| 【発明の名称】 |
バタフライバルブ軸 |
| 【発明者】 |
【氏名】田島 直樹
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| 【要約】 |
【課題】軸の反りや撓みによる、軸の外周面と軸受の内周面との間に予め設けられている余裕代よりも大きなばらつきが両者の間にあっても、そのばらつきを吸収して、軸と軸受に容易に組み付けられ、両者の間に生じる摺動抵抗の増加を防止することができるバタフライバルブ用の軸を提供すること。
【解決手段】バタフライバルブ11と軸部12とを相互に結合してなるバタフライバルブアッセンブリ10において、第1変形部の軸部12の中心軸と交わる2つの軸の一方の軸周りの断面二次モーメントを、他方の軸周りの断面二次モーメントより大きく形成し、第2変形部の他方の軸周りの断面二次モーメントを、一方の軸周りの断面二次モーメントよりも大きくなるように形成して、軸が変形可能とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のバタフライバルブが配列され、前記バタフライバルブと軸とを相互に結合してなる前記軸において、前記軸に前記軸の中心軸と交じわる2つの軸の一方の軸周りの断面二次モーメントが、他方の軸周りの断面二次モーメントより大きくなるように形成された第1変形部と、他方の軸周りの断面二次モーメントが、一方の軸周りの断面二次モーメントよりも大きくなるように形成された第2変形部とを持つことを特徴とする軸。 【請求項2】 前記2つの軸が前記軸の中心軸と直交するように設けられていることを特徴とする請求項1に示された軸。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はバタフライバルブを作動させる軸に関し、特に軸の変形による軸受との摺動抵抗の増加を低減させることができる軸に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のバタフライバルブ装置として図6、図7のような構造を持つ実開昭61−6648に示されるもの(第1の従来技術という)が知られている。 【0003】このバタフライバルブ装置を図6と図7とを用いて説明すると、通路2内に複数個配置されたバタフライバルブ3のそれぞれに結合された軸5が、前記バタフライバルブ3と隣接するバタフライバルブとの中間において、軸の長手方向に相対移動が可能で相対揺動不能なように連結され、該連結部6を相互に圧接させるばね手段7を付され、軸受部8によって揺動可能に支持されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、第1の従来技術においては、軸の長手方向への移動は可能であるが、その他の方向には移動できない。 【0005】そのため、第1の従来技術では、軸の反りや撓みによる軸の外周面と軸受の内周面との位置のずれが、両者の間に予め設けられている余裕代(軸の外周面と軸受の内周面とがすべり接触するために両者の間に設けられる隙間)より大きいと、それらの間に生じたずれを吸収できず、軸と軸受が組み付けられないという不具合が起こる可能性がある。また、軸と軸受が組み付けられたとしても、軸の外周面が軸受の内周面に強く押し付けられる箇所が生じて、両者が当接する部分に働く力が増加して両者の間に働く摩擦力(摺動抵抗)が増加し、軸の作動性が悪化する等の不具合を生じる恐れがあった。そのため、軸や軸受には高い寸法精度や組付精度が要求され、その製造にあたっては、高精度が保証できる工法や材質が必要となり、コストがかかってしまっていた。 【0006】近年、高い寸法精度や組付精度が必要であった、このようなバタフライバルブを取り付ける装置においても、軽量化やコスト低減のために材質や工法の転換が進んでいる。その一例として、バタフライバルブと軸とを樹脂材料で一体成形して、両者の組み付けが簡便で軽量安価なバルブアッセンブリが考えられる。しかし、樹脂材料は、反りや撓みが発生しやすいので、寸法精度があまりよくない。そのため、上記したような不具合が起こり易く、軸の寸法や形状のばらつきを吸収できるような軸の構造が求められていた。 【0007】それゆえ、本発明は、軸の反りや撓みによる、軸の外周面と軸受の内周面との間に予め設けられている余裕代よりも大きなばらつきが両者の間にあっても、そのばらつきを吸収して、軸と軸受に容易に組み付けられ、両者の間に生じる摺動抵抗の増加を防止することができるバタフライバルブ用の軸を提供することを、その課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記した課題を解決するために請求項1の発明にて講じた技術的手段は、複数のバタフライバルブが配列され、前記バタフライバルブと軸とを相互に結合してなる前記軸において、前記軸に前記軸の中心軸と交じわる2つの軸の一方の軸周りの断面二次モーメントが、他方の軸周りの断面二次モーメントより大きくなるように形成された第1変形部と、他方の軸周りの断面二次モーメントが、一方の軸周りの断面二次モーメントよりも大きくなるように形成された第2変形部とを持つようにしたことである。 【0009】上記した手段によれば、軸の中心軸と交わる一方の軸周りの断面二次モーメントが他方の軸周りの断面二次モーメントよりも小さくなるように、軸の断面形状が形成されている変形部を持つので、一方の軸を中心にして軸を曲げようとすると、他方の軸を中心にする時よりも曲げやすくなる。また、反対に、他方の軸周りの断面二次モーメントが一方の軸周りの断面二次モーメントよりも小さくなるように、軸の断面形状が形成されている変形部を持つため、他方の軸を中心にして軸を曲げようとすると、一方の軸を中心とする時よりも曲げやすくなる部分も持つ。このため、反りや撓みが発生している軸を軸受に挿入することによって、軸を曲げようとする力が軸に加わった時に、軸が軸受に倣って変形しやすくなる。また、軸が曲がりやすい方向(断面二次モーメントが小さくなる方向)が2方向あるので、両者の変形具合によって、どの方向にでも軸を曲げることができる。 【0010】これによって、従来の軸では軸の外周面と軸受の内周面との間に予め設けられている余裕代以上のばらつきが生じると、そのばらつきによる軸の外周面と軸受の内周面との間に両者を押し付けようとする力が働き、軸と軸受の間にかかる摩擦力(摺動抵抗)を増加させ、軸の作動性が悪化して問題であった。しかし、本発明によれば軸が変形可能なため、この力は軸を弾性的に変形させるのに消費され、両者を押し付けようとする力を低減させるので、その力によって生じる摩擦力が低減されることになって軸を安定して作動させることができる。 【0011】また、前記2つの軸が前記軸の中心軸と直交するように設けられていることが望ましい。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明に従ったバタフライバルブの実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0013】図1において、バタフライバルブアッセンブリ10は、バタフライバルブ部11と、軸受当接部12aと、第1変形部12bと、第2変形部12cと、軸部12とからなる。バタフライバルブ部11の一方の側の端面には、軸を揺動可能に支持するために設けられた図示しない軸受と当接する円筒形状を持つ軸受当接部12aがある。軸受当接部12aの長手方向には、軸部12と同じ半径の円弧を含む矩形で形成された第1変形部12bが所定の長さを持って設けられ、軸部12に連絡している。バタフライバルブ部11の他方の側の端面には、一方の側の端面と同様に軸受当接部12aを介して、第1変形部と同形状で軸の中心軸を中心として90度回転させた形状で形成される第2変形部12cが、同じ所定の長さを持って設けられ、軸部12に連絡して隣接するバタフライバルブ部11に連絡している。バタフライバルブアッセンブリ10は、樹脂材料で一体にて形成され、軸部12と軸受当接部12aとが円筒状の断面形状を持つ。 【0014】図2において、図2は図1に示された軸部12の断面A−Aを示し、軸の断面形状と、その中心軸cと、それに直交する2つの中立軸a、bとが示されている。ここで、軸受当接部(図示せず)は円筒であるので、その中心軸cに対して直角方向の断面形状は円である。周知のように軸における、ある軸周りの断面二次モーメントとは、その軸を中心にして軸を曲げようとする力に対する軸の曲がりにくさ(軸の曲げ強さ)を示す。これを使って、どの中立軸を中心としたときに軸が曲がりやすいかを検討する。以下、断面二次モーメントを用いて軸の曲がりにくさを検討する際には、軸の中心軸方向の長さは同じであると仮定する。 【0015】この断面形状のa軸周りの断面二次モーメントをIa、b軸周りの断面二次モーメントIbとすると、その大きさは等しく(Ia=Ib)なる。よって軸部(断面形状が円)は、中立軸a、bのどちらの方向にも同程度に曲がりにくいということがわかる。 【0016】図3は図1の第1変形部の断面B−Bを示す。この断面形状は、中立軸bと平行で、その間の距離がtである2つの直線で円を切り欠いたような矩形である。矩形の幅をtとし、このtの値は軸の半径rよりも常に小さい。上記したように、この矩形形状の中立軸a、bの2つの軸周りのモーメント(軸を曲げようとする力)が加わった場合を考える。 【0017】前記したように、半径r>矩形の幅tであるので、a軸周りの断面二次モーメントIatの値とb軸周り断面二次モーメントIbtの値とを比較すると、Iat>Ibtとなる。 【0018】よって、この断面形状を持つ軸にa軸周りの断面二次モーメント(a軸を中心として軸を曲げる力に対する軸の曲げにくさ)の方がb軸周りの断面二次モーメント(b軸を中心とするように軸を曲げる力に対する軸の曲げにくさ)よりも大きいので、第1変形部は、b軸周りのモーメント(b軸を中心とするように軸を曲げる力)が加わると変形しやすいということがわかる。 【0019】図4は図1の第2変形部の断面C−Cを示す。この断面形状は、中心軸aと平行で、その間の距離がtである2つの直線で円を切り欠いたような矩形である。この矩形形状を持つ軸に、図4に示すa軸とb軸の2つの軸周りのモーメントが加わった場合を考える。 【0020】前記したように軸がr>tとなるように構成され、この軸のa軸周りの断面二次モーメントをIta、b軸周り断面二次モーメントをItbとすると、その値の大きさはItb>Itaとなる。これにより、第2変形部はa軸周りのモーメントが加わると変形しやすいということがわかる。しかも、Iat=Itb、Ibt=Itaの関係が成り立つ。 【0021】図5は、本発明のバタフライバルブアッセンブリの組付け状態を示す図である。 【0022】バタフライバルブアッセンブリ10は、ボデー16内に設けられた軸受13と、軸受当接部12aとによって回転可能に支持されている。ボデー16内の軸受13によってバタフライバルブアッセンブリ10が支持された後に、固定部材14がボルト16によってボデー15に固着され、バタフライバルブアッセンブリ10、軸受13を移動不能に保持する。ボデー15は、例えば、内燃機関の吸気装置であり、バタフライバルブアッセンブリ10の長手方向に延在する図示しない駆動手段によって、バタフライバルブアッセンブリ10の軸部12が回転してバタフライバルブ部11が開閉し、ボデー15内の通路の第1出口15bの連通を制御する。バタフライバルブ部11が開いた場合には、通路入口15aと第1出口が連通して短い通路となり、閉じた場合には第2出口と通路入口15aとが連通されて長い通路が形成される。これによって吸気通路の長さを変化させ、吸気の動的効果を得られる領域を拡大し、内燃機関の出力性能の向上を図ることができる。 【0023】以上のことから、この2つの断面形状を持つ第1変形部12bと第2変形部12cとを組み合わせてバタフライバルブアッセンブリ10に形成することによって、a軸または、b軸を中心とするバタフライバルブアッセンブリ10を曲げようとする力に対して、バタフライバルブアッセンブリ10は、一般的な形状である円筒形状を持つ軸部12よりも変形しやすい部分を持つことになる。また、第1変形部12b、第2変形部12cが変形し易い力の方向が2方向あるため、バタフライバルブアッセンブリ10をあらゆる方向に変形させることが可能となる。 【0024】これによって、軸受当接部12aの外周面と、図示しない軸受の内周面との間に働く、両者を押し付けようとする力によって生じる摩擦力(摺動抵抗)を低減することができ、バタフライバルブアッセンブリ10を安定的に揺動させることができる。 【0025】また、軸部12に連結された第1変形部12b及び第2変形部12cを介して行われる揺動力の伝達は、第1変形部12b及び第2変形部12c各々の断面極二次モーメントが、バタフライバルブアッセンブリ10にかかりうる揺動力より大きく設定されていれば安定して伝達できる。 【0026】 【発明の効果】以上の如く、請求項1の発明によれば、軸をある方向に曲げようとする力(モーメント)に対して軸の強度(曲げ強さ)が、特定の方向だけ小さい変形部が形成されているので、軸を軸受に合わせて弾性的に変形させ、軸の位置を移動させることができる。そのため、ある軸の外周面の位置と、ある軸受の内周面の位置とが、両者の間に予め設けられている余裕代以上のばらつきがあって、ある軸の外周面に、ある軸受の内周面が押し付けられて、両者の間に働く力が大きくなるような場合でも、他の軸の外周面と、他の軸受の内周面とが接触する部分に働く力と同程度になるように、軸に加わった力に対して断面二次モーメントが小さくなる方の変形部が弾性的に変形して軸の位置を移動させ、ある軸の外周面と、ある軸受の内周面との間に加わる力を緩和することができる。 【0027】この力は、軸の作動性に影響を与える軸と軸受との間に働く摩擦力(摺動抵抗)の増減に大きく係っている。周知のように、摩擦力はその力が働く2つの物体が接触する面の摩擦係数と、両者の間に加わる垂直抗力との積で表される。 【0028】これを本発明に当てはめて考えてみると、摩擦係数は軸の外周面と軸受の内周面の材料による特性と、両者の接触する面積によって決まる値となる。一方、両者の間に働く垂直抗力は、軸の外周面と軸受の内周面との間に働く、両者を押し付けようとする力と同じ量を持つ(力の働く方向は異なる)。すると、材料の特性と両者の接触面積とはすべての軸と軸受の間において、ほぼ同等であるから、軸の外周面と軸受の内周面との間に働く、両者を押し付けようとする力(垂直抗力)の増減によって摩擦力(摺動抵抗)の増減が決まることになる。よって、この力(垂直抗力)が減少すれば摩擦力(摺動抵抗)も減少することになる。 【0029】本発明によれば、軸受の内周面に合わせて、軸が自由に移動することで、軸と軸受との間に働く、両者を押し付けようとする力(垂直抗力)を緩和することができるので、軸と軸受の間に働く摩擦力(摺動抵抗)を低減することができる。逆に、軸の位置や、または軸受の内周面の位置のどちらかだけが、ある程度ばらついても、両者の間に働く摩擦力(摺動抵抗)の増加が抑えられるので、軸の作動性が悪化することはなくなることになる。つまり、従来技術では必要であった高い部品精度や組付精度は不要となる。これにより、高精度は期待できないが安価で軽量な材質や工法への転換、例えば軸とバタフライバルブを樹脂製の一体成形品としたり、軸受を挿入するボデーに設ける軸受保持部の機械加工を廃止したりといったことが可能になるので結果としてコストダウンにつながり有利である。 【0030】また、変形可能な部材が軸と一体で形成できるように、単純な形状の組み合わせだけで構成したことで、型費などの設備費が低減でき、型で成形する際の生産性も高くなり有利である。 【0031】以上のように、軸の外周面と軸受の内周面とに、両者の間にあらかじめ設けられた余裕代より大きい位置ずれが生じても、両者の間の働く摺動抵抗の増加を生じることがないバタフライバルブの軸を提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000011 【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月29日(2000.2.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−241556(P2001−241556A) |
| 【公開日】 |
平成13年9月7日(2001.9.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−54240(P2000−54240) |
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