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【発明の名称】 ソレノイドバルブ
【発明者】 【氏名】斉藤 素弘

【氏名】薄 広明

【要約】 【課題】部品点数を削減して生産性を向上させることで、小型で信頼性の高いソレノイドバルブを提供する。

【解決手段】ハウジング6、コイル5、ボビン7、ステータ1、可動鉄芯2、固定鉄芯4を有し、可動鉄芯の上面に第1シート部2a、底面に第2シート部2bを設け、コイルに通電することにより可動鉄芯が移動するソレノイドバルブにおいて、可動鉄芯の側面に軸方向に上面から底面まで貫通するように流路を設けたことを特徴とするソレノイドバルブ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ステータ1、可動鉄芯2、バネ3、固定鉄芯4、コイル5、ハウジング6、ボビン7、リード線10を有し、可動鉄芯の上面に第1シート部2a、底面に第2シート部2bを設け、コイルに通電することにより可動鉄芯が移動するソレノイドバルブにおいて、可動鉄芯の側面に軸方向に上面から底面まで貫通するように流路2cを設けたことを特徴とするソレノイドバルブ。
【請求項2】固定鉄芯の軸方向に貫通するように固定鉄芯に流路4bを設けたことを特徴とする請求項1記載のソレノイドバルブ。
【請求項3】請求項2記載の流路4bと直角に連通するように固定鉄芯の上面に流路4cを設けた請求項1又は請求項2記載のソレノイドバルブ。
【請求項4】複数個の圧力室を全てハウジング6内に形成しバルブ機構を省略したことで小型化を実現した請求項1又は請求項2又は請求項3記載のソレノイドバルブ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエアサスペンション等のソレノイドバルブを小型化し、部品点数及びコストの削減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の3ポートソレノイドバルブを図4に示す。図4において、2は可動鉄芯、3はバネ、4は固定鉄芯、5はコイル、6はハウジング、7はボビン9はバルブキャップである。ボビン7にはコイル5が巻回され、ボビン7はハウジング6の内部に納められている。ボビン7は中空円筒状であり、ボビン7の中空に可動鉄芯2と固定鉄芯4が挿入されている。固定鉄芯4の底部と可動鉄芯2の上部は弁部Aを形成し、流体の導通の仕方を決定している。
【0003】ハウジング6の上部には穴6aが設けられている。固定鉄芯4は軸方向に貫通するように流路4aが中空に設けられ、固定鉄芯4の上半部はハウジング6の上部に設けられた穴6aから突出する形状で配置され、突出した部分を覆うごとくバルブキャップ9がハウジング6の外部に配置されている。前記バルブキャップ9は、底に穴が設けられていて、穴が圧力室(ウ)となっている。
【0004】圧力室(ア)及び、圧力室(イ)はソレノイド本体の底部を水平に貫通する形状でそれぞれ別個に設けられている。圧力室(ア)と圧力室(イ)は流路8によって連通している。バルブキャップ9は前記ハウジング6の外部に突出した固定鉄芯4の延長上に配置され、圧力室(ウ)は前記固定鉄芯4の流路4aと軸方向に一直線に連通している。
【0005】次に、従来例のソレノイドバルブの動作について図4に基いて説明する。通常、コイル5に通電をしていない状態では、バネ3に付勢されて可動鉄芯2は固定鉄芯4より離脱している。(弁部Aは開いている)この時、流路4aは連通しているので、圧力室(イ)と圧力室(ウ)は連通状態である。(流路8は連通していない。)
【0006】コイル5に通電することにより、コイル5は固定鉄芯4に付勢しているバネ3に拮抗する電磁力を発生し、固定鉄芯4は可動鉄芯2を吸引する。この時に、弁部Aが閉じられ流路4aが遮断される。そして、流路8が連通になることにより、圧力室(ア)と圧力室(イ)が連通となる。
【0007】ところで、上述した従来の技術では、圧力室(ウ)をハウジング6の外側に突出する形でバルブキャップ9として設けていたので、ソレノイドバルブ全体が大型化していた。また、部品点数が多いために、個々の部品の寸法バラツキの和で算出される装置全体の寸法バラツキも大きくなり、ストロークの精度が出しにくいといった問題があった。更に、製造コストが掛かるので、生産性の低下も懸念されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題に鑑み、部品点数を削減して生産性を向上させることで、小型で信頼性の高いソレノイドバルブを安価に提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、図2に示すように可動鉄芯2の上面と底面にシート部を設け、且つ側面に軸方向に貫通する流路2cを設けて流路とした。請求項2の発明は、図1及び図3に示すように固定鉄芯4の軸方向に貫通するように流路4bが設けられている。請求項3の発明は、図3に示すように前記流路4bと連通するように固定鉄芯4の上面に軸方向に直行する溝状の流路4cを設けた。前記流路4cと前記ハウジング6の内側に構成される空間は3ヶ所目の圧力室(ウ)としての働きを兼ねている。請求項4の発明は、図1に示すように複数個の圧力室を全てハウジング6内に形成しバルブ機構を省略したことでソレノイドバルブ自体の小型化を実現した。
【0010】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施例であり、磁気回路を形成するステータ1、ハウジング6、通電により電磁力を発生するコイル5、前記コイル5を巻回するボビン7、可動鉄芯2、バネ3、固定鉄芯4から構成されている。これらの構成部品は全て、ハウジング6内に納められているので、ソレノイドバルブ全体がコンパクトな形状になっている。
【0011】ボビン7にはステータ1を収納するためのステータ収納部7cがボビン7底部に円周状に設けられ、C型のステータ1が円周状のステータ収納部7cに収納されている。他に前記コイル5に通電するためのリード線10が、前記ハウジング6の上面に開けられた穴6aを通じて前記ハウジング6の外部からコイル5に連結されている。図1に示すように、本実施例ではソレノイドバルブの底部に圧力室(ア)が設けられ、ボビン7の下部に圧力室(イ)が設けられている。圧力室(ア)と圧力室(イ)は流路8によって連通されている。
【0012】図2に示す様に、前記可動鉄芯2の上部に第1シート部2a、底部に第2シート部2bを設け、側面に軸方向に上面から底面まで貫通する流路2cを設けた。前記第1シート部2aとシート部4aは弁部Aを形成し、前記第2シート部2bとボビンシート部7aは弁部Bを形成し、それぞれ流体の導通の仕方を決定している。前記第1シート部2a又は前記第2シート部2bにより、弁部A又は弁部Bが閉じられたときに、可動鉄芯2と固定鉄芯4は確実に密着し、隙間から流体が漏れることはない。
【0013】図3に示すように、前記固定鉄芯4は軸方向に貫通する流路4bを設け、前記流路4bと連通するように固定鉄芯4の上面に軸方向に直行する溝状の流路4cを設けた。前記流路4cと前記ハウジング6の内側に構成される空間は3ヶ所目の圧力室(ウ)としての働きを兼ねている。そのため、従来例の様に3ヶ所目の圧力室(ウ)をハウジング6の外部に別体にバルブ機構として設ける必要がなくなりバルブキャップ9を省略できソレノイドバルブ全体の小型化が可能になった。
【0014】また、構成部品が少なくなったので製造が容易になり、生産コストを削減でき、個々の部品の寸法バラツキの和で算出される装置全体の寸法バラツキも小さくなった。
【0015】次に本発明のソレノイドバルブの動作を図1に基いて説明する。コイル5に通電を行わないとき、可動鉄芯2はバネ3の付勢力により固定鉄芯4より離脱し、ボビンシート部7aに当接している。このとき、第2シート部2bにより弁部Bは閉じている。流路8は遮断されているため、圧力室(ア)と圧力室(イ)は連通していない。
【0016】一方弁部Aは開いているので流路2cにより、圧力室(イ)と圧力室(ウ)は連通となり、中に充填されている流体は等圧となるべく、圧力室(イ)からボビン流路7b、流路2c、弁部A、流路4bを通って圧力室(ウ)に移動する。また、逆に流体が圧力室(ウ)から流路4b、弁部A、流路2c、ボビン流路7bを通って、圧力室(イ)に移動することも可能である。
【0017】リード線10に通電することにより、この電流がコイル5に送られることによって、コイル5は電磁力を発生する。この電磁力によってハウジング6、ステータ1、可動鉄芯2、固定鉄芯4は電磁回路を形成し、可動鉄芯2はバネ3の付勢力を上回る吸引力を発生し、可動鉄芯2は固定鉄芯4に吸着される。可動鉄芯2はこの吸着位置でコイル5の電磁力により保持され、弁部Aが閉じられ弁部Bが開放される。これにより、流路8が連通されるので圧力室(ア)と圧力室(イ)は連通になり、流体は等圧となるべくボビン流路7a、ボビン流路7bを通って圧力室(ア)、圧力室(イ)間を移動する。
【0018】更に実用的な例として、本実施例を車両等の燃料噴射装置に適用した場合について説明する。図1において、弁部Bはバネ3の付勢力により常に閉状態となっている。そのため、コイル5に通電中にコイル5が切れるなどの故障が生じた場合でも、弁部Bはバネ3の付勢力により閉弁状態を保ち、本ソレノイドバルブ内の高圧流体は全てボビン流路7bに溢流して噴射されることなく、エンジンは停止する。すなわち、断線故障が生じた場合には、弁部Bが閉じた状態を安全サイドとすれば容易にフェールセーフの機構が完成され、車両の安全性が確保される。
【0019】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は固定鉄芯4に設けた溝4cとハウジング6の内側に形成される空間を圧力室(ウ)としたため、従来例の様に3ヶ所目の圧力室(ウ)をハウジング6の外部に別体にバルブ機構として設ける必要がなくなりバルブキャップ9を省略でき、ソレノイドバルブ全体の小型化が部品点数の削減が可能になった。部品が少なくなったことにより、製造が容易になり生産コストを削減できる。また、個々の部品の寸法バラツキの和で算出される装置全体の寸法バラツキが小さくなり、信頼性の高いソレノイドバルブを提供することができるので産業上の利用可能性大なるものである。
【出願人】 【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
【出願日】 平成12年1月19日(2000.1.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−200950(P2001−200950A)
【公開日】 平成13年7月27日(2001.7.27)
【出願番号】 特願2000−9934(P2000−9934)