面の第1の保持部によって挟持された状態から、前記第1および第2のカム部材の相対移動によって前記第1および第2のカム部材のカム面の各傾斜面部を転がった後、前記第1のカム部材および前記第2のカム部材のカム面の第2の保持部によって挟持される請求項1〜3のいずれかに記載のゲートバルブ。 【請求項5】前記第1および第2のカム部材のカム面の第1および第2の保持部は、前記転動体の転動面の曲率に対応した曲面で構成されている請求項4に記載のゲートバルブ。 【請求項6】前記第1および第2のカム部材のカム面の形状は同一形状からなり、かつ、前記転動体に関して対称な位置に配置されている請求項1〜5のいずれかに記載のゲートバルブ。 【請求項7】前記第1のカム部材と前記第2のカム部材との相対位置の変更を弾性的に許容しつつ当該第1のカム部材と前記第2のカム部材との相対位置関係を一定に維持する弾性部材をさらに有する請求項1〜6のいずれかに記載のゲートバルブ。 【請求項8】前記弾性部材は、前記第1のカム部材および前記第2のカム部材を包囲するように設けられ、当該第1のカム部材および前記第2のカム部材を実質的に連結するコイルばねからなる請求項7に記載のゲートバルブ。 【請求項9】前記コイルばねは、前記カム面の第1の保持部によって前記転動体が挟持された状態の前記第1のカム部材と前記第2のカム部材との相対位置を一定に維持する請求項7または8に記載のゲートバルブ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、半導体装置の製造工程等に用いられる真空処理室の開口部を開閉可能でかつ密封可能なゲートバルブに関する。 【0002】 【従来の技術】半導体製造工程におけるドライエッチング工程やスパッタリング工程やエピタキシャルウェハ形成工程等においては、たとえば、図12に示すような、複数の真空処理室が接続されたマルチチャンバ構成の真空処理装置が使用される。図12の真空処理装置101は、ウェハWの搬出入が行われる搬送室102の外周に、各種の処理を行う複数の真空処理室105が接続可能となっている。ウェハWの搬送室102と各真空処理室105との間の移動は、ゲートGを通じて行われる。ゲートGの開閉および密封は、図示しないゲートバルブによって行われる。 【0003】図12の真空処理装置101では、ウェハWを、搬出入路104の搬出入口103を通じて図示しない搬送装置によって搬送室102内に搬入し、搬送室102内に設けられた真空搬送ロボット107によって保持する。ウェハWが真空搬送ロボット107によって保持されると、搬出入口103を閉じ、搬送室102内を真空引きする。このとき、上記の各ゲートバルブは各ゲートを密封した状態となっている。搬送室102内の真空引きが完了すると、各ゲートバルブを駆動してゲートGを開き、真空搬送ロボット107によってウェハWを所定の真空処理室に搬送する。当該真空処理室において、処理を行うために、各ゲートバルブを駆動してゲートGを閉じ、ウェハWの所定の処理を行う。ウェハWの所定の処理が完了したら、ゲートバルブを駆動してゲートGを開き、再度真空搬送ロボット107によってウェハWを当該真空処理室から取出し、搬出入口103を通じて真空処理装置101外に自動的に搬出される。 【0004】上記のような真空処理装置101におけるゲートGを開閉しかつ密封可能なゲートバルブ106の構造として、例えば、図13および図14に示すような構造が知られている。図13において、搬送室202は、ゲートGを通じて真空処理室203と連通している。このゲートGの開閉をゲートバルブ201によって行うが、ゲートバルブ201は、ゲートGの開閉および密封を行う弁体205と、この弁体205が一端部に固定され直動可能にかつ所定の軸208を中心に傾斜可能に保持されている弁ロッド206と、搬送室202と弁ロッド206との間をシーリングするシールベローズ207と、弁ロッド206を直動および傾動させる図示しない駆動手段とを有している。ゲートバルブ201は、図13においては、ゲートGを開いた状態にある。ゲートGを閉じかつ密封するには、図14に示すように、弁ロッド206を直動させて弁体205がゲートGを閉じる位置まで移動し、弁ロッド206を軸208を中心に傾斜させることにより行う。この結果、弁体205がゲートGの外周に設けられたOリング204を押圧しゲートGが密封される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したような構造のゲートバルブ201においては、たとえば、直動手段としてのエアシリンダと弁ロッド206との間をカム機構を介して連結することで弁ロッド206の傾動を行うものが知られている。このようなカム機構を用いたゲートバルブとして、たとえば、日本国特許第2613171号公報に開示されたものがある。上記の特許第2613171号公報に開示されたゲートバルブのカム機構は、エアシリンダによって直線的に駆動されるヨークと弁ロッドの下端部に固定されたブロックとを連結する、ピンおよび当該ピンと係合する傾斜長孔からなる。この構成のカム機構では、傾斜長孔に対してピンが摺動することにより、弁ロッドを傾斜させる傾動力を発生させる。 【0006】また、カム機構を用いたゲートバルブとして、たとえば、米国特許5,120,019号に開示されたものが知られている。この米国特許5,120,019号に開示されたカム機構は、エアシリンダによって直動されるカム面を備えたカムプレートと、弁ロッドに回転自在に設けられたローラからなるカムフォロワとからなり、直動するカムプレートのカム面にローラが係合することにより弁ロッドが傾動する構成となっている。 【0007】しかしながら、特許第2613171号公報に開示されたカム機構の構成では、ピンは傾斜長孔の内周面を摺動するため、再者の間には滑り摩擦が発生し、騒音が発生しやすく静粛性に乏しいという不利益が存在した。また、ピンと傾斜長孔の内周面との間に滑り摩擦が発生するため、カム機構を駆動する駆動手段としてのエアシリンダの出力を大きくする必要があったり、カム機構が滑らかに動作しにくかったり、ピンと傾斜長孔の内周面が摩耗しやすく長期間安定した動作を保証できない等の不利益が存在した。 【0008】一方、米国特許5,120,019号に開示された構成のカム機構では、カムフォロワとしてのローラはカムプレートのカム面に対して転動するため、滑り摩擦が発生しにくく、主に転がり摩擦が発生する。このため、カム機構の動作は、比較的滑らかであり、静粛性にも優れているが、ローラを支軸によって回転自在に支持する必要があり、構造が複雑となり、ローラと支軸との間の軸受が必要であり、この軸受には大きなラジアル荷重が加わるため軸受の信頼性に問題があった。また、ローラの直径を小さくすることにも限界があり、小型化の観点からは不利な構成であった。 【0009】本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、構造が簡素化、小型化され安価であり、動きがスムーズで高速動作することができ、静粛性に富み、信頼性の高いカム機構を備えたゲートバルブを提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明のゲートバルブは、気密室内に設けられ当該気密室の開口部を開閉可能でかつ前記開口部に対して傾動することにより当該開口部を密封可能な弁体と、一端部に前記弁体が固定され、前記弁体が開口部を開閉する所定の直動方向に移動可能に保持され、かつ、所定の傾動軸を中心に傾動可能に保持された弁ロッドと、前記弁ロッドが移動可能に前記弁ロッドと前記気密室との間をシールするシーリング手段と、前記弁体の前記開口部を閉じる向きの直動を当該弁体が開口部を閉じた閉位置で規制する規制手段と、前記弁ロッドの気密室外側の他端部と連結され、供給される直動力によって前記弁ロッドを直動させ、かつ、供給される直動力を傾動力に変換して前記閉位置で直動が規制された弁ロッドを前記弁体が前記開口部を密封する向きに前記傾動軸を中心に傾動させるカム機構と、前記カム機構に直動力を供給する駆動手段と、を有するゲートバルブであって、前記カム機構は、転動体と、前記転動体が転がるカム面を備え、前記駆動手段によって駆動される第1のカム部材と、前記第1のカム部材のカム面に対向して配置され、前記転動体が転がる第2のカム面を備えた前記弁ロッドに連結された第2のカム部材とを有する。 【0011】前記転動体は、前記第1および第2のカム部材のカム面によって転動可能に挟持されている。 【0012】好適には、前記転動体の転動面は、円柱面からなる。 【0013】前記第1および第2のカム部材のカム面は、凹状の曲面からなる第1の保持部と、前記第1の保持部に連続し、前記転動体が転がることによって前記弁ロッドに所要の傾動力を発生させる曲面からなる傾斜面部と、前記傾斜面部に連続する凹状の曲面からなる第2の保持部と、からそれぞれ構成され、前記転動体は、前記カム機構の動作開始によって、前記第1および第2のカム部材のカム面の保持部によって挟持された状態から、前記第1および第2のカム部材の相対移動によって前記第1および第2のカム部材のカム面の各傾斜面部を転がった後、前記第1および第2のカム部材のカム面の第2の保持部によって挟持される。 【0014】好適には、前記第1および第2のカム部材のカム面の第1および第2の保持部は、前記転動体の転動面の曲率に対応した曲面で構成されている。 【0015】前記第1および第2のカム部材のカム面の形状は同一形状からなり、かつ、前記転動体に関して対称な位置に配置されている。 【0016】本発明のゲートバルブは、前記第1のカム部材と前記第2のカム部材との相対位置の変更を弾性的に許容しつつ当該第1のカム部材と前記第2のカム部材との相対位置関係を一定に維持する弾性部材をさらに有する。 【0017】前記弾性部材は、前記第1のカム部材および前記第2のカム部材を包囲するように設けられ、当該第1のカム部材および前記第2のカム部材を実質的に連結するコイルばねからなる。 【0018】前記コイルばねは、前記カム面の第1の保持部によって前記転動体が挟持された状態の前記第1のカム部材と前記第2のカム部材との相対位置を一定に維持する。 【0019】本発明では、第1のカム部材を駆動手段によって弁体が開口部を閉じる方向に直動させると、弁ロッドは当該方向に移動し、閉位置で直動が規制される。さらに、第1のカム部材を駆動すると、第1のカム部材のカム面と第2のカム部材のカム面に挟持された転動体は、当該第1および第2のカム部材のカム面をともに転がりながら移動する。転動体が、第1および第2のカム部材のカム面を転がることにより、弁ロッドは傾動し、開口部は弁体によって密封される。 【0020】このとき、転動体は、第1および第2のカム部材のカム面の双方を転がるため、第1および第2のカム部材のカム面と転動体の転動面との間には、転がり摩擦が生じ、滑り摩擦が生じない。したがって、第1および第2のカム部材のカム面と転動体の転動面との間に大きな力が作用しても、カム機構はスムーズな動作となり、駆動手段から供給される直動力が弁ロッドの傾動力に効率的に変換される。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るゲートバルブの構成を示す断面図であり、図2は図1のA−A線方向の断面図である。図1および図2に示すゲートバルブ1は、弁体2と、連結部材4を介して弁体2と連結された弁ロッド6と、シールベローズ10と、カム機構部31と、シリンダ装置60とを備えている。ここで、弁体2は本発明の弁体、弁ロッド6は本発明の弁ロッド、シールベローズ6は本発明のシーリング手段、カム機構部31は本発明のカム機構、エアシリンダ60は本発明の駆動手段のそれぞれ一具体例に対応している。 【0022】弁体2は、平板状の部材から形成され、気密室50の開口部51を開閉可能でかつ開口部51に対して傾動することにより開口部51をOリング2aを介して密封することができる。本実施形態においては、弁体2として平板状の部材を示しているが、開口部が曲面形状を有する場合にこれに併せた形状とすることも可能である。また、弁体2の形成材料としては、極力パーティクルを発生せず、ガス等を放出しない金属材料等の材料が望ましい。弁体2と連結部材4との連結は、例えばボルトによって行われる。なお、Oリング2aは、弁体2に形成された説落防止用のいわゆるアリ溝2bに嵌入されている。 【0023】弁ロッド6は、一端に速結部材4を介して弁体2が固定され、気密室50の取り付け52の挿入孔52aおよび当該取り付け部52にOリング8bを介して取り付けられた取り付け部材8の挿入孔8aから気密室外に突出するように設けられている。さらに、弁ロッド6は、他端側が保持部材41に連結され、保持部材41によって保持されている。保持部材41は支軸41aを中心に回転自在になっていることから、弁ロッド6も支軸41aを中心に傾斜可能となっている。また、弁ロッド6と連結部材4との連結は、例えば溶接によって行われる。弁ロッド6の形成材料としては、極力パーティクルを発生せず、ガス等を放出しない金属材料等の材料が望ましい。 【0024】シールベローズ10は、気密室50の室内側と弁ロッド6との間をシーリングする部材であり、弁ロッド6の直動および傾動に伴って伸縮可能となっている。また、シールベローズ10は、金属材料から形成され、取り付け部材8の端部にOリング9aを介して固定された固定リング部材9に気密状態を保って、例えば溶接等の接合手段によって固定されている。シールベローズ10の他端部は、弁ロッド6に嵌合固定された固定リング部材11に、例えば溶接等の接合手段によって固定されている。なお、固定リング部材11と弁ロッド6との間にはOリング11aが介在している。これにより、弁ロッド6が直動および傾動しても、上記の気密室をシーリングすることができ、外部からパーティクル等の汚染物質が侵入するのを防止することができる。 【0025】保持部材41は、有底の円筒状の部材であり、有底部には弁ロッド6を嵌合挿入する挿入孔41cが形成され、外周には互いに対向する位置に支軸41aがそれぞれ形成されている。保持部材41は、円筒状の部材であることから、弁ロッド6の直動によって伸縮するシールベローズ10を内部に収容可能となっている。保持部材41に形成された各支軸41aは、それぞれ軸受部材42および軸受部材43によって回転自在に保持されている。これにより、保持部材41は、支軸41aを中心に傾動可能になっており、弁ロッド6も傾動可能になっている。 【0026】一方の支軸41aを回転自在に保持する軸受部材43は、2つのエアシリンダ60のうち対向するエアシリンダ60の側面に直動方向に沿って設けられたレール55に移動自在に保持されている。他方の支軸41aを回転自在に保持する軸受部材42は、他方のエアシリンダ60の側面に直動方向に沿って設けられたレール56に移動自在に保持されている直動部材44にボルト等の締結手段によって連結されている。これにより、保持部材41は直動方向B1およびB2に沿って移動自在に保持されており、弁ロッド6は直動方向B1およびB2に移動自在となっている。 【0027】レール55および56の気密室50側の端部には、ストッパ部材12および13がそれぞれ設けられている。なお、ストッパ部材12および13は、本発明の規制手段の具体例に対応している。ストッパ部材12および13は、直動方向B1、すなわち、弁体2が開口部51を閉じる向きに直動するとき、軸受部材43および42にそれぞれ当接して、保持部材41(弁ロッド6)の直動を規制する。ストッパ部材12および13は、軸受部材43および42との衝突による衝撃を緩和するため、たとえば、樹脂材料で形成することができる。また、レール56の連結板30側の端部は、連結板30に形成された貫通孔30bに挿入可能になっている。 【0028】エアシリンダ60は、弁ロッド6に関して対称な位置にそれぞれ配置されている。これらのエアシリンダ60は、気密室50の取り付け板52の気密室50の外側面にボルト等の締結手段によって固定されている。エアシリンダ60は、圧縮空気によって伸縮するピストンロッド61を内蔵しており、これらのピストンロッド61は、連結板30にそれぞれ固定されている。エアシリンダ60のピストンロッド61は、直動方向B1およびB2に伸縮し、これにより、連結板30も直動方向B1およびB2に直動する。 【0029】連結板30には、保持部材41の外周の両側部に直動方向B1およびB2に沿って形成された溝部41dに嵌合する係止部71aが形成された2つの係合部材71が設けられている。2つの係合部材71のうち一方は、レール56に移動自在に保持された直動部材72に連結されている。係合部材71は、連結板30が直動方向B2、すなわち、弁体2が開口部51を開く方向に直動するときには、溝部41dの下端部と係合して保持部材41を直動方向B2に引っ張り、連結板30が直動方向B1、すなわち、弁体2が開口部51を閉じ、かつ密閉する方向に直動するときには、保持部材41と連結板30との相対移動を一定の範囲で許容する。 【0030】カム機構部31は、上記の保持部材41と連結板30との間に設けられており、連結板30を通じてエアシリンダ60から供給される直動力によって弁ロッド6を直動させ、かつ、供給される直動力を傾動力に変換して弁体2が開口部51を閉じた閉位置で直動が規制された弁ロッド6を弁体2が開口部51を密封する向きに支軸41aを中心に傾動させる。 【0031】図3は、カム機構部31の具体的構造を示す断面図である。図3において、カム機構部31は、保持部材41の下端部に固定されたロッド側カム部材32と、ローラ35と、連結板30のロッド側カム部材32に対向する位置に固定されたシリンダ側カム部材38と、保持部材41と連結板30とを連結するコイルばね80とを備える。 【0032】ここで、ローラ35は本発明の転動体、シリンダ側カム部材38は本発明の第1のカム部材、ロッド側カム部材32は本発明の第2のカム部材、およびコイルばね80は本発明の弾性部材のそれぞれ一具体例に対応している。 【0033】ローラ35は、円柱体からなり、円柱面からなる転動面35aを備えている。このローラ35は、上記のロッド側カム部材32のカム面32aおよびシリンダ側カム部材38のカム面38aを転がる。また、ローラ35は、ロッド側カム部材32のカム面32aおよびシリンダ側カム部材38のカム面38aによって挟持されている。さらに、ローラ35には、ロッド側カム部材32のカム面32aおよびシリンダ側カム部材38のカム面38aから大きな荷重が印加される。このため、ローラ35には、強度が比較的高く、耐磨耗性の高い金属材料を使用することが好ましい。 【0034】ロッド側カム部材32は、滑らかに連続する曲面からなる所定形状のカム面32aを備えている。シリンダ側カム部材38は、滑らかに連続する曲面からなる所定形状のカム面38aを備えている。 【0035】図4は、ロッド側カム部材32のカム面32aおよびシリンダ側カム部材38のカム面38aの構造を説明するための図である。図4に示すように、ロッド側カム部材32のカム面32aは、凹状の曲面からなる第1の保持部32bと、第1の保持部32bに連続して形成されローラ35が転がることによって弁ロッド6に所要の傾動力を発生させる曲面からなる傾斜面部32cと、傾斜面部32cに連続する凹状の曲面からなる第2の保持部32dとから構成されている。シリンダ側カム部材38のカム面38aは、凹状の曲面からなる第1の保持部38bと、第1の保持部38bに連続して形成されローラ35が転がることによって弁ロッド6に所要の傾動力を発生させる曲面からなる傾斜面部38cと、傾斜面部38cに連続する凹状の曲面からなる第2の保持部38dとから構成されている。 【0036】シリンダ側カム部材38の傾斜面部38cおよびロッド側カム部材32の傾斜面部32cは、ローラ35がこれら傾斜面部38cおよび傾斜面部32c上を転がることによって、弁ロッド6(保持部材41)に所要の傾動力を発生させるような曲率に形成された曲面からなる。したがって、傾斜面部38cおよび傾斜面部32c上のローラ35の転動によって、ロッド側カム部材32とシリンダ側カム部材38との直動方向B1およびB2の相対位置関係が変化するとともに、傾動方向C1およびC2の方向の相対位置関係が変化し、弁ロッド6を保持している保持部材41の支軸41aを中心に傾動させる。 【0037】ロッド側カム部材32のカム面32aの第1および第2の保持部32bおよび32dは、ローラ35の転動面35aの曲率に対応した曲面で構成されている。同様に、シリンダ側カム部材38ののカム面38aの第1および第2の保持部38bおよび38dは、ローラ35の転動面35aの曲率に対応した曲面で構成されている。 【0038】さらに、図4から分かるように、シリンダ側カム部材38のカム面38aとロッド側カム部材32のカム面32aの形状は同一形状からなり、これらのカム面38aおよびカム面32aは、ローラ35に関して対称な位置に配置されている。したがって、シリンダ側カム部材38のカム面38aの第1の保持部38b、傾斜面部38cおよび第2の保持部38dは、ロッド側カム部材32のカム面32aの第2の保持部32d、傾斜面部32cおよび第1の保持部32bにそれぞれ対応している。 【0039】なお、本実施形態では、シリンダ側カム部材38のカム面38aとロッド側カム部材32のカム面32aとはローラ35に関して対称な形状としているが、カム面38aとカム面32aとは非対称な形状であってもよい。しかしながら、ローラ35をカム面38aおよびカム面32a上で確実に転動させる観点からは対称であることが好ましい。すなわち、カム面38aおよびカム面32aの形状がローラ35に関して非対称であると、カム面38aおよびカム面32aの一方とローラ35との間に滑りが生じやすくなる可能性があるからである。 【0040】ロッド側各部材32の第1の保持部32bとシリンダ側カム部材38の第1の保持部38bとによってローラ35が挟持された状態、あるいは、ロッド側各部材32の第2の保持部32dとシリンダ側カム部材38の第2の保持部38dとによってローラ35が挟持された状態では、ローラ35はこれらの保持部32bおよび38bあるいは32dおよび38dに嵌り合っている。このため、上記の各状態では、ロッド側各部材32とシリンダ側カム部材38とは、直動方向B1およびB2と傾動方向C1およびC2方向に相対移動しにくくなる。 【0041】コイルばね80は、保持部材41の端部に形成された固定用溝部41hに一端が嵌合固定されており、他端が連結板30に形成された固定用溝部30aに嵌合固定されている。また、コイルばね80はロッド側カム部材32とシリンダ側カム部材38を包囲するように設けられている。このコイルばね80は、連結板30と保持部材41とを直接連結することによって、ロッド側カム部材32とシリンダ側カム部材38との相対位置の変更を弾性的に許容しつつロッド側カム部材32とシリンダ側カム部材38との相対位置関係を一定に維持するように機能する。すなわち、コイルばね80はロッド側カム部材32およびシリンダ側カム部材38を実質的に連結している。ロッド側カム部材32とシリンダ側カム部材38とが一定の相対位置にある場合には、ローラ35は、ロッド側カム部材32のカム面32aの第1の保持部32bとシリンダ側カム部材38のカム面38aの第1の保持部38bに挟持されている。 【0042】次に、上記構成のゲートバルブ1の動作について説明する。図1および図2に示したゲートバルブ1の状態は、開口部51を開いた状態であるが、この状態から、エアシリンダ60を駆動して、シリンダ側カム部材38を開口部50を閉じる直動方向B1に直動させる。 【0043】エアシリンダ60の駆動によって、弁体2は、図5および図6に示すように、直動方向B1に向かって開口部51を閉じる位置まで移動する。この状態では、弁体2は開口部51を密封していない。なお、図6は、図5のA−A線方向の断面図である。 【0044】この弁体2の直動方向B1に向かう移動の際には、シリンダ側カム部材38はそのカム面38aの第1の保持部38bでローラ35を介してロッド側カム部材32のカム面32aの第1の保持部32bを押圧する。ローラ35はシリンダ側カム部材38のカム面38aの第1の保持部38bおよびロッド側カム部材32のカム面32aの第1の保持部32bに嵌まり合っており、かつ、上記コイルばね80の弾性力によってシリンダ側カム部材38とロッド側カム部材32との相対位置関係は一定に維持されようとするので、シリンダ側カム部材38を高速で移動させたような場合であっても、ローラ35が第1の保持部38b,32bから外れにくくなっている。また、シリンダ側カム部材38からローラ35への推進力は、摩擦力等によってではなくロッド側カム部材32の第1の保持部32bに直接伝達されるため、弁ロッド6を高速に移動させることが可能である。 【0045】シリンダ側カム部材38が移動して、弁ロッド6が所定の位置に到達すると、保持部材41の支軸41aを支持している軸受部材43および42がストッパ部材12および13に当接し、保持部材41の直動方向B1への直動が規制される。すなわち、弁ロッド6の直動方向B1への直動が規制される。保持部材41の直動方向B1への直動が規制された状態でさらにエアシリンダ60からの直動力が供給されると、カム機構31が動作して図7に示すように、弁ロッド6は弁体2が開口部51を密封する向きに向けて傾動する。 【0046】このときのカム機構31の動作を図8を参照して説明する。保持部材41の直動方向B1への直動が規制された状態でさらにエアシリンダ60によってシリンダ側カム部材38が直動方向B1に押されると、図8に示すように、シリンダ側カム部材38の第1の保持部38bおよびロッド側カム部材32の第1の保持部32bによって挟持されたローラ35は、コイルバネ80の弾性力に抗して第1の保持部32bおよび38bからそれぞれ外れ矢印R1の向きに転がり始める。 【0047】図9に示すように、第1の保持部32bおよび38bからそれぞれ外れて転がり始めたローラ35は、シリンダ側カム部材38の傾斜面部38cおよびロッド側カム部材32の傾斜面部32cの双方を矢印R1の向きに転がる。これにより、シリンダ側カム部材38の傾斜面部38cおよびロッド側カム部材32の傾斜面部32cの作用によって、直動力が傾動力に変換されて弁ロッド6は弁体2が開口部51を密封する向きに向けて傾動するこのとき、図9に示すローラ35の転動面35aとロッド側カム部材32の傾斜面部32cとの接触位置P1およびローラ35の転動面35aとシリンダ側カム部材38の傾斜面部38cの接触位置P2では、転がり摩擦が発生し、滑り摩擦は発生しない。転がり摩擦による摩擦抵抗は、滑り摩擦による摩擦抵抗に比べて非常に小さく、このため、ローラ35がシリンダ側カム部材38の傾斜面部38cおよびロッド側カム部材32の傾斜面部32cの双方を転がる際の摩擦によるエネルギーのロスは滑り摩擦が存在する場合と比較して非常に小さくなる。 【0048】また、ローラ35の転動面35aは、ロッド側カム部材32のカム面32aおよびシリンダ側カム部材38のカム面38aによって強い力で押圧されるが、ローラ35の転動面35aとロッド側カム部材32のカム面32aおよびシリンダ側カム部材38のカム面38aとの間に滑りがないので、強い力がローラ35の転動面35aに作用しても摩擦力によるエネルギーのロスの増大が抑制される。したがって、ローラ35は、ロッド側カム部材32のカム面32aおよびシリンダ側カム部材38のカム面38aを滑らかに転がることが可能となり、騒音や振動の発生が大幅に低減される。 【0049】ローラ35がロッド側カム部材32の第2の保持部32dおよびシリンダ側カム部材38の第2の保持部38dまで転がると、ロッド側カム部材32のカム面32aとシリンダ側カム部材38のカム面38aとは対称な形状となっているので、ローラ35はロッド側カム部材32の第2の保持部32dおよびシリンダ側カム部材38の第2の保持部38dに略同時に嵌まり合う。 【0050】一方、ローラ35がシリンダ側カム部材38のカム面38aおよびロッド側カム部材32のカム面32aの双方を転がると、弁ロッド6が傾斜し、図7に示したように、弁体2に設けたOリング2aが開口部51の外周に押圧され、Oリング2aが押しつぶされる。このとき、エアシリンダ60によるシリンダ側カム部材38に対する直動力は、シリンダ側カム部材38のカム面38aの傾斜面部38cとロッド側カム部材32のカム面32aの傾斜面部32cとのくさび効果によって増幅され、弁体2のOリング2aを押しつぶす力は当該直動力の、例えば10倍程度となる。これにより、弁体2がOリング2aを十分に押しつぶすことができ、開口部51の密封が良好に行われることになる。以上の動作によって、弁体2による気密室50の開口部51の密閉が完了する。 【0051】気密室50の開口部51を開く動作は、エアシリンダ60を上記とは逆向きに駆動する、すなわち、ピストンロッド61をエアシリンダ60ら伸ばすことによって行う。弁ロッド6を弁体2が開口部51を密閉する向きのエアシリンダ60の直動力を解放すると、ローラ35はロッド側カム部材32のカム面32aの第2の保持部32dおよびシリンダ側カム部材38のカム面38aの第2の保持部32dによって挟持された状態から、コイルばね80の復元力によって、双方の傾斜面部32cおよび38cを転がって再度第1の保持部32bおよび38bによって挟持され保持され、弁ロッド6は直立する。 【0052】以上のように、本実施形態に係るゲートバルブによれば、弁ロッド6を傾動させるカム機構31にローラ35を使用し、ローラ35の転動面35aをシリンダ側カム部材38のカム面38aとロッド側カム部材32のカム面32aとで挟持するとともに、ローラ35をカム面38aとカム面32aの双方を転動させて弁ロッドを傾斜させ、ローラ35とカム面38aおよびカム面32aとの間に滑り摩擦を発生させない構成としたので、ローラ35とカム面38aおよびカム面32aとの間でのエネルギーロスを低減でき、エアシリンダ60の駆動力を軽減することができる。この結果、エアシリンダ60の小型化が可能になり、低コスト化も可能になる。また、ローラ35とカム面38aおよびカム面32aとの間で摺動摩擦が発生しないので、摩耗や騒音の発生を大幅に低減でき、また、カム機構31を極めてスムーズに動作させることができ、かつ高速動作させることができ、加えて、静粛性に富み、信頼性の高いカム機構31が得られる。 【0053】図10は、上記構成のゲートバルブ1におけるエアシリンダ60の作動圧と弁体2の傾動位置との関係を示すグラフである。また、図10に示す比較データは、たとえば、図11に示すようなカム機構を用いたゲートバルブにおけるエアシリンダ60の作動圧と弁体2の傾動位置との関係を示している。図11に示すカム機構は、上述したカム機構31と同様にロッド側カム部材332と、シリンダ側カム部材338とを備えており、ロッド側カム部材332にはカム面332aが形成されているが、シリンダ側カム部材338にはカム面は形成されておらず、代わりにローラ35の転動面35aをローラ35が回転自在なように保持する保持面338aが形成されている。この図11に示すカム機構の動作時には、ローラ35はロッド側カム部材332のカム面332aを転動するが、シリンダ側カム部材338の保持面338aに対しては摺動し、ローラ35の転動面35aとシリンダ側カム部材338の保持面338aとの間には滑り摩擦が発生する。 【0054】図10において、縦軸は弁体2の傾動位置を示しており、縦軸の位置Koは傾動開始位置であり、矢印Dの向きに向かうほど弁体2の開口部51に対する傾斜が大きくなり、位置Kpが弁体2の開口部51を密封する位置、すなわち、カム機構31のローラ35がロッド側カム部材32の第2の保持部32dおよびシリンダ側カム部材38の第2の保持部38dによって挟持された状態の位置である。また、横軸はエアシリンダ60の作動圧である。 【0055】図10からわかるように、エアシリンダ60の作動圧を増加させていくと、ともに弁体2は傾斜していくが、本実施形態に係るゲートバルブ1では密封位置Kpに到達するのに要するエアシリンダ60の作動圧PAが図11に示した滑り摩擦の存在するゲートバルブにおける作動圧PBよりも小さいのがわかる。すなわち、本実施形態に係るゲートバルブ1では、カム機構31に滑り摩擦によるエネルギーの損失が非常に小さいため、エアシリンダ60の作動圧も小さくてすむ。 【0056】本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態では、転動体として円柱体のローラ35を用いた場合について説明したが、たとえば、球体を使用することも可能である。 【0057】 【発明の効果】本発明によれば、ゲートバルブのカム機構を、構造を簡素化、小型化、低コスト化でき、動きをスムーズで高速にすることができ、静粛性に富み、信頼性の高いものとすることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004385 【氏名又は名称】エヌオーケー株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月29日(2000.2.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094053 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 隆久
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| 【公開番号】 |
特開2001−241558(P2001−241558A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−102859(P2000−102859) |
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